私は国籍・戸籍がない

mhiray

文字の大きさ
上 下
2 / 5

2.小学校に上がったよ

しおりを挟む
 



 晴れて小学校2年生になる事が出来た7歳の夏。
 
 (初の勉強。初のお友達。やったー❤️)

入学出来たことに、大喜び。友達出来るか不安ではあったけど、凄く楽しみな学校生活になるかなって期待を胸に、私と父、母で初登校。
 先生に父と母がご挨拶をして、私はクラスに連れて行かれました。

 朝クラスに入って、クラスの皆ビックリした顔をした。それに私も怖気付いて、先生に
「〇〇さん、皆さんにご挨拶しましょう!」
 
 私、「…。」

 先生、「…緊張してるよね?じゃあ、帰りの会の時にお友達にご挨拶出来るようにしよっか。」
 
 小声で私は、「はぃ。」それだけしか言えず。

それから1時間目の休み時間に、初めて声をかけてくれた友達がいた。

「はじめまして♪〇〇です。よろしくね!」
 私、「あ…は、はじめまして〇〇です。」
 
 友達、「何処から来たの?」
 
 私、「東京…」
 
 友達、「そうなんだー。なんで埼玉に来たの?東京の学校はどんな感じ?」
 
 私、「埼玉に来た理由は分からない…東京では学校行けなかったから。」
 
 友達「…?そう…なんだ。でも私と仲良くしてね!」
 
 と、言われてチャイムが鳴った。初めて聞いたチャイムに動揺してたら、
 
 「授業始まるチャイムだよ」

って教えてくれた。全てが新鮮でウキウキだった。それからの休み時間も友達が集まって色々教えてくれたり、気遣ってくれて話かけてきてくれたり。初日は本当楽しかった。
 そして、帰りの会。先生に

 「さて、朝の続き行きましょうか!」

と言われて周りも拍手し始めて、私は相当な恥ずかしがり屋で、それされたら…とは思いながらも、黒板の前に立った。
 
 私、「えっと…は、はじめまして。〇〇ミサです。東京から来ました。よろしくお願いします!」

とだけ挨拶したら、クラス皆が拍手してくれて   「よろしく!!」  って言ってくれた。
 凄い楽しい楽しい学校生活になると信じて私は帰り先生にも
 「よろしくお願いします!」

と言った。先生も
 「ミサちゃんよろしくね。ミサちゃんの事はママとパパに聞いてるよ。」
 
 私、「なに話したの?」
 
 先生、「んー…ちょっと今のミサちゃんには難しいお話かな。もう少しおっきくなって、話がわかるようになったら、パパとママに聞いてね。先生も頑張るから」
 
 まるで私にはなんの話か理解出来ずにいた。頭の中では、

(なんの話かな?おっきくなってたらって、いつかな?)

 と巡りに廻らせ、その日は何も無く家に帰宅した。
しおりを挟む

処理中です...