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序章
訓練
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ハーミルンにチームワークが無いと言われて数十分後。
菜月達がやってきたのは、城から歩いて少しした場所にある平原だ。
天空城の作り自体は設計図で見ているし、先程上から全体図をある程度は確認していたが、やはり設計図としてみるのと実際にこうしてみるのとでは全く感覚が違った。
島の端は遥か遠くのように見え、吹き付ける少し乾いた風は爽快感を与えてくれる。
風の心地よさに菜月が目を細めていると、後ろに立っていたハーミルンが菜月の服の袖を引っ張りながら指示を出す。
「それじゃあまずはギルマスから、スキルの紹介と使用する武器。後は自覚症状のある癖を教えて」
「良いですけどその方法だと時間かかりません? もう紙かなんかに移してちゃちゃっとやる感じじゃ…ダメですよね、はい真面目にやります」
「この中でチームワークの大事さ知ってるのはハーちゃんだけだから、ギルマス逆らわない方がいいと思うよ~?」
菜月の問いに対して冷めた視線で返してきたハーミルンの態度は、霊主の説明通りの理由なのだろう。
とりあえず菜月は自身の持っているスキルを確認するために視界にシステムウインドゥを開けると、戦闘用スキルと書かれている欄を開けた。
そこには見慣れた自身の獲得してきたスキルが大量にあるーーはずだったのだが、ここで菜月はふと違和感を覚える。
いくつかスキルが足りないのだ。
アメイジアで菜月が獲得したスキルは基本スキル、上位スキル含めて数百に及ぶ。
もちろんその中でまともに使えるものなど高々知れているし、それに様々なゲームを少しづつやっているから、量だけ多いだけで極めているスキルは手で数えられる程しかない。
とはいえ自身のスキルは何度も何度も確認しているので、大体配置で持っているスキルは覚えているのだが、どう見てもかなりの数がなくなっている。
能力が低い自分だからこの程度の感覚ですんでいるが、他のギルドメンバーにも同じことが起きていた場合の被害は考えたく無いほどだ。
だが聞かないわけにもいかず、菜月はとりあえずその事だけを聞いてみる。
「どうやら一部スキルが消されてるみたいですけどみなさんはどうですか?」
「ギルマス、スキルくなってるの!? えっと、、僕は大丈夫かな。なんも減ってない!」
「俺と雷蔵も大丈夫だ」
「ギルマスなんかやらかしたんじゃない? 運営怒らせちゃったとか。スキルがなくなるなんてそうでもしないとーーって私も結構無くなってる!?」
「私もいくつか減っている…。どうやら直近でプレイしたゲームの能力は残っているらしい…ほら」
そう言われハーミルンが他の人にも見れるようにと表示した自分のステータスを見ると、おびただしい数のFPS関連のスキルの下に裁縫と料理関係のスキルがいくつか見受けられた。
少し前にギルドホームの台所で何度か爆発音がしていたと思ったら、どうやら料理をしていたらしい。
彼らのように一つの道を極めた人間ならば、このような状況になったところでたいした痛手では無いだろうが、器用貧乏として活動していた菜月すればとどめの一撃を刺されたも同義だ。
今残っているスキルを確認してみたところ、どうやら召喚に関する幾つかのスキル、武器系スキルは残っているが、それ以外の戦闘スキルは全て消えていた。
菜月の基本的な戦闘スタイルは、魔法と武器の同時使用による手数の多さだったので、かなり戦闘に制限がかかってしまうことになる。
今更になって運営がプロプレイヤーがいる事を最低条件とした意味が少し理解できてきたが、こうなると分かっていたのならば言ってくれればまだ対処のしようがあったものの…。
考えていたところで現状が良くなるわけでも無いので、菜月は考えを改め新しい戦闘スタイルを考える。
「とりあえずこのスキルでなんとかするしか無いよね…ってなんでハーミルンさん召喚スクロール持ってるの? それゴーレムのだよね多分」
