とあるΩ達の試練

如月圭

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 五、六時限、体育館で全校集会があった。一年から三年のオメガクラスの子達が、まとまって体育館に行くと、オメガクラスの座る所に絨毯が敷いてあり、クッションも置いてあった。アルファの女の子達が、

 「体育館はまだ寒いし、体を冷やしたら駄目だから、ここね」

 「何かあったら教えてね」

 そうアルファの女の子達が言って、オメガクラスの十五、六人の生徒達は、

 「「ありがとうございます」」

 お礼を述べて、絨毯の上でクッションを持ち座った。クレハが真に、

 「アルファの人達は優しいですよね」

 「そうだね」

 そんな会話をしていると、ベータクラスの一~十クラスがワラワラと入ってきた。アルファクラスの直ぐ側にある、オメガクラスの贔屓ぶりに、ベータの人々はヒソヒソと話していた。

 「何あの優遇、オメガだってだけで、アルファの人から優しくされてさ!」

 「本当、身分が底辺のくせに!」

 「シッ!!アルファの人達に聞こえるよ!」

 等々、そんな事を言っていた。



 司は生徒会長もしていて、今回の生徒会選挙でまた、生徒会長に立候補していた。他に二人候補者が居たが、会長選挙も司の演説を聞けば、

 (コレはもう、会長が誰になるか、聞いても、皆同じ答えが返ってくるだろうな)

 そう思ったクレハは、隣にいる真に、

 「今年の生徒会長も司君に決まりそうですね」

 と話しかけた。

 「そうだね、ねぇ、クレハ、クレハは黒崎様が忙しく働いてて、良いの?恋人との時間はどうするの?」

 「どうするも何も、僕の事で司君の手を煩わせたくないので、大丈夫です。寂しい時は寂しいと言いますから」

 「そっか、僕は清春に、僕と仕事とどっちが大切なのって言いそう。清春なら絶対に僕を選ぶけどね」

 絶対の自信を見せる真に、クレハは、

 「真君と清春君は仲が良いですからね!」

 そう笑いかけると、真がクレハの肩をポンと叩いて、

 「クレハ、黒崎様がこっち見てるよ」

 「え?……本当ですね」

 「笑ってみたら?」

 と意地悪そうな顔をして、クレハをつつく真に、クレハは意を決したようにニコリッと笑ってみた。すると、司はフッと笑い女子達は、

 「「キャぁぁーぁっ!!」」

 「黒崎様がお笑いになったわ!!」

 「私を見て笑って下さったのよ!」

 「ううん!私よ!!」

 と女子達は浮かれたように司の話をしていた。真が小声で、

 「クレハに笑いかけただけなのにね」

 「真君、誰かが聞いているかも知れませんから、今はやめておきましょう」

 クレハも小声で言った。六時限目のチャイムが鳴り、一~十クラスのベータの人々が体育館を出ていくと、続いて、オメガクラス、最後にアルファクラスが、体育館を出て行った。クラスに戻り、投票用紙に名前を書き、投票用紙を投票箱に入れると、六時限目は終わった。

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