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21.打ってもいいでしょうか?
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生き残った使用人達に、後始末を任せて、私達はロザリーお姉様の離宮を訪れていた。
目的は、勿論いろいろ拝見させて戴くためだ。
お姉様の寝室には仕掛けが施されていた。本棚の上から3段目、左から4冊目の本を引き抜くと、本棚が一回転して、無数のSMグッツが並べられた道具棚が現れた。
鞭だけで10種類も用意されている。
7色のロープに、振動具、ピンチ器に、男性の一物を模った黒光りする物。
私は、それぞれの道具を手に取り、テーブルに並べ鑑賞ムードに入った。
中央ベッドでは、さっそく二人のプレイが始まっている。初めぶつぶつ文句を言っていたジンも、今は手慣れた様子でロザリーを縛り上げ、愛撫を初めた。
すっごい。
こんなに近くて見る事が出来るなんて。
ワイングラスに入れたシャンパンを飲みながら、私はテーブルの上の道具の感触を確かめていく。
硬さ、強度、しなやかさ、肌触りどれをとっても一級品だ。さすがはグロッサー公爵令嬢。デザイン画を描き、材料から指定して職人に特注させたとお義姉様が言っていた。
ベッドでは、M嬢が悶えている。
「あ、ご主人様。もっとご褒美を」
私は黒い鞭を手に取った。
持ち手には、いい感じの凹凸があり手に吸い付くように持ちやすい。鞭は、極細の繊維を複雑にまとめ上げてできている様子だ。初めて持つ手触り、感触。職人が丁寧に作り上げた最高級のプレイ専用鞭。ちょっと試してみたい。
プレイが始まると人が変わったようにS気を醸し出したジンが、M嬢を責め上げる。
「もっと鳴け」
ビシン、バシン!
「あああ、いい」
さすがに、ドM嬢とドSプロ男の最高のカップルプレイに乱入するほど、私は空気が読めない女ではない。
どうしたものかと考えながら、最高級のプレイを堪能していると、急に寝室のドアが開かれた。
バタン!
「あ、あなた達。何をしているの!ロザリー!どういう事ですか!今すぐ止めなさい」
ドアから乱入し、ロザリー嬢へズカズカ近づいてくる中年女性がいる。ヒステリックに怒鳴り込んできた女は、今にもプレイを中断しそうだ。
嫌がるジンを説得してやっと見せてもらえる事になったのに、こんな中途半端な所で!
私は、鞭を持ち、中年女性に近づいて行った。
「貴方は、息子のこんや・・・アアア」
バシン。
私は、黒光りする鞭で、中年女性の手を思いっきり打った。
「何をするの!私が誰だとお・・・オアア」
バシン。
今度は、胸元を思いっきり鞭で打ち付けた。
胸元のドレスが鞭によって引き裂かれ青白い肌が顕わになる。
「最高の芸術を邪魔しようとするなんて、貴方の感性を疑うわ」
バシン。
両太ももに、鞭を入れると、彼女は、跪いて涙を浮かべ言ってきた。
「貴方こそ、このへんた・・・」
バシン。
顔を鞭で打ち付ける。
まとめ上げていた髪がほどけ、髪飾りがぶっ飛ばされ壊れてしまった。
「いたい。止めて。お願いだか・・・」
バシン。
顔を抑え蹲った彼女の背中を思いっきり叩く。
背中の衣服が引き裂かれ、いい音がした。
「助けて!ロザリー。貴方はルミリアの娘でしょ。彼女とは協定があるのよ」
バシン。
もう一度背中を叩く、服がボロボロになり、肌が顕わになる。
中年女の肌なんて見たくもないが、鞭の性能評価にちょうどいい。
服は裂かれるのに、肌は僅かに赤みを帯びているだけで、傷がついているように見えない。
私は、ロザリーお姉様を見て言った。
「お姉様。さすがですわ。肌を傷つけずに、痛みを感じさせる事ができるだなんて最高の鞭です」
ロザリーとジンは、すでに服を着て、身だしなみを整えている。
私はガッカリしながら言った。
「まあ、お止めになるの?本当に、この女のせいで、楽しみにしていた芸術が台無しだわ」
私は、思いっきり鞭で、女の尻を打ち付けた。
バシン!!