新しい戦闘方法を考えていた菜月の目の前でハーミルンがおもむろに取り出したのは、丸められた少し古臭い一枚の紙だった。
アメイジアでは魔法陣を使用して魔物を召喚する方法がいくつかあり、基本的には召喚士という職業の人間が召喚するのだが、こうして召喚スクロールと呼ばれるアイテムを使用すると指定の魔物を召喚することができるのだ。
召喚スクロールに描かれた紋章である程度どの魔物を召喚するかを識別することが可能なのだが、ハーミルンが今手にしているのはゴーレム系を召喚するための召喚スクロールだ。
ゴーレム系は比較的容易に取得することが可能なので、彼女が持っていたところで何の疑問もないのだが、それをいま手にする必要は別に無いはずなので、菜月にはそれが気になった。
「無くなったものは仕方ないから練習…。危なくなったら助ける」
「えっちょ、待って準備できてないんだけどーー」
言うが早いが彼女の手から零れ落ちた召喚用スクロールは、地面に溶け込むように落ちると、綺麗な赤い召喚陣を光らせながら巨大なゴーレムを召喚する。
大きさにして約七、八メートルといったところだろうか。
その大きな姿と背中から燃え上がる火を見ながら、菜月は目の前の敵がなんだったか思い出す。
確か名前は焔の巨人。
北欧神話系のイベントに出てくるモンスターで、九つの世界に一つずつ存在する量産型ゴーレムだったはずだ。
特徴としてはまずその大きな体と巨体に見合わない素早い動きなのだが、一番の特徴は体内に埋め込まれたコアを壊さない限り無限に再生するその厄介なスキル。
しかもこいつは一定時間経過すると周囲の物や生物を取り込み自身を強化する特性があるので、早急にバラす必要がある。
万全の状態だとしても菜月からしてみればかなりの強敵だ。
「ほら避けないと危ないよ~ギルマス!」
霊主がそう言うと同時に菜月に向かって焔の巨人の剛腕が振り下ろされる。
焔の巨人というだけあってその体表は超高温であり、まともに触れば火傷どころの騒ぎでは済まない。
目視でギリギリ反応できるほどの降ろされた手をなんとか回避し、体制を整えるために召喚スキルを使用し数枚程壁を生成しながら距離を取る。
「ーー急に始まったから止めるタイミングがなかったが、止めなくてよかったのかあれ」
「そう気にしなくても良いだろうバロンよ。それに菜月殿はああ見えてかなりのやり手だ、スキルが無くともどうにかするだろうよ」
「ギルマス髪の毛ちょっと燃えてるけどね。写真撮っとこ」
「後でそれ俺にも送ってくれないかアルライド?」
「いいよー個人チャットに送っとくね」
「カメラ越しに見るのは勧めんぞアルライド。そろそろ菜月殿が抜く」
視界の端で何やら楽しそうに喋っているギルドメンバー達を頭の隅に追いやり、菜月は必要な情報だけを頭の中に整える。
まずあの外骨格を砕くには圧倒的なパワーか、骨格をつなぐ骨の代わりと言っても良い薄く伸びた魔導鉄を断ち切る技量が必要になる。
(砕くには周囲に必要なものが少なすぎる。ーーーっ!? 危ねぇ! 破壊系の武器は置いてきたし、今回は中から断ち切るしか無いか)
可能な限り早く判断を下し、菜月は残された内のスキルの一つである〈武装〉を起動する。
数ある装備交換系スキルの中でも特に菜月が気に入っているスキルであり、効果としてはかなり単純で、指定しておいた武器を瞬時に手元に出現させることができるというものだ。
元から設定したものであり、なおかつ一種類のみしか使用できないのが難点ではあるがその分高速で出せるので不満はない。
菜月の腰の周りに薄い光が徐々に集まりだし、その光は刀のような形を形成していく。
「ゴァァァァァァア!!!」
一瞬思考が消えるほどの爆音とともに、焔の巨人はこちらへと向けて全速力で駆けてくる。
さすがの巨大なだけあって一歩一歩がかなり大きく、菜月の元まで来るのに数秒とかからないほどでは無いだろうかと錯覚すら覚えてしまう。
「どうすんの雷蔵さん! ギルマスあれじゃ刀抜けないよ!?」
「ふるな! 酔うから勘弁してくれ」
「でもあれじゃギルマス死んじゃうよ!」
ーーふとどこからか菜月の耳にそんな声が聞こえた。
