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青年期:極東鬼神編(12月更新予定)
次代の神様
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──そうしてトコヤミが島を出て以来ぶりに母親に会っている頃。
エルピス達と別れて情報収集を行なっていたレネスとアケナはとある人物と対峙していた。
食べ歩きながら道中で商人達に話を聞いていたエルピス達とは違い、書物などで情報を手に入れるために店を転々としていたセラ達は各員別れて店を巡っていたのだが、その最中にレネスが一人の男に絡まれたのだ。
身長は二メートルを裕に越えようという程の巨体であり、赤黒く染まった肌はまるで龍の鱗のように強固さを感じさせる。
鬼人として優れたものの証である角は大小合わせて六本、見事なその角はまさに目の前の男がどれほどの実力者なのかを示していると言っていい。
そんな男がセラ達が品物を物色している際に急に後ろから声をかけてきたのである。
「あの男が選んだ女がどんなもんかと見にきたら……これが神に見初められる女の面か。想像してたのとちが――」
言葉を最後まで言うよりも早く目の前の鬼人は、その巨体を宙に浮かせながらセラ達がいた店の対面にあった店へと吹き飛んでいく。
男が言い終えるよりも先に手を出してしまったのはレネスだ。
何故自分たちがエルピスと来たことを知っているのかと言う疑問が浮かぶより先に、レネスの仙桜種としてのプライドが傷つけられたと叫んだのだ。
彼女にとって手を出す理由はそれだけで十分であり、吹き飛んでいった鬼人の姿を見てようやくレネスはそういえば何故自分たちの事を知っていたのだろうかと疑問に思う。
「アレは誰だ?」
「お、おまえさんあの人が誰か知らんのか!?」
レネスの疑問に答えたのは先ほどまで商談をしていた店の店主だ。
鬼ならば誰だって知る人物が目の前で吹き飛ばされ焦る店主に対し、レネスは一体誰なんだと疑問を口にする。
「知らん、誰かあいつに礼儀を教えてやらなかったのか」
「あのお方はかの芙蓉峰の山の主、遍鬼超童子様じゃぞ! 鬼神様の後継者じゃ!! えらいこっちゃえらいこっちゃ!! うちの店からはよ出ていけ!!」
追い出されるままに店から出て大通りに出たレネス達は、周囲の状況を見て遍鬼超童子と呼ばれる鬼がどれほど恐れられているかを知る。
活気があった大通りはいまや人の姿が見えず、店を開けていたもの達は戸を閉じて誰も入ってこれないようにす始末。
一概にそうでないとはいえ強きものが尊敬されることが多い亜人種において、この状況は少しだけ異質とも言える。
ガラガラと瓦礫を押し除けながら立ち上がりこちらへとズンズン歩いてくる遍鬼超童子はどうやらよほど嫌われているらしい。
鼻血をダラダラ垂れ流しながらそれを気にするそぶりもなく、彼は勇猛果敢にもレネスの前に立つ。
「お前名はなんという?」
「レネス・ティア……いや、いまはレネス・アルヘオだ。よく起き上がれたな」
「レネス……? 聞いてた名前と違うが……まぁいい! これでも俺様はちったァ名の知れた鬼だからよ。鬼に恐れられる天下最強の男! それが俺様って訳だ」
己の名声を誇示し、力あるものだとアピールするのは悪いことではない。
だが井の中の蛙が必死になって泣き喚いている様を見せられれば、レネスとてどのような反応をすれば良いのか困る。
鬼神の後継者と言われるだけあってそれなりの実力は有しているようだが、それでもレネスの記憶に残る程ですらない。
「天下最強とは随分大きく出たな。私が知る限りでもせいぜい30番目が良いところだぞ」
「アンタ見たところ上位種だろ? 種族まではわかんねぇが……良い女だ。どうだ? 俺の女にならないか」
「本当に失礼な奴だなお前は」
再び遍鬼超童子の姿が掻き消える。
