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青年期:修行編
委員長
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馬鹿騒ぎを終えて倒れてしまった王族達を部屋に運び終えたエルピスは、一人で王国の医務室へと向かっていた。
目的はただ一つ、委員長、幹に出会うためだ。
本来ならば昨日のうちに来ておきたかったところではあるが、昼間は基本的に寝ているとフィトゥスから聞いている。
元々夜に行くつもりだったので問題がないと言えばないのだが、そうは言っても想定していたよりもはるかに遅い時間になってしまっていたので、起きているかは怪しいところでもあるのだが。
この長い廊下を歩くのは一体何度目だろうか。
歩く度に何か面倒事に巻き込まれているような気がすると同時に、そのおかげでかつての様々な記憶もいくつか思い出せる。
「失礼します」
木製の扉をノックした後に開け、エルピスは中へと入っていく。
消毒液特有の匂いが鼻の奥を刺激し、なんとも言えない気分になりながらエルピスはしきりの奥の人物のもとへ向かう。
薄い布で作られたしきりを開けてみればそこには少し大人びた幹が、昔と同じように呑気によだれを垂らしながら眠っていた。
「ーーったく人が心配で来てみたら、変わらないな」
「……んっ、晴人? って見えないよ手で隠さないで!」
椅子に座り何気なく思ったことを呟くと、いつのまに起きた幹に慌ててエルピスは手で目を隠す。
顔を見られてしまうといまから話づらくなる、殺しに行った相手が幹だとしたらエルピスだってそうなるだろう。
だからこそ顔を隠しなんとか技能を使って前世の自分の声を真似しつつ、エルピスはそのまま話を進める。
「うるさい怪我人は静かに寝てろ。傷口が開くぞ」
「……良いんだよ僕の傷は。それにしても晴人今までどこに居たの? 遥希君達はこの前お見舞いに来てくれたんだけど」
「ちょっと野暮用で外してたんだ、最近こっちに戻ってきたばっかでさ。遥希達ともまだ会えてない」
「そうなんだ。あのさ……ちょっと僕の話、聞いてくれない?」
エルピスの手に自分の手を重ねるようにして被せながら、幹は少し震えた声でそう言った。
エルピスは幹が犯した罪を知っている。
邪神であるエルピスは罪を見る事ができるし、何をしてきたかを知る事ができるからだ。
だがエルピスが知っていることを幹は知らない、だからこそ嫌われる事を覚悟で自らの罪を告白しようとしているのだろう。
「ーーいいよ」
「ありがとう。晴人、僕さ……人を殺したんだ」
重ねた手が強く握られ、エルピスはそこに込められた想いの大きさに気づく。
この数日間の間に様々な葛藤があったようで、エルピスが手で隠しているので目は見えないが口元が硬く噛みしめられ後悔の念に苛まれているのが見て取れた。
人を殺すのは確かにいけない事だ。
幹の場合は無抵抗の者も殺した事があるようなので余計だろう。
正義感の塊のようだった幹がそんな事をして、気が狂っていないのは幸か不幸か倫理観を消された状態での犯行だったからだろう。
倫理観さえ消されていなければ幹もそんな犯行に手を出さなかったのだろうが、そのおかげでいま発狂せずにいられるのだから困ったものだ。
自らの手で罪を犯そうとも、殺す事に対して何も感じていなければ、それは主観で映像を見ているのとなんら変わらない。
だが今となってはその呪いもエルピスが解呪してしまったので、これから長い時の間で幹は殺した人達の罪滅ぼしをして過ごしていくのだろう。
幹の言葉からはそれくらいの覚悟と後悔を感じられた。
「そうか」
「ついこの間まで、まるで喜んでいるかの様に笑いながら人をいっぱい殺したんだ。自分でも自分が信じられないんだけど、事実は事実なんだよね」
「そうだな。俺も同じ罪を犯したから分かるよ」
自らの意思で手を下したエルピスか、洗脳によって手を下した幹か、どちらかが悪いなどは判断のつけようもない。
人を殺したという事に変わりはなく、そこにどんな事情があったにしろここ異世界においては状況次第では罪にすら問われないものであろうと罪は罪なのだ。
「ーー晴人も誰か……殺したの?」
「幹よりも沢山な。それに俺はこれからも自分の、俺の大切な人を傷つけた奴らは許したりしない」
これから先も何度となく戦闘になることがあるだろう。
この世界で生きていく以上は仕方のないことではあるし、エルピスも出来ることならば人を殺さずに対処したいところではある。
だが敵を助けることに意識を割いて自身の大切な人達を殺されてしまえば意味がない、だからこそ余程の力の差がない限りこれからもエルピスは相手を殺すだろう。
決意を胸にそう言ったエルピスに対して、幹は少し笑みを浮かべながら言葉を発する。
「変わってないね晴人は。昔からそうだったね、おばさんのときもそうだったし」
