異世界ざこぴぃ冒険たん

ざこぴぃ。

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終わりと始まり

第13話・終わりと始まり

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―――異次元空間・アリスのお部屋―――

「なぁ、アリス。これが死ぬって事なのか?これで2回目……」
「――何を言うておる。お主は3回目じゃ」
「え、2回目じゃないの?……まぁ、2回でも3回でもいいけど。これからどうするの?アリスも死んじゃったし」
「わしは死んではおらん。死ぬどころか、元気になったみたいじゃ。しっしっしっ!」
「だってさっき魔法を唱え終えたら消えただろ。魔力を使い果たして……」
「何を言うておる。あれは合成召喚魔法……わしがわしを召喚したのじゃ。あれはわしの足じゃ」
「はぁ?何を言っているのかわからない……それより僕はどうなったんだ?」
「お主の肉体は完全に限界を超えた。じゃがの。奇跡ってあるもんじゃな……ぷぷぷっ」
「さっさと言わんかい」
「よく聞け。お主の体とわしの体は一瞬だが同化した。その瞬間、お主は神族となった。その時に奇跡が起きたのじゃ。魔物を数万体討伐することに得られる経験値、すなわちレベルアップ。本来、人間族であったのならばお主の肉体も魔力も限界じゃ。じゃが、魔物を倒した時は神族じゃった」
「は、はぁ……?」
「鈍感じゃの。魔力の限界値が神レベルになったのじゃよ。だからわしもピンピンしておる。今までは人間の器の魔力で窮屈じゃったからな。ほれ、お主の能力値を確認してみろ」

眉間にシワを寄せ、意識を目の前に集中する。

【name・ハルト 種族・人間族&神族(複製体)・成長値・・固有スキル・THE複製コピーサブスキル・鋳造合成】

「……何だこれは?」
「前にも言うたと思うが、わしの肉体は魔力と共にある。人間族の体を借りて生きるということは本来、寿命を縮める行為なのじゃ。お主の体が神レベルになったことで、わしは生き返ったようじゃな。しっしっしっ!またよろしくの。複製3号!」

ぽかぁん……と、口が開いたままの僕。

「まぁ、いずれ、お主を媒体に選んだ理由も思い出すじゃろ。今はほれ、ゆっくり休め。感謝しておるぞ……」

 そうアリスが言うと、すぅと意識が無くなっていく。きっと僕では到底及ばない事をアリスがしてくれたのだろう。
 ありがと……う……アリ……ス……。

―――ウェスタン王国―――

 ――数日後。

「うぅ……ここは……?」

 眩しい……目を開けると白い天井が見える。ここは天国ではなく、ベットの中なのか?

「ハルト様!ハルト様が目覚められましたっ!」

 バタバタと廊下を走る音が聞こえる。廊下は走ったらだめなんだぞ。

『ハルトっ!!!』
「ハルト様っ!」

 ゼシカ、エル、リンそしてメリダが飛び乗ってくる。苦しい……苦しいけど、いい匂い……そして柔らかい。幸せを感じる。生きてるって素晴らしい。
 ん?ちょっと待て……体が動かない。そうかこれが複製3号か。なるほど、死んで新たに複製されたのか。慣れるまでまた体が重いな。

「さっさと起きぬか。この外郎めが」
「はぁ?アリス!人の体を好きな様にいじっておいて何を……?何を?ん?」

 アリスの分体が透けていない。透けてないどころか、はっきり見える。他の人もアリスに気付き、頭を下げている。

「どういうことだ!?」
「本来の魔力が戻ったからな。分体を実体化できたのじゃ。のう、ゼシカ」
「はっ!アリス神様!おっしゃる通りでございます!」
「うむ、楽にせい。堅苦しいのは嫌いじゃ。アリスでよいと言うたじゃろ。実体化はできたが魔法はまだ使えん。とりあえずハルトにはしばらく魔力供給をしてもらうかの……命の恩人じゃしな、わし。しっしっし」

「へぇ……そうきたか。……うめこ」
「ピキっ!!」

べしっ!!

 アリスのちょっぷが頭を貫く。まじで痛い。これは夢じゃない。

「うめこ?……て何で御座いましょうか?」
「うめこ……ぶ茶は無いのか!ゼシカ!すぐに用意せい!ハルトが……そう!喉が乾いたそうじゃ!」
「はっ!ただちにっ!」

 をいアリス。今に見ていろ。いつかはずかしめに合わしちゃる。

―――ウェスタン王国客間―――

 さらに数日後……。

 王宮の客間で休養させてもらっている僕達パーティー。明日、今回の討伐の功績を称える祝賀会があるそうだ。
 あの後、戦場で気を失った僕。死ぬ間際にアリスが複製をし僕の体を蘇生した。周りからはわからないだろうが、前の僕は死んだのだ。
 その後、城騎士団達が到着し、残りの魔物を討伐したそうだ。すでに魔物に戦意はなく、あっけなく撤退したという。気になるのは死ぬ間際のヴァンパイアが確認されたこと。姿形からヴァンパイアだと判断された。
 あとはオーガロード、サーペントナーガ、ゴブリンキング、高クラスの魔物が虫の息だったがすぐに息絶えたそうだ。
 この世界では魔物が死ぬとドロップアイテムに変わる。僕のアイテムボックスもいっぱいになっていた。おまけに金貨も。副産物とでもいうのか。ゼシカ、エル、リンの3人もパーティーだったので、アイテムや金貨は4等分されたみたいだ。

 メリダもゼシカ達とすっかり仲良くなっていた。アリスが事情を話し、サキュバスに操られていたとわかり、お互いに生きて帰ったことを喜んだという。

 さて、明日は祝賀会。褒美を考えておけ、と言われたな。僕がやりたいこと。それは子作り……いや、それはアリスの使命だ。
 そうだな。アリスの故郷……中央都市の復興、そして僕が国王になる。そしてハーレムを作る!よし!これでいこう!

べしっ!

「いてっ!」
「却下じゃ。神の子は6人で良い」

 アリスに心の中を全て覗かれてしまった。この暴力神めっ!いつか罰が当たればいいのに!

◆◇◆◇◆

 僕の異世界生活はまだ始まったばかり。3度死んだらしいけどまだ始まったばかりだ!
 現世では考えられないような事ばかり……だけどこの世界で良かったと思えるようになっていた。
 国を作るのが早いか、子供を作るのが早いか、この世界が終わるのが早いか。
 当分、僕の使命は終わりそうにないっ!


―第1章完―
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