「いたい。ああ、止めて。お願いだから、なんでもいう事を聞くから」
ジンは、並べられた道具を片付け初めていた。
ロザリーが、ボロボロになった半裸の中年女に話しかける。
「先ほど言われていたお母様との協定とは何のことですか?」
「それは、その・・・」
バシン。
「ロザリーお姉様の質問にすぐに答えなさい」
ちょっとS嬢らしく言えただろうか?私は、胸を張ってジンを見た。
ジンは、飽きれはてたように眉尻を下げ、首を振った。
「答えます。なんでも答えるから。痛い。止めて頂戴。ルミリアと協定を結んでアナリリス王妃を殺させたのよ。私は、彼女の変わりにリリアンナを自殺に見せかけて崖から落としたの。協定にはお互いを裏切らない事と、子供達を結婚させる事も含まれているわ。」
まさか、このボロボロの女が、母を殺そうとしただなんて。
この女とルミリア公爵夫人が、母に濡れ衣を着せ、貶めたのだ。
私は、怒りのまま彼女を打ち付けた。
「貴方が犯人だったなんて。母さんの恨みを受けなさい」
バシン。バシン。バシン。
「あああ、話したのにー」
バタバタバタ。
沢山の人物が走りこんでくる足音が聞こえてくる。
そういえば、よく見ていなかったが、この女は誰なのだろう。
蹲り震えているボロボロの女の、髪を引っ張り、顔を上げさせた。
涙と鼻水で化粧が取れ、頬は黒い雫で汚れている。口紅はいつの間にかズレたのか、口周辺が赤く汚れ、無数の小じわが目立つ中年女が怯えたように私を見上げてきた。
全然、見た事も会った事もないおばさんだ。
私は、髪を離した。
ゴン!
彼女は頭を思いっきり地面に頭を打ち付け動かなくなってしまった。
ドアから入ってきたのは、焦った様子のローガンだった。後ろには沢山の兵士や父マーカス・グロッサー公爵もいる。
「ミーナ!待っているように言ったのに。またすぐにいなくなるなんて」
「違うわ。ちょっと姉妹の交流を深めていただけよ。使用人にもちゃんと行き先を伝えていたし、襲撃を受けたからあそこにいたくなかったの。貴方の居城が綺麗になるまで少し、お姉様達とお茶を楽しもうかと…」
私が、言い訳をしていると、ロザリーがローガンに話しかけた。
「ローガン様。先ほど、彼女がここを訪れて、アナリリス王妃様の委託殺人を自供しましたわ。私の母ルミリア・グロッサーが、依頼を受けて実行したそうです」
「彼女…?」
訝し気なローガンは、私の足元で意識を失った半裸のボロボロの女性を見ていった。
「なんだ、この汚い女は!!どうしてこんな所に!!ミーナ大丈夫か?怪我はないか?君に何かあったら、俺は・・・」
ジンが、私達を見ながらつぶやいた。
「一応、この女は現王妃だろ。もう少し心配してやれよ。王子様」
私は、心の底から愕き言う。
「え?王妃?うそでしょ。全然違うじゃない」
舞踏会で確かに王妃に合った事がある。結構な美人だったと記憶している。
マーカス・グロッサー公爵が近づいて来て、自身の上着をボロボロ王妃にかけながら言った。
「まさか、ナリミア王妃か?本当に自供したのか?何があったのだ」
お義姉様と、ジンが私を凝視してくる。
そんな変な事はしていない。
ちょっと鞭の素晴らしい性能を試してみたかっただけだ。
楽しみを邪魔されて、母の名前が出されて、力を入れすぎたかもしれない。
でも、楽しみにしていた芸術を邪魔する女が一番悪いと思う。
私は、ローガンの逞しい腕に抱き着き、言った。
「今日は、とても疲れたわ。一緒に帰りましょう。」
背伸びして彼の耳元で、小声で囁く。
「宰相室での続きをしてもいいわ。貴方がいなくなって寂しかったの」
ローガンは、微笑み私の腰に手を回してきて言った。
「この汚い女を連れて行け。牢に閉じ込め話す内容を漏らさず書き留め報告してくれ。母アナリリス元王妃とリリアンナの冤罪について全てを聞き出してくれ」
