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第二部 第1話 新たなる旅立ちと肩の上の女神
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ジモティの街が、見慣れた城壁が、そして手を振り続ける仲間たちの姿が、あっという間に土煙の向こうに霞んでいく。
俺は街道をひた走る。
文字通り、自分の足で。
肩の上には、小さな少女サンテア。
そしてその中には、力を失った駄女神エルラード。
なんとも奇妙な三人旅の始まりだ。
「うわぁ……速い……! 風がすごいです、アンリ様!」
「へへっ、これでもまだ本気じゃないんだ。馬より速いみたいだぜ、俺の足」
「本当ですか!?」
肩の上で、サンテアが興奮した声を上げる。
彼女の小さな手が、俺の頭に巻いた鉢巻きをぎゅっと握りしめているのがわかる。
落とさないように、というのはもちろんだが、その力強さには初めて見る世界への期待が満ちているようだった。
ジモティの街のスラムで縮こまっていた頃とは別人のような、生き生きとした表情を想像するだけで、俺の足取りも自然と軽くなる。
『やかましいわ! 少しは乗り心地というものを考えんか、この脳筋が! 我の三半規管がシェイクされておるじゃろうが!』
不意に、サンテアの声色が変わる。
いつものエルラードの文句だ。
脳内に直接響くのではなく、サンテアの口を通して発せられるその声は、少し甲高くて可愛らしいのだが、言っている内容は相変わらずだ。
「うるさいな。文句があるなら降りて歩けばいいだろ。あ、でもサンテアは歩かせないけどな」
『むぐぐ……お、覚えておれよ。力が戻ったら、お主を豆粒にしてくれるわ!』
「はいはい、楽しみにしてるよ」
いつもの調子で言い返すと、エルラードはぷいっとそっぽを向いた気配がした。
サンテアの体を借りているとはいえ、その仕草はなんとなく伝わってくる。
「あの、アンリ様、女神様……あまり喧嘩しないでください」
すぐにサンテアの声に戻り、困ったように俺とエルラードに交互に訴えかける。
一番板挟みで大変なのは彼女だろう。
「わーってるって。サンテアのためにも、仲良く……は無理でも、喧嘩は控えめにするよ」
『ふんっ。我は別に構わぬが、この小僧がすぐに我をからかうのが悪いんじゃ』
「どっちもどっちですよぅ」
サンテアは小さなため息をついた。
十歳そこそこの少女に気を使わせている現状は、我ながら情けない。
俺は速度を少し落とし、サンテアに話しかける。
「しかし、本当にいいのか? お前も一緒に来ちまって。皆、寂しそうにしてただろ」
「……はい。寂しいです。ディード兄ちゃんやウラニア姉ちゃん、みんなと離れるのは、すごく。でも……」
サンテアは少し言葉を切って、前方をしっかりと見据えた。
「でも、アンリ様と一緒に、色々な世界を見てみたい気持ちの方が、今は大きいです。それに、女神様を助けるのは、アンリ様が死んじゃった原因を作ったお詫びだって聞きましたから。私にできることがあるなら、手伝いたいんです」
『……サンテア……』
エルラードが、珍しく感極まったような声を漏らす。
この女神にも、そういう感情があったのか。
「そっか。ありがとな、サンテア。まあ、俺が死んだのって、こいつだけのせいじゃないんだけどな」
『むっ。今、何か言ったか?』
「なんでもないって。よし、それじゃあ改めて、出発だ! まずは美味い魚を目指して、港町アブリルへ!」
「はい!」
俺は再び速度を上げる。
街道は石畳で整備されている部分もあるが、多くは踏み固められた土の道だ。
それでも無敵の足には関係ない。
