とある少女の日常 ー朝議薫子の場合ー

如月圭

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 翌日の昼休み、私は、修一君を旧図書館で、待っては見たものの、修一君は来なかった。そんな日が一週間続き、私の心はボロボロだった。そんな姿を見ていた、姉と夕子さんが私に、

 「何かあったの?薫子」

 と話しかけてきた。私の顔が暗いので、二人は心配してくれたみたいだった。

 「どうしたの?二人共?」

 言葉を返すと、夕子さんが、

 「どうしたはこっちの台詞!何があったの?」

 少し強い口調で言う。私は、

 「あぁ、うん、修一君から、少し距離を置こうって言われて……、修一君、恋人居るみたい。この間、知らない女の子と、腕組んで歩いてて、……何か私勝手に自分は修一君の特別だって、勘違いしてたみたい……」

 泣いていた。姉が、

 「薫子……」

 私を慰めた。夕子さんは、

 「薫子、そもそも何で距離を置こうって、言われたの?」

 と聞いた。私は、

 「わからない」

 としか言えなかった。それで、夕子さんが、

 「わかった、私達が締めてでも聞いてくるわ」

 そう言うと、姉も、

 「そうね、薫子を泣かせたんだもの。ちゃんと理由を話してもらわないと」

 二人は、凄く怒っていた。私は、

 「お姉ちゃん、夕子さん、それだけはやめて!」
 
 と言い、二人を止めた。夕子さんが、

 「薫子、本当にそれでいいの?」

 と言った。

 「うん、まぁ、……やっぱり、私って平凡だよね。……っっお姉ちゃんや夕子さんみたいに美人だったら、どうにかなるんだろうけど、やっぱり、私は、駄目みたい、……何でもっと可愛く生まれてこなかったんだろう?」

 泣き笑いすると、姉が、

 「薫子は、可愛いわ」

 というと、夕子さんも、

 「そうよ!薫子は可愛いわよ!」

 と同調する。私は、

 「ごめん、お姉ちゃん、夕子さん、一人にしておいて」

 自分の気持ちしか考えられなかった。

 「薫子、わかったわ」

 と姉が、

 「薫子、男は花岡君だけじゃないわよ!」

 と夕子さんが言い、私は、涙をハンカチで拭きながら、

 「ありがとう、お姉ちゃん、夕子さん」

 と言って、東棟を出ていき、姉と、夕子さんは、テニス部をのぞいた。すると、修一君を見つけ、見知らぬ女の子と一緒に居るところを見つけた。夕子さんは、松原君に、

 「誰よ?あれ」

 と聞いた。

 「あぁ、修一のファンクラブの会長だったか?最近一緒に居るな」

 と言うと、夕子さんが、怒りを見せて、

 「そう、あの女ね」

 北島さんを睨みつけた。

 「何かあるのか?」

 松原君が聞くと、

 「うん、まぁね」

 言葉を濁した。松原君はそれを見て、

 「修一のことなら、少し時間をやってくれないか?あいつはあいつなりに、物事を解決しようとしてる」

 と言った。夕子さんは感情的になり、

 「でも薫子が可哀想じゃない!」

 と松原君に噛み付くと、松原君は、ニヤリッと笑って、

 「何だ、修一のやつ、次女が好きなのか」

 「次女って何よ?」

 と聞いた。

 「朝議姉妹の次女だろ?」

 と呑気に答える松原君に、夕子さんが、

 「まぁ、そうだけど、花岡君、薫子のこと好きなんだ、……それでも!距離を置かなくてもいいじゃない!」

 と怒った。松原君は、夕子さんに、

 「男には、男として、ケジメを着けなきゃならねぇ事があんの!……、ところで、あの話、考えてくれてんの?」

 夕子の手をとりながら聞いた。夕子さんはぶっきらぼうに、

 「!っっ考えてるわよ!」

 と言った。松原君は夕子さんの手の甲にキスをして、

 「良い返事だと嬉しいけどな」

 と笑う。夕子さんは、

 「約束は、終業式でしょ!」

 と松原君を見ると、

 「まぁ、とにかく、修一が男になるかどうかの事情だ、外野は黙って見守る!」

 そう松原君は言った。夕子さんは、

 「わかったわ!その代わり、今度、薫子を泣かせたら、許さないから!」

 と言い、松原君は、
 
 「次女が泣いたのか?」

 夕子さんに尋ねた。

 「そうよ!傷付いてたし、元気もないし」

 夕子さんは、私の惨状を松原君に伝えた。

 「ふ~ん、そうか、わかった」

 ニヤリッと笑う松原君に、

 「何が分かったのよ?」

 と聞く夕子さん、

 「今は耐えろって、次女に言っといてくれ」

 そう言う松原君に、

 「……わかったけど、大丈夫なんでしょうね?」

 と夕子さんは松原君を睨んだ。松原君は肩をすくめて、

 「さぁな、修一次第だろ。それは」

 と言う。

 「二三斗、もし薫子を泣かせてみなさい!許さないから!」

 と仁王立ちをした。松原君は、

 「多分、大丈夫だろう」

 そんな話をしていた。私達は、そんな状態でテスト週間を迎える。
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