142 / 273
青年期学問都市
エルピスの一日
しおりを挟む
朝日の光で目を覚まし、身体を魔法で洗浄した後にエルピスは昨日の夜のうちにクローゼットから出しておいた制服に袖を通す。
まるで何度もしてきたかのような慣れた手つきで着替えを終え身嗜みを整えると、自分で作ったテーブルに軽く作った朝飯を置き食事を始めていく。
とはいえ朝からがっつりと食べると人間だった時の感覚の名残で上手く身体が回らないので、ミノタウロス特性チーズを乗せたパンとエラからこれに合うとオススメされた紅茶だけである。
地球とは違う種族が多く存在するこの世界では、地球では食べられなかった美味な食べ物がたくさん存在し、そのうちの一つがこのチーズである。
牛に詳しいミノタウロス達がチーズ作りに特化した牛を交配させる事で作り出したからこそ、この風味たっぷりで後味がすっきりとしたチーズが出来上がるのだ。
かなり値段はするが、それにふさわしい味わいである。
朝からそんな豪華なものを食べつつも、エルピスは口にパンを加えたまま再び寝室まで戻って行き、クローゼットを押し開けた。
すると小さな悲鳴と共にアウローラとニルが現れ、エルピスは大きく溜息を吐きながら口を開いた。
「なにしてんのさ」
いきなりクローゼットを開けたことで倒れかかってきた二人を受け止めながら、エルピスはジト目で睨みつける。
二人とももう既に制服を着用しており、アウローラは灰猫の予想通り王国式の制服を、ニルは驚いたことにエルピスと同じ帝国式の制服を着用していた。
元気っ子というイメージのあるニルが真面目な制服を着ているとそれだけでギャップが生まれ、やっている事は阿呆だがその姿には少々心を揺さぶられる。
「いやー驚かそうと思って部屋侵入したら、丁度起きちゃったから……ね?」
「まぁその、こう言うこと言うのはあれだけど、彼女なんだし許してほしいなーって感じもあったり……なかったり」
「どっちかっていうとアウローラは真面目なキャラだと思ってたけど、案外お茶目なところもあるんだな。別に怒ってないから気にしなくていいよ」
エルピスがそう言うと、二人とも目に見えてほっとした顔をする。
悪戯しにくるのに怒られる覚悟が無いのはどうかなと思うが、アウローラの言った通り友達ではなく恋仲なのだ。
それくらいの感覚の方が丁度いいのだろう。
はじめての彼女なので四人に対する接し方をいままで計りかねていたが、エルピス自身もこれを機に距離の測り方を学んでもいいかなと少し頭の中に思い浮かべる。
「よかったぁ……エルピス怒ると怖いから」
「まだ僕は怒られたことないよ! すごいでしょ!」
「いま怒る原因が一つできたけどな! 朝飯もう食べた? 食べて無かったら作るけど」
「まだ食べてないから出来れば欲しいけど時間ある?」
現在の時刻は時計は8時30分。
教室には8時35分までに着かなければいけないので、ぶっちゃけると普通に走っても間に合わない時間帯ではある。
転移魔法と飛行魔法が使えない以上アウローラからするとクローゼットの中に隠れていた場合ではないのだが、エルピスとニルは余裕そうな表情を浮かべ、困惑するアウローラを他所にニルは台所の方へと向かっていく。
「時間なら沢山あるよ、この部屋いま時ほとんど止めてあるし。1秒が一時間くらいの換算かな? 空間ごと世界から切り離したから」
「無茶苦茶するわねあんた!? 大丈夫なのそんな事して?」
「元ある世界を切り離すのは案外簡単なんだよ? 新しく作るってなるとかなり厳しいけどね」
エルピスに出されたチーズが載せられたパンを美味しそうに頬張りながら、まるで世界から切り離してかつ維持する事自体は簡単だとでも言いたげなニルを見て、改めて規格外な人物と共に自分は生きているのだとアウローラも実感する。
「それでエルピス、時間的に常識的な速度で走ると間に合わないけどどうする?」
頬を膨らましもっちゃもっちゃとパンを食べていたニルが、それらを飲み込むと首を傾げながらエルピスに疑問符を投げかけた。
