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第二十五話 舞踏会への招待状
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「ぶ……舞踏会、ですか!?」
驚いて聞き返したアリシアの言葉に対し、レイモンドは静かに頷いた。
「そうだ。なんでも、俺が結婚したのを対外的に知らしめたいらしい。俺と王家の関係は……昨日ヨゼフから聞いたのだろう?」
王家がレイモンドに常に妻帯を強制するのは……いつでもスノーグース家が、王家で生まれた「呪いの子」を引き取れるように。
子が生まれた時期と結婚していた時期にズレが生じて、「呪いの子」が王家の子だとバレないように……。
「ご丁寧に、『仲睦まじく見えるように振る舞え』とまで書いてある。全く……滑稽なものだな」
「愛するなと言ったり、仲睦まじくと言ったり……本当に本当に、自分勝手な王!!」
頬を膨らませながら拳を振り上げるアリシアを見て、ブルーベルはクスクスと笑った。
「貴方が嫌ならば、無理に行く必要もないが……。その、王家主催だからロイもいるだろうし……」
ごにょごにょと呟くレイモンドを、ヨゼフが呆れた様子で見つめる。
「そんなこと言って……旦那様、貴方が行きたくないだけでしょう? 何度招待が来たって、一度も参加したことはないじゃないですか」
「だって……面倒くさいだろう」
ヨゼフはため息を吐き、中指で眼鏡を直した。
「そんな調子で人の前に出たことがないから、変な噂ばかり立てられるんですよ! 息を吐いただけで周囲の人間を凍らせるとか、傍若無人で領民を片っ端から氷の牢獄にぶち込んでいるとか、身長が2メートル50もある大男だとか……」
「アタシが村にいた時は、睨んだだけでドラゴンを凍らせて撃ち落とせるって噂だったよ」
「雪男みたいに、全身モッサモッサの毛で覆われてるって聞いたこともあるよぉ」
「冷血で、実は心を持たないゴーレムだとか~」
「……貴方たち、そんな噂を聞いていたのに、よくここに雇われてくれましたね」
使用人達が聞いたことのある噂話を次々に口にする中、アリシアだけが黙って震えていた。
「……ミーシャさん?」
「…………ません」
「え?」
「私たちのレイモンド様を、そのように勝手に想像して悪いように噂を立てられているのが許せません! レイモンド様は……こんなに、こんなに素晴らしいお方なのに!!」
アリシアは身を乗り出して、ギュッとレイモンドの手を握った。
「参加しましょう、舞踏会。レイモンド様がいかに美しくて聡明で、優しくてダンスも出来るスーパー領主かということを、世の人々に知らしめましょう!」
真剣な瞳で見つめられ、レイモンドは少し赤面してフィッと目を逸らす。
「俺は別に、何と言われようと困らないが……」
「いいえ、困ります! これから先、呪いも弱まって領地も暖かくなる予定ですから……領地の発展のためにも、領民が必要です。輸出入が増えれば他の貴族との付き合いも大切になってくるでしょうし……。レイモンド様の正しいお姿を世に伝えて、領地発展への先行投資としましょうよ!」
アリシアの目には決意が満ち溢れ、炎がメラメラと燃えている。
「あちゃあ、このモードのミーシャさんは誰にも止められないよー」
ブルーベルは慣れた様子で呟き、大人しくコーンのスープを啜った。
「参加自体は万々歳なのですが……。確か日程が、二週間後でしたよね? 今から王都の仕立て屋を呼んで、ドレスや宮廷服を作っていては間に合いませんね……」
口元に手を当てて考え込むヨゼフに、アリシアは明るく笑いかけた。
「あら、仕立て屋さんならこちらにいるではありませんか!」
肩を抱かれたサリーは、目を丸くして飛び上がる。
「アタシがかい!? そりゃ舞踏会服なんて、作れたら嬉しいけど……王城に着ていくもんだろう? アタシが作った服なんかじゃ……」
「いいえ、サリーの服がいいんです。サリーの技術ならば、宮廷お抱えのデザイナーよりも斬新で繊細な服が出来ますよ! まがいなりにも王妃候補だった私が保証するのですから、間違いありません」
「アンタ、王妃候補だったのかい!? まあそこまで言うなら、やってもいいけど……」
満更でもない顔で頬を掻くサリーに、アリシアはさらに畳み掛ける。