こんどは店に被害が及ばないように上空へと飛ばされた遍鬼超童子は、20秒ほどの対空時間を経てまるで何かが爆発したかのような轟音を立てながら地面に着地した。
「手が出るのがはえぇなオイ。俺じゃなきゃ死んでるぞ?」
一度目に殴った時の感触でもう少し力を入れても良いと判断したレネスは、かなり強い力で彼を殴りつけたつもりだった。
だが初撃とは違いくる事を分かっていた一撃だったからか喰らってはいるものの足がふらついてもおらず、レネスは目の前の男をそこらの雑魚ではないと認識を改める。
「私は私を侮辱するものを許さないと、そう決めているのだ。アケナは下がっていろ、この男には少し強めにお灸を据えてやる」
「いけませんレネス様! その人は鬼神様の後継者、事を荒立てれば一体どうなるか!!」
「民草に恐れられている奴なんてどうにもならん。というか1発殴らんと気が済まん」
「もう随分殴ってましたよ!?」
全力で殴ればさすがに致命傷になるだろうが、目の前の男であれば1発2発くらい強めに殴ったところで問題はなさそうである。
拳を握り締め男の方にズンズンと近寄っていくレネスに対し、遍鬼超童子は手を前に出しながら焦ったように言葉を出す。
「待て待て待て、一つ確認したい。そこの女、もしかしてお前が穂叢の一人娘か?」
「な、なぜ遍鬼超童子様が私の母の名を知っているのですか?」
「俺の用があるのはお前だ。穂叢の娘を連れて来いって鬼神の野郎がうるさいもんでな」
「しかし私には妹がいます、一人娘ではありません。人違いではないでしょうか」
「妹がいる? そんな話あのジジイからは聞いてねェが……まぁいい。アンタ、レネスって言ったな。勝負は一旦預けておく、俺は一旦この女を連れてジジイの元に行かねぇといけねぇんでね」
この島に置いて無視されるような存在である自分にいったいどんな用があって鬼神が呼ぶというのだろうか。
アケナの頭の中に浮かぶ最も可能性が高い状況はアケナを囮にしたい場合、エルピスが言っていたように本当に戦闘を仕掛けてくる気であればまだ理由としては成り立っているだろう。
明らかに実力として上であるレネスがこの場に居るのだから無理な行動はせず、アケナがいまするべきことは連れ去られない事。
距離を取ったアケナに対して無意識的に遍鬼超童子は前に出るがそれを遮るようにしてレネスとは違うもう一人の子の男を圧倒できる人物が間に立つ。
「それは許可できませんね」
「なんだテメェ、誰だ?」
「アルヘオ家元メイド、エラ・アルヘオです。どうぞお見知り置きを」
「アンタも随分強そうだが、アルヘオって家名は全員そうなのか?」
挑発しながら殴られるかと構える遍鬼超童子だったが、エラは不機嫌そうにはなるもののすぐに手を出したりはしない。
「レネスとニルだけですよ。それよりもアケナさんを連れて行かれるのは困ります」
「こんなこと言うのは本意じゃねェが、鬼神のジジィが呼んでんだ。こなきゃ面倒なことになるのはそっちだぜ?」
神からの宣告を避けることができる者などこの世界に居るはずもない。
神を嫌っていながらもその意見に素直に従うしかない自分が言うのだから、拒否してくるなどと言うことは遍鬼超童子の頭の中には無かった。
だが当然のようにそれを拒否するのは横から割って入ってきたセラである。
「鬼神には後でまとめて行くと、そう言いなさい遍鬼超童子」
「次から次にゾロゾロとしかも女ばっかりか。オマエは誰なんだよ」
「誰でも良いでしょう。エルピスがアケナを連れて後日やってくる、首を洗って待っていろとそう言えば良いのよ」
「まったく……態度がデカい女たちだな。相分かった、お前たちがそういうなら俺から鬼神には伝えてやる。だがそれとは別に話があるんだ、お前たち全員ついてこい。そうすれば鬼神についても教えてやる」
何かを警戒するような素振りを見せながら口にする遍鬼超童子のその姿は先ほどまでの大雑把な鬼としての姿ではなく、この場に居た全員が一瞬あっけにとられる。