全力でかけてくる目の前のそれを前にして恐怖を感じているはずなのにどこか落ち着いた心は、戦闘以外の音ばかりを拾おうとする。
アルライドが疑問に思うのも無理はない。
菜月の腰に挿された刀はどこからどう見ても一メートル以上ある。それを腕だけで抜くのは不可能だ
たとえ腰を引き腕を伸ばしなんとか刀身を出したとしても、その時には既に巨人が近づいてきている。
どう考えても間に合うはずがない。
「まぁ見ていろ」
ギルドメンバー達のそんな会話の間にも焔の巨人は、菜月の元へと向かって走ってきている。
その太い足に菜月を殺すためだけに可能な限りの力を込め、まるでサッカーボールでもけるかのように思いっきり振り抜こうとしたその瞬間。
菜月はそれよりも疾く全力で大地を蹴り飛ばす。
大きく振りかぶった巨人の足の下に移動すると、そのまま後ろに回り込み思いっきり刀を鞘に入れたまま振り切る。
カァァァァンと甲高い音がしたかと思うと、バランスを崩した焔の巨人が膝をついた。
「おお!! やっちゃえギルマス!」
「いや、まだだ」
「ゴァァァ!!」
だが焔の巨人とて甘くはない。
身体からおよそ人類が耐えきれないであろう熱を大量に背中から噴射し、更に炎を体の関節部から噴射する事で身体のつなぎ目を見づらくすることによって菜月の攻撃手段を狭める。
だが菜月はその行動を読んでいた、というより知っていた。
これが初めて戦う相手ならばどうすれば良いかと困惑しただろうが、何度か戦ったこれ相手に遅れを取るほど弱くはない。
この程度の敵も処理できなければ、自分より圧倒的上位者である仲間達といる資格などないのだから。
先程までと同じように再び大地を蹴ると、今度は前に進むのではなく上へと飛んだ。
景色が一瞬で入れ替わり、遥か上空からでは先程までは大きく見えた焔の巨人も随分と小さく見えた。
柄を握り地面に向かって刀を放り投げ、空中で加速しながら抜き身になった刀を手に取る。
菜月は木の枝でも持つかのように軽く大太刀を手に持ち、焔の巨人の首元めがけて最速で刀を振り下ろした。
「グァァァァァアア"'」
巨人が危険を察知し動き出すより数秒早く、大太刀は焔の巨人の首を切り落とす。
圧倒的な破壊力と驚くほどに精密な剣捌きは、超硬質な焔の巨人の体表をたやすく切り飛ばしたのだ。
返す刃で頭の中心部にあるコアを真っ二つに切り裂く、そうする事で先程まで動いていた焔の巨人の体はただの無機物へと変わっていった。
「とりあえずは勝利って感じかな?」
「うん…さすがギルマス。良い太刀筋だった、今度銃弾切ってみる?」
「ありがとう、だけどそれはさすがに無理じゃないかな…? ハーミルンさんの銃撃とか食らったらさすがに死んじゃうし」
「相変わらず剣の形に囚われない見事な戦闘方法だな、俺には真似できない」
「僕のは所詮我流ですから。雷蔵さんの剣には負けますよ。とりあえず僕のはこんな感じですかね? 一回スキルツリーの編成し直さないと…」
「じゃあ次は雷蔵さんスキル使っても何でもいいからサクッとお願いね」
「おう、任せてくれ」
先程までの菜月と同じように、雷蔵もゴーレムとの戦闘を始める。
雷蔵は所謂死にゲーと呼ばれるゲームを主として活動するプロプレイヤーであり、そんな彼からすれば目の前の敵は敵と認識すら出来ないほどの雑魚だろう。
菜月の読み通り手の中に刀を生成した雷蔵は、その刀を吠える巨人に向かって無造作に振り回す。
それだけで巨人は簡単に細切れになり、土へと帰っていく。
呆気なさ過ぎるその勝負は菜月と雷蔵の力の差を示し、超えられない壁の高さに不思議と笑みがこぼれる。
「はっや、どんな火力してるのさ」
「あれで本気装備じゃないんだから怖いよねぇ、次誰いく? ハーちゃんいく?」
「うん、やる。ちゃちゃっと終わらせちゃおう」
言うが早いがハーミルンは先程までと同じようにゴーレムを出現させ、いつの間にか手に持っていた拳銃で眉間を撃ち抜く。
時間にすれば雷蔵よりも早かっただろう。
「なんかタイムアタックみたいな空気になってきたね、次僕いく~」
「今のところ私の二秒がベストタイム」
「そう言う事ならもう一度やらせてくれないか? 本気でやりたい」