「ーーっ! その話はなしだろ、久々に会ったお前と喧嘩したくない」
遥か昔の、この世界に来る以前の記憶が蘇り、エルピスは少しだけ声を荒げながら幹に注意する。
普段感情を抑制しているエルピスですら荒ぶってしまうほどの怒りを前にして、だが幹は臆することなく進んでいく。
「……ごめん、悪かったよ。でも一つだけ教えて、妹は、相良ちゃんの事は後悔してないよね?」
「ーーしてない。昔から言ってるけどそれだけは絶対に後悔しないって決めてる」
もう二度と合わない妹のことを思い出しながら、エルピスは幹に対して力強い声でそう答える。
そこに先程までの怒りは見えず、もう既に怒りはどこかに霧散したのかそれよりも悲しそうな顔の方が目立った。
過去の事を思い出しているのだろうか、二度と会えない妹のことを思い返すと少し涙腺が緩む。
そんな中ふと幹は目を隠しているエルピスの手を上からなぞると、疑問を呈した。
「そう言えば手の傷、無くなったんだね。結構深く跡になってたのに」
「ーー消したんだよ、この世界に来てすぐに。もう思い出したくなかったから」
「ーーそっか、ところでさ晴人」
「なんだ?」
正確には消したのではなく消えたのだが、とは言っても既に関係の無いことだ。
幹の方から話題を変更され何かとエルピスが聞き返すと、目元はエルピスが隠しているため見えないが先程よりも真面目な雰囲気を纏いながらゆっくりと口を開く。
「お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
「さっきからいちいち確認とって来ないでも俺とお前の仲だろ、どうしたんだ?」
「晴人ってさ、確かいま神様だよね?」
いま思い出せば神の力を手に入れた時に幹は隣にいたのだった。
転生して15年以上も経っているのですっかりと忘れてしまっていたが、エルピスに神の力をとるように進めたのは幹だった筈だ。
この世界でエルピスが神である事を知っているのはニル、セラそしてこの間からフィトゥスとフェルもだが意外なところに五人目がいる。
そう言えば知っていたなと思うもののそれだけであって、幹の質問に対して平常心でエルピスは聞き返す。
「ん? ああそうだよ、神様だよ。どしたの? 人の蘇生とかは無理だよ?」
「ーーそうだよね、ごめん変なこと聞いて」
「残念だけど幹、この世界に蘇生魔法は存在しない。死んで十分くらいなら無理やり生き返らせる事はできるけど、死んで一時間も経ったら次の世界に旅立つからね」
蘇生魔法の有無については既に随分と昔セラに確認している。
エルピスがなるべくアウローラ達の近くにいるようにしているのはもちろんその身を守るためでもあるが、万が一の場合でも蘇生が間に合うようにするためだ。
この世界では伝説としていくつか蘇生魔法に関する記述がなされているが、そもそも消費魔力の関係上魔神ではなくとも最低限神の称号は必要になる上に、幹にも言った通り一時間以上経過してからの蘇生は不可能である。
では何故そんな伝説があるのかと言えば、いくつかは神による本当の蘇生で、残りは半分は嘘でもう半分はアンデットとして蘇生させたと言ったところだろう。
アンデットは前世の自分の行動を真似して動く特性があり、技能を使用してアンデット化すれば殆ど生前と変わらないように動く事ができる。
共和国で戦った空などがいい例だ、あれは既に死んだ器に技能で無理やりしがみついていたようだが、残留思念のようなものがくっついていただけであって大まかな部分は既に転生していた。
「お見通しだったか」
「神ですら触れられない禁忌だよそれは。もしできたとしても一人か二人、それくらいじゃないかな」
「そっか。ごめんね勝手に頼りにして」
一人や二人とは言ったが、それも世界の法則を無視する必要があるので出来たとしても魔神くらいのものだろう。
別の世界から無理やり魂を引きずってこの世界に持ってくる必要があるので、常識改変や世界を跨ぐことによる消費魔力の増大などでかなり厳しくなるはずだ。
地球に転生していたのなら簡単に済むだろうが、そうでなければ魔神の力でも怪しい。
「気持ちはわかるから別にいいよ、俺だってやれるならしてあげたかったし」
残念そうな顔をしている幹に対してエルピスはそう返すが、してあげたかったと言うのは幹が殺した人物に対してではない。
自分が殺した相手に対してだ。
転生を早めるようにするのは〈浄化〉を使えば出来るが、転生先を固定するほどの能力はまだエルピスにはない。
長く生きていれば転生先の固定なども出来るようになるのかもしれないが、器を用意してそこに移し替えるのがいまのエルピスならば精一杯だろう。
魂の操作は技術力ではなく完全な経験なのだ。
「ありがと……これからどうするの晴人は」
「雄二が怖いけど逃げまわってもいられないからね、いろんな国に出て雄二に対抗する手段身につけないと」