確かにここから学舎までは走って10分はかかるし、エルピス達のクラスは四階の一番奥なので更に2分はかかるだろう。
身体能力に物を言わせればアウローラだって1分もかからずに到着できる自身があるが、とはいえここは人間の治める人間の学校である以上はヴァスィリオ家の名を汚すわけにもいかないので屋根伝いに走っていき窓からダイナミックに突入というわけにもいかない。
何か良い案が有ればいいが、そう思っていたアウローラの目の前でエルピスがにやりと悪い笑みを浮かべる。
「お姉さん方、俺の種族が何か忘れちゃったのかな?」
「半人半龍でしょ……ってそれはさすがにどうかと思うんだけど」
「魔法でもないし半人半龍からすれば飛ぶのなんて地面歩くのだと一緒だから問題なし! それじゃあニルも食べ終わった事だし行きますか!」
「いや私まだ食べ終わってないし、せめて体勢だけでも整えさせて! むりむり絶対むりー!!」
結果からして、当然の如くエルピス達は授業開始の時間に間に合うことができた。
音速に近い速度で飛んだのだから当たり前なのだが、誰にもぶつからないようにしつつそのままの速度で教室に突っ込んだので技能による周囲への補正がなければと思うとエルピス本人でも少々ゾッとする。
ちなみにしっかりと突入の際に技能を使用して姿を隠しているので、エルピス達の姿は呆れ顔のセラとエラにしか見られていない。
一限目の授業が終わり、二限目の授業も終われば少々長い昼休みが訪れる。
一限目と二限目は必修だったので出ることになってしまったが、今週の内あと朝早く起きなければいけないのは一度だけなのでそれを思うと少し心は楽だ。
エラやセラは昨日のエルピスと同じく質問攻めにあい、ニルは灰猫に修行のお願いをされたので付いていくらしく、フェルは特殊なタイプの悪魔という事で悪魔研究会なるオカルト部に連れ去られ、アウローラはアウローラで色々なところに挨拶しにいかなければならないので、久しぶりにエルピスは一人になってしまった。
時折話しかけられはするもののおおよその挨拶は昨日のうちに終わらせておいたので、挨拶に来たとしても小さな貴族の子供達と言ったところである。
「暇だな~やる事ないなぁ~なんか面白い事ないかなぁ」
いよいよを持って暇を持て余し、独り言を呟き始めるエルピスではあったが、ふと何か食べ物を食べたい気分になり食堂へと歩いて向かう。
この学校の食堂はそれこそ城を思わせるほど大きな見た目をしており、一回には大食堂、二回からは王族や貴族の娘や息子達が別途料金を支払って一年間使いたい放題の個室があるらしい。
王族貴族を相手にするのだから豪勢になるのは分かるが、それにしてもこの施設一体どれだけの金が動いたのかエルピスとしても機になるところではある。
食堂棟の中に入り大食堂への扉を開けると、中は食事中の生徒で溢れかえっていた。
生徒達はおおきなグループごとにそれぞれ別れているらしく、同じ国同士で食べる者、違う国同士で交流を深める者、うるさい輩に静かに食べる子。
様々な生徒達の個性が食堂で見て取れ、エルピスは身嗜みに気をつけながらも昨日のうちに聞いておいた説明の通りにカウンターの方へと向かっていく。
「おいあれって……」
「ああ、アルヘオ家のエルピスだろ。国を超える力を持ち女を侍らせ大貴族を超える金を持つとか」
「おいおいマジかよ、一人くらい女の子紹介してくれねぇかな」
「おいお前ら辞めとけ、共和国の奴らがどうなったか知ってるだろ。ヤバイぞ」
「あんなの冗談に決まってるだろ、王に手をかけられる奴なんて一人も居ないさ。そいつの息子がこの学園にいたら聞いてやれたんだかな」
いかにもチンピラと言った風貌をした生徒三人がそんな会話をしているのを横にしつつ、エルピスはカウンターで注文を決めその場で受け取り適当に座れる席を目で探してみる。