「だめ、こう言うのは一度だけと相場が決まっている」
「なぁギルマス、趣旨が変わってきていないか」
「相手が相手ですからね、準備運動だと思えば丁度いいんじゃないですか」
会話の最中にもゴーレムはその姿を徐々に表し、先程までと同じように大声で吠える。
心なしか顔がやつれて見えるのは気のせいだろうか? 菜月がなんとなくでそんな事を考えているとゴーレムが内側から爆散する。
召喚に失敗しただとかそう言う理由ではなく、アルライドの攻撃によるものだ。
彼はパズル系のゲームを得意とし、パズルを解く事で物理でも魔法でもない特殊な攻撃を行うことができる。
「一、五秒きたー! ハーミルンさん超え~!」
「次私行く! ハーちゃんの仇は私が取るよ!」
次に名乗りを上げたのは霊主だ。
彼女は巻物に絵を描くとその事情を起こすことの出来るスキルを持っており、立ち回り的にはオールラウンダーのそれに近い。
召喚されたゴーレムに対して彼女が筆を取り何かを描くと、ゴーレムは頭の上から粉になって消えていく。
「どう!? 何秒!?」
「ジャストで一秒くらいかな? どうしたらあんな死に方するのさ」
「普通に〈死〉って書いただけだよ。弱い敵ならこれで即死するんだよね」
「なにそのえげつないチート能力、次はバロンさんだけどーー」
アルライドがそう言った瞬間、爆音とともに辺りに粉々になった石が飛び散る。
煙が立ち込め視界が悪くなり、ピリッとした空気が辺りに漂い始める。
一体なにが起きたか原因が分からず身構えていると、ふと煙の中から声が聞こえた。
「ーーよし、終わったぞ!」
「バロンさんやるなら言ってくださいよ! びっくりしたじゃないですか!」
「あ、すまんすまん。どうだ、結構早く終わったんじゃないか」
「おそらく最速だろうがバロンよ、正攻法とは言えそれはどうなのか…」
煙から出てきたバロンの手にはバロンの身体よりも大きいツルハシが握られており、その背後では上半身だけが無くなったゴーレムが土に還るところだった。
それを見ただけで他のギルドメンバーは彼がなにをしたのかを一瞬で把握し、それを行える筋力量に少し呆れたような声を出す。
召喚陣から魔物が出てくる時を狙うのは当たり前と言えば当たり前だが、だとしても出てきたばかりのゴーレムに、ツルハシで一撃即死を決められる彼の筋力量は異常だ。
「まぁ良いじゃないか、これで大体みんなの攻撃方法は分かっただろう?」
「バロンさんを除いてだけどね! ハーちゃん的にはどう言う感じでチーム分けするの?」
「取り敢えず大体は前までと一緒かな。前衛は雷蔵さん、バロンさんの二人に任せる」
「おう! 任せときな、盾の扱いにも自信はあるんだ」
「うん、そんな感じだもんね…次にギルマスには中衛を任せる、あとは他の人で後衛する感じで」
「おっけー、取り敢えず実践してみようか」
「だねー、でももうゴーレム相手は飽きたよ? なんかいい相手いないのかなぁ」
「ーーそう言う事でしたら、私共にお任せください」
焔の巨人の強化版である原初の巨人でも召喚しようかと思っていると、不意に背後から声が聞こえた。
声のした方を見てみれば、そこに立っていたのはメビウスと見知らぬ男女6名だけほ。
六人揃って同じような装備を着用しており、胸に刻まれた紋章のような模様から分かるようにどうやら騎士団的なものらしい。
一師団もいるのだ、その内の数名をメビウスが見繕ってきたのだろう。
「おおっとその紋章はもしかして!」
「はい霊主様。この者達はこの天空城で六人しかいない近衛兵です」
「近衛兵? そいつらが……なるほどねえ。確かに強そうだ」
「バロンさん楽しそうだね、僕も結構テンション上がってきたなぁ」
どうやら師団の中でも特別な者達を選び出してきたらしい。
近衛兵といえば、王の守護を任されるだけの力と技量を持つ選ばれし人間達だ。
バロンが言う通り菜月では勝てそうにも無い程の圧があり、相当な実力を持つ事が予想できた。
「えっと…そんなに気を張らなくて大丈夫ですよ? 僕達は貴方達のコピーのような物ですので」
「「ーーーは!?」」
先程まで感じていた緊張感は何処へやら。
