クラス転移で神様に?

空見 大

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青年期:法国

あの日願った日常

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 時刻は夜。
 結婚式も終わり二次会として法国に残った知り合いを集めて飲み会をしていたのが陽が落ちたころ、それから法国にあるアルへオ家の別邸に移動し家族だけで飲みなおして今は全員よっぱらって家の中で眠っている。
 この世界には初夜という文化は存在しないので、結婚式当日の夜だからと言って特別に何かをすることもない。
 風を浴びるために自室からふと外に出たエルピスは、そうして空いた時間をつぶすために何かがないかと視線を適当なところへと放り投げていたのだがふと違和感に気が付いて目を止める。
 そこにいたのはエルピスが待ち望んていた人物であり、その人物はゆっくりと自分の手の甲を見てエルピスとの距離を詰められることを確認するようなそぶりをしながらこちらへとやってきた。

「こんばんはエルピスさん」
「こんばんは幹さん」

 一瞬素の態度で出てしまいそうになった言葉を押し殺して、エルピスは努めて自分が目の前の彼の同級生ではなくエルピス・アルへオであるようにふるまう。
 幹に対してエルピスが自分から正体を明かさない理由は彼女がエルピスの命を狙った前科が存在するからであり、そんな相手が旧友だと知れば心にかなりのダメージを追っているだろう彼に余計に負担をかけかねないと判断したからだ。
 エルピスとて彼がしたことは許されることだと思っていないが、そこに自分の意思が介在していたかったのだから責任能力を問うのは被害者が口にするならばまだしも関係ない自分は野暮だろうとも思っていた。

「……こんな夜更けにすいません。ただ前の約束を果たせていたのかどうか、それを確認したかったので」
「会えているということは、沢山人を助けてきたんですね」

 幹にエルピスがかけた呪いは、自分で自分を許せるようになるまで自分との一才の接触を禁じるというものである。
 死んでしまった魂はもはや還らず、ましてや殺した相手の家族や友に直接自らを捌いてくれと頼み込むわけにもいかない。
 所詮釈罪など自己満足でしかないのだから、自分で自分を許せるほどに誰かを助けてきたのであればエルピスとしてはそれで別にいいと思っている。

「僕はまだまだ人を救えていません……きっとこれからきっといろんな人を助けるだろう人を助けられたのでそのおかげです」

 だがそんな考えのエルピスとは対照的に幹はそうやって自分を許したはずなのにどこかまだ辛そうな表情をしている。
 心根の優しさからくるのだろうそんな感情はもはやこの世界に慣れ過ぎたエルピスには理解しがたいものだったが、それでも親友が困っていることに対して淡白な反応を返すほどには人を辞めてしまったわけでもなく、ただ話を聞いて寄り添ってあげる事しかできなかった。

「誰なのか聞いても?」
「帝国の第一皇女エモニ様です」
「それは……またなんというか……反応に困りますね。」

 ニルがそれとなくエルピスにもしかしたら二人は接触しているかもよとは何度か口にしていたのだが、エルピスとしては幹とあのエモ二が共にいる姿があまりにも想像することが難しくありえないだろうとその可能性を横に置いていた。
 だがそのまさかが実際こうして幹を多少なりとも救っているという事実を知って、エルピスとしては言葉にした通り何とも反応に困ったものだった。
 彼女の罪を共に背負うつもりで一応は自分の部下にしたエルピスだったが、正直自分では彼女の手綱をまともに握れないだろうという事が分かるくらいにはエモ二という人物をエルピスは危険視している。
 そんなエルピスの何ともいえない状況を察してか、幹は少しだけ苦笑いを浮かべながら言葉を返した。

「あの人が何をしたのかは知っています。あの人の性質も……ただあの人は才能を正しく使えばきっと沢山の人を救えると思うんです」
「才能はありますからねあの人。幹さんのような方が傍に居てくださるなら安心ですよ」
「……そういえばこれでエルピスさんもこれで僕の上司になるわけですか」
「耳が早いですね。戦争を生き残る事ができたら、ですけど」

 建国にかかる期間を考慮に入れるといろいろと根回しはしているが、戦争が始まる残り2年間ほどの間に国作りをするのはとてもではないが不可能だ。
 根回しは既にしているし実態として国の形態はいま急ピッチで無理矢理に進めている状況ではあるが、しっかりと場所の主張をして周辺国家から国だと認識されるにはそれ相応の時間がかかるのである。

「生き延びられますよ。だってエルピスさんがいますから」
「随分とまた信頼されてるものですね。そんなに伝聞されてる俺って強いですか?」
「伝聞は正直あんまり信用なりませんね。でも僕は知ってるんですよ、エルピスさんの強さを。男女と笑われた僕の隣にいてくれた友人の強さをね」