セラからの返事を待つことなく歩き出したその姿は付いてくることを確信しているようであり、なんだかその後をついていった方がいい気がしてセラ達はエルピスに状況をある程度説明してから遍鬼超童子の後を追いかけていた。
街から離れ街道から離れどんどんと前へ前へと進んでいく遍鬼超童子の後を追いかけていると気が付けば山登りが始まっており、ここはどうやら彼の本拠地である芙蓉峰らしいと気が付いたころには山の半分ほどまで来ているではないか。
鬼人ですら数日はかかる程に険しい山は高度にして1万2000を超える。
山としてはこの世界でも有数の高度であり、浮遊城などを除いていいのであれば宇宙に最も近い大地であることは確実だ。
数百メートルを超える断崖絶壁をまるで平地のように走る遍鬼超童子を追いかけるために、当然同じような行動をセラ達も求められるわけだがエルピスと旅をして来た3人とは違い事前の準備もなしにそう簡単に登れるようなものではない。
「すいませんエラ。背負っていただいて」
「アケナさんは軽いので全然大丈夫ですよ。それにあの街から離れられて、私は少し嬉しいんです」
「……なにか嫌な思いを?」
「私がしていたわけではありませんが、アケナさんがあんな風に周りから見られているのを黙って見ているのはストレスでしかありませんでしたから」
他者から疎まれることもあるアルへオ家で生きるのだからと、他者からの目線に対して耐えるような訓練も受けていたエラ。
だが嫉妬でも嫌味でもなくただ種族によって嫌われるというのはこの世界でよくあることではあるが、されている方からすればそれを甘んじて受け入れろと言われてはいそうですかと言えるようなものではない。
「私はいいんです。皆さんが気にしなければ……」
「この島から出るときにはそんな事気にしなくてもいいようにします、いま決めました」
「一体どうやって?」
「それはまだ決めてませんが、この島を出るときにはきっと何とかします」
アケナが知っていたころのエラだったらとてもではないが口にしなかったような言葉。
エルピスと旅をしているうちにエラもどうやら随分と成長していたらしい。
核心を持って口にしたエラの言葉は信頼するには十分なものだった。
そうして山登りをしてかなりの時間が経過し、ついには山の頂上に到達した面々は小さな中華風の小屋の中へと案内される。
部屋の中に入った瞬間に感じられたのはエルピスが展開しているような外部からの諜報活動を阻害する結界。
魔法とは違い結界術として機能しているそれらは作りが特別なだけあってそれなりに魔術に精通していなければ対処することは困難だろう。
想定している相手がなんとなく分かる様なそんな結界を潜り抜けて室内を見てみれば、街中で粗暴と思われているような人物とはとても思えないほどに整った室内が目に留まる。
「さて、ここならジジイに聞かれることもない。とりあえずそこに座ってくれ、地面で悪いがそういう風習の国なんでな」
「さっきまでと随分と態度が違いますね。鬼神相手に何か確執でも?」
「……もう少し普通順序を立てて話をするものなんじゃないのか? さっき殴られたときも思ったんだがそういうものなのか?」
「楽しくお茶をするにはまだ信頼に足りていないからな。そりゃあ踏み込んだ話もするだろう」
ちらりとレネスを見た遍鬼超童子が言いたいことを察したレネスは、当然のようにそれを否定する。
未開の地で敵と思って居る相手となかよくお茶ができる人物がいたとすればよほど肝が据わった人間か、盲目的なまでに他者の善意を信じられる人物だけくらいのものだろう。
「なら単刀直入に言う。鬼神を倒す手伝いをしてくれないか?」
「なっー―!?」
頭を下げて頼みこんでくる遍鬼超童子を見て驚きの声を上げたのはアケナだ。
鬼神を倒すと遍鬼超童子が口にすること自体はそれほど問題ではない。