時折すれ違う商人や旅人は、肩に子供を乗せて猛スピードで走り去る俺を見て、目を丸くしていた。
中には、慌てて道端に避ける者もいる。
「すいませーん! 急いでるんで!」
一応、謝罪の言葉を叫びながら走り抜ける。
無敵だからと言って、交通ルールを無視していいわけではないだろう。
まあ、この世界に道路交通法があるかは知らないが。
数時間走り続け、陽が傾き始めた頃、俺たちは街道沿いの小さな村に立ち寄ることにした。
さすがに無敵の俺は平気でも、サンテアは休憩が必要だろう。
エルラードは……まあ、知ったこっちゃない。
『おい、どこへ行くんじゃ! さっさとアブリルへ向かえと言っておろう!』
「腹減ったんだよ。それにサンテアも疲れただろ」
「あ、ありがとうございます、アンリ様。少しだけ……」
『むぅ……まあ、この娘の体じゃ仕方ないか。しかし、こんな鄙びた村に美味いものなどあるのかのう?』
村は、街道から少し外れた場所にあり、十数軒ほどの家が点在する、いかにも長閑な場所だった。
畑仕事をしている村人たちが、見慣れぬ俺たちを少し警戒した様子で見ている。
「こんちわー。ちょっと休憩させて貰えませんか? あと、腹減ってるんで、何か食えるとこ、ありませんかね?」
一番近くにいた、鍬を持った初老の男性に声をかける。
男性は俺の姿をまじまじと見て、少し戸惑ったように答えた。
「旅のお方かね? 食いもんなら、村の入り口に一軒だけ、飯屋兼宿屋があるが……まあ、期待はせんほうがええぞ」
「はは、正直で助かるな。どうもありがとう」
俺は礼を言って、教えられた方向へ向かう。
確かに、看板も古びた小さな建物があった。
「山の幸亭」と書かれた看板が、風でギシギシと音を立てている。
『うげっ。なんじゃこの寂れた店は。絶対まずいじゃろう』
「文句言うなら食わなきゃいいだろ」
「い、いえ! 私、お腹空きました!」
サンテアが慌ててエルラードの言葉を打ち消す。
俺は苦笑しながら店の扉を開けた。
中は思ったよりも清潔で、数組のテーブルとカウンターがあるだけのシンプルな作りだった。
客は誰もいない。
奥の厨房から、人の良さそうな恰幅の良い女主人が顔を出した。
「あら、お客さんかい? 珍しいねぇ。さ、どうぞ座って」
俺たちは促されるまま、一番手前のテーブルにつく。
サンテアを肩から降ろし、隣の椅子に座らせてやる。
「何かおすすめとかありますか?」
「おすすめねぇ……。うちは山の幸しか出せんよ。今日は獲れたての山鳥の串焼きと、茸のスープが美味いかねぇ」
『茸じゃと!? まさか、あの……』
エルラードが妙な反応を示す。
「おい、まさか死の茸(デスマッシュルーム)とかじゃないだろうな?」
「え? デス……なんとか? さあ、そんな物騒な名前の茸じゃないよ。そこらの山で普通に採れるやつさ。毒もちゃんと抜いてるから安心しな」
「だよな。ははは」
俺は冷や汗をかきながら笑って誤魔化す。
エルラードはまだ何か言いたそうだったが、サンテアが小声で「女神様、静かに」と窘めているようだ。
「じゃあ、その串焼きとスープを二人前。あと、水も貰えますか?」
「あいよ。ちょっと待っといで」
女主人は愛想よく言うと、厨房へ戻っていった。
しばらくして、香ばしい匂いと共に、山鳥の串焼きと湯気の立つスープが運ばれてきた。
「うわぁ、美味しそう!」
「本当だ。見た目はシンプルだけど、いい匂いだ」
串焼きはこんがりと焼かれ、塩胡椒だけのシンプルな味付けのようだ。
スープは数種類の茸と野菜が煮込まれている。
「いただきます!」
「いただきます」
サンテアと声を合わせて、まずは串焼きにかぶりつく。
「ん! うまい!」