 何を言っているのか一瞬分からず、エルピスは久しぶりに数秒ほど考えが止まる。
 不敵な笑みを浮かべながら男女と自分の事を口にする彼の姿はまさにエルピス相手ではなく、前世の自分である晴人に対して向けらえていたものと同じだ。
 いつかこちら側から話すつもりでいたのに、とっくの前に向こうは気づいていたのだろう。
 思えば毎度こんな風に相手側に先に気づかれているような気がするのだが、そのことについてエルピスはなるべく考えないようにする。

「──いつから気づいてたんだ?」
「王国で喋ったあの時にはもうなんとなくわかってたよ。だから今日ここに来たんだしね、何年やってきたと思ってるのさ」「そうかな? 意外とこの世界にきてから俺変わったと思ってたんだけど」

 価値観だけではなく私生活なども日本にいたころとは全く違う。
 文化が違うのだから当たり前ではあるが、それでも遥希たちがエルピスが自己紹介をするまでは全く気が付いていなかったのだから前までのエルピスの面影など本当にあってないような物だろう。
 だが幹はそんなエルピスの変化を少しだけだと断じ、まるで気にならないようなそぶりを見せる。

「変わってないよ。そう言えば遅まきだけど結婚おめでとう」
「ありがとう」
「まさか晴人が結婚するなんてね……いまはエルピス君の方が良かった?」
「好きな方で呼んでくれ」
「なら晴人って呼ばせてもらうよ」

 エルピスとして呼ばれることに慣れ過ぎてなんだか晴人と呼ばれることに違和感を感じずにはいられないが、それでももはや自分もうっすらと忘れかけている名前を憶えてくれている人物がいることはエルピスにとって良い事だった。

「いつ気づいたんだ?」
「病院で話してた時かな」
「ほとんど最初じゃん。なんでバレたの?」
「初対面で武器持って殺しに行った人間に普通人はあんなに優しくしないよ。ましてや各国に売り飛ばされた遥希達が続々と自分から集まって言っている時点でクラスメイトの誰かなのは確実だしね」

 転移者として活動していた遥希たちを呼び集めている時点で、多少頭が回る人物であればエルピスと転移者達の間に何かがあることくらいは察しが付く。
 これが諸国の貴族程度であれば疑われないだろうが、エルピスのいるアルへオ家はこれ以上武力を必要としない家であり、もし雇うにしてもわざわざ管理の難しい異世界人を雇うメリットというものは一つもない。
 だというのに積極的にエルピスが異世界人を雇おうとしているという状況は、たった一人だけ転移先に居なかった晴人の存在と結び付けるにはそれほど難しいことではなかった。

「バレるとしたらやっぱりそこか。まぁ遅かれ早かれどうせ言うつもりだったから良いんだけど」
「引き伸ばしてたら次正体明かせるのは死の間際かもしれないからね。こういうのはきっぱり言った方がいいんだよ」
「縁起でもない事言うなよ。そう言えばせっかく会えたんだし、約束果たしてくれよ」

 死について身近になってしまったこの世界で、あまり死についての話をしたくなかったエルピスは強引に話を切り替えた。
 約束というのは転移前に幹と交わしたものであり、料理が苦手なエルピスに変わって食事を用意してくれるというものである。

「いいよ。こっちの世界で来てからも結構料理はしてるからね」
「じゃあ台所まで一緒に行くか。手伝うよ」

 この世界に来てからフィトゥスにそれなりに料理は教えてもらっているので、得意というほどではないが手伝うくらいはできるだろう。
 そんなエルピスの提案に素直に感謝の言葉を述べた幹は、案内されるままに台所へと向かう。
 土精霊の国と変わらないほどの設備が整った台所はまさに現代日本と変わらないほどの充実ぶりであり、帝都にてエモ二が口にする料理を作っていた幹は帝国の城とそう変わらない設備に驚きを隠せないでいた。
 物珍しい機材にいろいろと好奇心が湧きだしてくるが、いま大事なのは食事を作る事であり大きな冷蔵庫を開けながら幹はその中を見ていく。

「さて、じゃあ料理始めるよ」
「まだ手伝う事とか特にない?」
「大丈夫。座ってればいいよ、それで食材は……なにこれ?」
「魔界に食材取りに行ったら山神が美味しいって言ってた龍の肉だよ。隣のは王国で売ってた調味料、後なんか欲しいのあったらその袋の中適当に探してみて」
「噂話がなんであんなに突拍子もないものになったのか分かった気がするよ」