とは言ってもある程度座る場所は決まっているらしく、それぞれが固まっているのでエルピスが座れそうなところはどこにも見受けられなかった。
面倒だが追加料金を支払って上で食べるか……そう思っていた矢先、近くの席に座っていた生徒が一つ隣にずれてくれた。
チラリと視線を送ってきたので、座ってもいいと言うことだろう。
確認を取らずに聞くのもどうかと思うので、エルピスは申し訳なさそうにしながらその席の方へと向かっていく。
「あの……もしよかったらこの席座っても良いですか?」
「どうぞ! エルピスさんの事は父から聞いています!」
赤い髪に黄土色の目、鍛治神の教えてくれる気配からしてどうやら土精霊のハーフらしい。
親にどんな話を聞いたのかエルピスとしては非常に気になるところではあるが、いまはそれを追求しても意味がないので特に口は挟まずにありがとうとだけ言って席に座る。
なんだかこの学園に来てから、こういったタイプの子にばかり合う気がするのは果たして気のせいなのだろうか。
親から聞いただの、父親と仲が良かっただの、知らないところで話が進んでいることがエルピスは一番嫌なのだが、広まってしまった噂を止めることなど今さらできないので特に何かすることもない。
それに配膳中近くでコソコソと話していた三人組の様に、当たっているわけではないが、外しているわけでもないようなのもいくつかいる。
ああ言う輩にもわざわざ訂正を入れていたら、それこそ変な噂が広まりそうなところだ。
「そうですか? 私などまだまだ未熟者ですので恥ずかしいですね」
「いやいや、王国での国土防衛戦では一人で亜人の連合軍を相手どったとか? まさに英雄級の働きですよ」
「いやいやそんな、あの時は他の人のサポートがあってこそでしたよ。それに私は犠牲者を出した戦闘を誇るつもりはありません」
「そうですか、立派なお心構えですね。我が弟にも聞かせてあげたいところです」
その言葉は世辞か本心か、見極めようと思えば簡単にできるが、しても気分は良くならないだろうからしないでおく。
それから少ししてエルピスが食べ終えると、それを待ち構えていたかのように再び教室での時と同じように質問責めが始まった。
ただ今回は昨日のクラスのような敬意と節度を保った質問だけではなく、無礼な質問も何度か飛んでくる。
「エルピス様はご家族に捨てられたとお聞きしましたがーー」
「我が名はイルサルム、貴殿の女を是非我が側室にーー」
「新聞部のものなんですけど、大量虐殺した上にそれを隠したって本当ですかーー」
「そんな質素な料理しか頼めないなんて程度が知れてーー」
ーーなどなど。
人としてどこか問題のある人には出会ってしまったものの、二度と合わないようにすれば良いだけなので少しの間心が少しざわめく程度ですんだ。
これでもし直接的に言ってくれば流石に止められなかっただろうが、一応気を使っているのか遠回しに行ってくるので気にしなければ問題はない。
逃げるようにして食堂から去っていったエルピスは、人から話しかけられない場所に行こうと図書館へと向かっていた。
「ようやく終わったよ、ったく暇な奴らばっかだし。二人目の奴とかヤバ過ぎるでしょさすがに。ルミナ居ないとこうにも態度変わるか」
「ーーご機嫌ようエルピス様。お独り言を呟いていらしたようですが、どうかいたしましたか?」
「丁寧な挨拶ありがとうございます。お気になさらず、ただの考え事ですので」
一歩外に出て誰かと出会えば強制挨拶イベントが始まるこの学園にもう嫌気がさし始めたエルピスだが、彼らがこうして喋りかけてくる理由ももちろん理解はできる。
エルピスと仲良くなりアルヘオ家の後ろ盾が出来れば、他国と貿易する際にアルヘオ家経由で商品を売買できるようになるのだ。
我が家からある程度は手数料として持っていたかれたとしても、それはかなりの金額になる。
王国が貿易国として名を馳せているのも、イロアス主導の元アルヘオ家の物流ラインに商品をいくつか乗せているからだ。