「はい! すごく歯ごたえがあって、味も濃いです!」
野趣あふれる、しっかりとした肉質だ。
噛むほどに旨味が出てくる。
スープも、茸の出汁がよく効いていて、滋味深い味わいだ。
『ふむ……まあ、悪くはないのう。しかし、もっとこう、洗練された……』
「うるさいな。黙って食ってろよ」
「はい……」
サンテアはエルラードの小言を気にしつつも、夢中で料理を食べている。
よほどお腹が空いていたのだろう。
俺も黙々と食べ進める。
食事が終わり、女主人がお茶を持ってきてくれたタイミングで、俺は少し気になっていたことを尋ねてみた。
「この村、なんだか人が少ないみたいだけど、何かあったのか?」
俺の言葉に、女主人は少し表情を曇らせた。
「ああ……実はね、最近、村の畑を荒らす妙な魔物が出るんだよ」
「魔物?」
「そうなんだ。夜になると出てきて、作物をめちゃくちゃにしていくんだが、誰も姿を見たことがなくてね。罠を仕掛けても、全部壊されちまうし、見張りをしても気配すら感じられないんだ」
「そりゃあ、困ったな」
「まったくだよ。おかげで、今年の収穫は期待できそうもなくてね……。若いもんは、もう村を出て街で働こうかなんて言い出してるし」
女主人は深いため息をついた。
見たところ、この村は農業で成り立っているようだ。
畑がやられれば、死活問題だろう。
「ふーん。妙な魔物ねぇ……」
俺は顎に手を当てて考えるふりをする。
面倒ごとに関わるつもりはなかったが、サンテアが心配そうな顔で女主人を見ている。
『おい、アンリヴァルト。まさか、また厄介ごとに首を突っ込むつもりではあるまいな? 我らの目的はギガ回復じゃぞ!』
(うるさいな。ちょっと気になるだけだって)
俺は内心でエルラードに悪態をつきながら、女主人に笑顔を向けた。
「その魔物、今夜も出るのかもな」
「だろうねぇ……。本当に困ったもんだよ」
さて、どうしたものか。
ちらりとサンテアを見ると、彼女は期待のこもった目で俺を見つめていた。
……仕方ない、か。
俺は街道をひた走る。
文字通り、自分の足で。
肩の上には、小さな少女サンテア。
そしてその中には、力を失った駄女神エルラード。
なんとも奇妙な三人旅の始まりだ。
「うわぁ……速い……! 風がすごいです、アンリ様!」
「へへっ、これでもまだ本気じゃないんだ。馬より速いみたいだぜ、俺の足」
「本当ですか!?」
肩の上で、サンテアが興奮した声を上げる。
彼女の小さな手が、俺の頭に巻いた鉢巻きをぎゅっと握りしめているのがわかる。
落とさないように、というのはもちろんだが、その力強さには初めて見る世界への期待が満ちているようだった。
ジモティの街のスラムで縮こまっていた頃とは別人のような、生き生きとした表情を想像するだけで、俺の足取りも自然と軽くなる。
『やかましいわ! 少しは乗り心地というものを考えんか、この脳筋が! 我の三半規管がシェイクされておるじゃろうが!』
不意に、サンテアの声色が変わる。
いつものエルラードの文句だ。
脳内に直接響くのではなく、サンテアの口を通して発せられるその声は、少し甲高くて可愛らしいのだが、言っている内容は相変わらずだ。
「うるさいな。文句があるなら降りて歩けばいいだろ。あ、でもサンテアは歩かせないけどな」
『むぐぐ……お、覚えておれよ。力が戻ったら、お主を豆粒にしてくれるわ!』
「はいはい、楽しみにしてるよ」
いつもの調子で言い返すと、エルラードはぷいっとそっぽを向いた気配がした。
サンテアの体を借りているとはいえ、その仕草はなんとなく伝わってくる。
「あの、アンリ様、女神様……あまり喧嘩しないでください」
すぐにサンテアの声に戻り、困ったように俺とエルラードに交互に訴えかける。