「「はっ」」
兵士達は、手際よくボロボロの女を連れて行った。
父がジンに話しかける。
「ジン殿ですか?貴方のお父様に聞きました。ミンティア王国の生き残りだとか。神宝や守護魔法、正直信じがたい事ですが、ミーナは確かにリリアンナの娘です。彼女はローガン王子の婚約者で将来の王妃となる予定です。神宝を持つ女性が王妃となった場合、その国は神宝の守護魔法の恩恵を受ける。そうですよね」
「はい。だから、ミーナ様をミンティア王国へ。災害が毎年のように襲ってきます。あの土地を、皆を守る為に彼女の存在が必要なのです」
「今ミンティア王国だった土地はマキシアム王国の領土となっています。ミーナが国母となれば、ミンティアにも守護の力が働くのではありませんか?」
「そうだ。確かに。伝承にはそうありました。でも、本当にミーア様をこの大国の王妃に迎えられるのですか。彼女はかなりの…いえなんでもありません。彼女が王妃になれば、故郷は災害から逃れる事ができるかもしれない。俺はこの喜ばしい出来事を皆に伝える為に故郷へ向かいます」
「まあ、ジン。新婚旅行の行き先が決まったわね。勿論私も一緒に行きますわ」
「え?イヤ。ロザリーそれは」
「ジンは、まさか私を捨てて故郷に帰るなんて言わないわよね」
「ああ、そうだな。ただ、ちょっと君の相手は体力が必要だから、頻度を控えてくれるなら」
「ジン。愛しているわ」
なんだかいい雰囲気の二人を見て、私は姉に伝えないといけない事を思い出した。
「あっ。お姉様。お姉様がデザインした道具ですけど、是非マキベリー商会で販売させてください。デザイン料を支払いますから。ゴーク商会長が喜びます。丁度コアな顧客向けの商品が欲しいと言っていたの」
「まあ、勿論いいわ。ミーナはとても顔が広いのね」
優しい実父が見つかり、最高M嬢の姉ができ、ドSプロ男がもうすぐ義兄となる。
信頼できる色気駄々洩れ美形のローガンが側にいる。
私は、幸せと、胸の高鳴りを感じていた。
「ふふふ。ありがとう。」
私は、心の底から微笑んだ。
目的は、勿論いろいろ拝見させて戴くためだ。
お姉様の寝室には仕掛けが施されていた。本棚の上から3段目、左から4冊目の本を引き抜くと、本棚が一回転して、無数のSMグッツが並べられた道具棚が現れた。
鞭だけで10種類も用意されている。
7色のロープに、振動具、ピンチ器に、男性の一物を模った黒光りする物。
私は、それぞれの道具を手に取り、テーブルに並べ鑑賞ムードに入った。
中央ベッドでは、さっそく二人のプレイが始まっている。初めぶつぶつ文句を言っていたジンも、今は手慣れた様子でロザリーを縛り上げ、愛撫を初めた。
すっごい。
こんなに近くて見る事が出来るなんて。
ワイングラスに入れたシャンパンを飲みながら、私はテーブルの上の道具の感触を確かめていく。
硬さ、強度、しなやかさ、肌触りどれをとっても一級品だ。さすがはグロッサー公爵令嬢。デザイン画を描き、材料から指定して職人に特注させたとお義姉様が言っていた。
ベッドでは、M嬢が悶えている。
「あ、ご主人様。もっとご褒美を」
私は黒い鞭を手に取った。
持ち手には、いい感じの凹凸があり手に吸い付くように持ちやすい。鞭は、極細の繊維を複雑にまとめ上げてできている様子だ。初めて持つ手触り、感触。職人が丁寧に作り上げた最高級のプレイ専用鞭。ちょっと試してみたい。
プレイが始まると人が変わったようにS気を醸し出したジンが、M嬢を責め上げる。
「もっと鳴け」
ビシン、バシン!
「あああ、いい」
さすがに、ドM嬢とドSプロ男の最高のカップルプレイに乱入するほど、私は空気が読めない女ではない。
どうしたものかと考えながら、最高級のプレイを堪能していると、急に寝室のドアが開かれた。
バタン!