「ゼロからの仕立てが時間的に厳しければ、既製服を調整する形で仕立てましょう。私もお手伝いしますので。それに……」
アリシアの視線を受けたマールは「ははいよ~」と、スプーンを咥えながら言った。
「センス抜群のマールもいます。色合いとデザインのアドバイスを貰いましょう。もちろん特別ボーナスもお支払いしますから……」
「奥様のポケットマネーではなく、きちんとスノーグース家からお支払いしますからね!」
念を押すヨゼフの言葉に、アリシアは首をすくめる。
「とにかく、服の点は大丈夫だと思います。それで……お嬢様はどうされますか? 舞踏会、参加なさいますか……?」
舞踏会に参加するとなれば、必然的にブルーベルの両親とも顔を合わせることになる。いくら自分を捨てたとはいえ……両親は両親だ。会いたい気持ちがあるのか、それとも……。
ブルーベルはしばらく黙り込んだ後、小さく首を振った。
「わたし……いきたくない。会いたくない人がいるの。それに……」
アリシアに抱きついたブルーベルは、上目遣いでアリシアを見つめた。
「わたしはミーシャさんの『大事』だから……さらわれちゃったりしたら、困るでしょう? だから、ね、行かなくていい……?」
「ええ、ええ! その通りです、可愛い賢いお嬢様! お嬢様は大事大事なので、ユリウス様みたいな輩に拐かされたら大変です! ね、レイモンド様?」
ブルーベルに頬をすりつけるアリシアに目配せされ、レイモンドは困った様子で呟いた。
「ああ。その、なんだ……お前は日に日に可愛らしくなるし、リチャードが見たら王城に留めて置きたくなるかもしれない。そうなれば、一緒に食事をする相手が居なくなるし……氷魔法も教えられないし……それに……」
「それに?」
「……俺が、寂しい。お前が大事だから……」
アリシアは感動に胸を熱くし、声を詰まらせながら言った。
「レイモンド様もお嬢様も……ご自分の気持ちをしっかり伝えられるようになられて、本当に素晴らしいです……! ではお嬢様には、氷の温室の管理と、アルのお世話をお任せします。出来そうですか?」
「うん! 任せて!」
誇らしげに胸を叩くブルーベルに、部屋中がほっこりとした空気に包まれる。
「では……舞踏会大作戦、絶対に成功させましょう!」
驚いて聞き返したアリシアの言葉に対し、レイモンドは静かに頷いた。
「そうだ。なんでも、俺が結婚したのを対外的に知らしめたいらしい。俺と王家の関係は……昨日ヨゼフから聞いたのだろう?」
王家がレイモンドに常に妻帯を強制するのは……いつでもスノーグース家が、王家で生まれた「呪いの子」を引き取れるように。
子が生まれた時期と結婚していた時期にズレが生じて、「呪いの子」が王家の子だとバレないように……。
「ご丁寧に、『仲睦まじく見えるように振る舞え』とまで書いてある。全く……滑稽なものだな」
「愛するなと言ったり、仲睦まじくと言ったり……本当に本当に、自分勝手な王!!」
頬を膨らませながら拳を振り上げるアリシアを見て、ブルーベルはクスクスと笑った。
「貴方が嫌ならば、無理に行く必要もないが……。その、王家主催だからロイもいるだろうし……」
ごにょごにょと呟くレイモンドを、ヨゼフが呆れた様子で見つめる。
「そんなこと言って……旦那様、貴方が行きたくないだけでしょう? 何度招待が来たって、一度も参加したことはないじゃないですか」
「だって……面倒くさいだろう」
ヨゼフはため息を吐き、中指で眼鏡を直した。
「そんな調子で人の前に出たことがないから、変な噂ばかり立てられるんですよ! 息を吐いただけで周囲の人間を凍らせるとか、傍若無人で領民を片っ端から氷の牢獄にぶち込んでいるとか、身長が2メートル50もある大男だとか……」
「アタシが村にいた時は、睨んだだけでドラゴンを凍らせて撃ち落とせるって噂だったよ」
「雪男みたいに、全身モッサモッサの毛で覆われてるって聞いたこともあるよぉ」
「冷血で、実は心を持たないゴーレムだとか~」
「……貴方たち、そんな噂を聞いていたのに、よくここに雇われてくれましたね」
使用人達が聞いたことのある噂話を次々に口にする中、アリシアだけが黙って震えていた。
「……ミーシャさん?」
「…………ません」
「え?」
「私たちのレイモンド様を、そのように勝手に想像して悪いように噂を立てられているのが許せません! レイモンド様は……こんなに、こんなに素晴らしいお方なのに!!」