鬼神の後継者として既に名が広まっており、鬼神が死ぬか自ら鬼神を辞めると口にすれば放っておいても彼は鬼神になるわけだが、積極的に鬼神を討伐してそれを継承することは全く問題はないのだ。
だが今回セラ達に頼っているうえにこうしてわざわざ山に来て隠し事をするように話をしているのだから、やましいことがあるのは確実だ。
プライドの高い鬼人が頭を下げてまでそれを願ってくるというのはまさにエルピスが予見していた面倒ごとである。
「理由を聞こうか。面白そうだ」
「この国が鎖国してからどれだけ経ったか、知っているか?」
「人の歴史の書には400年ほど前には既に鎖国をしていたと聞いたことがありますが、詳しい年月は知りませんね」
森妖種と鬼人の戦争は実際のところそれくらいに発生しているのだが、それは人の世界としての正しい認識というものである。
この国の歴史を知り、鎖国された時代を生きる遍鬼超童子はこの国の歴史を知っている。
「この国の鎖国年数は千年だ」
千年前といえば人類がフェルに滅ぼされる前の超大国を築いていた時代。
既にありとあらゆる文章から情報が抹消され、他種族の長命なものに聞くことでしか人の時代の移り行きを把握することもできないような年代。
それくらいの時から彼ら鬼人は鎖国しているという。
だがおかしな話だ、それらならば人や他の亜人種と交流していたという話とつじつまが合わないではないか。
そう考えたエラが純粋に疑問を投げかけた。
「森妖種の国にもいくつか、貴方達鬼人種と交流をしたような記録はのこっています。それについては?」
「出島の連中は俺の管轄だ、あそこは正確に言えば国じゃない。アンタらが物珍しい目で見られていた理由は単純に外の種族を見たことが無いからだ、まぁ俺だって天使や森妖種ならまだしも桜仙種は初めて実物を見るが」
「ほう、私の種族の事を知っているのだな」
「200年以上前に出島にエイルって名前の桜仙種が来た、その人にいろいろと教えてもらったんだよ。土精霊の国に行くまでの半年くらいだがな」
「叔父上を知っていたのか。私の一撃を受けても立っていられるわけだ」
「意識とんだけどな。相変わらずいかれた種族だよ」
エルピスが土精霊達の創り出した迷宮で戦った最初の桜仙種、エイルは元々それまでどうやらこの島に滞在していたらしい。
先程までのレネスの種族を知らないような演技もわざと苛立たせるような物言いもこうして招き入れるためだとしたら、随分と上手く手のひらの上で転がされているものである。
「誉め言葉として預かっておこう。話を折って悪かったな、それで鎖国と鬼神がどう関係しているんだ?」
「その鎖国を決めているのが鬼神なんだ。おかげさまで我々鬼族は工業、魔法開発業、農業、ありとあらゆる分野において鬼族は世界に1000年近い遅れをとっている。俺が求めてるのはこの国の近代化、つまりはこの国を開放し世界とつながることだ。そのために俺は鬼神を倒す、頼む俺の野望を手伝ってくれ」
再び頭を下げる遍鬼超童子を前にしてセラ達は選択を求められる。
エルピスが居ない今話をいったん保留するという手段も勿論ありではあるが、鬼が実を倒すという話をここで持ちかけてきた彼の意図として返事はいまここで、何としても欲しいものだろう。
神を敵にするか国を開放するかなど天秤にかけるまでもないことで、普通神を敵にしようなどという考えはない。
だが普通でないからこそ、常識的ではないからこそその可能性は選択するべきものだ。
「その話、乗った」
誰がその言葉を口にしたかはどうでもいい。
エルピスがきっとこの場に居たのなら、同じ決断をするだろう。
自由を望むのであれば抑圧する者から解放する、それこそがアルへオ家の家訓、アルへオに連なるものとして正しい行いだ。
神が相手であったとしてもそれは揺らぐことはない。
こうして鬼人達が住むこの街に来て初日、鬼神との戦争が確定してしまった。
エルピス達と別れて情報収集を行なっていたレネスとアケナはとある人物と対峙していた。
