異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第八章―赤蛇様―

8−6・デゼスポワール大陸

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【デゼスポワール大陸】
―――カラミニクナイ王国―――

「国王様!ご報告申し上げます!現在、おにぎり丸旅団が死者の泉にて鬼斬丸旅団と交戦中との事です」
「申し上げます!赤蛇様が双竜島に移動中とのことです!」

 次から次へと早馬や、物見が帰ってきては国王へと報告が入る。

「古文書の通りか……誰ぞ、五老星を呼べ」
「はっ!!」
「二つの世界が交わる時が来たのか……」

国王は重い腰を上げ、会議室へと向かった――

―――鬼の里―――

「サクラ様!いかがなさいますか!」
「えぇい!うろたえるな!里の者全員、長の館へ入れよ!女子供は地下へ!」
「はっ!」
「サクラさん!私は桃吉さんの元へ向かいます!」
「チカゲ殿!危のう御座います!」
「いいえ。私にも出来る事があると思います」
「……左様ですか。わかりました。必ずまたお会いしましょう!誰ぞ!護衛を集めよ!」
「ありがとうございます!行って来ます」
「……兄上様、姉上様、どうかどうかお守り下さい」

―――カランデクル国―――

「即刻鬼斬丸を捕らえよ!」
「はっ!」
「国王様!!赤蛇様は双竜島に向かわれた模様です!」
「ぐぬぬ……少し席を開ける」

ガタン――

「異世界より鬼が来るとき、世界は崩壊する――」
「婆様!こんな所においでたか!」
「国王よ、諦めよ」
「しかし――」
「どちらにせよ……じゃ」
「婆様、赤蛇様は本当にこの世界を滅ぼすのか?」
「言い伝えによると、千年に一度蘇りし大蛇は世界を飲み込みこの世界を何もない世界へと返すとある」
「……そうか、しかし何もせずこのまま指を加えて見てろと言う方が無理な話だ。できる限りの事は致そう……」

 この時カランデクル国王は考えていた。最悪この世界だけでも守らねば……と。

【エスポワール大陸】
―――オニノ国―――

「早紀ちゃん!マイア城と、バナナ街の避難は済んだわ!」
「舞!愛!良かった。間に合ったみたいね!」
「早紀さん、ねぇさん、これを見て」
「愛、これは?」
「トメト村にあった古文書なの。かつて私が封印された場所にあったのよ」

ペラ――

『世界の理』

 エスポワール大陸とデゼスポワール大陸は元々一つの大陸であった。大昔、天照大御神によって複製されたのがデゼスポワール大陸である。エスポワール大陸の裏の世界として存在する。
 人も動物も同じ様に複製され、かつては複製物と呼ばれていたが現在に至るまでに長い時をかけ双子としてそれらは存在する――
 相対たる物は時として形を変えたが、元は同じ魂から生まれた。デゼスポワールの赤蛇と対になるものその名は――

『オヘビウェポン』

――赤蛇をモチーフとして造られたその兵器は赤蛇の魂を持ち、鉄の様に硬い皮膚を持つ。
 三日三晩のうちに世界を滅ぼすだろう。まさに古代兵器。神はなぜこんな危険な兵器をこの世界に残したのか。

――パタン

「赤蛇にオヘビウェポン……」

ガタン!!

「申し上げます!!南方向から何者かがこのオニノ国へ向かっているとの事です!!」
「……舞、サマーオトメ号を起動させて。私達に害する者は神であろうと兵器であろうとすべて駆逐してやる」
「はっ!?早紀ちゃん!?そんなこと出来るわけが――!?」
「やるのよっ!!出来なくてもやるの!!」
「早紀ちゃん……わかった。愛、皆を集めて。サマーオトメ号を動かすわよ」
「はい、ねぇさん」

 早紀達は、オニノ国でまだ見ぬ敵を迎え撃つ準備を整える。

―――エスポワール大陸南の山脈―――

「はっはっはっ!!愉快!!すべて飲み込んでしまえ!!」
「桃之丞様、封印を解除した転移門はいかが致しましょう?」
「はっはっはっ……転移門か。ほっておけ」
「ほぅ、これが転移門か。桃之丞様、わしが使っても?」
「ハリス公よ、好きにするがいい。俺はアレを追う!」
「御意……」

 エスポワール大陸に出現したソレは、桃之丞、ハリス公爵が率いる元エルバルト王国の残党が封印を解いていた――

【デゼスポワール大陸】
―――双竜島―――

「伝承によれば赤蛇様が蘇る時、古代兵器も姿を現す」
「しかし、古代兵器の姿はどこにも……?」
「それが……封印を解除したのですが、何も無かったのです……」
「どういう事じゃ……」
「わかりませぬ……」

 カラミニクナイ国の東の島、双竜島。かつて古代兵器が封印されし島。しかし封印されたはずの古代兵器はどこにも無く、洞窟内はもぬけの殻だった。
 
 一方、桃矢達は赤蛇様を追い双竜島へ向かっていた。ただ、桃矢の心は晴れない。トキや陽子が裏切ったきっかけもあったのであろう。しかしもっと心の奥でモヤモヤしたものが渦巻く。

「ノア……僕は何か大事な物を見落としてる?のか?」
「ぬ……それがお主の心が晴れぬ原因かえ?」
「わからない。トキさんや陽子先輩が裏切った事に正直戸惑っている。だけどあの赤い空を見た時から……もっと大事な事を忘れているような……」
「とっとっと!!赤蛇様のしっぽが見えたよっと!」

バリバリ――

 タケミカヅチが操る雷雲の上から、赤蛇様に追いつこうとしている。その時だった。桃矢の頭の中に直接声が聞こえた――

『思い出しなさい。あなたは私が命を預けたお人――』
「……!!」

桃矢の心の霧が少しずつ晴れていく――
そして桃矢は幼い頃の夢を思い出していくのであった――
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