アリシアは身を乗り出して、ギュッとレイモンドの手を握った。
「参加しましょう、舞踏会。レイモンド様がいかに美しくて聡明で、優しくてダンスも出来るスーパー領主かということを、世の人々に知らしめましょう!」
真剣な瞳で見つめられ、レイモンドは少し赤面してフィッと目を逸らす。
「俺は別に、何と言われようと困らないが……」
「いいえ、困ります! これから先、呪いも弱まって領地も暖かくなる予定ですから……領地の発展のためにも、領民が必要です。輸出入が増えれば他の貴族との付き合いも大切になってくるでしょうし……。レイモンド様の正しいお姿を世に伝えて、領地発展への先行投資としましょうよ!」
アリシアの目には決意が満ち溢れ、炎がメラメラと燃えている。
「あちゃあ、このモードのミーシャさんは誰にも止められないよー」
ブルーベルは慣れた様子で呟き、大人しくコーンのスープを啜った。
「参加自体は万々歳なのですが……。確か日程が、二週間後でしたよね? 今から王都の仕立て屋を呼んで、ドレスや宮廷服を作っていては間に合いませんね……」
口元に手を当てて考え込むヨゼフに、アリシアは明るく笑いかけた。
「あら、仕立て屋さんならこちらにいるではありませんか!」
肩を抱かれたサリーは、目を丸くして飛び上がる。
「アタシがかい!? そりゃ舞踏会服なんて、作れたら嬉しいけど……王城に着ていくもんだろう? アタシが作った服なんかじゃ……」
「いいえ、サリーの服がいいんです。サリーの技術ならば、宮廷お抱えのデザイナーよりも斬新で繊細な服が出来ますよ! まがいなりにも王妃候補だった私が保証するのですから、間違いありません」
「アンタ、王妃候補だったのかい!? まあそこまで言うなら、やってもいいけど……」
満更でもない顔で頬を掻くサリーに、アリシアはさらに畳み掛ける。
「ゼロからの仕立てが時間的に厳しければ、既製服を調整する形で仕立てましょう。私もお手伝いしますので。それに……」
アリシアの視線を受けたマールは「ははいよ~」と、スプーンを咥えながら言った。
「センス抜群のマールもいます。色合いとデザインのアドバイスを貰いましょう。もちろん特別ボーナスもお支払いしますから……」
「奥様のポケットマネーではなく、きちんとスノーグース家からお支払いしますからね!」
念を押すヨゼフの言葉に、アリシアは首をすくめる。
「とにかく、服の点は大丈夫だと思います。それで……お嬢様はどうされますか? 舞踏会、参加なさいますか……?」
舞踏会に参加するとなれば、必然的にブルーベルの両親とも顔を合わせることになる。いくら自分を捨てたとはいえ……両親は両親だ。会いたい気持ちがあるのか、それとも……。
ブルーベルはしばらく黙り込んだ後、小さく首を振った。
「わたし……いきたくない。会いたくない人がいるの。それに……」
アリシアに抱きついたブルーベルは、上目遣いでアリシアを見つめた。
「わたしはミーシャさんの『大事』だから……さらわれちゃったりしたら、困るでしょう? だから、ね、行かなくていい……?」
「ええ、ええ! その通りです、可愛い賢いお嬢様! お嬢様は大事大事なので、ユリウス様みたいな輩に拐かされたら大変です! ね、レイモンド様?」
ブルーベルに頬をすりつけるアリシアに目配せされ、レイモンドは困った様子で呟いた。
「ああ。その、なんだ……お前は日に日に可愛らしくなるし、リチャードが見たら王城に留めて置きたくなるかもしれない。そうなれば、一緒に食事をする相手が居なくなるし……氷魔法も教えられないし……それに……」
「それに?」
「……俺が、寂しい。お前が大事だから……」
アリシアは感動に胸を熱くし、声を詰まらせながら言った。
「レイモンド様もお嬢様も……ご自分の気持ちをしっかり伝えられるようになられて、本当に素晴らしいです……! ではお嬢様には、氷の温室の管理と、アルのお世話をお任せします。出来そうですか?」
「うん! 任せて!」
誇らしげに胸を叩くブルーベルに、部屋中がほっこりとした空気に包まれる。
「では……舞踏会大作戦、絶対に成功させましょう!」
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