間抜けな声を上げた栄枯盛衰のメンバー達の声は、こだますることなく草原に消えていくのだった。
菜月達がやってきたのは、城から歩いて少しした場所にある平原だ。
天空城の作り自体は設計図で見ているし、先程上から全体図をある程度は確認していたが、やはり設計図としてみるのと実際にこうしてみるのとでは全く感覚が違った。
島の端は遥か遠くのように見え、吹き付ける少し乾いた風は爽快感を与えてくれる。
風の心地よさに菜月が目を細めていると、後ろに立っていたハーミルンが菜月の服の袖を引っ張りながら指示を出す。
「それじゃあまずはギルマスから、スキルの紹介と使用する武器。後は自覚症状のある癖を教えて」
「良いですけどその方法だと時間かかりません? もう紙かなんかに移してちゃちゃっとやる感じじゃ…ダメですよね、はい真面目にやります」
「この中でチームワークの大事さ知ってるのはハーちゃんだけだから、ギルマス逆らわない方がいいと思うよ~?」
菜月の問いに対して冷めた視線で返してきたハーミルンの態度は、霊主の説明通りの理由なのだろう。
とりあえず菜月は自身の持っているスキルを確認するために視界にシステムウインドゥを開けると、戦闘用スキルと書かれている欄を開けた。
そこには見慣れた自身の獲得してきたスキルが大量にあるーーはずだったのだが、ここで菜月はふと違和感を覚える。
いくつかスキルが足りないのだ。
アメイジアで菜月が獲得したスキルは基本スキル、上位スキル含めて数百に及ぶ。
もちろんその中でまともに使えるものなど高々知れているし、それに様々なゲームを少しづつやっているから、量だけ多いだけで極めているスキルは手で数えられる程しかない。
とはいえ自身のスキルは何度も何度も確認しているので、大体配置で持っているスキルは覚えているのだが、どう見てもかなりの数がなくなっている。
能力が低い自分だからこの程度の感覚ですんでいるが、他のギルドメンバーにも同じことが起きていた場合の被害は考えたく無いほどだ。
だが聞かないわけにもいかず、菜月はとりあえずその事だけを聞いてみる。
「どうやら一部スキルが消されてるみたいですけどみなさんはどうですか?」
「ギルマス、スキルくなってるの!? えっと、、僕は大丈夫かな。なんも減ってない!」
「俺と雷蔵も大丈夫だ」
「ギルマスなんかやらかしたんじゃない? 運営怒らせちゃったとか。スキルがなくなるなんてそうでもしないとーーって私も結構無くなってる!?」
「私もいくつか減っている…。どうやら直近でプレイしたゲームの能力は残っているらしい…ほら」
そう言われハーミルンが他の人にも見れるようにと表示した自分のステータスを見ると、おびただしい数のFPS関連のスキルの下に裁縫と料理関係のスキルがいくつか見受けられた。
少し前にギルドホームの台所で何度か爆発音がしていたと思ったら、どうやら料理をしていたらしい。
彼らのように一つの道を極めた人間ならば、このような状況になったところでたいした痛手では無いだろうが、器用貧乏として活動していた菜月すればとどめの一撃を刺されたも同義だ。
今残っているスキルを確認してみたところ、どうやら召喚に関する幾つかのスキル、武器系スキルは残っているが、それ以外の戦闘スキルは全て消えていた。
菜月の基本的な戦闘スタイルは、魔法と武器の同時使用による手数の多さだったので、かなり戦闘に制限がかかってしまうことになる。
今更になって運営がプロプレイヤーがいる事を最低条件とした意味が少し理解できてきたが、こうなると分かっていたのならば言ってくれればまだ対処のしようがあったものの…。
考えていたところで現状が良くなるわけでも無いので、菜月は考えを改め新しい戦闘スタイルを考える。
「とりあえずこのスキルでなんとかするしか無いよね…ってなんでハーミルンさん召喚スクロール持ってるの? それゴーレムのだよね多分」
新しい戦闘方法を考えていた菜月の目の前でハーミルンがおもむろに取り出したのは、丸められた少し古臭い一枚の紙だった。