「あいつの周りには十人以上クラスメイトがいるよ、女の人も含めるともっとかな。たぶん王国に居ない人の八割くらいはもうあいつの手下だと思う」
これはいい情報を聞けた。
遥希達は共和国に移動後すぐに雄二達との連絡を絶っていたらしく、またそれは同じく共和国内で活動していた他のクラスメイト達もそうだ。
おそらくは共和国総出で異世界人を囲い込もうといろいろしていたのだろうが、それが上手く機能してくれたおかげで遥希達は取り込まれずに済んだとも言える。
だがその影響で雄二達に対しての情報が完全に不足していたので、正直かなり困っていたのだ。
クラスの八割が手下というと残っているのは数人程度か、別にいくら集まって攻めてきたところで散らせるから構わないのだが、これ以上神の力の付与先になる可能性のある敵が増えるのはよろしくない。
何か手を打つ必要が出てきた。
簡単なところで言えば雄二達につかせるのではなく、こちら側につかせることだが……。
「先生は? 確か教育実習の先生いたよね?」
「あの人は確か法国でシスターとして活動していたはずだよ。先生は死んじゃった」
「もしかしてだけど……?」
「うん、クラスメイトの誰かに殺されちゃった。前々から女子生徒との噂があったり成績の付け方も主観で自分の好きな人に付けたりしてたしね、嫌われてたから」
法国でシスターとして活動しているのならば、雄二達とは関係を持っていなさそうだ。
神は他の神と出会うと気配で分かるものだが、それは神の使いである神徒も同じことである。
法国にもし神の使いが入れば法国の神が反応するだろうし、雄二が他の人物に行かせたところであの人気のあった先生を他のメンバーの反対なく手の内に入れる事ができるとは考えにくい。
直ぐにエルピスが接触してしまうと話が流れていってしまう可能性があるので軽はずみな接触はできないが、とはいえ居ることが分かっただけで僥倖だ。
担任の死もそれと同じで分かっただけよしとしよう。
「そっかあの人死んだのか……。なんか複雑な気分だな」
とはいえ人が死ねば悲しいものだ。
幹が言っていた通り良い噂を聞かない担任ではあったが、エルピスが雄二に虐められているのを無視している担任ではあったが、文化祭の時に女子生徒とどこかへ消えた担任ではあったが、死ねば悲しく……無くなってきてしまった。
むやみやたらに思い返したせいで悪い場面ばかりが頭に浮かんできてしまう。
気にしない方が精神衛生上良さそうだ。
「そう言えば僕さ、エルピスって人と戦ったんだ。そのおかげでいまこうしてここに居れるんだけど」
「ーーどうだった?」
「あの人すごく強かった。なんか晴人に雰囲気似ててさ、幻覚とかいろいろあいまって晴人って呼んじゃったんだよね」
そう言えば戦闘中は名を叫ばれながらこちらに突撃してきたか。
あの時は自然の流れで反応はしたが、正直言っていま思い返すと違和感が凄い。
15年も呼ばれなかった名前で呼ばれているのでもちろん今も違和感はあるが、幹が敵でありなおかつエルピスとして行動している時に晴人と呼ばれたことが違和感の原因だろう。
幹の中で晴人とエルピスが同一人物になる訳にはいかないので、それとなくエルピスは否定する。
「本当か? 似てないだろ全然」
「似てるよ。本質が多分近いんだろうね、一部の人にすごく好かれるところとか。ニルって人もこの前看病にきてくれたんだ」
「どんな人だった?」
「息を飲んじゃうくらい綺麗な人だったよ。この世界に来ていろいろと可愛い人は見てきたけど、あそこまで可愛い人は初めて見た」
エルピスが八つ当たりで暴れていたあの日、ニルはここに来ていたのだろう。
確かにエルピスの周りには様々な種類の可愛さや美しさがあるが、ニルとセラは顔立ちで言えばいままでエルピスがあってきた中でも同率一位である。
とは言え、ではアウローラやエラはどうなのかと聞かれれば、もちろんそちらも可愛いし内面もいい。
幹が息を飲んでしまうのも仕方のないニルの美貌を思い出しながら、エルピスはさも見たことがないように話を合わせる。
「俺も会ってみたかったな」
「多分晴人だったらみた瞬間恋しちゃうよ。その人なんだか不思議なこと聞いてきたんだよね、エルピスって人の敵なのか味方なのかみたいなさ。戦ったのあの一回きりだったのに」
さすが幹、痛いところをつく。
確かにニルが狼の姿ではなく人の状態でエルピスの前に現れていたら、迷宮主であったニル相手でも攻撃できたか怪しい。
敵なのか味方なのかを聞いたのは、ニルなりにエルピスの安全を確保しようと動いた証だろう。
「そうなのか。それでなんて答えたんだ?」
「え? 味方でも敵でもないよー二度と合わない様にするから気にしないでくださいね。すいませんって」
「ーーん? は? あぁ……んんっ? ちょっとまでそれは早計すぎるだろ」
「でも命を狙ったんだしそれくらい当然じゃないかな。むしろ殺されても文句言えないと思うよ」
そんな事どうでも良いんだよそれだと二度とエルピスとしてあえねーじゃんかっ!!
そう言いたくなるがそれこそ言ってしまえば会えなくなってしまうだろう。
とりあえずはまず幹のその考えを変える必要がある、でないとこれから先二度と会えないだろう。
幹はそういう子なのだ。
「昔からその変な思い切りの良さあるよな……本人に直接謝らなくていいのか?」
「おっ、晴人痛いところついてくるね。僕もそれだけは気になってたんだよ、代わりにお願いしていい?」
「いやだよ、ニルって人には俺から話つけてあげるから直接謝ってこい」
ニルの事だ、エルピスがわざわざお願いしなくともエルピスがこの病室に来た事を捉えた時点でもう何も言ってこないと思うが、形式美的なものとして一応聞いておく必要はあるだろう。
幹が直接誤りに来てくれたらその時にエルピスが晴人である事を告白し、ゆっくりと鳴らしていけば問題もないはず。
そう思っていると幹が意外な事を言い始める。
「なんなら一緒に来てよ。なんだか噂によるとエルピスって人かなり怖いみたいだし」
「な!? そうなのか?」
怖いとは心外だ。
確かに戦闘面に関して言えばこの国にいた時の全力は出していたので子供ながらやりすぎたとは思うが、威圧感を与えるような行動は極力控えてきたつもりなのに。
一体何が怖いと言われる原因になってしまったのか。
そう思うと思い当たる節がいくつか浮かんでくるので、それを頭から振り払い幹の言葉を待つ。
「なんでも大の大人を軽々と投げ飛ばし財力に物を言わせて女の人を囲ってるとか、しかもいろんな国の裏の人とも知り合いで、いくつか潰された貴族もあるとかなんとか」
「まぁ風の噂だろ」
「そうかもね。この世界娯楽あんまりないからそういうの流行りやすいらしいし」
おおよそどころか見方を変えれば全て何の間違いもなくエルピスがやった事なのだが、気持ち的に認めたくない。
嫌である。
幹自体それほど信じているように見えないので、それならば嘘であるということにしておいた方が都合が良い。
「それじゃあ俺はここら辺で帰るよ、またどこかで会えたらその時は」
「ーーずるいね晴人、神の力でみぬいたの?」
「そんなもん使わなくても幹の顔見れば分かるよ。死んだところで償いになんてならないし、意味もないよ。殺した人達の魂はもう空へ帰ってるからね」
自殺も手段の一つではあると思うが、地球ではどうだったか知らないもののこの世界ではただの自己満足でしかない。
それならば自らの生を完遂する事こそが償いになるとも言えるだろう。
「そうだといいんだけど」
「それにまだ約束の飯、食べさせてもらってないよ。それまで死なれたら困るんだけど?」
「ははっ、それもそうだね。それまでは死ねないか」
フィトゥスから色々と教えてもらっているのでもう料理は出来るが、それでも転生前にした最後の約束をまだ完遂していない。
それが終わるまでは死なれては困るし、それが終わったところでまた次の約束がある。
「そういう事。手、貸してよ」
「ん? ああ、好きにして」
「ありがと。ここをこうして……っと、これで完了。神様の力で契約結んだからこれで絶対に死ねなくなったね」
「なにもそこまでしなくても」
「念には念を、長い付き合いだから俺の性格は知ってるでしょ。あとその掌の模様は人を助けたら消えていく様になってる、償いをしたいならそれを完璧に消しておいで、そうしたらもう一回会おう」
「ーー分かった、また少し先になるね」
「それまでお互い死なない様に頑張ろう、それじゃ」
話しながらもエルピスは仕切りの向こう側へと消え、最後まで幹に顔を見られずに医務室の扉に手をかける。
ふとベットが軋む音と共に、小さく声が聞こえてきた。
「ーーまたね晴人」
「ーーああまたな、幹」
出会うのはまた遥か先の事ではあるだろうが、今までのことを思え少しの間の事でもある。
次合う時はお互いの目を見て話せれば良いな、そんな事を考えながらエルピスは土精霊の国に向けて活動を開始するのだった。
目的はただ一つ、委員長、幹に出会うためだ。
本来ならば昨日のうちに来ておきたかったところではあるが、昼間は基本的に寝ているとフィトゥスから聞いている。
元々夜に行くつもりだったので問題がないと言えばないのだが、そうは言っても想定していたよりもはるかに遅い時間になってしまっていたので、起きているかは怪しいところでもあるのだが。
この長い廊下を歩くのは一体何度目だろうか。
歩く度に何か面倒事に巻き込まれているような気がすると同時に、そのおかげでかつての様々な記憶もいくつか思い出せる。
「失礼します」
木製の扉をノックした後に開け、エルピスは中へと入っていく。