現在は王国が主軸となってはいるが、次期当主であるところのエルピスと仲良くなっておけば自分の国も優遇してもらえると思っているのだろう。
その後も何度か挨拶をされつつ歩いて向かうと、食堂よりもさらに広い図書館へと辿り着く。
「学生証の提示をーーエルピス様ですね、話は学園長から。こちらのカードをご使用ください、退出時に回収させていただきます」
「ありがとうございます。これは何に使えば?」
兵士から手渡されたのは、黒い黒印が押された鉄に似た物質でできたカードだ。
この学校の証である杖と月桂樹によって作られた校章が裏に彫られており、魔法的な力をそこから感じ取る事はできなかった。
「すいません、説明がまだでしたね。そちらは中にいる司書に見せますと、すべての本を閲覧可能になります。所属しているクラスによって見れる本の量が変わり、いまエルピス様のお持ちになっているそれは最上位のカードになります」
「なるほど、ありがとうございます」
兵士から説明を受けたエルピスは、軽く頭を下げると図書館へと入っていく。
入ってすぐ少しの埃っぽさと本の匂いが感じ取れ、近づいてきた司書にカードを見せると軽く本棚を案内される。
各本棚には閲覧可能なカードの色が記載されており、最後にエルピスが紹介されたのは黒いカードしか見ることのできない本棚だ。
他のカード見れる棚とは違い魔法によって厳重にロックされており、本棚自体も他の棚が大体四つから八つほどあるのに対して、二つだけとかなりすくなめになっている。
「これは確かに一番上のクラスじゃないと使えないか」
軽く本を開けてみてみれば、中に記載されているのは軍事機密にも分類されかねない、かつての様々な国における極秘の魔法研究の記録だ。
動物実験から人体実験など、決して公には出来ない様々な国の実験がどこで行われたかは記載されておらず、ただ記録だけ残されている。
本棚事一気に記録を読みあさり、数十分かけて二つの棚の内容をおおよそ暗記したエルピスは、特に気になっていた本を手に取り再び最初から読み返す。
著者は誰か分からず、時代もいつのものか分からないが、本を鑑定にかけた所どうやら最近できたばかりの本らしい。
「土精霊と高位魔術師の魔法・科学面においての生物改造ねぇ」
いかにも怪しいタイトルである。
この世界に所謂日本でいうところのマッドサイエンティストが居るのか、はたまた異世界人の誰かが悪さをしようとしているのか。
どちらでもあまり嬉しい結果は得られそうにないところではあるが、記事の内容自体は非常に学びを得られるものである。
人体に機械を組み込んだ際にどれくらいの期間から魔法的な強化が行えるようになるか、またその際拒絶反応などは出るのかなどなど。
する気は無いが方法を知っているだけでも、もし何かあったときに対策として使える可能性もある。
「それじゃあとりあえずここにある本全部読み切るか」
ーーそれから大体二時間後。
宣言道理すべての書物を読み終えたエルピスは、カードを兵士に手渡すと再び学舎へと向かって足を進めていく。
理由としてはそろそろ用事も終わっているであろうアウローラ達に会いに行くためだ。
だが着いてみればそこにはぐったりとしたフェルしかおらず、他のメンバーの影は見えない。
どこに行ったのかと当たりを探ってみるが、気配は感じるもののあちらこちらに分散しており何をしているかはここからでは把握不可能だ。
「ううっ……お帰りなさいエルピスさん。みんなまだ帰ってきてないですね、セラさんとエラはふんわり帰ってきましたけどまたすぐどっか行っちゃいました」
「わりかしみんな自由に過ごしてるみたいだし、邪魔しても悪いか。部屋帰ってトランプしようよフェル」
「やりますか? カードゲームは得意ですよ」
「俺だって結構得意だからな。なんか賭けて遊ぼっか」
他のみんなが帰ってきていないのならば、これ以上無駄なことをして時間を潰していても仕方がないので、フィルと一緒に宿舎へとエルピスは帰っていく。