一番板挟みで大変なのは彼女だろう。
「わーってるって。サンテアのためにも、仲良く……は無理でも、喧嘩は控えめにするよ」
『ふんっ。我は別に構わぬが、この小僧がすぐに我をからかうのが悪いんじゃ』
「どっちもどっちですよぅ」
サンテアは小さなため息をついた。
十歳そこそこの少女に気を使わせている現状は、我ながら情けない。
俺は速度を少し落とし、サンテアに話しかける。
「しかし、本当にいいのか? お前も一緒に来ちまって。皆、寂しそうにしてただろ」
「……はい。寂しいです。ディード兄ちゃんやウラニア姉ちゃん、みんなと離れるのは、すごく。でも……」
サンテアは少し言葉を切って、前方をしっかりと見据えた。
「でも、アンリ様と一緒に、色々な世界を見てみたい気持ちの方が、今は大きいです。それに、女神様を助けるのは、アンリ様が死んじゃった原因を作ったお詫びだって聞きましたから。私にできることがあるなら、手伝いたいんです」
『……サンテア……』
エルラードが、珍しく感極まったような声を漏らす。
この女神にも、そういう感情があったのか。
「そっか。ありがとな、サンテア。まあ、俺が死んだのって、こいつだけのせいじゃないんだけどな」
『むっ。今、何か言ったか?』
「なんでもないって。よし、それじゃあ改めて、出発だ! まずは美味い魚を目指して、港町アブリルへ!」
「はい!」
俺は再び速度を上げる。
街道は石畳で整備されている部分もあるが、多くは踏み固められた土の道だ。
それでも無敵の足には関係ない。
時折すれ違う商人や旅人は、肩に子供を乗せて猛スピードで走り去る俺を見て、目を丸くしていた。
中には、慌てて道端に避ける者もいる。
「すいませーん! 急いでるんで!」
一応、謝罪の言葉を叫びながら走り抜ける。
無敵だからと言って、交通ルールを無視していいわけではないだろう。
まあ、この世界に道路交通法があるかは知らないが。
数時間走り続け、陽が傾き始めた頃、俺たちは街道沿いの小さな村に立ち寄ることにした。
さすがに無敵の俺は平気でも、サンテアは休憩が必要だろう。
エルラードは……まあ、知ったこっちゃない。
『おい、どこへ行くんじゃ! さっさとアブリルへ向かえと言っておろう!』
「腹減ったんだよ。それにサンテアも疲れただろ」
「あ、ありがとうございます、アンリ様。少しだけ……」
『むぅ……まあ、この娘の体じゃ仕方ないか。しかし、こんな鄙びた村に美味いものなどあるのかのう?』
村は、街道から少し外れた場所にあり、十数軒ほどの家が点在する、いかにも長閑な場所だった。
畑仕事をしている村人たちが、見慣れぬ俺たちを少し警戒した様子で見ている。
「こんちわー。ちょっと休憩させて貰えませんか? あと、腹減ってるんで、何か食えるとこ、ありませんかね?」
一番近くにいた、鍬を持った初老の男性に声をかける。
男性は俺の姿をまじまじと見て、少し戸惑ったように答えた。
「旅のお方かね? 食いもんなら、村の入り口に一軒だけ、飯屋兼宿屋があるが……まあ、期待はせんほうがええぞ」
「はは、正直で助かるな。どうもありがとう」
俺は礼を言って、教えられた方向へ向かう。
確かに、看板も古びた小さな建物があった。
「山の幸亭」と書かれた看板が、風でギシギシと音を立てている。
『うげっ。なんじゃこの寂れた店は。絶対まずいじゃろう』
「文句言うなら食わなきゃいいだろ」
「い、いえ! 私、お腹空きました!」
サンテアが慌ててエルラードの言葉を打ち消す。
俺は苦笑しながら店の扉を開けた。
中は思ったよりも清潔で、数組のテーブルとカウンターがあるだけのシンプルな作りだった。
客は誰もいない。
奥の厨房から、人の良さそうな恰幅の良い女主人が顔を出した。
「あら、お客さんかい? 珍しいねぇ。さ、どうぞ座って」
俺たちは促されるまま、一番手前のテーブルにつく。
サンテアを肩から降ろし、隣の椅子に座らせてやる。
「何かおすすめとかありますか?」
「おすすめねぇ……。うちは山の幸しか出せんよ。今日は獲れたての山鳥の串焼きと、茸のスープが美味いかねぇ」
『茸じゃと!? まさか、あの……』
エルラードが妙な反応を示す。
「おい、まさか死の茸(デスマッシュルーム)とかじゃないだろうな?」
「え? デス……なんとか? さあ、そんな物騒な名前の茸じゃないよ。そこらの山で普通に採れるやつさ。毒もちゃんと抜いてるから安心しな」
「だよな。ははは」
俺は冷や汗をかきながら笑って誤魔化す。
エルラードはまだ何か言いたそうだったが、サンテアが小声で「女神様、静かに」と窘めているようだ。
「じゃあ、その串焼きとスープを二人前。あと、水も貰えますか?」
「あいよ。ちょっと待っといで」
女主人は愛想よく言うと、厨房へ戻っていった。
しばらくして、香ばしい匂いと共に、山鳥の串焼きと湯気の立つスープが運ばれてきた。
「うわぁ、美味しそう!」
「本当だ。見た目はシンプルだけど、いい匂いだ」
串焼きはこんがりと焼かれ、塩胡椒だけのシンプルな味付けのようだ。
スープは数種類の茸と野菜が煮込まれている。
「いただきます!」
「いただきます」
サンテアと声を合わせて、まずは串焼きにかぶりつく。
「ん! うまい!」
「はい! すごく歯ごたえがあって、味も濃いです!」
野趣あふれる、しっかりとした肉質だ。
噛むほどに旨味が出てくる。
スープも、茸の出汁がよく効いていて、滋味深い味わいだ。
『ふむ……まあ、悪くはないのう。しかし、もっとこう、洗練された……』
「うるさいな。黙って食ってろよ」
「はい……」
サンテアはエルラードの小言を気にしつつも、夢中で料理を食べている。
よほどお腹が空いていたのだろう。
俺も黙々と食べ進める。
食事が終わり、女主人がお茶を持ってきてくれたタイミングで、俺は少し気になっていたことを尋ねてみた。
「この村、なんだか人が少ないみたいだけど、何かあったのか?」
俺の言葉に、女主人は少し表情を曇らせた。
「ああ……実はね、最近、村の畑を荒らす妙な魔物が出るんだよ」
「魔物?」
「そうなんだ。夜になると出てきて、作物をめちゃくちゃにしていくんだが、誰も姿を見たことがなくてね。罠を仕掛けても、全部壊されちまうし、見張りをしても気配すら感じられないんだ」
「そりゃあ、困ったな」
「まったくだよ。おかげで、今年の収穫は期待できそうもなくてね……。若いもんは、もう村を出て街で働こうかなんて言い出してるし」
女主人は深いため息をついた。
見たところ、この村は農業で成り立っているようだ。
畑がやられれば、死活問題だろう。
「ふーん。妙な魔物ねぇ……」
俺は顎に手を当てて考えるふりをする。
面倒ごとに関わるつもりはなかったが、サンテアが心配そうな顔で女主人を見ている。
『おい、アンリヴァルト。まさか、また厄介ごとに首を突っ込むつもりではあるまいな? 我らの目的はギガ回復じゃぞ!』
(うるさいな。ちょっと気になるだけだって)
俺は内心でエルラードに悪態をつきながら、女主人に笑顔を向けた。
「その魔物、今夜も出るのかもな」
「だろうねぇ……。本当に困ったもんだよ」
さて、どうしたものか。
ちらりとサンテアを見ると、彼女は期待のこもった目で俺を見つめていた。
……仕方ない、か。
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