「あ、あなた達。何をしているの!ロザリー!どういう事ですか!今すぐ止めなさい」
ドアから乱入し、ロザリー嬢へズカズカ近づいてくる中年女性がいる。ヒステリックに怒鳴り込んできた女は、今にもプレイを中断しそうだ。
嫌がるジンを説得してやっと見せてもらえる事になったのに、こんな中途半端な所で!
私は、鞭を持ち、中年女性に近づいて行った。
「貴方は、息子のこんや・・・アアア」
バシン。
私は、黒光りする鞭で、中年女性の手を思いっきり打った。
「何をするの!私が誰だとお・・・オアア」
バシン。
今度は、胸元を思いっきり鞭で打ち付けた。
胸元のドレスが鞭によって引き裂かれ青白い肌が顕わになる。
「最高の芸術を邪魔しようとするなんて、貴方の感性を疑うわ」
バシン。
両太ももに、鞭を入れると、彼女は、跪いて涙を浮かべ言ってきた。
「貴方こそ、このへんた・・・」
バシン。
顔を鞭で打ち付ける。
まとめ上げていた髪がほどけ、髪飾りがぶっ飛ばされ壊れてしまった。
「いたい。止めて。お願いだか・・・」
バシン。
顔を抑え蹲った彼女の背中を思いっきり叩く。
背中の衣服が引き裂かれ、いい音がした。
「助けて!ロザリー。貴方はルミリアの娘でしょ。彼女とは協定があるのよ」
バシン。
もう一度背中を叩く、服がボロボロになり、肌が顕わになる。
中年女の肌なんて見たくもないが、鞭の性能評価にちょうどいい。
服は裂かれるのに、肌は僅かに赤みを帯びているだけで、傷がついているように見えない。
私は、ロザリーお姉様を見て言った。
「お姉様。さすがですわ。肌を傷つけずに、痛みを感じさせる事ができるだなんて最高の鞭です」
ロザリーとジンは、すでに服を着て、身だしなみを整えている。
私はガッカリしながら言った。
「まあ、お止めになるの?本当に、この女のせいで、楽しみにしていた芸術が台無しだわ」
私は、思いっきり鞭で、女の尻を打ち付けた。
バシン!!
「いたい。ああ、止めて。お願いだから、なんでもいう事を聞くから」
ジンは、並べられた道具を片付け初めていた。
ロザリーが、ボロボロになった半裸の中年女に話しかける。
「先ほど言われていたお母様との協定とは何のことですか?」
「それは、その・・・」
バシン。
「ロザリーお姉様の質問にすぐに答えなさい」
ちょっとS嬢らしく言えただろうか?私は、胸を張ってジンを見た。
ジンは、飽きれはてたように眉尻を下げ、首を振った。
「答えます。なんでも答えるから。痛い。止めて頂戴。ルミリアと協定を結んでアナリリス王妃を殺させたのよ。私は、彼女の変わりにリリアンナを自殺に見せかけて崖から落としたの。協定にはお互いを裏切らない事と、子供達を結婚させる事も含まれているわ。」
まさか、このボロボロの女が、母を殺そうとしただなんて。
この女とルミリア公爵夫人が、母に濡れ衣を着せ、貶めたのだ。
私は、怒りのまま彼女を打ち付けた。
「貴方が犯人だったなんて。母さんの恨みを受けなさい」
バシン。バシン。バシン。
「あああ、話したのにー」
バタバタバタ。
沢山の人物が走りこんでくる足音が聞こえてくる。
そういえば、よく見ていなかったが、この女は誰なのだろう。
蹲り震えているボロボロの女の、髪を引っ張り、顔を上げさせた。
涙と鼻水で化粧が取れ、頬は黒い雫で汚れている。口紅はいつの間にかズレたのか、口周辺が赤く汚れ、無数の小じわが目立つ中年女が怯えたように私を見上げてきた。
全然、見た事も会った事もないおばさんだ。
私は、髪を離した。
ゴン!
