愛犬が犬耳ショタになるとは聞いてない! 〜優しくて甘々な2人の日常生活〜

あばつ_abAtU

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お散歩と決めたこと!

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昼の夕暮れ前に、なおと一緒に外に出た。秋であるため肌寒いので、2人とも少し厚着をしている。
 リードは勿論していない。
 流石に小さい子供に首輪つけて歩くのは近所の人たちに誤解されそうだしね。
 それと人になったなおに首輪をつけるのは抵抗がある。
 リードの代わりという訳ではないが、いつも手を繋いで歩く。今もそうだ。
「ご主人の手、暖かい!ぽかぽかする!」
 横を楽しそうに歩くなおが言う。ちなみに耳やしっぽはニット帽とズボンで何とか隠している。
「ねえ!ご主人!今日も公園まで行く?」
「うん、いつもの公園まで行くよ」
 いつもの公園とは、遊具が豊富でジャングルジムや大きな滑り台、ブランコなんかがある5分くらいで着く広めの公園のことだ。
「やった!なおジャングルジム好き!」
 山の方にある住宅街の公園なので、ジャングルジムの頂上に立つと、住宅街が一望できる。それに夕日も合わさると、なんというかとてもエモい。

6分後…。

「着いた~!」
 大きな公園に着くと、なおがはしゃいで犬の時のように走り回っていた。
 2人で別々のブランコに座る。
 少し冷たいブランコに腰を下ろして漕ぎ始める。高校生にもなってブランコで遊んでいると、子供の時には感じられなかった音に耳を傾けるようになった気がする。
 風でなびく木々の音、漕ぐ度にギッコギッコと音を立てるブランコ、秋風が落ち葉を運ぶ音。

「えへへ…ご主人!ブランコ楽しい!」
 横を向くと、無邪気に遊ぶなおがいる。犬の姿では自分で漕ぐことができなかったからか、ブランコもなおのお気に入りになのだ。


「ご主人!ジャンルジム行こ!」
 僕の袖を引くなおに連れられて、ジャンルジムへと向かう。
 大きさは3mくらいで、かなり大きい。
「ご主人!先行ってるね!」と言いながらジャンルジムを登っていく。それに続くように僕も登っていく。
 冷たい。この季節のジャンルジムはとにかく冷たい。そしてしんどい。高校生になってから運動を全くしていないから体力落ちたのかな…。

 何とか登りきると、1番上は座れるように板が敷いてある。落ちないようにちゃんと金具で固定されているため安全だと信じたい。
「ご主人!綺麗だね!」
 なおが目を輝かせながら言う。
「うん、ここは変わらず良い眺めだね」
 目の前に広がるのは、夕日に照らされた住宅街。子供の頃から見ている景色だけど、今日は何故か特別な気がした。
 横になおがいて、心地よい秋風が拭いて、夕日に照らされた空や雲が黄金に輝いて。
 これをどう表現したら良いのか分からないけれど、美しくて、どこか切ない感じがして、現実離れしているような夢を見ているような。

「ご主人!また明日もここにこよ?」
 そう言うなおは泣いていた。
「なお?」
 流れる涙を袖で拭くと、なおは自分が泣いていたことに気づいていなかったらしく、恥ずかしそうに顔を隠した。
「あれ…なんでだろ…」
 いつも子供らしい表情を浮かべていたのに、今のなおは大人びて見えた。
「ご主人、なおね。人になれて良かった。ご主人とこうして同じ景色を見れたから」
 顔を隠すのをやめ、僕を感情の籠った満月のような瞳で見つめるなお。
「なおね、幸せなんだ。ご主人と毎日一緒に起きて、美味しいご飯食べて、こんな綺麗な景色も見て、一緒に眠れて……、でも怖いんだ。ご主人とあとどのくらい一緒にいられるのか」
 なおはぎゅ~っと僕を抱きしめて言う。
「ご主人を他の人にとられたくない。ず~っとご主人と一緒に暮らしていたい」
 なおの声は震えていた。

「大丈夫だよ。僕はなおとこれからもずっと一緒にいるから」

 なおを力いっぱいに抱きしめる。
 なぜだか視界がぼやけてよく見えないけれど、なおの目をしっかりと見つめて、言い放つ。
「なお、好きだよ」
 家族として、1人の人間として。
 これからもずっと一緒にいなくてはならないと、心に決めた。
「なおも!なおもご主人のこと、大好き!」
 恥ずかしそうにしながら、花開くような満面の笑みを見せてくれた。



 その後は家に帰って、一緒にゲームをして、一緒に眠りについた。
(なおと色々な所行きたいな)
 なおの寝顔を見ながら思う。
 犬の時は旅行に連れて行けなかった。なおと一緒に旅行、楽しいだろうな。
 遊園地、温泉、水族館、カラオケなんかも行きたいな。動物園とか水族館とか行ったらどんな反応してくれるかな。
 季節ごとの祭りや食べ物なんかも一緒に食べ歩きたいな。

 そんなことを考えながら、今日も眠りについた。
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