アメイジアでは魔法陣を使用して魔物を召喚する方法がいくつかあり、基本的には召喚士という職業の人間が召喚するのだが、こうして召喚スクロールと呼ばれるアイテムを使用すると指定の魔物を召喚することができるのだ。
召喚スクロールに描かれた紋章である程度どの魔物を召喚するかを識別することが可能なのだが、ハーミルンが今手にしているのはゴーレム系を召喚するための召喚スクロールだ。
ゴーレム系は比較的容易に取得することが可能なので、彼女が持っていたところで何の疑問もないのだが、それをいま手にする必要は別に無いはずなので、菜月にはそれが気になった。
「無くなったものは仕方ないから練習…。危なくなったら助ける」
「えっちょ、待って準備できてないんだけどーー」
言うが早いが彼女の手から零れ落ちた召喚用スクロールは、地面に溶け込むように落ちると、綺麗な赤い召喚陣を光らせながら巨大なゴーレムを召喚する。
大きさにして約七、八メートルといったところだろうか。
その大きな姿と背中から燃え上がる火を見ながら、菜月は目の前の敵がなんだったか思い出す。
確か名前は焔の巨人。
北欧神話系のイベントに出てくるモンスターで、九つの世界に一つずつ存在する量産型ゴーレムだったはずだ。
特徴としてはまずその大きな体と巨体に見合わない素早い動きなのだが、一番の特徴は体内に埋め込まれたコアを壊さない限り無限に再生するその厄介なスキル。
しかもこいつは一定時間経過すると周囲の物や生物を取り込み自身を強化する特性があるので、早急にバラす必要がある。
万全の状態だとしても菜月からしてみればかなりの強敵だ。
「ほら避けないと危ないよ~ギルマス!」
霊主がそう言うと同時に菜月に向かって焔の巨人の剛腕が振り下ろされる。
焔の巨人というだけあってその体表は超高温であり、まともに触れば火傷どころの騒ぎでは済まない。
目視でギリギリ反応できるほどの降ろされた手をなんとか回避し、体制を整えるために召喚スキルを使用し数枚程壁を生成しながら距離を取る。
「ーー急に始まったから止めるタイミングがなかったが、止めなくてよかったのかあれ」
「そう気にしなくても良いだろうバロンよ。それに菜月殿はああ見えてかなりのやり手だ、スキルが無くともどうにかするだろうよ」
「ギルマス髪の毛ちょっと燃えてるけどね。写真撮っとこ」
「後でそれ俺にも送ってくれないかアルライド?」
「いいよー個人チャットに送っとくね」
「カメラ越しに見るのは勧めんぞアルライド。そろそろ菜月殿が抜く」
視界の端で何やら楽しそうに喋っているギルドメンバー達を頭の隅に追いやり、菜月は必要な情報だけを頭の中に整える。
まずあの外骨格を砕くには圧倒的なパワーか、骨格をつなぐ骨の代わりと言っても良い薄く伸びた魔導鉄を断ち切る技量が必要になる。
(砕くには周囲に必要なものが少なすぎる。ーーーっ!? 危ねぇ! 破壊系の武器は置いてきたし、今回は中から断ち切るしか無いか)
可能な限り早く判断を下し、菜月は残された内のスキルの一つである〈武装〉を起動する。
数ある装備交換系スキルの中でも特に菜月が気に入っているスキルであり、効果としてはかなり単純で、指定しておいた武器を瞬時に手元に出現させることができるというものだ。
元から設定したものであり、なおかつ一種類のみしか使用できないのが難点ではあるがその分高速で出せるので不満はない。
菜月の腰の周りに薄い光が徐々に集まりだし、その光は刀のような形を形成していく。
「ゴァァァァァァア!!!」
一瞬思考が消えるほどの爆音とともに、焔の巨人はこちらへと向けて全速力で駆けてくる。
さすがの巨大なだけあって一歩一歩がかなり大きく、菜月の元まで来るのに数秒とかからないほどでは無いだろうかと錯覚すら覚えてしまう。
「どうすんの雷蔵さん! ギルマスあれじゃ刀抜けないよ!?」
「ふるな! 酔うから勘弁してくれ」
「でもあれじゃギルマス死んじゃうよ!」
ーーふとどこからか菜月の耳にそんな声が聞こえた。
全力でかけてくる目の前のそれを前にして恐怖を感じているはずなのにどこか落ち着いた心は、戦闘以外の音ばかりを拾おうとする。
アルライドが疑問に思うのも無理はない。
菜月の腰に挿された刀はどこからどう見ても一メートル以上ある。それを腕だけで抜くのは不可能だ
