異世界ざこぴぃ冒険たん

ざこぴぃ。

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国作と往古来今

第14話・謁見と褒美

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―――ウェスタン王国王広間―――

 僕達は、先の魔物討伐で功績をあげたとしてウェスタン国王に謁見する事になった。

「皆の者、おもてをあげよ」

 正面に座するのが、ウェスタン国王。横に王妃が座っている。その後ろに男の子と女の子の姿が見える。
 女の子の方に見覚えがある。あれはチグサじゃないのか?

「冒険者諸君、先の討伐見事であった。話はギルドマスターのラルクから聞いたぞ」
「はっ!国王陛下。この者達は十万の魔物を倒し、この国、いや、この大陸を救ってくれた勇者で御座います」
「うむ。顔をよく見せてくれ。名は何と言う?」

「センケハルトと申します」
「エルクラウドと申します」
「リ、リン、ドラコ……ですっますっ!」
「ゼシカシリウスです……」
「メリダエルバルトと申します」

王妃が小声でゼシカの名を口にした。

「チッ、ゼシカ……」

この王妃は悪役のかほりがプンプンする。

「コホン。うむ、そなたらに褒美を授けよう。できる限りの事はしてやる。何が望みぞ」
「えと!ぼくはっ!ぼくの望みはっ!」

 まさかのリンが一番に望みを言うとは思わなかった。しかし魔法書でもおねだりするつもりなのだろう。僕は先に答えがわかり、思わずニヤついてしまう。

「ハ、ハルトの子供を産むことですっ!!」

シーーーーーーン。
一瞬で大広間にいる全員が凍りつく。

「う、うむ。が、がんばりたまえ」

 国王もどう返事していいかわからず、なぜか応援してしまう。
 ざわざわし始める大広間……。

「不貞なっ!勇者殿までにニヤニヤして気持ち悪い!」
「は?……ちがっ!違います!そういうニヤニヤじゃなくて!これは――!」
「私も……ハルトの子供が欲しい……」

真っ赤になってエルまでもが言う。

「お、おい!エ、エル!?君まで何を!」

 見かねたゼシカが立ち上がり、2人を指差し注意をする。

「お、お前たちぃぃっ!私が先だッ!」

 言った矢先にゼシカが真っ赤になる。……なんだこのもらい事故は。

「は……ははは……は……いや、ちょっと皆、待ってくれ……大衆の面前で何を言ってるのかなぁ……?」

 僕がゼシカ達に声をかけると、メリダまでも何も言わず真っ赤になっている。
 大広間はざわつき始め、国王が一喝するのを待つ雰囲気をかもし始めた。すると……。

「コ、コホン。ゼシカよ。お前まで何を言い出すのだ」
「お、お父様、申し訳ございません……」
「は?お父様?」
「お父様……実は先の討伐で私がオーガロードに舐められ、汚され、殺された所、ハルトが助けてくれたのです。私はもう身も心も彼に……うぅっ……!」

ガタンっ!立ち上がる国王。

「ふぅ、ゼシカよ。あ、あとでじっくり話を聞かせよ」
「ちょ、ちょっと!ゼシカ!その言い方は誤解を生む――!」

 いやいやいやいやいやいや!おもしろいねぇちゃんだな!オーガロードの口に入ってベタベタはしてたけども!!

「あぁ……ちょっとよろしいでしょうか?国王様。いや、わしも信じられないのですが、冒険者の話によるとゼシカ殿は一度は本当に殺され、このハルト殿が生命帰還リザレクションを使用する所を見たと言う者が多数おります。ゼシカ殿がここにおられるのはハルト殿のおかげというのは間違いではございません」

 ラルクのおっちゃんナイスフォロー!ラルクのおっちゃんと目が合う。グッジョブ!

生命帰還リザレクション……そんな魔法が存在するのか?」

 宮廷魔道士達がざわつき始め、首を横に振っている。

「6ランクの魔法だろう?さすがに人間族では無理だろう……?まさか勇者殿は魔物なのでは……」
「しずまれっ!宮廷魔道士ども!ふんっ。元々、死んではいなかったのだろう。たまたま気を失ってるとこを助けただけだ!」

王妃の言葉で王広間が一瞬で静かになる。

「勇者殿。どこまで本当か知らぬが、噓偽りをこの場で述べたら勇者殿とて処刑だってありうるぞ」

 カチン――おい、おばさん。それが命がけで国を背に戦った者への言葉かっ!
 その時だった!王広間の扉が開く。

バタンッ!!

「想像しいのぉ。わしが美味しい物を食べてる時くらい静かにせい……」
「アリスっ!!」

 アリスはイカの丸焼きをくちゃくちゃ食べながら大広間に入ってきた。赤い絨毯にはイカ汁がポタポタとたれている。

「なんだっ!貴様っ!」

 護衛達がアリスに剣を抜こうとすると、国王が制止した。

「静まれっ!護衛兵!剣を収めよっ!」
「ほぅ……」

 くちゃくちゃ……と、イカを食べながら国王に向かって歩くアリス。

「そなたは何者じゃ?」
「わしはこの大陸の創造神アリスじゃ。貴様ら皆……コロスゾ?」

 シーーーーーーンと、王広間が静寂と緊張に包まれた。いや、イカをくちゃくちゃしながら言われても、とツッコミたくなるのを僕は我慢する。

「おい女、そこをどけ」

アリスは王妃に椅子を開けろと言っている。

「ふ、ふざけるな!護衛!何を見ておる!その女を引っ捕らえよ!!」
「……は、はっ!」
「やれやれ……」

 めんどくさそうにアリスは答える。そして『精霊声帯コトダマ』そうつぶやいたのが聞こえた。

『平伏せよっ!』

 ガタッ!と王妃が立ち上がり、いきなり床に伏せる。護衛達も床に伏せる。

「今のは魔法?精霊のたぐいか?」
「うむ」

 アリスが王妃の椅子に座る。そしてイカ汁のついた手を椅子で拭く……おいおいきたねぇな。

「国王よ。お主の後ろにある石像は誰じゃ?」
「そ、創造神ア、アリス様ですが……!?ま、まさか!?」
「神に逆らうとどうなるのか、見たいのかぇ?」
「い、いえ、滅相もない。まさか本当に、アリス神様なのですか……?」

涙目の国王。ふぅ、と一息つきアリスが続ける。

『解除』

呪縛が解けたように王妃、護衛達が息をする。

「無論、本物じゃ。その証拠にその石像がウリ二つじゃろ。……お主の側近とチグサ、それとそこの護衛。他は全員下がれ。邪魔じゃ」

 アリスに言われるまま、王妃の部下一同王広間から退場した。

バタンッ!!

「くっ!忌々しい小娘めっ!覚えておけ!」

―――王広間―――

「――さて本題に入るぞよ。王よ、わしらはこれから中央都市リベラルの復興に入る。可能な限りの援助とそこのハルトの言う通りにせよ。あとチグサ……いやプリン。お前帰ってるならさっさと言わぬか。探したぞ。それからそこの護衛。お主、ここの者ではないな。名を名乗れ」

急展開に、その場にいる全員がぽかーんとする。

「………」

 最初に動いたのは護衛兵だった。ガチャと兜を外す護衛兵。そこにはブロンドの長い髪をした美女がいた……。
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