選択肢なんかいらない

ryuki

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定期的に来て学生を襲うやつ

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 「わからん」
 俺は自分でいうのはなんだが頭のいい方だ。帰ってから暇つぶしで勉強してたら、学年でもトップ10に入るほどになっていた。そんな俺でもわからない問題もある。もちろん。こういう時は運に頼るしかないんだ。そうやって迷っていると

  1、2
  2、4
  3、1

 こんなに選択肢が嬉しいと思ったことはない。自分の勘を信じろ俺!
 2で


 ~4日後~

待ちに待った返却の日だ。あの問題あっているのだろうか?

 ……間違っていた。答えはなんと3だった。選択肢が意地悪すぎる。正解ないじゃん!まあいい、98点だったし。
 
 全部の教科のテストが返し終わり気になるのはもちろん学年順位だ。さて何位だろう? 順位の貼り出しは廊下で行われている。紙の前には人だかりができており騒がしい。多分10位から5位だろう。だが、少し期待して1位から4位の紙から見る。……いた。俺の名前は3位のところに書いてあった。考えてみれば、俺の人生は全部うまくいっているのかもしれない。選択肢以外。
 
 「せーんぱい」
 いきなり抱きついている子は俺の知り合いの中で一人しかいない。加奈子しか。

 「先輩意外と頭いいんですね」
 君意外と失礼なこと言うんだね。そんなことを思いつつ少し鼻高な自分もいる。
 
 「当たり前じゃない。浩一は中学の時から頭がよかったのよ」
 いきなりやってくる彩乃。どこからやって来たのだろうか?
 「2人はどうだったんだ?」
 『知らない!』
 いつもながらこいつらこういう時は息が合うな。
  「勉強会するか?」
 『喜んで!』
 また面倒なことが増えてしまった。
  

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