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日も暮れて来て、クレハは危機感を感じていた。真が、
「寒い」
と震えているのだ。カーディガンだけでは、まだ、夜は寒い、真を自分の体温で温めながら、必死に、扉をドンドン叩き、
「誰か!誰か!居ませんか?」
大声で叫んだ。けれど、普段から人気の無い、外の体育倉庫など誰が通るだろうか?クレハは、めげそうになりながら、扉をドンドン叩いていた。
一方、いつもオメガ専用の図書室に来ているハズの、クレハと真が来ない事を不思議に思った司書の安藤は、本の整理をしながら、五時になるのを見ると、
「珍しいな、今日に限って、吉住君と月城君が来ないなんて、今日はもう来ないのかな?」
と独り言を言っていた。五時半になり、安藤が図書室の扉の鍵を閉めると、
(やっぱり、何かおかしい。吉住君は毎日、ここへ来て勉強していて、来ない日は必ず前日に言っていた。……何かあった?……急な何かが?)
司書の安藤は自分がオメガで、昔良く、ベータの女の子達にいじめを受けていた事を思い出し、嫌な予感がした。クレハの番が司だと耳にしていた安藤は、急ぎ足で職員室に図書室の鍵を持って行き、その足で体育館に向かった。
体育館では、司や清春達、バスケ部の練習が済み、クール・ダウンをして、ストレッチをしていた。時計を見ると、五時四十分でまだ、クレハと真の姿は体育館にはなかった。司が、
「クレハ、まだ、来ないな」
と扉の方を見ると、清春が、
「そうやな、この時間にはもう、真と一緒に居てるのに」
そう司につぶやく、すると、焦った顔をした、安藤の姿があった。
「黒崎君、居るかな?」
マネージャーの唯里に言うと、唯里は司に、
「司!お客さん!」
と大声で呼んだ。司は、安藤の方を見ると、
「何か用ですか?」
と安藤に言った。安藤は、
「吉住君が今日、オメガ専用の図書室に来てないんだけど、今日は彼、学校を休んでいるの?」
安藤の動揺具合に、司は、何かを察したように、
「今日はクレハは学校に来ている。昼も一緒だった。……クレハに何かあったのか!?」
と安藤に聞くと、
「僕は司書をしているんだけど、今日に限って、吉住君も月城君も来てないんだよ!特に吉住君は、毎日来るのに、何か用事がある時は、前日に必ず僕に言うんだよ!だから、おかしいと思った。君の所に居ないなら、吉住君と月城君はどこに居るの?」
焦ったように安藤は言った。司は、クレハの携帯に電話したが誰も出なかった。司は清春にも真の携帯に電話させるが、こちらも出ず。司と清春は焦って、恋人の携帯のGPSを使って、位置情報を確認した。すると、学校内にあって、GPSで二人を探すと、あったのは、ゴミ捨て場だった。クレハと真のジャケットと、荷物を回収すると、事態を重く見た安藤は、
「黒崎君、僕は一度、職員室に行って、先生方に話してくる。何か事件に巻き込まれているかも知れないから」
司は、安藤に、
「俺達は、学園内を探してみます!」
そう言って、安藤は職員室に走り、司達、バスケ部は二人一組で、学校内を探した。司と清春は焦りに焦って、清春は、
「真!どこや!真!クレハちゃん!」
「クレハ!居たら返事しろ!月城!どこに居る!?」
校舎内を準備室まで探した。
安藤は、まだ居る教師達に、
「生徒の行方がわからないのですが!?」
と行方不明の二人の話をして、教師達も学園内や近所を探した。けれど、六時半になっても一向に二人を見つけられなかった。一度、バスケ部の生徒らを呼び戻し、職員室で学年主任と教頭が話し合って、生徒達に今日は帰るように促した。けれど、司も清春も、
「恋人が見つかるまで、帰らない!」
と言い張り、もう一度、学園内を探しに行こうとした。安藤は、クレハの家にも真のシェルターにも電話したが、継らず、まだ帰っていない事が分かった。教頭が、
「警察に電話しましょう」
と言った時、司が鍵置き場を見て、体育倉庫の鍵が戻ってないのに気づく。体育の教師が、
「おかしいな、3-C組の女子に体育の後、体育倉庫の鍵を閉めとけって、鍵を渡したけど、戻ってないか?」
司は、
「おい神宮寺、まだ、外の体育倉庫は見てなかったな!?」
「あぁ、せやな」
「もしかしたら……先生倉庫のマスター・キーありますか?」
「あぁ、あるぞ」
体育教師がマスター・キーを司に渡すと、司と清春は、懐中電灯を持ち、校舎から一番離れている、外の体育倉庫に向かった。
「寒い」
と震えているのだ。カーディガンだけでは、まだ、夜は寒い、真を自分の体温で温めながら、必死に、扉をドンドン叩き、
「誰か!誰か!居ませんか?」
大声で叫んだ。けれど、普段から人気の無い、外の体育倉庫など誰が通るだろうか?クレハは、めげそうになりながら、扉をドンドン叩いていた。
一方、いつもオメガ専用の図書室に来ているハズの、クレハと真が来ない事を不思議に思った司書の安藤は、本の整理をしながら、五時になるのを見ると、
「珍しいな、今日に限って、吉住君と月城君が来ないなんて、今日はもう来ないのかな?」
と独り言を言っていた。五時半になり、安藤が図書室の扉の鍵を閉めると、
(やっぱり、何かおかしい。吉住君は毎日、ここへ来て勉強していて、来ない日は必ず前日に言っていた。……何かあった?……急な何かが?)
司書の安藤は自分がオメガで、昔良く、ベータの女の子達にいじめを受けていた事を思い出し、嫌な予感がした。クレハの番が司だと耳にしていた安藤は、急ぎ足で職員室に図書室の鍵を持って行き、その足で体育館に向かった。
体育館では、司や清春達、バスケ部の練習が済み、クール・ダウンをして、ストレッチをしていた。時計を見ると、五時四十分でまだ、クレハと真の姿は体育館にはなかった。司が、
「クレハ、まだ、来ないな」
と扉の方を見ると、清春が、
「そうやな、この時間にはもう、真と一緒に居てるのに」
そう司につぶやく、すると、焦った顔をした、安藤の姿があった。
「黒崎君、居るかな?」
マネージャーの唯里に言うと、唯里は司に、
「司!お客さん!」
と大声で呼んだ。司は、安藤の方を見ると、
「何か用ですか?」
と安藤に言った。安藤は、
「吉住君が今日、オメガ専用の図書室に来てないんだけど、今日は彼、学校を休んでいるの?」
安藤の動揺具合に、司は、何かを察したように、
「今日はクレハは学校に来ている。昼も一緒だった。……クレハに何かあったのか!?」
と安藤に聞くと、
「僕は司書をしているんだけど、今日に限って、吉住君も月城君も来てないんだよ!特に吉住君は、毎日来るのに、何か用事がある時は、前日に必ず僕に言うんだよ!だから、おかしいと思った。君の所に居ないなら、吉住君と月城君はどこに居るの?」
焦ったように安藤は言った。司は、クレハの携帯に電話したが誰も出なかった。司は清春にも真の携帯に電話させるが、こちらも出ず。司と清春は焦って、恋人の携帯のGPSを使って、位置情報を確認した。すると、学校内にあって、GPSで二人を探すと、あったのは、ゴミ捨て場だった。クレハと真のジャケットと、荷物を回収すると、事態を重く見た安藤は、
「黒崎君、僕は一度、職員室に行って、先生方に話してくる。何か事件に巻き込まれているかも知れないから」
司は、安藤に、
「俺達は、学園内を探してみます!」
そう言って、安藤は職員室に走り、司達、バスケ部は二人一組で、学校内を探した。司と清春は焦りに焦って、清春は、
「真!どこや!真!クレハちゃん!」
「クレハ!居たら返事しろ!月城!どこに居る!?」
校舎内を準備室まで探した。
安藤は、まだ居る教師達に、
「生徒の行方がわからないのですが!?」
と行方不明の二人の話をして、教師達も学園内や近所を探した。けれど、六時半になっても一向に二人を見つけられなかった。一度、バスケ部の生徒らを呼び戻し、職員室で学年主任と教頭が話し合って、生徒達に今日は帰るように促した。けれど、司も清春も、
「恋人が見つかるまで、帰らない!」
と言い張り、もう一度、学園内を探しに行こうとした。安藤は、クレハの家にも真のシェルターにも電話したが、継らず、まだ帰っていない事が分かった。教頭が、
「警察に電話しましょう」
と言った時、司が鍵置き場を見て、体育倉庫の鍵が戻ってないのに気づく。体育の教師が、
「おかしいな、3-C組の女子に体育の後、体育倉庫の鍵を閉めとけって、鍵を渡したけど、戻ってないか?」
司は、
「おい神宮寺、まだ、外の体育倉庫は見てなかったな!?」
「あぁ、せやな」
「もしかしたら……先生倉庫のマスター・キーありますか?」
「あぁ、あるぞ」
体育教師がマスター・キーを司に渡すと、司と清春は、懐中電灯を持ち、校舎から一番離れている、外の体育倉庫に向かった。
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