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神の寵愛
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嘘だ!!と叫びだしたいところだったが、この神聖そうな空間と雰囲気。どうにも冗談だとは思えなかった。現世にあるにしては季節感を無視しすぎであるし、目の前にいる2人は...この世のものとは思えないほど美形だった。
「キラ。」
低く透き通るような美声でファノーネ様は僕を呼ぶ。思わずからだがびくっと反応して..なんだか情けなくて顔が熱くなる。
「ふぁのーね、様..。なんでしょうか」
「敬語は良い。1つ、謝りたいことがある。」
「謝るっ!?僕は特に何かされた覚えなんて、ないんですけど...」
空中をふわふわと舞いながら上機嫌そうにエイリーン様は早く言いなよファノーネ~♪なんていじっている。それに顔をしかめながら座り込んでいる僕の正面に足をついて..僕の顔をくいっと上へ向ける。...これって顎くい?
「すまなかったと思っている..、俺が神の寵愛なんてものを授けてしまったばかりに酷い待遇を受けたこと。」
全ての元凶はお前か!!と怒る気持ちも確かにどこかである..のだがそれ以上に顔がよすぎて内容が上手く頭に入ってこない。まさに少女漫画のヒロインの気持ちだった。だがその中でも聞き流せなかったワードがつい、口から洩れてしまっていたらしい。
「神の、寵愛...?」
「それはあたしが説明するよ!生まれる前のキミに惚れ込んだファノーネが寵愛を授けたんだ!身に覚えはない?幸運だったり、容姿が特殊だったり、頭がよかったり!」
エイリーン様が言った言葉の数々は確かに身に覚えがあった。容姿は言わずもがなであるが、僕はとにかく幸運であった。頭脳の良さについては、確かに高得点を連発していたような気がする。あまり覚えてない。
「まーぁー♪難しいことは置いといてさ!ファノーネは君のことが大好きってことなんだよ!」
「だいすき...??」
「エイリーン!それは俺からしっかり伝えるつもりであったのに..何故お前が言う?」
「あー。ごめぇん!」
2人が何か喋っているが、僕の頭には何も入ってこなかった。ファノーネ様が、僕のことを好きだと言っているんだ。今まであんな家に生まれたことを怨んでいたけれど、信仰心自体は本物だった。両親は嫌いだった、その信者も嫌いだった。だけど物語の中にしかいないファノーネ様は嘘をつかない、綺麗なままだった。
「好きだ、キラ。大好きなんだ。お前は、あのような生活をする原因となった俺ぼことを怨んでいるのかもしれない。だが、俺はお前と共になりたい。」
「ぇ、あ..えっと..、」
意味のない言葉しか声にならなかった。美声に脳が震えて、ファノーネ様から視線が外せない。だが、1つ気づいた。先程まで無表情であったはずのファノーネ様の顔が、ほんのり赤く染まっている。不安そうに揺れる目に、僕が戸惑って返事をしない時間が増えるほどこの人は...、なんて思いが芽生えてくる。
「ファノーネ様、あなたは愛おしい人ですね..その表情も、感情も、僕だけに注がれていると思うと幸せです。僕でいいのなら、隣に居させてほしいです」
心臓はバクバクと鳴っていたし、緊張と混乱で頭がどこかに飛んで行ってしまいそうだった、けどどうにか気持ちは伝えられたと思う。既に自分がなんて言ったのか覚えてない。
「よしよしっ!ならキラくんっ!今から転生だ!!」
甘い空間に水...、氷を投げつけるようにエイリーン様が言葉を発した。
「て、転生?」
「キラ。」
低く透き通るような美声でファノーネ様は僕を呼ぶ。思わずからだがびくっと反応して..なんだか情けなくて顔が熱くなる。
「ふぁのーね、様..。なんでしょうか」
「敬語は良い。1つ、謝りたいことがある。」
「謝るっ!?僕は特に何かされた覚えなんて、ないんですけど...」
空中をふわふわと舞いながら上機嫌そうにエイリーン様は早く言いなよファノーネ~♪なんていじっている。それに顔をしかめながら座り込んでいる僕の正面に足をついて..僕の顔をくいっと上へ向ける。...これって顎くい?
「すまなかったと思っている..、俺が神の寵愛なんてものを授けてしまったばかりに酷い待遇を受けたこと。」
全ての元凶はお前か!!と怒る気持ちも確かにどこかである..のだがそれ以上に顔がよすぎて内容が上手く頭に入ってこない。まさに少女漫画のヒロインの気持ちだった。だがその中でも聞き流せなかったワードがつい、口から洩れてしまっていたらしい。
「神の、寵愛...?」
「それはあたしが説明するよ!生まれる前のキミに惚れ込んだファノーネが寵愛を授けたんだ!身に覚えはない?幸運だったり、容姿が特殊だったり、頭がよかったり!」
エイリーン様が言った言葉の数々は確かに身に覚えがあった。容姿は言わずもがなであるが、僕はとにかく幸運であった。頭脳の良さについては、確かに高得点を連発していたような気がする。あまり覚えてない。
「まーぁー♪難しいことは置いといてさ!ファノーネは君のことが大好きってことなんだよ!」
「だいすき...??」
「エイリーン!それは俺からしっかり伝えるつもりであったのに..何故お前が言う?」
「あー。ごめぇん!」
2人が何か喋っているが、僕の頭には何も入ってこなかった。ファノーネ様が、僕のことを好きだと言っているんだ。今まであんな家に生まれたことを怨んでいたけれど、信仰心自体は本物だった。両親は嫌いだった、その信者も嫌いだった。だけど物語の中にしかいないファノーネ様は嘘をつかない、綺麗なままだった。
「好きだ、キラ。大好きなんだ。お前は、あのような生活をする原因となった俺ぼことを怨んでいるのかもしれない。だが、俺はお前と共になりたい。」
「ぇ、あ..えっと..、」
意味のない言葉しか声にならなかった。美声に脳が震えて、ファノーネ様から視線が外せない。だが、1つ気づいた。先程まで無表情であったはずのファノーネ様の顔が、ほんのり赤く染まっている。不安そうに揺れる目に、僕が戸惑って返事をしない時間が増えるほどこの人は...、なんて思いが芽生えてくる。
「ファノーネ様、あなたは愛おしい人ですね..その表情も、感情も、僕だけに注がれていると思うと幸せです。僕でいいのなら、隣に居させてほしいです」
心臓はバクバクと鳴っていたし、緊張と混乱で頭がどこかに飛んで行ってしまいそうだった、けどどうにか気持ちは伝えられたと思う。既に自分がなんて言ったのか覚えてない。
「よしよしっ!ならキラくんっ!今から転生だ!!」
甘い空間に水...、氷を投げつけるようにエイリーン様が言葉を発した。
「て、転生?」
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