異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第五章―生と死と―

5−10・開戦

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―――帝国領内―――

ドスン……ドスン……ドスン……

地鳴りがし、サマーオトメ号は順調に帝国へと向かって歩みを続けていた。

「そろそろ帝国城が見える頃ね、舞、そっちはどう?」
「異常無しっ!あの山の向こうに行けば帝国城が見えそうよ、早紀ちゃん」
「わかったわ。帝国城が見え次第待機モードへ移行、全員配置について!桃矢!」
「あぁ……今、足を冷やしてる……」
「桃矢サマも、アンドロイドになったらいいノニ……」
「なるかぁぁぁ!!」

 帝国城が見える位置にサマーオトメ号を待機させる。しばらくすると、物見に出ていたカナデが帰って来た。

「報告致します。魔物は数万と思われます!主に帝国城に集結しており、城下ではまだ人間の生存が確認出来ました!」
「ご苦労、引き続き偵察を頼む」
「はっ!」
「さて、桃矢どうしようか……人間が生きているとなるとアトミックキャノンが使えない」
「そうだな……人間を避難させてから……と、そう都合良く行くかどうかだが」
「ここはやはり肉弾戦しかないカト……」
「メイの言う通りだな。舞はここで皆と城を守っててくれ。早紀とメイは人々の救出を……僕とノアは魔王を叩きのめす」
「そうね……それが良いかもね」
「ぬ!?わしもか!やれやれ……大盤振る舞いじゃの……」
「ははは!ノア、そう言うなって!乗りかかった何とやらだ!」
「ノアさん!桃矢くんをよろしくお願いします!」
「ぬぅ……しかし、あの数をどうやって切り抜けるのじゃ?」
「そうね!アトミックキャノンじゃぁ全部吹き飛ばしてしまうけど……」

早紀はそう言うと、ユリゲルさんとエルフ達に指示を出す。

「人間がいるのは、地上。つまり屋根より高い位置にいる飛行する物体は、人間じゃないわけだから……」
「早紀様、準備出来ております!」
「わかったわ!皆、目を閉じて!!」

キュイィィィィン――

甲高い音が城内に聞こえる。

「何が始まるんだ?」
「行くわよ!皆!ゴーグルを付けて!オメガアーク発射準備!!」
「はいっ!!」

キュイィィィィンキュイィィィィンキュイィィィィン!!!

「充填百パーセント……目標捕捉!!」
『オメガアーク!!発射!!!』

チュイン――

一瞬、帝国の上空が光るっ!!
そして横一直線にレーザーの激しい光の残像が走る!!

チュドォォォォォォォン!!!
ゴゴゴゴ……

「もう目を開けていいわよ!!かなりの数の魔物が切れたわ!!」
「あぁ……う、うん……またそんな兵器を作っちゃったんだね……」
「オメガアークよ!超圧縮した光を熱に変換して全てを焼き切るの!!」
「ぬ……悪魔より悪魔じゃの……」
「早紀ちゃんが悪魔になっちゃった……」
「早紀サマはもう人間じゃナイ……」

 飛行していた魔物はほとんどがもういない。しかし、それに気付いた地上の魔物達はこちらへめがけて襲いかかってくる。

「力を温存したい所だけど、そうも言ってられないな」
「ミーサ様、背中のシールを――」
「まかせて、メイ!」
「エルフ達!城壁砲の準備を!ユリゲルさん!砲弾を!」
「早紀ちゃん!後は私が!」
「舞!お願いね!」

 サマーオトメ号から飛び出した僕とノア、早紀と猿鬼、そして誘導人員としてミーサとビル達数人の兵士が加わる。

「ぐぁぁぁぁぁ!!猿鬼奥義!!邪鼓舞!!」

猿鬼が叫ぶと、僕達の腕が光り始め空へと赤い閃光が登る。

「久々だな……この感じ……負ける気がしない」
「桃矢!!無理はしないでね!」
「あぁ……行くぞ!!」
「桃矢くん!早紀ちゃん!猿鬼さん!ノアさん!愛を頼みます!!」
「ぬ……わしも入っておるのか……仕方ないのぉ……」

舞がサマーオトメ号のてっぺんから号令をかける。

「皆さん!!きばりぃやぁ!!」
(愛……待ってて……)

舞が上空へと腕を伸ばし、そして唱える。

『断罪の閃光――』

 空に無数の赤き光が浮かび、雨の様に魔物めがけて降り注ぐ!!
 光は魔物を貫き、無数の魔物達は雄叫びをあげ消えていく――

「さぁ!開戦だ!!」

―――帝国城内―――

ぐるぅぅぅぅ……

城内は魔物で埋め尽くされている。
魔王は城内で鬼門を見つけていた。

「……鬼共が来たか。おい、お前ら行って来い」
「ハッ……」

帝国城のベランダから城下を見下ろす一人の女性の影……

「オニヲ……コロス……」

雲間から見えるその人影は、目は光を失い、体中に紋様が浮かび上がり、口は耳まで裂けていた……



運命の歯車が動き出す……

カチカチカチ――

―――百年前―――

――時をさかのぼる事、百年。

「ここは……どこだ……?」
「ジオナ様……私達にもさっぱり……」

百年前の帝国になる以前のマルクの街郊外。
ここにジオナとキシボイン、数人の鬼の姿があった。

「さっきまで山で狩りをしていたはず……急に空が光ったと思ったら、ここに……」
「私もです。ジオナ様……」
「キシボ……そなた怪我はないか?」
「はい、どこも痛いとこは御座いません」
「お主達は大丈夫か?」
「はい、ジオナ様。しかしここはどこでしょうか?」
「皆目見当がつかぬ……」

それは鬼と人間の悲しい過去の物語……
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