食べ歩きながら道中で商人達に話を聞いていたエルピス達とは違い、書物などで情報を手に入れるために店を転々としていたセラ達は各員別れて店を巡っていたのだが、その最中にレネスが一人の男に絡まれたのだ。
身長は二メートルを裕に越えようという程の巨体であり、赤黒く染まった肌はまるで龍の鱗のように強固さを感じさせる。
鬼人として優れたものの証である角は大小合わせて六本、見事なその角はまさに目の前の男がどれほどの実力者なのかを示していると言っていい。
そんな男がセラ達が品物を物色している際に急に後ろから声をかけてきたのである。
「あの男が選んだ女がどんなもんかと見にきたら……これが神に見初められる女の面か。想像してたのとちが――」
言葉を最後まで言うよりも早く目の前の鬼人は、その巨体を宙に浮かせながらセラ達がいた店の対面にあった店へと吹き飛んでいく。
男が言い終えるよりも先に手を出してしまったのはレネスだ。
何故自分たちがエルピスと来たことを知っているのかと言う疑問が浮かぶより先に、レネスの仙桜種としてのプライドが傷つけられたと叫んだのだ。
彼女にとって手を出す理由はそれだけで十分であり、吹き飛んでいった鬼人の姿を見てようやくレネスはそういえば何故自分たちの事を知っていたのだろうかと疑問に思う。
「アレは誰だ?」
「お、おまえさんあの人が誰か知らんのか!?」
レネスの疑問に答えたのは先ほどまで商談をしていた店の店主だ。
鬼ならば誰だって知る人物が目の前で吹き飛ばされ焦る店主に対し、レネスは一体誰なんだと疑問を口にする。
「知らん、誰かあいつに礼儀を教えてやらなかったのか」
「あのお方はかの芙蓉峰の山の主、遍鬼超童子様じゃぞ! 鬼神様の後継者じゃ!! えらいこっちゃえらいこっちゃ!! うちの店からはよ出ていけ!!」
追い出されるままに店から出て大通りに出たレネス達は、周囲の状況を見て遍鬼超童子と呼ばれる鬼がどれほど恐れられているかを知る。
活気があった大通りはいまや人の姿が見えず、店を開けていたもの達は戸を閉じて誰も入ってこれないようにす始末。
一概にそうでないとはいえ強きものが尊敬されることが多い亜人種において、この状況は少しだけ異質とも言える。
ガラガラと瓦礫を押し除けながら立ち上がりこちらへとズンズン歩いてくる遍鬼超童子はどうやらよほど嫌われているらしい。
鼻血をダラダラ垂れ流しながらそれを気にするそぶりもなく、彼は勇猛果敢にもレネスの前に立つ。
「お前名はなんという?」
「レネス・ティア……いや、いまはレネス・アルヘオだ。よく起き上がれたな」
「レネス……? 聞いてた名前と違うが……まぁいい! これでも俺様はちったァ名の知れた鬼だからよ。鬼に恐れられる天下最強の男! それが俺様って訳だ」
己の名声を誇示し、力あるものだとアピールするのは悪いことではない。
だが井の中の蛙が必死になって泣き喚いている様を見せられれば、レネスとてどのような反応をすれば良いのか困る。
鬼神の後継者と言われるだけあってそれなりの実力は有しているようだが、それでもレネスの記憶に残る程ですらない。
「天下最強とは随分大きく出たな。私が知る限りでもせいぜい30番目が良いところだぞ」
「アンタ見たところ上位種だろ? 種族まではわかんねぇが……良い女だ。どうだ? 俺の女にならないか」
「本当に失礼な奴だなお前は」
再び遍鬼超童子の姿が掻き消える。
こんどは店に被害が及ばないように上空へと飛ばされた遍鬼超童子は、20秒ほどの対空時間を経てまるで何かが爆発したかのような轟音を立てながら地面に着地した。
「手が出るのがはえぇなオイ。俺じゃなきゃ死んでるぞ?」
一度目に殴った時の感触でもう少し力を入れても良いと判断したレネスは、かなり強い力で彼を殴りつけたつもりだった。
だが初撃とは違いくる事を分かっていた一撃だったからか喰らってはいるものの足がふらついてもおらず、レネスは目の前の男をそこらの雑魚ではないと認識を改める。
