選択肢なんかいらない

ryuki

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デートしようよ

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今日のニュースで梅雨入りが発表された。
  一年のうちで一番ジメジメしているのが梅雨だとしたら、俺の人生のうちで一番ジメジメしているのは今この時かもしれない。
 俺は幼馴染と後輩にサンドウィッチされて登校している。いや、サンドウィッチというより餅を思い出す。両端を引っ張られてます。餅ほど伸びないけど。

 1、サンドウィッチを食べる
 2、餅を食べる
 3、餅サンドウィッチを食べる

 久しぶりの選択肢だー! くだらねぇーー! 餅サンドウィッチってなんだよ!絶対そんなの食わねえよ!1でも2でもいいけど1で、サンドウィッチ食いたい。

 それで俺の手元に来たのは……餅サンドウィッチじゃねえかよー!選択権なかったのかよ!ただのパンで餅挟んだだけじゃねえかよー!

 美味しくいただきました。次は味付けをしてほしいです。

俺が餅サンドウィッチを食べている間、彩乃と加奈子は不思議そうな顔で餅サンドウィッチを見てました。見てたってあげないからね! 美味しくないもん……本当に。
 
 そんなこともあったけど、なんとか無事にたどり着きました。神様に感謝だね。

 今日もいつもの1日だ。授業中は基本的に選択肢さんも遠慮してくださっている。
 
 学生解放のチャイムが鳴る。いつも通りにまっすぐに帰ろうとするがそこに立ちはだかる2つの壁。彩乃と加奈子だ。こうして並んで見ると彩乃の方が7センチぐらい背が高い。
 新しい発見をしたと思いながら横をすり抜けようとすると二人同時に動いた。
 『ちょっと待って(ください)』
 普段は仲が悪いくせに変なところでは息が合うんだな。驚いた。
 『デートするわよ(しましょ)』
めんどくさいから断ろう。そう思い、「無理だ」のむを言おうとした時

 1、OK
 2、わかった
 3、オゥ カピート

 選択肢さーん! 断る選択肢がないじゃないか! 選択肢3はわかりましたというイタリア語らしい。なぜわかったって?隣に意味がしっかり書いてあるからだよ!2で
 
 正直言って最悪だった。二人は両端から引っ張るし、いちいち言い争うし、特に周りの視線が痛かった。他人から見れば二股に見えるんだろうか?冗談抜きで二人とも可愛いからな。

 今日は正直にいうと楽しかった。いつものすぐ家に帰ってダラダラするだけの日常は暇だからね。

 また遊びたいと思う心ともう一生遊びたくないと思う心がフィフティフィフティだ。

 そろそろやってくる期末試験も頑張ります。
 
  
  
 
 
 
 
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