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終 探さないでください
クロエは幸せだった。
今日は、私とジークとの結婚式だ。
真っ白の美しいドレスを着て、愛するジークの元へ向かう。
1歳半になった息子のザックは、自慢げに胸を張り、私と一緒にジークの所まで、トコトコと歩いていた。
諦めていた。
愛しているが、結ばれる事はないはずだと。
だけど、ジークは何年もかけて私を探し出してくれた。
ジークは赤い瞳で私だけを見つめてきて微笑んでいる。
ここには、愛する夫と、愛おしい息子がいる。私はもう逃げない。
ここで、私の大事な人と一緒に生きていく。
その時、ザックが、急に大声を上げてジークに手を伸ばした。
「ウ、パパ。」
私は驚く。
絶対にママだと思っていた。ザックが初めて発する言葉は私を呼び声だと。
白い礼服に身を包んだジークは、息子の前に跪いて、息子を抱き上げ、褒めている。
私は言った。
「ふふふ。ザックは貴方の事が大好きみたい。」
ジークは言う。
「ああ、ありがとう。クロエ。君のおかげだよ。愛している。」
私は答えた。
「ええ、私も愛している。永遠に貴方だけを。」
マイラー公爵邸から、隠し扉を使って逃げ出した二人の行方は、暫く分からなかった。1週間後にイアンナ・マイラー公爵令嬢だけが、川下で発見された。彼女は何かに怯えているようで、不安げな表情で震えていたらしい。拘置所に連れていかれると、安堵したように、ずっとここにいたいと呟いたと聞いた。
彼女に何があったのかは分からない。ライガック第一王子は、その存在が幻だったかのように姿を消してしまった。
ジークは、時折私を申し訳なさそうに見る。どうやら、私の親族の殆どが息絶えた事を気にしている様子だった。
行方不明となった第一王女ロニアと、第6王女メルーシアを探している。
誰よりも素敵で、頼りになる最愛の夫に私は告げた。
「ジーク。私には貴方とザックがいるわ。
もういいのよ。
私は貴方を恨んでいないし、ガージニア王国に未練なんてないの。
だから、もう、
私の血縁を
探さないでください。」
三歳になるザックが、私の真似をして、ジークへ言う。
「さがちゃないでくだちゃい。」
ジークは私とザックを抱きしめながら、頷いた。
今日は、私とジークとの結婚式だ。
真っ白の美しいドレスを着て、愛するジークの元へ向かう。
1歳半になった息子のザックは、自慢げに胸を張り、私と一緒にジークの所まで、トコトコと歩いていた。
諦めていた。
愛しているが、結ばれる事はないはずだと。
だけど、ジークは何年もかけて私を探し出してくれた。
ジークは赤い瞳で私だけを見つめてきて微笑んでいる。
ここには、愛する夫と、愛おしい息子がいる。私はもう逃げない。
ここで、私の大事な人と一緒に生きていく。
その時、ザックが、急に大声を上げてジークに手を伸ばした。
「ウ、パパ。」
私は驚く。
絶対にママだと思っていた。ザックが初めて発する言葉は私を呼び声だと。
白い礼服に身を包んだジークは、息子の前に跪いて、息子を抱き上げ、褒めている。
私は言った。
「ふふふ。ザックは貴方の事が大好きみたい。」
ジークは言う。
「ああ、ありがとう。クロエ。君のおかげだよ。愛している。」
私は答えた。
「ええ、私も愛している。永遠に貴方だけを。」
マイラー公爵邸から、隠し扉を使って逃げ出した二人の行方は、暫く分からなかった。1週間後にイアンナ・マイラー公爵令嬢だけが、川下で発見された。彼女は何かに怯えているようで、不安げな表情で震えていたらしい。拘置所に連れていかれると、安堵したように、ずっとここにいたいと呟いたと聞いた。
彼女に何があったのかは分からない。ライガック第一王子は、その存在が幻だったかのように姿を消してしまった。
ジークは、時折私を申し訳なさそうに見る。どうやら、私の親族の殆どが息絶えた事を気にしている様子だった。
行方不明となった第一王女ロニアと、第6王女メルーシアを探している。
誰よりも素敵で、頼りになる最愛の夫に私は告げた。
「ジーク。私には貴方とザックがいるわ。
もういいのよ。
私は貴方を恨んでいないし、ガージニア王国に未練なんてないの。
だから、もう、
私の血縁を
探さないでください。」
三歳になるザックが、私の真似をして、ジークへ言う。
「さがちゃないでくだちゃい。」
ジークは私とザックを抱きしめながら、頷いた。
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