こうしてエルピスの1日が終わるのだった。
まるで何度もしてきたかのような慣れた手つきで着替えを終え身嗜みを整えると、自分で作ったテーブルに軽く作った朝飯を置き食事を始めていく。
とはいえ朝からがっつりと食べると人間だった時の感覚の名残で上手く身体が回らないので、ミノタウロス特性チーズを乗せたパンとエラからこれに合うとオススメされた紅茶だけである。
地球とは違う種族が多く存在するこの世界では、地球では食べられなかった美味な食べ物がたくさん存在し、そのうちの一つがこのチーズである。
牛に詳しいミノタウロス達がチーズ作りに特化した牛を交配させる事で作り出したからこそ、この風味たっぷりで後味がすっきりとしたチーズが出来上がるのだ。
かなり値段はするが、それにふさわしい味わいである。
朝からそんな豪華なものを食べつつも、エルピスは口にパンを加えたまま再び寝室まで戻って行き、クローゼットを押し開けた。
すると小さな悲鳴と共にアウローラとニルが現れ、エルピスは大きく溜息を吐きながら口を開いた。
「なにしてんのさ」
いきなりクローゼットを開けたことで倒れかかってきた二人を受け止めながら、エルピスはジト目で睨みつける。
二人とももう既に制服を着用しており、アウローラは灰猫の予想通り王国式の制服を、ニルは驚いたことにエルピスと同じ帝国式の制服を着用していた。
元気っ子というイメージのあるニルが真面目な制服を着ているとそれだけでギャップが生まれ、やっている事は阿呆だがその姿には少々心を揺さぶられる。
「いやー驚かそうと思って部屋侵入したら、丁度起きちゃったから……ね?」
「まぁその、こう言うこと言うのはあれだけど、彼女なんだし許してほしいなーって感じもあったり……なかったり」
「どっちかっていうとアウローラは真面目なキャラだと思ってたけど、案外お茶目なところもあるんだな。別に怒ってないから気にしなくていいよ」
エルピスがそう言うと、二人とも目に見えてほっとした顔をする。
悪戯しにくるのに怒られる覚悟が無いのはどうかなと思うが、アウローラの言った通り友達ではなく恋仲なのだ。
それくらいの感覚の方が丁度いいのだろう。
はじめての彼女なので四人に対する接し方をいままで計りかねていたが、エルピス自身もこれを機に距離の測り方を学んでもいいかなと少し頭の中に思い浮かべる。
「よかったぁ……エルピス怒ると怖いから」
「まだ僕は怒られたことないよ! すごいでしょ!」
「いま怒る原因が一つできたけどな! 朝飯もう食べた? 食べて無かったら作るけど」
「まだ食べてないから出来れば欲しいけど時間ある?」
現在の時刻は時計は8時30分。
教室には8時35分までに着かなければいけないので、ぶっちゃけると普通に走っても間に合わない時間帯ではある。
転移魔法と飛行魔法が使えない以上アウローラからするとクローゼットの中に隠れていた場合ではないのだが、エルピスとニルは余裕そうな表情を浮かべ、困惑するアウローラを他所にニルは台所の方へと向かっていく。
「時間なら沢山あるよ、この部屋いま時ほとんど止めてあるし。1秒が一時間くらいの換算かな? 空間ごと世界から切り離したから」
「無茶苦茶するわねあんた!? 大丈夫なのそんな事して?」
「元ある世界を切り離すのは案外簡単なんだよ? 新しく作るってなるとかなり厳しいけどね」
エルピスに出されたチーズが載せられたパンを美味しそうに頬張りながら、まるで世界から切り離してかつ維持する事自体は簡単だとでも言いたげなニルを見て、改めて規格外な人物と共に自分は生きているのだとアウローラも実感する。
「それでエルピス、時間的に常識的な速度で走ると間に合わないけどどうする?」
頬を膨らましもっちゃもっちゃとパンを食べていたニルが、それらを飲み込むと首を傾げながらエルピスに疑問符を投げかけた。
確かにここから学舎までは走って10分はかかるし、エルピス達のクラスは四階の一番奥なので更に2分はかかるだろう。