「私は私を侮辱するものを許さないと、そう決めているのだ。アケナは下がっていろ、この男には少し強めにお灸を据えてやる」
「いけませんレネス様! その人は鬼神様の後継者、事を荒立てれば一体どうなるか!!」
「民草に恐れられている奴なんてどうにもならん。というか1発殴らんと気が済まん」
「もう随分殴ってましたよ!?」
全力で殴ればさすがに致命傷になるだろうが、目の前の男であれば1発2発くらい強めに殴ったところで問題はなさそうである。
拳を握り締め男の方にズンズンと近寄っていくレネスに対し、遍鬼超童子は手を前に出しながら焦ったように言葉を出す。
「待て待て待て、一つ確認したい。そこの女、もしかしてお前が穂叢の一人娘か?」
「な、なぜ遍鬼超童子様が私の母の名を知っているのですか?」
「俺の用があるのはお前だ。穂叢の娘を連れて来いって鬼神の野郎がうるさいもんでな」
「しかし私には妹がいます、一人娘ではありません。人違いではないでしょうか」
「妹がいる? そんな話あのジジイからは聞いてねェが……まぁいい。アンタ、レネスって言ったな。勝負は一旦預けておく、俺は一旦この女を連れてジジイの元に行かねぇといけねぇんでね」
この島に置いて無視されるような存在である自分にいったいどんな用があって鬼神が呼ぶというのだろうか。
アケナの頭の中に浮かぶ最も可能性が高い状況はアケナを囮にしたい場合、エルピスが言っていたように本当に戦闘を仕掛けてくる気であればまだ理由としては成り立っているだろう。
明らかに実力として上であるレネスがこの場に居るのだから無理な行動はせず、アケナがいまするべきことは連れ去られない事。
距離を取ったアケナに対して無意識的に遍鬼超童子は前に出るがそれを遮るようにしてレネスとは違うもう一人の子の男を圧倒できる人物が間に立つ。
「それは許可できませんね」
「なんだテメェ、誰だ?」
「アルヘオ家元メイド、エラ・アルヘオです。どうぞお見知り置きを」
「アンタも随分強そうだが、アルヘオって家名は全員そうなのか?」
挑発しながら殴られるかと構える遍鬼超童子だったが、エラは不機嫌そうにはなるもののすぐに手を出したりはしない。
「レネスとニルだけですよ。それよりもアケナさんを連れて行かれるのは困ります」
「こんなこと言うのは本意じゃねェが、鬼神のジジィが呼んでんだ。こなきゃ面倒なことになるのはそっちだぜ?」
神からの宣告を避けることができる者などこの世界に居るはずもない。
神を嫌っていながらもその意見に素直に従うしかない自分が言うのだから、拒否してくるなどと言うことは遍鬼超童子の頭の中には無かった。
だが当然のようにそれを拒否するのは横から割って入ってきたセラである。
「鬼神には後でまとめて行くと、そう言いなさい遍鬼超童子」
「次から次にゾロゾロとしかも女ばっかりか。オマエは誰なんだよ」
「誰でも良いでしょう。エルピスがアケナを連れて後日やってくる、首を洗って待っていろとそう言えば良いのよ」
「まったく……態度がデカい女たちだな。相分かった、お前たちがそういうなら俺から鬼神には伝えてやる。だがそれとは別に話があるんだ、お前たち全員ついてこい。そうすれば鬼神についても教えてやる」
何かを警戒するような素振りを見せながら口にする遍鬼超童子のその姿は先ほどまでの大雑把な鬼としての姿ではなく、この場に居た全員が一瞬あっけにとられる。
セラからの返事を待つことなく歩き出したその姿は付いてくることを確信しているようであり、なんだかその後をついていった方がいい気がしてセラ達はエルピスに状況をある程度説明してから遍鬼超童子の後を追いかけていた。
街から離れ街道から離れどんどんと前へ前へと進んでいく遍鬼超童子の後を追いかけていると気が付けば山登りが始まっており、ここはどうやら彼の本拠地である芙蓉峰らしいと気が付いたころには山の半分ほどまで来ているではないか。