たとえ腰を引き腕を伸ばしなんとか刀身を出したとしても、その時には既に巨人が近づいてきている。
どう考えても間に合うはずがない。
「まぁ見ていろ」
ギルドメンバー達のそんな会話の間にも焔の巨人は、菜月の元へと向かって走ってきている。
その太い足に菜月を殺すためだけに可能な限りの力を込め、まるでサッカーボールでもけるかのように思いっきり振り抜こうとしたその瞬間。
菜月はそれよりも疾く全力で大地を蹴り飛ばす。
大きく振りかぶった巨人の足の下に移動すると、そのまま後ろに回り込み思いっきり刀を鞘に入れたまま振り切る。
カァァァァンと甲高い音がしたかと思うと、バランスを崩した焔の巨人が膝をついた。
「おお!! やっちゃえギルマス!」
「いや、まだだ」
「ゴァァァ!!」
だが焔の巨人とて甘くはない。
身体からおよそ人類が耐えきれないであろう熱を大量に背中から噴射し、更に炎を体の関節部から噴射する事で身体のつなぎ目を見づらくすることによって菜月の攻撃手段を狭める。
だが菜月はその行動を読んでいた、というより知っていた。
これが初めて戦う相手ならばどうすれば良いかと困惑しただろうが、何度か戦ったこれ相手に遅れを取るほど弱くはない。
この程度の敵も処理できなければ、自分より圧倒的上位者である仲間達といる資格などないのだから。
先程までと同じように再び大地を蹴ると、今度は前に進むのではなく上へと飛んだ。
景色が一瞬で入れ替わり、遥か上空からでは先程までは大きく見えた焔の巨人も随分と小さく見えた。
柄を握り地面に向かって刀を放り投げ、空中で加速しながら抜き身になった刀を手に取る。
菜月は木の枝でも持つかのように軽く大太刀を手に持ち、焔の巨人の首元めがけて最速で刀を振り下ろした。
「グァァァァァアア"'」
巨人が危険を察知し動き出すより数秒早く、大太刀は焔の巨人の首を切り落とす。
圧倒的な破壊力と驚くほどに精密な剣捌きは、超硬質な焔の巨人の体表をたやすく切り飛ばしたのだ。
返す刃で頭の中心部にあるコアを真っ二つに切り裂く、そうする事で先程まで動いていた焔の巨人の体はただの無機物へと変わっていった。
「とりあえずは勝利って感じかな?」
「うん…さすがギルマス。良い太刀筋だった、今度銃弾切ってみる?」
「ありがとう、だけどそれはさすがに無理じゃないかな…? ハーミルンさんの銃撃とか食らったらさすがに死んじゃうし」
「相変わらず剣の形に囚われない見事な戦闘方法だな、俺には真似できない」
「僕のは所詮我流ですから。雷蔵さんの剣には負けますよ。とりあえず僕のはこんな感じですかね? 一回スキルツリーの編成し直さないと…」
「じゃあ次は雷蔵さんスキル使っても何でもいいからサクッとお願いね」
「おう、任せてくれ」
先程までの菜月と同じように、雷蔵もゴーレムとの戦闘を始める。
雷蔵は所謂死にゲーと呼ばれるゲームを主として活動するプロプレイヤーであり、そんな彼からすれば目の前の敵は敵と認識すら出来ないほどの雑魚だろう。
菜月の読み通り手の中に刀を生成した雷蔵は、その刀を吠える巨人に向かって無造作に振り回す。
それだけで巨人は簡単に細切れになり、土へと帰っていく。
呆気なさ過ぎるその勝負は菜月と雷蔵の力の差を示し、超えられない壁の高さに不思議と笑みがこぼれる。
「はっや、どんな火力してるのさ」
「あれで本気装備じゃないんだから怖いよねぇ、次誰いく? ハーちゃんいく?」
「うん、やる。ちゃちゃっと終わらせちゃおう」
言うが早いがハーミルンは先程までと同じようにゴーレムを出現させ、いつの間にか手に持っていた拳銃で眉間を撃ち抜く。
時間にすれば雷蔵よりも早かっただろう。
「なんかタイムアタックみたいな空気になってきたね、次僕いく~」
「今のところ私の二秒がベストタイム」
「そう言う事ならもう一度やらせてくれないか? 本気でやりたい」
「だめ、こう言うのは一度だけと相場が決まっている」
「なぁギルマス、趣旨が変わってきていないか」
「相手が相手ですからね、準備運動だと思えば丁度いいんじゃないですか」