身体能力に物を言わせればアウローラだって1分もかからずに到着できる自身があるが、とはいえここは人間の治める人間の学校である以上はヴァスィリオ家の名を汚すわけにもいかないので屋根伝いに走っていき窓からダイナミックに突入というわけにもいかない。
何か良い案が有ればいいが、そう思っていたアウローラの目の前でエルピスがにやりと悪い笑みを浮かべる。
「お姉さん方、俺の種族が何か忘れちゃったのかな?」
「半人半龍でしょ……ってそれはさすがにどうかと思うんだけど」
「魔法でもないし半人半龍からすれば飛ぶのなんて地面歩くのだと一緒だから問題なし! それじゃあニルも食べ終わった事だし行きますか!」
「いや私まだ食べ終わってないし、せめて体勢だけでも整えさせて! むりむり絶対むりー!!」
結果からして、当然の如くエルピス達は授業開始の時間に間に合うことができた。
音速に近い速度で飛んだのだから当たり前なのだが、誰にもぶつからないようにしつつそのままの速度で教室に突っ込んだので技能による周囲への補正がなければと思うとエルピス本人でも少々ゾッとする。
ちなみにしっかりと突入の際に技能を使用して姿を隠しているので、エルピス達の姿は呆れ顔のセラとエラにしか見られていない。
一限目の授業が終わり、二限目の授業も終われば少々長い昼休みが訪れる。
一限目と二限目は必修だったので出ることになってしまったが、今週の内あと朝早く起きなければいけないのは一度だけなのでそれを思うと少し心は楽だ。
エラやセラは昨日のエルピスと同じく質問攻めにあい、ニルは灰猫に修行のお願いをされたので付いていくらしく、フェルは特殊なタイプの悪魔という事で悪魔研究会なるオカルト部に連れ去られ、アウローラはアウローラで色々なところに挨拶しにいかなければならないので、久しぶりにエルピスは一人になってしまった。
時折話しかけられはするもののおおよその挨拶は昨日のうちに終わらせておいたので、挨拶に来たとしても小さな貴族の子供達と言ったところである。
「暇だな~やる事ないなぁ~なんか面白い事ないかなぁ」
いよいよを持って暇を持て余し、独り言を呟き始めるエルピスではあったが、ふと何か食べ物を食べたい気分になり食堂へと歩いて向かう。
この学校の食堂はそれこそ城を思わせるほど大きな見た目をしており、一回には大食堂、二回からは王族や貴族の娘や息子達が別途料金を支払って一年間使いたい放題の個室があるらしい。
王族貴族を相手にするのだから豪勢になるのは分かるが、それにしてもこの施設一体どれだけの金が動いたのかエルピスとしても機になるところではある。
食堂棟の中に入り大食堂への扉を開けると、中は食事中の生徒で溢れかえっていた。
生徒達はおおきなグループごとにそれぞれ別れているらしく、同じ国同士で食べる者、違う国同士で交流を深める者、うるさい輩に静かに食べる子。
様々な生徒達の個性が食堂で見て取れ、エルピスは身嗜みに気をつけながらも昨日のうちに聞いておいた説明の通りにカウンターの方へと向かっていく。
「おいあれって……」
「ああ、アルヘオ家のエルピスだろ。国を超える力を持ち女を侍らせ大貴族を超える金を持つとか」
「おいおいマジかよ、一人くらい女の子紹介してくれねぇかな」
「おいお前ら辞めとけ、共和国の奴らがどうなったか知ってるだろ。ヤバイぞ」
「あんなの冗談に決まってるだろ、王に手をかけられる奴なんて一人も居ないさ。そいつの息子がこの学園にいたら聞いてやれたんだかな」
いかにもチンピラと言った風貌をした生徒三人がそんな会話をしているのを横にしつつ、エルピスはカウンターで注文を決めその場で受け取り適当に座れる席を目で探してみる。
とは言ってもある程度座る場所は決まっているらしく、それぞれが固まっているのでエルピスが座れそうなところはどこにも見受けられなかった。
面倒だが追加料金を支払って上で食べるか……そう思っていた矢先、近くの席に座っていた生徒が一つ隣にずれてくれた。