鬼人ですら数日はかかる程に険しい山は高度にして1万2000を超える。
山としてはこの世界でも有数の高度であり、浮遊城などを除いていいのであれば宇宙に最も近い大地であることは確実だ。
数百メートルを超える断崖絶壁をまるで平地のように走る遍鬼超童子を追いかけるために、当然同じような行動をセラ達も求められるわけだがエルピスと旅をして来た3人とは違い事前の準備もなしにそう簡単に登れるようなものではない。
「すいませんエラ。背負っていただいて」
「アケナさんは軽いので全然大丈夫ですよ。それにあの街から離れられて、私は少し嬉しいんです」
「……なにか嫌な思いを?」
「私がしていたわけではありませんが、アケナさんがあんな風に周りから見られているのを黙って見ているのはストレスでしかありませんでしたから」
他者から疎まれることもあるアルへオ家で生きるのだからと、他者からの目線に対して耐えるような訓練も受けていたエラ。
だが嫉妬でも嫌味でもなくただ種族によって嫌われるというのはこの世界でよくあることではあるが、されている方からすればそれを甘んじて受け入れろと言われてはいそうですかと言えるようなものではない。
「私はいいんです。皆さんが気にしなければ……」
「この島から出るときにはそんな事気にしなくてもいいようにします、いま決めました」
「一体どうやって?」
「それはまだ決めてませんが、この島を出るときにはきっと何とかします」
アケナが知っていたころのエラだったらとてもではないが口にしなかったような言葉。
エルピスと旅をしているうちにエラもどうやら随分と成長していたらしい。
核心を持って口にしたエラの言葉は信頼するには十分なものだった。
そうして山登りをしてかなりの時間が経過し、ついには山の頂上に到達した面々は小さな中華風の小屋の中へと案内される。
部屋の中に入った瞬間に感じられたのはエルピスが展開しているような外部からの諜報活動を阻害する結界。
魔法とは違い結界術として機能しているそれらは作りが特別なだけあってそれなりに魔術に精通していなければ対処することは困難だろう。
想定している相手がなんとなく分かる様なそんな結界を潜り抜けて室内を見てみれば、街中で粗暴と思われているような人物とはとても思えないほどに整った室内が目に留まる。
「さて、ここならジジイに聞かれることもない。とりあえずそこに座ってくれ、地面で悪いがそういう風習の国なんでな」
「さっきまでと随分と態度が違いますね。鬼神相手に何か確執でも?」
「……もう少し普通順序を立てて話をするものなんじゃないのか? さっき殴られたときも思ったんだがそういうものなのか?」
「楽しくお茶をするにはまだ信頼に足りていないからな。そりゃあ踏み込んだ話もするだろう」
ちらりとレネスを見た遍鬼超童子が言いたいことを察したレネスは、当然のようにそれを否定する。
未開の地で敵と思って居る相手となかよくお茶ができる人物がいたとすればよほど肝が据わった人間か、盲目的なまでに他者の善意を信じられる人物だけくらいのものだろう。
「なら単刀直入に言う。鬼神を倒す手伝いをしてくれないか?」
「なっー―!?」
頭を下げて頼みこんでくる遍鬼超童子を見て驚きの声を上げたのはアケナだ。
鬼神を倒すと遍鬼超童子が口にすること自体はそれほど問題ではない。
鬼神の後継者として既に名が広まっており、鬼神が死ぬか自ら鬼神を辞めると口にすれば放っておいても彼は鬼神になるわけだが、積極的に鬼神を討伐してそれを継承することは全く問題はないのだ。
だが今回セラ達に頼っているうえにこうしてわざわざ山に来て隠し事をするように話をしているのだから、やましいことがあるのは確実だ。
プライドの高い鬼人が頭を下げてまでそれを願ってくるというのはまさにエルピスが予見していた面倒ごとである。
「理由を聞こうか。面白そうだ」
「この国が鎖国してからどれだけ経ったか、知っているか?」