消毒液特有の匂いが鼻の奥を刺激し、なんとも言えない気分になりながらエルピスはしきりの奥の人物のもとへ向かう。
薄い布で作られたしきりを開けてみればそこには少し大人びた幹が、昔と同じように呑気によだれを垂らしながら眠っていた。
「ーーったく人が心配で来てみたら、変わらないな」
「……んっ、晴人? って見えないよ手で隠さないで!」
椅子に座り何気なく思ったことを呟くと、いつのまに起きた幹に慌ててエルピスは手で目を隠す。
顔を見られてしまうといまから話づらくなる、殺しに行った相手が幹だとしたらエルピスだってそうなるだろう。
だからこそ顔を隠しなんとか技能を使って前世の自分の声を真似しつつ、エルピスはそのまま話を進める。
「うるさい怪我人は静かに寝てろ。傷口が開くぞ」
「……良いんだよ僕の傷は。それにしても晴人今までどこに居たの? 遥希君達はこの前お見舞いに来てくれたんだけど」
「ちょっと野暮用で外してたんだ、最近こっちに戻ってきたばっかでさ。遥希達ともまだ会えてない」
「そうなんだ。あのさ……ちょっと僕の話、聞いてくれない?」
エルピスの手に自分の手を重ねるようにして被せながら、幹は少し震えた声でそう言った。
エルピスは幹が犯した罪を知っている。
邪神であるエルピスは罪を見る事ができるし、何をしてきたかを知る事ができるからだ。
だがエルピスが知っていることを幹は知らない、だからこそ嫌われる事を覚悟で自らの罪を告白しようとしているのだろう。
「ーーいいよ」
「ありがとう。晴人、僕さ……人を殺したんだ」
重ねた手が強く握られ、エルピスはそこに込められた想いの大きさに気づく。
この数日間の間に様々な葛藤があったようで、エルピスが手で隠しているので目は見えないが口元が硬く噛みしめられ後悔の念に苛まれているのが見て取れた。
人を殺すのは確かにいけない事だ。
幹の場合は無抵抗の者も殺した事があるようなので余計だろう。
正義感の塊のようだった幹がそんな事をして、気が狂っていないのは幸か不幸か倫理観を消された状態での犯行だったからだろう。
倫理観さえ消されていなければ幹もそんな犯行に手を出さなかったのだろうが、そのおかげでいま発狂せずにいられるのだから困ったものだ。
自らの手で罪を犯そうとも、殺す事に対して何も感じていなければ、それは主観で映像を見ているのとなんら変わらない。
だが今となってはその呪いもエルピスが解呪してしまったので、これから長い時の間で幹は殺した人達の罪滅ぼしをして過ごしていくのだろう。
幹の言葉からはそれくらいの覚悟と後悔を感じられた。
「そうか」
「ついこの間まで、まるで喜んでいるかの様に笑いながら人をいっぱい殺したんだ。自分でも自分が信じられないんだけど、事実は事実なんだよね」
「そうだな。俺も同じ罪を犯したから分かるよ」
自らの意思で手を下したエルピスか、洗脳によって手を下した幹か、どちらかが悪いなどは判断のつけようもない。
人を殺したという事に変わりはなく、そこにどんな事情があったにしろここ異世界においては状況次第では罪にすら問われないものであろうと罪は罪なのだ。
「ーー晴人も誰か……殺したの?」
「幹よりも沢山な。それに俺はこれからも自分の、俺の大切な人を傷つけた奴らは許したりしない」
これから先も何度となく戦闘になることがあるだろう。
この世界で生きていく以上は仕方のないことではあるし、エルピスも出来ることならば人を殺さずに対処したいところではある。
だが敵を助けることに意識を割いて自身の大切な人達を殺されてしまえば意味がない、だからこそ余程の力の差がない限りこれからもエルピスは相手を殺すだろう。
決意を胸にそう言ったエルピスに対して、幹は少し笑みを浮かべながら言葉を発する。
「変わってないね晴人は。昔からそうだったね、おばさんのときもそうだったし」
「ーーっ! その話はなしだろ、久々に会ったお前と喧嘩したくない」
遥か昔の、この世界に来る以前の記憶が蘇り、エルピスは少しだけ声を荒げながら幹に注意する。
普段感情を抑制しているエルピスですら荒ぶってしまうほどの怒りを前にして、だが幹は臆することなく進んでいく。
「……ごめん、悪かったよ。でも一つだけ教えて、妹は、相良ちゃんの事は後悔してないよね?」
「ーーしてない。昔から言ってるけどそれだけは絶対に後悔しないって決めてる」
もう二度と合わない妹のことを思い出しながら、エルピスは幹に対して力強い声でそう答える。
そこに先程までの怒りは見えず、もう既に怒りはどこかに霧散したのかそれよりも悲しそうな顔の方が目立った。