彼女は頭を思いっきり地面に頭を打ち付け動かなくなってしまった。
ドアから入ってきたのは、焦った様子のローガンだった。後ろには沢山の兵士や父マーカス・グロッサー公爵もいる。
「ミーナ!待っているように言ったのに。またすぐにいなくなるなんて」
「違うわ。ちょっと姉妹の交流を深めていただけよ。使用人にもちゃんと行き先を伝えていたし、襲撃を受けたからあそこにいたくなかったの。貴方の居城が綺麗になるまで少し、お姉様達とお茶を楽しもうかと…」
私が、言い訳をしていると、ロザリーがローガンに話しかけた。
「ローガン様。先ほど、彼女がここを訪れて、アナリリス王妃様の委託殺人を自供しましたわ。私の母ルミリア・グロッサーが、依頼を受けて実行したそうです」
「彼女…?」
訝し気なローガンは、私の足元で意識を失った半裸のボロボロの女性を見ていった。
「なんだ、この汚い女は!!どうしてこんな所に!!ミーナ大丈夫か?怪我はないか?君に何かあったら、俺は・・・」
ジンが、私達を見ながらつぶやいた。
「一応、この女は現王妃だろ。もう少し心配してやれよ。王子様」
私は、心の底から愕き言う。
「え?王妃?うそでしょ。全然違うじゃない」
舞踏会で確かに王妃に合った事がある。結構な美人だったと記憶している。
マーカス・グロッサー公爵が近づいて来て、自身の上着をボロボロ王妃にかけながら言った。
「まさか、ナリミア王妃か?本当に自供したのか?何があったのだ」
お義姉様と、ジンが私を凝視してくる。
そんな変な事はしていない。
ちょっと鞭の素晴らしい性能を試してみたかっただけだ。
楽しみを邪魔されて、母の名前が出されて、力を入れすぎたかもしれない。
でも、楽しみにしていた芸術を邪魔する女が一番悪いと思う。
私は、ローガンの逞しい腕に抱き着き、言った。
「今日は、とても疲れたわ。一緒に帰りましょう。」
背伸びして彼の耳元で、小声で囁く。
「宰相室での続きをしてもいいわ。貴方がいなくなって寂しかったの」
ローガンは、微笑み私の腰に手を回してきて言った。
「この汚い女を連れて行け。牢に閉じ込め話す内容を漏らさず書き留め報告してくれ。母アナリリス元王妃とリリアンナの冤罪について全てを聞き出してくれ」
「「はっ」」
兵士達は、手際よくボロボロの女を連れて行った。
父がジンに話しかける。
「ジン殿ですか?貴方のお父様に聞きました。ミンティア王国の生き残りだとか。神宝や守護魔法、正直信じがたい事ですが、ミーナは確かにリリアンナの娘です。彼女はローガン王子の婚約者で将来の王妃となる予定です。神宝を持つ女性が王妃となった場合、その国は神宝の守護魔法の恩恵を受ける。そうですよね」
「はい。だから、ミーナ様をミンティア王国へ。災害が毎年のように襲ってきます。あの土地を、皆を守る為に彼女の存在が必要なのです」
「今ミンティア王国だった土地はマキシアム王国の領土となっています。ミーナが国母となれば、ミンティアにも守護の力が働くのではありませんか?」
「そうだ。確かに。伝承にはそうありました。でも、本当にミーア様をこの大国の王妃に迎えられるのですか。彼女はかなりの…いえなんでもありません。彼女が王妃になれば、故郷は災害から逃れる事ができるかもしれない。俺はこの喜ばしい出来事を皆に伝える為に故郷へ向かいます」
「まあ、ジン。新婚旅行の行き先が決まったわね。勿論私も一緒に行きますわ」
「え?イヤ。ロザリーそれは」
「ジンは、まさか私を捨てて故郷に帰るなんて言わないわよね」
「ああ、そうだな。ただ、ちょっと君の相手は体力が必要だから、頻度を控えてくれるなら」
「ジン。愛しているわ」
なんだかいい雰囲気の二人を見て、私は姉に伝えないといけない事を思い出した。
「あっ。お姉様。お姉様がデザインした道具ですけど、是非マキベリー商会で販売させてください。デザイン料を支払いますから。ゴーク商会長が喜びます。丁度コアな顧客向けの商品が欲しいと言っていたの」
「まあ、勿論いいわ。ミーナはとても顔が広いのね」
優しい実父が見つかり、最高M嬢の姉ができ、ドSプロ男がもうすぐ義兄となる。
信頼できる色気駄々洩れ美形のローガンが側にいる。
私は、幸せと、胸の高鳴りを感じていた。
「ふふふ。ありがとう。」
私は、心の底から微笑んだ。
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