「人の歴史の書には400年ほど前には既に鎖国をしていたと聞いたことがありますが、詳しい年月は知りませんね」
森妖種と鬼人の戦争は実際のところそれくらいに発生しているのだが、それは人の世界としての正しい認識というものである。
この国の歴史を知り、鎖国された時代を生きる遍鬼超童子はこの国の歴史を知っている。
「この国の鎖国年数は千年だ」
千年前といえば人類がフェルに滅ぼされる前の超大国を築いていた時代。
既にありとあらゆる文章から情報が抹消され、他種族の長命なものに聞くことでしか人の時代の移り行きを把握することもできないような年代。
それくらいの時から彼ら鬼人は鎖国しているという。
だがおかしな話だ、それらならば人や他の亜人種と交流していたという話とつじつまが合わないではないか。
そう考えたエラが純粋に疑問を投げかけた。
「森妖種の国にもいくつか、貴方達鬼人種と交流をしたような記録はのこっています。それについては?」
「出島の連中は俺の管轄だ、あそこは正確に言えば国じゃない。アンタらが物珍しい目で見られていた理由は単純に外の種族を見たことが無いからだ、まぁ俺だって天使や森妖種ならまだしも桜仙種は初めて実物を見るが」
「ほう、私の種族の事を知っているのだな」
「200年以上前に出島にエイルって名前の桜仙種が来た、その人にいろいろと教えてもらったんだよ。土精霊の国に行くまでの半年くらいだがな」
「叔父上を知っていたのか。私の一撃を受けても立っていられるわけだ」
「意識とんだけどな。相変わらずいかれた種族だよ」
エルピスが土精霊達の創り出した迷宮で戦った最初の桜仙種、エイルは元々それまでどうやらこの島に滞在していたらしい。
先程までのレネスの種族を知らないような演技もわざと苛立たせるような物言いもこうして招き入れるためだとしたら、随分と上手く手のひらの上で転がされているものである。
「誉め言葉として預かっておこう。話を折って悪かったな、それで鎖国と鬼神がどう関係しているんだ?」
「その鎖国を決めているのが鬼神なんだ。おかげさまで我々鬼族は工業、魔法開発業、農業、ありとあらゆる分野において鬼族は世界に1000年近い遅れをとっている。俺が求めてるのはこの国の近代化、つまりはこの国を開放し世界とつながることだ。そのために俺は鬼神を倒す、頼む俺の野望を手伝ってくれ」
再び頭を下げる遍鬼超童子を前にしてセラ達は選択を求められる。
エルピスが居ない今話をいったん保留するという手段も勿論ありではあるが、鬼が実を倒すという話をここで持ちかけてきた彼の意図として返事はいまここで、何としても欲しいものだろう。
神を敵にするか国を開放するかなど天秤にかけるまでもないことで、普通神を敵にしようなどという考えはない。
だが普通でないからこそ、常識的ではないからこそその可能性は選択するべきものだ。
「その話、乗った」
誰がその言葉を口にしたかはどうでもいい。
エルピスがきっとこの場に居たのなら、同じ決断をするだろう。
自由を望むのであれば抑圧する者から解放する、それこそがアルへオ家の家訓、アルへオに連なるものとして正しい行いだ。
神が相手であったとしてもそれは揺らぐことはない。
こうして鬼人達が住むこの街に来て初日、鬼神との戦争が確定してしまった。
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橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
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まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
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