過去の事を思い出しているのだろうか、二度と会えない妹のことを思い返すと少し涙腺が緩む。
そんな中ふと幹は目を隠しているエルピスの手を上からなぞると、疑問を呈した。
「そう言えば手の傷、無くなったんだね。結構深く跡になってたのに」
「ーー消したんだよ、この世界に来てすぐに。もう思い出したくなかったから」
「ーーそっか、ところでさ晴人」
「なんだ?」
正確には消したのではなく消えたのだが、とは言っても既に関係の無いことだ。
幹の方から話題を変更され何かとエルピスが聞き返すと、目元はエルピスが隠しているため見えないが先程よりも真面目な雰囲気を纏いながらゆっくりと口を開く。
「お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
「さっきからいちいち確認とって来ないでも俺とお前の仲だろ、どうしたんだ?」
「晴人ってさ、確かいま神様だよね?」
いま思い出せば神の力を手に入れた時に幹は隣にいたのだった。
転生して15年以上も経っているのですっかりと忘れてしまっていたが、エルピスに神の力をとるように進めたのは幹だった筈だ。
この世界でエルピスが神である事を知っているのはニル、セラそしてこの間からフィトゥスとフェルもだが意外なところに五人目がいる。
そう言えば知っていたなと思うもののそれだけであって、幹の質問に対して平常心でエルピスは聞き返す。
「ん? ああそうだよ、神様だよ。どしたの? 人の蘇生とかは無理だよ?」
「ーーそうだよね、ごめん変なこと聞いて」
「残念だけど幹、この世界に蘇生魔法は存在しない。死んで十分くらいなら無理やり生き返らせる事はできるけど、死んで一時間も経ったら次の世界に旅立つからね」
蘇生魔法の有無については既に随分と昔セラに確認している。
エルピスがなるべくアウローラ達の近くにいるようにしているのはもちろんその身を守るためでもあるが、万が一の場合でも蘇生が間に合うようにするためだ。
この世界では伝説としていくつか蘇生魔法に関する記述がなされているが、そもそも消費魔力の関係上魔神ではなくとも最低限神の称号は必要になる上に、幹にも言った通り一時間以上経過してからの蘇生は不可能である。
では何故そんな伝説があるのかと言えば、いくつかは神による本当の蘇生で、残りは半分は嘘でもう半分はアンデットとして蘇生させたと言ったところだろう。
アンデットは前世の自分の行動を真似して動く特性があり、技能を使用してアンデット化すれば殆ど生前と変わらないように動く事ができる。
共和国で戦った空などがいい例だ、あれは既に死んだ器に技能で無理やりしがみついていたようだが、残留思念のようなものがくっついていただけであって大まかな部分は既に転生していた。
「お見通しだったか」
「神ですら触れられない禁忌だよそれは。もしできたとしても一人か二人、それくらいじゃないかな」
「そっか。ごめんね勝手に頼りにして」
一人や二人とは言ったが、それも世界の法則を無視する必要があるので出来たとしても魔神くらいのものだろう。
別の世界から無理やり魂を引きずってこの世界に持ってくる必要があるので、常識改変や世界を跨ぐことによる消費魔力の増大などでかなり厳しくなるはずだ。
地球に転生していたのなら簡単に済むだろうが、そうでなければ魔神の力でも怪しい。
「気持ちはわかるから別にいいよ、俺だってやれるならしてあげたかったし」
残念そうな顔をしている幹に対してエルピスはそう返すが、してあげたかったと言うのは幹が殺した人物に対してではない。
自分が殺した相手に対してだ。
転生を早めるようにするのは〈浄化〉を使えば出来るが、転生先を固定するほどの能力はまだエルピスにはない。
長く生きていれば転生先の固定なども出来るようになるのかもしれないが、器を用意してそこに移し替えるのがいまのエルピスならば精一杯だろう。
魂の操作は技術力ではなく完全な経験なのだ。
「ありがと……これからどうするの晴人は」
「雄二が怖いけど逃げまわってもいられないからね、いろんな国に出て雄二に対抗する手段身につけないと」
「あいつの周りには十人以上クラスメイトがいるよ、女の人も含めるともっとかな。たぶん王国に居ない人の八割くらいはもうあいつの手下だと思う」
これはいい情報を聞けた。
遥希達は共和国に移動後すぐに雄二達との連絡を絶っていたらしく、またそれは同じく共和国内で活動していた他のクラスメイト達もそうだ。
おそらくは共和国総出で異世界人を囲い込もうといろいろしていたのだろうが、それが上手く機能してくれたおかげで遥希達は取り込まれずに済んだとも言える。
だがその影響で雄二達に対しての情報が完全に不足していたので、正直かなり困っていたのだ。
クラスの八割が手下というと残っているのは数人程度か、別にいくら集まって攻めてきたところで散らせるから構わないのだが、これ以上神の力の付与先になる可能性のある敵が増えるのはよろしくない。
何か手を打つ必要が出てきた。
簡単なところで言えば雄二達につかせるのではなく、こちら側につかせることだが……。
「先生は? 確か教育実習の先生いたよね?」
「あの人は確か法国でシスターとして活動していたはずだよ。先生は死んじゃった」
「もしかしてだけど……?」
「うん、クラスメイトの誰かに殺されちゃった。前々から女子生徒との噂があったり成績の付け方も主観で自分の好きな人に付けたりしてたしね、嫌われてたから」
法国でシスターとして活動しているのならば、雄二達とは関係を持っていなさそうだ。
神は他の神と出会うと気配で分かるものだが、それは神の使いである神徒も同じことである。
法国にもし神の使いが入れば法国の神が反応するだろうし、雄二が他の人物に行かせたところであの人気のあった先生を他のメンバーの反対なく手の内に入れる事ができるとは考えにくい。
直ぐにエルピスが接触してしまうと話が流れていってしまう可能性があるので軽はずみな接触はできないが、とはいえ居ることが分かっただけで僥倖だ。
担任の死もそれと同じで分かっただけよしとしよう。
「そっかあの人死んだのか……。なんか複雑な気分だな」
とはいえ人が死ねば悲しいものだ。
幹が言っていた通り良い噂を聞かない担任ではあったが、エルピスが雄二に虐められているのを無視している担任ではあったが、文化祭の時に女子生徒とどこかへ消えた担任ではあったが、死ねば悲しく……無くなってきてしまった。
むやみやたらに思い返したせいで悪い場面ばかりが頭に浮かんできてしまう。
気にしない方が精神衛生上良さそうだ。
「そう言えば僕さ、エルピスって人と戦ったんだ。そのおかげでいまこうしてここに居れるんだけど」
「ーーどうだった?」
「あの人すごく強かった。なんか晴人に雰囲気似ててさ、幻覚とかいろいろあいまって晴人って呼んじゃったんだよね」
そう言えば戦闘中は名を叫ばれながらこちらに突撃してきたか。
あの時は自然の流れで反応はしたが、正直言っていま思い返すと違和感が凄い。
15年も呼ばれなかった名前で呼ばれているのでもちろん今も違和感はあるが、幹が敵でありなおかつエルピスとして行動している時に晴人と呼ばれたことが違和感の原因だろう。
幹の中で晴人とエルピスが同一人物になる訳にはいかないので、それとなくエルピスは否定する。
「本当か? 似てないだろ全然」
「似てるよ。本質が多分近いんだろうね、一部の人にすごく好かれるところとか。ニルって人もこの前看病にきてくれたんだ」
「どんな人だった?」
「息を飲んじゃうくらい綺麗な人だったよ。この世界に来ていろいろと可愛い人は見てきたけど、あそこまで可愛い人は初めて見た」
エルピスが八つ当たりで暴れていたあの日、ニルはここに来ていたのだろう。
確かにエルピスの周りには様々な種類の可愛さや美しさがあるが、ニルとセラは顔立ちで言えばいままでエルピスがあってきた中でも同率一位である。
とは言え、ではアウローラやエラはどうなのかと聞かれれば、もちろんそちらも可愛いし内面もいい。
幹が息を飲んでしまうのも仕方のないニルの美貌を思い出しながら、エルピスはさも見たことがないように話を合わせる。
「俺も会ってみたかったな」
「多分晴人だったらみた瞬間恋しちゃうよ。その人なんだか不思議なこと聞いてきたんだよね、エルピスって人の敵なのか味方なのかみたいなさ。戦ったのあの一回きりだったのに」
さすが幹、痛いところをつく。
確かにニルが狼の姿ではなく人の状態でエルピスの前に現れていたら、迷宮主であったニル相手でも攻撃できたか怪しい。
敵なのか味方なのかを聞いたのは、ニルなりにエルピスの安全を確保しようと動いた証だろう。
「そうなのか。それでなんて答えたんだ?」
「え? 味方でも敵でもないよー二度と合わない様にするから気にしないでくださいね。すいませんって」
「ーーん? は? あぁ……んんっ? ちょっとまでそれは早計すぎるだろ」
「でも命を狙ったんだしそれくらい当然じゃないかな。むしろ殺されても文句言えないと思うよ」
そんな事どうでも良いんだよそれだと二度とエルピスとしてあえねーじゃんかっ!!
そう言いたくなるがそれこそ言ってしまえば会えなくなってしまうだろう。
とりあえずはまず幹のその考えを変える必要がある、でないとこれから先二度と会えないだろう。
幹はそういう子なのだ。
「昔からその変な思い切りの良さあるよな……本人に直接謝らなくていいのか?」
「おっ、晴人痛いところついてくるね。僕もそれだけは気になってたんだよ、代わりにお願いしていい?」
「いやだよ、ニルって人には俺から話つけてあげるから直接謝ってこい」
ニルの事だ、エルピスがわざわざお願いしなくともエルピスがこの病室に来た事を捉えた時点でもう何も言ってこないと思うが、形式美的なものとして一応聞いておく必要はあるだろう。
幹が直接誤りに来てくれたらその時にエルピスが晴人である事を告白し、ゆっくりと鳴らしていけば問題もないはず。
そう思っていると幹が意外な事を言い始める。
「なんなら一緒に来てよ。なんだか噂によるとエルピスって人かなり怖いみたいだし」
「な!? そうなのか?」
怖いとは心外だ。
確かに戦闘面に関して言えばこの国にいた時の全力は出していたので子供ながらやりすぎたとは思うが、威圧感を与えるような行動は極力控えてきたつもりなのに。
一体何が怖いと言われる原因になってしまったのか。
そう思うと思い当たる節がいくつか浮かんでくるので、それを頭から振り払い幹の言葉を待つ。
「なんでも大の大人を軽々と投げ飛ばし財力に物を言わせて女の人を囲ってるとか、しかもいろんな国の裏の人とも知り合いで、いくつか潰された貴族もあるとかなんとか」
「まぁ風の噂だろ」
「そうかもね。この世界娯楽あんまりないからそういうの流行りやすいらしいし」
おおよそどころか見方を変えれば全て何の間違いもなくエルピスがやった事なのだが、気持ち的に認めたくない。
嫌である。
幹自体それほど信じているように見えないので、それならば嘘であるということにしておいた方が都合が良い。
「それじゃあ俺はここら辺で帰るよ、またどこかで会えたらその時は」
「ーーずるいね晴人、神の力でみぬいたの?」
「そんなもん使わなくても幹の顔見れば分かるよ。死んだところで償いになんてならないし、意味もないよ。殺した人達の魂はもう空へ帰ってるからね」
自殺も手段の一つではあると思うが、地球ではどうだったか知らないもののこの世界ではただの自己満足でしかない。
それならば自らの生を完遂する事こそが償いになるとも言えるだろう。
「そうだといいんだけど」
「それにまだ約束の飯、食べさせてもらってないよ。それまで死なれたら困るんだけど?」
「ははっ、それもそうだね。それまでは死ねないか」
フィトゥスから色々と教えてもらっているのでもう料理は出来るが、それでも転生前にした最後の約束をまだ完遂していない。
それが終わるまでは死なれては困るし、それが終わったところでまた次の約束がある。
「そういう事。手、貸してよ」
「ん? ああ、好きにして」
「ありがと。ここをこうして……っと、これで完了。神様の力で契約結んだからこれで絶対に死ねなくなったね」
「なにもそこまでしなくても」
「念には念を、長い付き合いだから俺の性格は知ってるでしょ。あとその掌の模様は人を助けたら消えていく様になってる、償いをしたいならそれを完璧に消しておいで、そうしたらもう一回会おう」
「ーー分かった、また少し先になるね」
「それまでお互い死なない様に頑張ろう、それじゃ」
話しながらもエルピスは仕切りの向こう側へと消え、最後まで幹に顔を見られずに医務室の扉に手をかける。
ふとベットが軋む音と共に、小さく声が聞こえてきた。
「ーーまたね晴人」
「ーーああまたな、幹」
出会うのはまた遥か先の事ではあるだろうが、今までのことを思え少しの間の事でもある。
次合う時はお互いの目を見て話せれば良いな、そんな事を考えながらエルピスは土精霊の国に向けて活動を開始するのだった。
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