チラリと視線を送ってきたので、座ってもいいと言うことだろう。
確認を取らずに聞くのもどうかと思うので、エルピスは申し訳なさそうにしながらその席の方へと向かっていく。
「あの……もしよかったらこの席座っても良いですか?」
「どうぞ! エルピスさんの事は父から聞いています!」
赤い髪に黄土色の目、鍛治神の教えてくれる気配からしてどうやら土精霊のハーフらしい。
親にどんな話を聞いたのかエルピスとしては非常に気になるところではあるが、いまはそれを追求しても意味がないので特に口は挟まずにありがとうとだけ言って席に座る。
なんだかこの学園に来てから、こういったタイプの子にばかり合う気がするのは果たして気のせいなのだろうか。
親から聞いただの、父親と仲が良かっただの、知らないところで話が進んでいることがエルピスは一番嫌なのだが、広まってしまった噂を止めることなど今さらできないので特に何かすることもない。
それに配膳中近くでコソコソと話していた三人組の様に、当たっているわけではないが、外しているわけでもないようなのもいくつかいる。
ああ言う輩にもわざわざ訂正を入れていたら、それこそ変な噂が広まりそうなところだ。
「そうですか? 私などまだまだ未熟者ですので恥ずかしいですね」
「いやいや、王国での国土防衛戦では一人で亜人の連合軍を相手どったとか? まさに英雄級の働きですよ」
「いやいやそんな、あの時は他の人のサポートがあってこそでしたよ。それに私は犠牲者を出した戦闘を誇るつもりはありません」
「そうですか、立派なお心構えですね。我が弟にも聞かせてあげたいところです」
その言葉は世辞か本心か、見極めようと思えば簡単にできるが、しても気分は良くならないだろうからしないでおく。
それから少ししてエルピスが食べ終えると、それを待ち構えていたかのように再び教室での時と同じように質問責めが始まった。
ただ今回は昨日のクラスのような敬意と節度を保った質問だけではなく、無礼な質問も何度か飛んでくる。
「エルピス様はご家族に捨てられたとお聞きしましたがーー」
「我が名はイルサルム、貴殿の女を是非我が側室にーー」
「新聞部のものなんですけど、大量虐殺した上にそれを隠したって本当ですかーー」
「そんな質素な料理しか頼めないなんて程度が知れてーー」
ーーなどなど。
人としてどこか問題のある人には出会ってしまったものの、二度と合わないようにすれば良いだけなので少しの間心が少しざわめく程度ですんだ。
これでもし直接的に言ってくれば流石に止められなかっただろうが、一応気を使っているのか遠回しに行ってくるので気にしなければ問題はない。
逃げるようにして食堂から去っていったエルピスは、人から話しかけられない場所に行こうと図書館へと向かっていた。
「ようやく終わったよ、ったく暇な奴らばっかだし。二人目の奴とかヤバ過ぎるでしょさすがに。ルミナ居ないとこうにも態度変わるか」
「ーーご機嫌ようエルピス様。お独り言を呟いていらしたようですが、どうかいたしましたか?」
「丁寧な挨拶ありがとうございます。お気になさらず、ただの考え事ですので」
一歩外に出て誰かと出会えば強制挨拶イベントが始まるこの学園にもう嫌気がさし始めたエルピスだが、彼らがこうして喋りかけてくる理由ももちろん理解はできる。
エルピスと仲良くなりアルヘオ家の後ろ盾が出来れば、他国と貿易する際にアルヘオ家経由で商品を売買できるようになるのだ。
我が家からある程度は手数料として持っていたかれたとしても、それはかなりの金額になる。
王国が貿易国として名を馳せているのも、イロアス主導の元アルヘオ家の物流ラインに商品をいくつか乗せているからだ。
現在は王国が主軸となってはいるが、次期当主であるところのエルピスと仲良くなっておけば自分の国も優遇してもらえると思っているのだろう。
