異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第六章―愛すべき人―

6−1・鬼と人間のはじまり

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―――キュウカ島―――

――数十年前。

 ジオナ達が鬼の里からエスポワール大陸に来て、数十年が経った。
 ある鬼は人間を喰らい、戦をし、またある鬼は平和を望み、子を作った。

「父上!!エルバルトの街は今や王国を名乗り我ら桃之家すらさげすむ始末!人間共にこれ以上好き勝手を――」
「落ち着け、太郎。気持ちはわかるがわしらは所詮、異世界の鬼。人間の世界で向き合い対等に生きていくのは大変なのじゃ。いいか、わしらが力を使い人間を平らげたとて、お主らの子供達の未来はないぞ?」
「しかしですね!これ以上人間の言う事を聞くばかりでは――」
「まぁまぁ、太郎兄さん落ち着いてください」
「次郎は黙ってろ!お前ら桃園家はいつも人間の肩を持つ!鬼の血が流れてないのか!」
「太郎兄さん言い過ぎです!」
「二人共やめぬか!兄弟で争うてどうする!三郎を見習え!」
「三郎は……桃矢家はもう駄目です!人間と交わるなど言語道断!破門すべきです!」
「はぁ……太郎よ。長男としてお主に家業を継がすつもりじゃったがこれでは話にならん……兄弟でもう一度、鬼と人間との未来について話し合うが良い」
「父上!お待ちくだ――くそっ!!」

 ジオナとキシボインの間には三人の子が出来た。長男、桃之太郎。次男、桃園次郎。三男、桃矢三郎。三人の子は二十歳になる頃にはそれぞれの名字を与えられ別の街で暮らすようになる。
 桃之家はエルバルト王国。桃園家はマルク街。そして桃矢家はムルーブ街。これはジオナが考えた人間との交流の一環であり、また鬼同士のいざこざが起きぬ策でもあった。
 しかし、息子達をバラバラにしたジオナとキシボインは子育ての仕方でいざこざが絶えなかった。

「あなたっ!どうしていつも勝手に決めるのですか!息子達を別々の人間の街へ住ませるなんて!特にムルーブ街は悪党が多いと聞きます!なのに!なぜ!歯を食いしばりなさい!」
「ちょ!落ち着け!キシボよ!子供達はこれからこの世界で生きていかないと――」
「いいえ!皆で鬼の里へ帰るのです!それにあなた!私の知らない娘と、あなたが歩いてる所を見た子がいるの!名前は……そう!ロザリア!その娘は何なの!」
「あぁ……えぇ……と……ロザリアは妖精族の――」

『離婚だわ……』

「え?ちょ!キシボ!待ってくれ!話を聞いて――」

バタンッ!!

「はぁぁ……参ったのぉ……」
「ジオナ様。ツクヨミノミコト様が謁見に来られておられます」
「はぁぁ……次から次へと……お通しせよ……」
「はっ!」

―――ムルーブ街―――

「三郎様、はじめメシテ。神の使徒コードARU02デス。よろシクシク」
「君は?」
「三郎様、はじめメシテ。神の使徒コードARU02デス。よろシクシク」
「……」
「……」

 桃矢三郎。ジオナの三男にして、キシボが愛する子供の一人。
 そこに使わされた神の使徒。何でも想像主アリスの加護を受けているとかいないとか……

「で、チエさん。このロボットはどうしたらいいんだい?」
「えぇと、キシボ様がお預かりになられたとかでしばらく面倒を見てやってくれと……」
「はぁ……母さんは機械とか苦手だからなぁ……」
「そうおっしゃらずに……三郎様。明日は娘のチホの誕生日ゆえ、お休みを頂きたいのですが……」
「あぁ、構わないよ。明日は母さんの機嫌でも取っておくよ。また父さんと喧嘩したみたいだから――」
「フフ、喧嘩するほど仲がよろしいのでは?」
「そうなら良いけど……はぁ……」
「タメイキをツクト、シアワセガ、ニゲマスヨ」
「やかましいっ!」
「あはは!面白いロボットさんだこと」
「勘弁してくれ……」

 三郎はムルーブ街で人間族との共存を望み、寺院を建て人々が集まれる場所を作る。人々は大変喜び、そこにキシボジンの像を建てる計画をしたと言う。

「こちらに三郎さんはおいでますか?」
「ん?私が三郎ですけど、どちら様ですか?」
「あぁ、あなたが三郎さんですか。申し遅れました。自分はサルワタリ家の者にて、猿鬼と申します。以後、お見知りおきを……」
「猿鬼?……鬼の血が入っているのか?」
「左様。父は公爵、母は……鬼の血族。私は世間では異端の鬼として、厳しい風当たりでして……」
「……おい。まさか母親を置いて逃げてきたのか」
「滅相もない!母は数年前に他界しました。そして先日、ジオナ様の元を訪ねた際にこちらでお世話をしてもらうようにと言付かりまして」
「あぁ、そういう事か。ちょうどいい。このロボットを……おぉい!二号!」
「ハイハイ!お呼びでスカ!ご主人サマ!テヘペロ!」
「この……ロボットは?」
「神の使徒だそうだ。面倒を見てやってくれ」
「嫌です」
「イヤデスネ」
「はぁ?お前らここに住むんだろう?つべこべ言うな」
「なんかこう生理的に受付けないと言うか……」
「オトコナノニ、セイリフジュンカ?キモ」
「……気が合いそうで良かったよ。さて、ちょっと出かけて来るから二人で留守番しとけよ」
「三郎さん!ちょっと!」
「OH!ガッテム!!」

 メイと猿鬼の出会いは最悪だった。この後、戦争に巻き込まれ猿鬼はメイの中へと封印される。そう、アンドロイドは鬼を封印するために作られた言わば入れ物だったのだ――
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