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その来客とは、
「まぁ、アンリ王弟殿下」
「やぁ、アルカ嬢元気かい?」
「はい、もちろんですわ。アンリ王弟殿下におかれましては、お元気でしょうか?」
「私も元気だよ。アルカ嬢が元気そうで何よりだ。」
そう微笑むのは、ケンセル王国の現国王ユンガス国王の年の離れた王弟、アンリ=ケンセル殿下である。御年24才の殿下は、銀色の髪に紫色の目をした美丈夫で、今は王国の近衛騎士団の副団長をしている。王弟殿下が来たのは、どうやら誰かから私がここに居るという情報を掴んだらしく、祖父母も、驚いていた。王弟殿下が祖父母に挨拶をしていると、王弟殿下と目が合った。王弟殿下が優しく私に微笑みかけると、私は動悸で心臓がドキドキとした。
「オーガストとエリアも元気そうで、なによりです。突然の訪問で驚いたことだと思います。ですが、一刻も早く会っておきたかったので、無礼は承知で来ました」
「王弟殿下も息災でなによりです。」
「まぁ、アンリ王弟殿下、勿体ない。アンリ王弟殿下もお元気そうで何よりでございます。さぁ、どうぞ、こちらに」
祖母がアンリ王弟殿下をサロンへ案内すると、執事のオルドが万端、お茶の用意をしてくれていた。ソファーに腰を下ろし、紅茶を渡された、アンリ王弟殿下は、それを一口飲むと、気を落ち着かせて、祖父に話しを切り出した。
「実は、アルカ嬢のことでお話しが……」
アンリ王弟殿下が私の顔を見て、にこやかに笑い、祖父は王弟殿下の話しの内容を聞いた。
「アルカのこととは、何でしょうか?」
「アルカ嬢の婚約破棄のことです。妹さんと婚約者殿の事は残念でしたね、アルカ嬢」
祖父から私に視線を合わせた、王弟殿下はそう言った。
「大丈夫です。妹のことは、いつものことですわ」
私が笑うと、王弟殿下は、どこかホッとした様に目を細めて、私に色々と話しかけてくる。すると、それを見ていた祖父が、王弟殿下に急に爆弾を投下する。
「王弟殿下、アルカのことをお気に召していると受け取ってよろしいですかな?」
王弟殿下は祖父を見て、
「ええ、構いません。私はそのつもりで、こんな時間にこちらにお邪魔しているのですから」
と微笑んだ。私は、うるさく鳴る鼓動を静めるように紅茶を一口飲んで、祖父と王弟殿下のやり取りを見つめていた。
「では、将来的にはアルカとの結婚を望まれるということですな?」
「はい、アルカ嬢さえ問題がなければ、私との将来を考えて欲しいのです」
「アルカ、王弟殿下はこう、おっしゃっているがお前はどうしたい?」
「私ですか?私は……王弟殿下がよろしければ、前向きに考えたいと思いますわ」
すると、王弟殿下は破顔して、私の手を取った。
「アルカ嬢、それは本当ですか?私の妻になることを考えてくれると?」
私の手の甲にキスを落とした王弟殿下は、私が赤面していることに気付いて、フッと笑い、大人の余裕を見せて、私の手を離した。私はのぼせそうになりながら、王弟殿下を見つめて、(この方なら信頼出来るのかもしれない)と思っていた。
そんなやり取りを見ていた祖母は、終始笑顔で、こう言った。
「良かったわね、アナタ、アルカが元気になって、これも王弟殿下のおかげですわね」
「そうだな、まさか王弟殿下とのご縁があるとは、アルカのことも真剣に考えてくれている。エリアもし、アルカと王弟殿下との婚約が決まったら、王弟殿下の後ろ盾になろうと思うんだが、エリアはどう思う?」
「いい考えだと思うわアナタ」
私と王弟殿下が色々と話しているうちに、祖父母の話し合いも終わり、私と王弟殿下を見て、祖父が決意を私に表明する。
「アルカ、もし王弟殿下と婚約をするのであれば、私達は、アルカと王弟殿下の後ろ盾になろうと思う。アガードには私から話しをつけておく、安心して、王弟殿下との婚約を前向きに考えなさい」
「はい、お祖父様」
「王弟殿下、私達は、アルカが可愛いのです。真剣に、アルカとの婚約を考えて下さり有難うございます」
「とんでもありません。私こそ、傷心のアルカ嬢に無理を言っているのです!こちらこそ申し訳ありません。アルカ嬢どうかゆっくり、私とのことを考えてみて下さいね」
「有難うございます。王弟殿下」
私は王弟殿下と話しをしている時、アメリアのことも、ステファン様のことも、すっかり忘れていた。只々王弟殿下との会話が、楽しくて夢中だった。夜もふけて、王弟殿下は一晩祖父の別荘に泊まり、次の日の朝早く、名残惜しげな挨拶を私と祖父母にして、馬で王宮に帰って行った。
「まぁ、アンリ王弟殿下」
「やぁ、アルカ嬢元気かい?」
「はい、もちろんですわ。アンリ王弟殿下におかれましては、お元気でしょうか?」
「私も元気だよ。アルカ嬢が元気そうで何よりだ。」
そう微笑むのは、ケンセル王国の現国王ユンガス国王の年の離れた王弟、アンリ=ケンセル殿下である。御年24才の殿下は、銀色の髪に紫色の目をした美丈夫で、今は王国の近衛騎士団の副団長をしている。王弟殿下が来たのは、どうやら誰かから私がここに居るという情報を掴んだらしく、祖父母も、驚いていた。王弟殿下が祖父母に挨拶をしていると、王弟殿下と目が合った。王弟殿下が優しく私に微笑みかけると、私は動悸で心臓がドキドキとした。
「オーガストとエリアも元気そうで、なによりです。突然の訪問で驚いたことだと思います。ですが、一刻も早く会っておきたかったので、無礼は承知で来ました」
「王弟殿下も息災でなによりです。」
「まぁ、アンリ王弟殿下、勿体ない。アンリ王弟殿下もお元気そうで何よりでございます。さぁ、どうぞ、こちらに」
祖母がアンリ王弟殿下をサロンへ案内すると、執事のオルドが万端、お茶の用意をしてくれていた。ソファーに腰を下ろし、紅茶を渡された、アンリ王弟殿下は、それを一口飲むと、気を落ち着かせて、祖父に話しを切り出した。
「実は、アルカ嬢のことでお話しが……」
アンリ王弟殿下が私の顔を見て、にこやかに笑い、祖父は王弟殿下の話しの内容を聞いた。
「アルカのこととは、何でしょうか?」
「アルカ嬢の婚約破棄のことです。妹さんと婚約者殿の事は残念でしたね、アルカ嬢」
祖父から私に視線を合わせた、王弟殿下はそう言った。
「大丈夫です。妹のことは、いつものことですわ」
私が笑うと、王弟殿下は、どこかホッとした様に目を細めて、私に色々と話しかけてくる。すると、それを見ていた祖父が、王弟殿下に急に爆弾を投下する。
「王弟殿下、アルカのことをお気に召していると受け取ってよろしいですかな?」
王弟殿下は祖父を見て、
「ええ、構いません。私はそのつもりで、こんな時間にこちらにお邪魔しているのですから」
と微笑んだ。私は、うるさく鳴る鼓動を静めるように紅茶を一口飲んで、祖父と王弟殿下のやり取りを見つめていた。
「では、将来的にはアルカとの結婚を望まれるということですな?」
「はい、アルカ嬢さえ問題がなければ、私との将来を考えて欲しいのです」
「アルカ、王弟殿下はこう、おっしゃっているがお前はどうしたい?」
「私ですか?私は……王弟殿下がよろしければ、前向きに考えたいと思いますわ」
すると、王弟殿下は破顔して、私の手を取った。
「アルカ嬢、それは本当ですか?私の妻になることを考えてくれると?」
私の手の甲にキスを落とした王弟殿下は、私が赤面していることに気付いて、フッと笑い、大人の余裕を見せて、私の手を離した。私はのぼせそうになりながら、王弟殿下を見つめて、(この方なら信頼出来るのかもしれない)と思っていた。
そんなやり取りを見ていた祖母は、終始笑顔で、こう言った。
「良かったわね、アナタ、アルカが元気になって、これも王弟殿下のおかげですわね」
「そうだな、まさか王弟殿下とのご縁があるとは、アルカのことも真剣に考えてくれている。エリアもし、アルカと王弟殿下との婚約が決まったら、王弟殿下の後ろ盾になろうと思うんだが、エリアはどう思う?」
「いい考えだと思うわアナタ」
私と王弟殿下が色々と話しているうちに、祖父母の話し合いも終わり、私と王弟殿下を見て、祖父が決意を私に表明する。
「アルカ、もし王弟殿下と婚約をするのであれば、私達は、アルカと王弟殿下の後ろ盾になろうと思う。アガードには私から話しをつけておく、安心して、王弟殿下との婚約を前向きに考えなさい」
「はい、お祖父様」
「王弟殿下、私達は、アルカが可愛いのです。真剣に、アルカとの婚約を考えて下さり有難うございます」
「とんでもありません。私こそ、傷心のアルカ嬢に無理を言っているのです!こちらこそ申し訳ありません。アルカ嬢どうかゆっくり、私とのことを考えてみて下さいね」
「有難うございます。王弟殿下」
私は王弟殿下と話しをしている時、アメリアのことも、ステファン様のことも、すっかり忘れていた。只々王弟殿下との会話が、楽しくて夢中だった。夜もふけて、王弟殿下は一晩祖父の別荘に泊まり、次の日の朝早く、名残惜しげな挨拶を私と祖父母にして、馬で王宮に帰って行った。
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