その後も何度か挨拶をされつつ歩いて向かうと、食堂よりもさらに広い図書館へと辿り着く。
「学生証の提示をーーエルピス様ですね、話は学園長から。こちらのカードをご使用ください、退出時に回収させていただきます」
「ありがとうございます。これは何に使えば?」
兵士から手渡されたのは、黒い黒印が押された鉄に似た物質でできたカードだ。
この学校の証である杖と月桂樹によって作られた校章が裏に彫られており、魔法的な力をそこから感じ取る事はできなかった。
「すいません、説明がまだでしたね。そちらは中にいる司書に見せますと、すべての本を閲覧可能になります。所属しているクラスによって見れる本の量が変わり、いまエルピス様のお持ちになっているそれは最上位のカードになります」
「なるほど、ありがとうございます」
兵士から説明を受けたエルピスは、軽く頭を下げると図書館へと入っていく。
入ってすぐ少しの埃っぽさと本の匂いが感じ取れ、近づいてきた司書にカードを見せると軽く本棚を案内される。
各本棚には閲覧可能なカードの色が記載されており、最後にエルピスが紹介されたのは黒いカードしか見ることのできない本棚だ。
他のカード見れる棚とは違い魔法によって厳重にロックされており、本棚自体も他の棚が大体四つから八つほどあるのに対して、二つだけとかなりすくなめになっている。
「これは確かに一番上のクラスじゃないと使えないか」
軽く本を開けてみてみれば、中に記載されているのは軍事機密にも分類されかねない、かつての様々な国における極秘の魔法研究の記録だ。
動物実験から人体実験など、決して公には出来ない様々な国の実験がどこで行われたかは記載されておらず、ただ記録だけ残されている。
本棚事一気に記録を読みあさり、数十分かけて二つの棚の内容をおおよそ暗記したエルピスは、特に気になっていた本を手に取り再び最初から読み返す。
著者は誰か分からず、時代もいつのものか分からないが、本を鑑定にかけた所どうやら最近できたばかりの本らしい。
「土精霊と高位魔術師の魔法・科学面においての生物改造ねぇ」
いかにも怪しいタイトルである。
この世界に所謂日本でいうところのマッドサイエンティストが居るのか、はたまた異世界人の誰かが悪さをしようとしているのか。
どちらでもあまり嬉しい結果は得られそうにないところではあるが、記事の内容自体は非常に学びを得られるものである。
人体に機械を組み込んだ際にどれくらいの期間から魔法的な強化が行えるようになるか、またその際拒絶反応などは出るのかなどなど。
する気は無いが方法を知っているだけでも、もし何かあったときに対策として使える可能性もある。
「それじゃあとりあえずここにある本全部読み切るか」
ーーそれから大体二時間後。
宣言道理すべての書物を読み終えたエルピスは、カードを兵士に手渡すと再び学舎へと向かって足を進めていく。
理由としてはそろそろ用事も終わっているであろうアウローラ達に会いに行くためだ。
だが着いてみればそこにはぐったりとしたフェルしかおらず、他のメンバーの影は見えない。
どこに行ったのかと当たりを探ってみるが、気配は感じるもののあちらこちらに分散しており何をしているかはここからでは把握不可能だ。
「ううっ……お帰りなさいエルピスさん。みんなまだ帰ってきてないですね、セラさんとエラはふんわり帰ってきましたけどまたすぐどっか行っちゃいました」
「わりかしみんな自由に過ごしてるみたいだし、邪魔しても悪いか。部屋帰ってトランプしようよフェル」
「やりますか? カードゲームは得意ですよ」
「俺だって結構得意だからな。なんか賭けて遊ぼっか」
他のみんなが帰ってきていないのならば、これ以上無駄なことをして時間を潰していても仕方がないので、フィルと一緒に宿舎へとエルピスは帰っていく。
こうしてエルピスの1日が終わるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる