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ワタシではありません!
ハゲタ!
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「ザックバード様。そんなドブネズミなんて早く捨てて、こちらに来てくださいませ。貴方のアリアが、貴方の為に何でも致しますわ。美しくて強いザックバード様。私はもう貴方の物です。」
アリア皇女は、ソフィアを強く抱きしめるザックバードを見つめながら言った。時折ソフィアを鬼の形相で睨んでくる。
ソフィアは、思わずアリア皇女の言葉に頷きそうになるのを必死でこらえた。
ザックバードは、ぼそりと呟いた。
「気色悪い。」
ソフィアは焦る。再び帝国と王国の戦争が始まりそうな予感がする。
帝国の皇女様に気色悪いって、ザックバード公爵は頭が可笑しいのではないだろうか。
ソフィアは、ザックバードの腕を引き離して、少し離れて言った。
「ザック。皇女様に対して失礼よ。確かに貴方の人形を夜な夜な愛でる特殊なお方かもしれないけど、はっきり口に出しては駄目だと思うわ。外交問題になるから、心の中だけに留めておくべきよ。」
小声で言ったはずなのに、聞こえてしまったらしい。皇女はソフィアに怒鳴りつけた。
「特殊ですって!なんて失礼なの!この薄汚いドブネズミ!」
ソフィアは、アリア皇女を見る。艶めく美しい黒髪、アメジスト様に輝く紫色の瞳、豪華なドレス。絶世の美女が目の前にいる。だが、その艶めく唇は「ドブネズミ」と発声する。凄く期待して行った高級レストランで砂のフルコースが出てきたような、これじゃないガッカリ感が半端ない。本当に皇女なのだろうか?中身だけ入れ替わったとか?
ソフィアを睨みつけていた皇女は、急に眼を潤ませ告白を始めた。
「私は、初めて会った時から、ザックバード様を愛していました。父は私に最も強い男と結婚させてやると言っていましたわ。帝国で、いいえこの大陸で最も強い父を倒したザックバード様こそ、私に相応しいお方です。ザックバード様一緒に帝国を統治いたしましょう。いいえ大陸全土を征服してもいいですわ。必要なら兄も、父も私がなんとかいたします。」
そういうと、アリア皇女は、右手を上げて掌を上に向けた。手のひらから紫色の炎が勢いよく吹き出して、はるか上空の雲を一瞬で吹き飛ばしてしまった。
ソフィアは、驚き後退る。
「ああ、なんてこと。」
上空には、ぽっかりと雲に穴が開き、円形の青空が見える。
帝国には強い魔法使いがいる。そういう噂は知っていたが、皇女まで魔法使いだなんて知らなかった。それも強力な魔法使いだ。
アリア皇女は、ザックバードから離れた私に向かってニヤリと笑い腕を突き出してきた。
「もちろん。一番初めに消えるのはドブネズミのお前よ!」
紫色の巨大な炎を手の平に貯めて、ソフィアに向かって今にも放ちそうだ。
皇女は金切り声で叫んだ。
「燃え尽きなさ、、、、」
「ブベシ」
アリア皇女は一瞬で何かに押しつぶされた。
紫色の炎は、アリア皇女の黒髪を燃やし、アリア皇女の髪の毛が燃え尽きた。
白い地肌は少し赤みがかりプスプスと音を鳴らし、紫色の煙が立ち上っている。
ソフィアは、驚き声を上げる。
「ええええ?禿げて、、、、、」
地面に頬をつけていたアリア皇女は、なんとか起き上がろうと藻掻いている。
助けてあげて欲しい。
女の髪が燃えるなんてあんまりだ。
ソフィアは、周囲を見渡した。
なぜか、使用人達は俯きソフィアと眼を合わせようとしない。
ザックバードは、冷たい目でアリア皇女を見下ろしている。
「ザック。あの、ちょっとやりすぎじゃないかしら?」
「ソフィア、君なら耐えられるかい。見ず知らずの変態に自分の等身大人形を好き放題させるなんて、本当に気持ち悪いよ。」
「ああ、ザック。そうね。でも相手は皇女様なのよ。」
「ああ、大丈夫だよ。厄介なのは皇太子だけだからね。後は問題ない。ソフィアには指一本触れさせないよ。」
「ええ?ええ。そろそろアリア皇女様を離して、、、、」
その時、アリア皇女へ沢山の兵士と、兵士達を率いる男性が現れた。
黒髪で切れ長の瞳をしている体格がいい男性は、沢山の勲章がついた軍服を身に纏っていた。ザックバードと倒れ伏せているアリア皇女を見て、顔を顰めたその人は、アリア皇女へ近づいた。
パリーーーーン
見えない何かが割れる音がした。
「ザックバード公爵。やりすぎだ。起きろ。アリア。」
アリア皇女は、ソフィアを強く抱きしめるザックバードを見つめながら言った。時折ソフィアを鬼の形相で睨んでくる。
ソフィアは、思わずアリア皇女の言葉に頷きそうになるのを必死でこらえた。
ザックバードは、ぼそりと呟いた。
「気色悪い。」
ソフィアは焦る。再び帝国と王国の戦争が始まりそうな予感がする。
帝国の皇女様に気色悪いって、ザックバード公爵は頭が可笑しいのではないだろうか。
ソフィアは、ザックバードの腕を引き離して、少し離れて言った。
「ザック。皇女様に対して失礼よ。確かに貴方の人形を夜な夜な愛でる特殊なお方かもしれないけど、はっきり口に出しては駄目だと思うわ。外交問題になるから、心の中だけに留めておくべきよ。」
小声で言ったはずなのに、聞こえてしまったらしい。皇女はソフィアに怒鳴りつけた。
「特殊ですって!なんて失礼なの!この薄汚いドブネズミ!」
ソフィアは、アリア皇女を見る。艶めく美しい黒髪、アメジスト様に輝く紫色の瞳、豪華なドレス。絶世の美女が目の前にいる。だが、その艶めく唇は「ドブネズミ」と発声する。凄く期待して行った高級レストランで砂のフルコースが出てきたような、これじゃないガッカリ感が半端ない。本当に皇女なのだろうか?中身だけ入れ替わったとか?
ソフィアを睨みつけていた皇女は、急に眼を潤ませ告白を始めた。
「私は、初めて会った時から、ザックバード様を愛していました。父は私に最も強い男と結婚させてやると言っていましたわ。帝国で、いいえこの大陸で最も強い父を倒したザックバード様こそ、私に相応しいお方です。ザックバード様一緒に帝国を統治いたしましょう。いいえ大陸全土を征服してもいいですわ。必要なら兄も、父も私がなんとかいたします。」
そういうと、アリア皇女は、右手を上げて掌を上に向けた。手のひらから紫色の炎が勢いよく吹き出して、はるか上空の雲を一瞬で吹き飛ばしてしまった。
ソフィアは、驚き後退る。
「ああ、なんてこと。」
上空には、ぽっかりと雲に穴が開き、円形の青空が見える。
帝国には強い魔法使いがいる。そういう噂は知っていたが、皇女まで魔法使いだなんて知らなかった。それも強力な魔法使いだ。
アリア皇女は、ザックバードから離れた私に向かってニヤリと笑い腕を突き出してきた。
「もちろん。一番初めに消えるのはドブネズミのお前よ!」
紫色の巨大な炎を手の平に貯めて、ソフィアに向かって今にも放ちそうだ。
皇女は金切り声で叫んだ。
「燃え尽きなさ、、、、」
「ブベシ」
アリア皇女は一瞬で何かに押しつぶされた。
紫色の炎は、アリア皇女の黒髪を燃やし、アリア皇女の髪の毛が燃え尽きた。
白い地肌は少し赤みがかりプスプスと音を鳴らし、紫色の煙が立ち上っている。
ソフィアは、驚き声を上げる。
「ええええ?禿げて、、、、、」
地面に頬をつけていたアリア皇女は、なんとか起き上がろうと藻掻いている。
助けてあげて欲しい。
女の髪が燃えるなんてあんまりだ。
ソフィアは、周囲を見渡した。
なぜか、使用人達は俯きソフィアと眼を合わせようとしない。
ザックバードは、冷たい目でアリア皇女を見下ろしている。
「ザック。あの、ちょっとやりすぎじゃないかしら?」
「ソフィア、君なら耐えられるかい。見ず知らずの変態に自分の等身大人形を好き放題させるなんて、本当に気持ち悪いよ。」
「ああ、ザック。そうね。でも相手は皇女様なのよ。」
「ああ、大丈夫だよ。厄介なのは皇太子だけだからね。後は問題ない。ソフィアには指一本触れさせないよ。」
「ええ?ええ。そろそろアリア皇女様を離して、、、、」
その時、アリア皇女へ沢山の兵士と、兵士達を率いる男性が現れた。
黒髪で切れ長の瞳をしている体格がいい男性は、沢山の勲章がついた軍服を身に纏っていた。ザックバードと倒れ伏せているアリア皇女を見て、顔を顰めたその人は、アリア皇女へ近づいた。
パリーーーーン
見えない何かが割れる音がした。
「ザックバード公爵。やりすぎだ。起きろ。アリア。」
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読ませていただいてます
題名からして良いですね(o´艸`)︎💕︎
ラブコメ。振り切ってて面白いです
登場人物みんなストーカーなのに自覚なし(笑)
2章のザックバード怖い😱💦💦💦
愛が深すぎるがゆえなのか……
でも、そこがイイです ദ്ദി˶ー̀֊ー́ )✨
ヤンデレが過ぎる❤
主人公は直感でヤバいと感じてるけど(*º ロ º *)oh!
更新楽しみにしてます🎶
ご感想ありがとうございます。
おかしいなぁ。ヒーローのはずなのに?一番悪役の気が、、、
時々更新するので、読んでいただけたら嬉しいです。
もう、ここまで来たら、ストーカーというより妖怪が憑いてるようなものでは…。
ヒヤヒヤドキドキ、怖いもの見たさで続きをお待ちしております。
かなりのスロー更新にも関わらず読んでいただきありがとうございます。
恋愛ジャンルじゃなくて、ホラージャンルのような、、、
もしかしてジャンル変更すべき?(*´Д`*)
イヤ、そんな事無いはず!?
仮に百歩譲って、婚約解除できても絶対にストーカー公爵…ゴホンゴホン ザックバード公爵は認可しないでしょうね
自分の最愛に手を出せば、スト…公爵は黙ってないでしょう
早く主人公の元へやって来ますように…
ストーカー王女には、最愛の公爵からの拒絶の言葉や態度が1番堪えるでしょう
脳内で公爵を恋人扱いし、ダッチワイフのような等身大?人形も持っていたぐらいですし拒絶されても心が認可できなくて妄想(公爵が恋人や旦那として)に閉じこもるかもしれませんね
感想ありがとうございます。励みになります。第二章では、舞台を帝国に移し、新たな登場人物がまだまだ出てくる予定です。できるだけ多くの登場人物に叫んで頂きたいと思っています。(おい!)
更新が不定期で、遅いですが、、、時々読んで頂けると嬉しいです。
相変わらず、スト公爵がヤバいですね。裏でいろいろ暗躍してそうです。
ソフィアは今度こそ逃げれるのか?!
それとも溺愛監禁モードに移行するのか?!
乞うご期待(?)