 龍の肉といえば貴族だって人生で何度たべられるかというほどの貴重な食材であり、こんな何事もないかのように冷蔵庫の中に入っていて良いものではない。
 幹の言葉に苦笑いを浮かべているエルピスはきっと自分の噂話に納得は言っていないにしろ仕方がないことだとも思って居るのだろう。
 そんな事を考えているとふと龍の肉を手に取りながら幹はエルピスは半人半龍ドラゴニュートという種族であったはずであることと、神の称号について思い出す。
 記憶が確かであれば龍神であるエルピスが龍を食べるというのはいいのだろうか、という疑問は浮かんでしかるべきだろう。

「そう言えばさ、晴人神の力はどうなの?」
「どうって言うと僕には想像つかないけどさ。たとえば種族とかって変わったりしないの?」
「ん? ……ああそういう事か。龍だけどまた俺とか母さんとは種別が違うんだ、その種族だと結構離れてるから人とクジラくらい違うよ。同じ分類されてるだけだし」
「よかったよ、共食いさせることになったらなんだか申し訳ないからね。そういえば今日の結婚式に居たお嫁さんたち、綺麗だったね。一人だけ知らない人がいたけどあの人は?」

 幹が知らない人物というときっとレネスの事だろう。

「師匠は桜仙種っていう種族の人でレネスって名前だよ。ああ見えて滅茶苦茶強いんだから」
「見て分かったよ、さすが晴人のお嫁さんだね……あ」
「どうかした?」
「いやぁ、ニルっていう女の子に二度とエルピスと合わないって言っちゃったの思い出してさ。まずったかな」

 言われてそういえば前にあった時もそんな事を言っていたなとエルピスは思い出す。
 一応前回幹に言われた後にニルに確認した時は別に気にしなくていいと言われていたし、それでなくとも式場に居た時にニルが何も口に出さなかったという事は見逃してくれたという事に他ならない。

「まぁ多分だけど大丈夫だとは思うよ。ニルもそこまで頭が硬いわけじゃないし」
「どちらにしろ迷惑かけたのには違いないからいつか謝りに行かないとね」

 気にしすぎるのはあまり良いことではないが、本人が気にしている以上は他者がそれに対してガヤガヤと何かをいう事もないだろう。
 不安そうな幹に大丈夫と言うと少しは心配が取れたのかテキパキと作業をはじめ、簡単な作業程度は手伝いながら数十分ほどで料理は出来上がる。
 深夜に食べるカロリーとしては正直かなり多い部類に入るので、自分が人でなかったことにエルピスは感謝をしておいた。

「さ、できたよ。謎肉のステーキとお味噌汁、後お米」
「いただきます」

 出された食事を口に運び、エルピスはもくもくと食べ続ける。
 20年ほど前にした異世界に行ったらご飯を作ってもらうという約束、あの頃は簡単なことだと思っていたはずの約束に途轍もない程の時間がかかったものだ。

「うん、美味しいよ」
「どれどれ僕も一口。うん、結構美味しくできてるみたいだね。まぁこれだけいい食材だったら正直僕が何もしなくても美味しいけどさ」
「俺が作るよりずっと美味いよ」
「……俺らが一緒に転移してたら、本当はもっと早くこんな風に飯食えてたのにな」
「仕方ないよ、仕方ない。人生そんなもんだからね」
「世知辛いな……ほら酒」
「ありがと」

 嫌な思い出なんて思い出していてもしょうがない。
 どうしようもない感情を吐き出すために酒を入れ、過去の事を思い出して泣きそうになる涙腺を押さえつけながらエルピス達は昔話に花を咲かせる。
 まるで20年前に戻ったかのようなそんな時間はあっという間に過ぎていき、陽がもう上りはじめようかという時間になったころ。
 ふと幹が思い出したように口を開いた。

「そう言えばさ、なんとなく思い出したんだけど東の国に行ってみた方がいいと思うよ」
「東の国? あそこなんかあったか?」
「何かっていうよりは誰かかな。会わなきゃいけない人が確かそこにいた気がするんだ」
「頭の片隅に入れとくよ。いまはゆっくり飲もうぜ」

 全ての出来事には意味があり、全ての言葉にもまた何かしらのいみがある。
 幹がなぜこの場面でそんな事を思い出したのか、そこにいったい何があるというのか。
 気になることはたくさんあるが、それを考えるのはエルピスの役目だ。
 いまくらいはそのことを忘れていたってきっと許されるはずだ。
 そう思いながら晴人は再び酒に手を出すのだった。
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