私は国籍・戸籍がない

mhiray

文字の大きさ
3 / 5

3.市議会議員

しおりを挟む


 それから3年が経った。私はもう小学校5年生。
 私は、3年の頃からいじめを受けて、学校から孤立状態になった。
 学校も行ったり、行かなかったり。私も物心がついて難しい話も多少分かるようになって来た。
 ある時、私に夢が出来た。料理教室に通う事とトリマーになる事だった。ただ、ここで問題だった。小さい頃から言われ続けた、
 「紙が無い」 という件だった。

 私は疑問を抱き続けて、小学生を過ごして来た。中学に上がるのも後、一年とちょっと。ここでも、中学生になるのが楽しみになっていた。

 中学生は、新しい人たちいるから、いじめはないよね?多分。と小さな希望を持ち。

そして5年の冬、私の夢を祖母に伝えた。
 
 「おばあちゃん、中学卒業したらトリマーになりたい。あと、料理教室も通いたい」

 祖母、「トリマーになるには、専門学校に行って免許取得しなきゃいけないね。料理教室は近くにあるから、聞いてみるね。」
 
 私、「うん。」

私はたわいもない会話をして、ここでやっと疑問が晴れることになった。
 
 私、「おばあちゃん、トリマーになれるかな?」
 
 祖母、「ミサちゃん。今なら話が分かると思うから言うけど、ミサちゃんが埼玉に越して来た意味は分かる?」
  
 小2の時の疑問だった。何故私は都会から埼玉に来たのかだった。
 
 私、「そうだ。なんで?」
 
 祖母、「実はね、ミサちゃん産まれた時から戸籍が無い子なんだよ。周りとは全く違う特別な子なの。それはね、産まれた時皆必ず、この病院で産まれました、って言う紙、所謂、出生証明書って物を病院から出されるのよ。」
 
 私はずっと祖母の話を黙々と聞いていた

 「その出生証明書は大事な物で、ミサちゃんは東京で産まれたから、世田谷区役所に出さないといけなかったんだけどね、ミサちゃんのママとパパは結婚してないの。」
 
 そこで衝撃が走った。
 
     (結婚してない?待って。どういう意味。)

と訳がわからなくなって来ていた。でも祖母はそのまま話を続けた。

 「ミサちゃんのママには違う男の人と結婚してるのよ。その男の人が怖くてねぇ。その人から逃げた時に、ミサちゃんのパパとママが知り合ってしまったのよ。年月が過ぎてママはミサちゃんを授かった。だからね、授かったって知った時はおばあちゃん反対したんだよ。そんな既婚者と駆け落ちなんて。ってね」

 もうここで更に私の頭は真っ白になった。ただ気になる事があった。

 私、「…で、その結婚してる?男の人とは今どうなったの?」
 
  祖母、「まだ離婚が出来ていないのよ。その理由はいっぱいあってね。だから当時、出生証明書を区役所に出してしまうと向こうの戸籍に載ってしまって、みさちゃんの存在やらなんやら分かってしまうって言われて、出生証明書を出せずにいたの。」
 
 私、「じゃあ、なんでここに越して来たの?」
 
 祖母、「それがね、東京では、保険証も作ってくれなくてね。区役所の人が手伝ってくれなかったのよ。だから学校に入りたいって区役所に訴えかけたけど、応じてくれなくてね。埼玉でどう動けばいいか市役所に聞いてたら、市議会議員の人が動いてくれてここで学校の手続きが出来たのよ。」
 
 私「あー。だから引っ越して来たんだ」

 私は理解に苦しんだ。何故なら話が難しくてどう理解して良いのか。とずっと悩んでいた。当時その市議会議員と言う名のものも知らなくて、弁護士さんかな?誰なのかな?と考えていた。
 ただ祖母に聞いたらまた長くなると思いその時は聞くのをやめた。
 分かった事は一つ。その方が動いてくれなかったら、私は保険証や学校すら行けなかった事。
 頭に叩き込まれた、私の父母は婚姻関係になく、母には旦那がいる。との事実。
 そして私は、
 
          ➖ある意味特別な存在。➖

だということを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

処理中です...