会話の最中にもゴーレムはその姿を徐々に表し、先程までと同じように大声で吠える。
心なしか顔がやつれて見えるのは気のせいだろうか? 菜月がなんとなくでそんな事を考えているとゴーレムが内側から爆散する。
召喚に失敗しただとかそう言う理由ではなく、アルライドの攻撃によるものだ。
彼はパズル系のゲームを得意とし、パズルを解く事で物理でも魔法でもない特殊な攻撃を行うことができる。
「一、五秒きたー! ハーミルンさん超え~!」
「次私行く! ハーちゃんの仇は私が取るよ!」
次に名乗りを上げたのは霊主だ。
彼女は巻物に絵を描くとその事情を起こすことの出来るスキルを持っており、立ち回り的にはオールラウンダーのそれに近い。
召喚されたゴーレムに対して彼女が筆を取り何かを描くと、ゴーレムは頭の上から粉になって消えていく。
「どう!? 何秒!?」
「ジャストで一秒くらいかな? どうしたらあんな死に方するのさ」
「普通に〈死〉って書いただけだよ。弱い敵ならこれで即死するんだよね」
「なにそのえげつないチート能力、次はバロンさんだけどーー」
アルライドがそう言った瞬間、爆音とともに辺りに粉々になった石が飛び散る。
煙が立ち込め視界が悪くなり、ピリッとした空気が辺りに漂い始める。
一体なにが起きたか原因が分からず身構えていると、ふと煙の中から声が聞こえた。
「ーーよし、終わったぞ!」
「バロンさんやるなら言ってくださいよ! びっくりしたじゃないですか!」
「あ、すまんすまん。どうだ、結構早く終わったんじゃないか」
「おそらく最速だろうがバロンよ、正攻法とは言えそれはどうなのか…」
煙から出てきたバロンの手にはバロンの身体よりも大きいツルハシが握られており、その背後では上半身だけが無くなったゴーレムが土に還るところだった。
それを見ただけで他のギルドメンバーは彼がなにをしたのかを一瞬で把握し、それを行える筋力量に少し呆れたような声を出す。
召喚陣から魔物が出てくる時を狙うのは当たり前と言えば当たり前だが、だとしても出てきたばかりのゴーレムに、ツルハシで一撃即死を決められる彼の筋力量は異常だ。
「まぁ良いじゃないか、これで大体みんなの攻撃方法は分かっただろう?」
「バロンさんを除いてだけどね! ハーちゃん的にはどう言う感じでチーム分けするの?」
「取り敢えず大体は前までと一緒かな。前衛は雷蔵さん、バロンさんの二人に任せる」
「おう! 任せときな、盾の扱いにも自信はあるんだ」
「うん、そんな感じだもんね…次にギルマスには中衛を任せる、あとは他の人で後衛する感じで」
「おっけー、取り敢えず実践してみようか」
「だねー、でももうゴーレム相手は飽きたよ? なんかいい相手いないのかなぁ」
「ーーそう言う事でしたら、私共にお任せください」
焔の巨人の強化版である原初の巨人でも召喚しようかと思っていると、不意に背後から声が聞こえた。
声のした方を見てみれば、そこに立っていたのはメビウスと見知らぬ男女6名だけほ。
六人揃って同じような装備を着用しており、胸に刻まれた紋章のような模様から分かるようにどうやら騎士団的なものらしい。
一師団もいるのだ、その内の数名をメビウスが見繕ってきたのだろう。
「おおっとその紋章はもしかして!」
「はい霊主様。この者達はこの天空城で六人しかいない近衛兵です」
「近衛兵? そいつらが……なるほどねえ。確かに強そうだ」
「バロンさん楽しそうだね、僕も結構テンション上がってきたなぁ」
どうやら師団の中でも特別な者達を選び出してきたらしい。
近衛兵といえば、王の守護を任されるだけの力と技量を持つ選ばれし人間達だ。
バロンが言う通り菜月では勝てそうにも無い程の圧があり、相当な実力を持つ事が予想できた。
「えっと…そんなに気を張らなくて大丈夫ですよ? 僕達は貴方達のコピーのような物ですので」
「「ーーーは!?」」
先程まで感じていた緊張感は何処へやら。
間抜けな声を上げた栄枯盛衰のメンバー達の声は、こだますることなく草原に消えていくのだった。
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