【完結 】誰が私を殺したの?【R18】

仲 奈華 (nakanaka)

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誰が私を殺したの?

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誰が私を殺したの?(レイナ・オーフェン)



レイナはオーフェン侯爵家の娘として生まれた。

母は、体調を崩す事が多く、レイナが12歳の時に亡くなった。

母が亡くなるまでは、レイナは両親に可愛がられて育ってきた。
父は外交官である為、屋敷にいないことが多いが、帰るたびに沢山の珍しいものをレイナに与えた。母は、レイナに沢山の事を教えて愛情をかけて育ててくれた。

母が亡くなりレイナは酷く落ち込んだ。

そんな時、父は友人のガーランド侯爵とその息子を家に招いた。


ガーランド侯爵の息子リアムは、金髪で凄く綺麗な子供だった。

レイナは初めて会った時から彼の虜になった。

一歳歳下のリアムは、レイナににこやかに挨拶をして、母が亡くなった事を知ると慰めてくれた。

リアムの母もたまに体調を崩すといい、レイナの気持ちを分かってくれる優しい彼がますますレイナは好きになった。

ガーランド侯爵とリアムが帰ってから、レイナは父に何度も彼と結婚したいとお願いをした。

父には子供がレイナしかおらず、将来は婿を取りレイナ夫婦にオーフェン侯爵家を継いで欲しいと考えていたので、ガーランド侯爵家の跡取りのリアムとの婚約には乗り気では無かった。

それでも何度もレイナは父にお願いをする。

父も、もうすぐ仕事で皇都を離れなければならない。母が亡くなり落ち込む娘を元気づける為にガーランド侯爵へ頼み込み、婚約する事になった。

だが、その婚約は仮婚約で、どちらかが婚約破棄しようとすればすぐに破棄できるものだった。大きくなるまで様子をみようと、オーフェン侯爵の願いをガーランド侯爵が聞き入れた形だった。

リアムは三ヶ月に一度オーフェン侯爵家を婚約者として訪れるようになった。

レイナは会うたびに綺麗なリアムの虜になった。




レイナが15歳になる時、父が再婚した。皇都に残すレイナの為に母親が必要と考えたからだった。
父の再婚相手には一人の娘がいた。その娘はレイナの1歳歳下でローズと言った。


父は、義母にレイナを任せて、外交官の仕事で国外へ旅立っていった。

父がいなくなると義母が豹変した。

怒鳴りながらレイナを離れへ追い出した。

屋敷の使用人も以前から勤めていたものはどんどん解雇され義母に従順な者だけが雇われた。

そんな中レイナが楽しみにしていたのは婚約者リアムと会う日だけだった。リアムが来る時だけはレイナは屋敷に戻り、侯爵令嬢らしく着飾る事ができる。義母は父と仲がいいガーランド侯爵に、レイナの事を冷遇している事がバレるのを恐れていたのだ。

辛い日々に、リアムが来る日だけをレイナは指折り数えて楽しみにしていた。










レイナは学術院へ入る年になった。義母はまた嫌がらせをしてレイナを一般科に入れた。

レイナは一般科に通っている時にできた友人達に、憧れの人がいると伝えた。リアムの事が好きだと友人に伝えると話が盛り上がった。貴族と名乗れないレイナはリアムと婚約していることは伝えれなかった。でも友達とリアムの事を話し、リアムと過ごす時間を想像する時は、義母や義妹のイジメを忘れ、幸せな夢にひたる事ができた。





リアムが学術院に入ってから、義妹とリアムが急激に仲良くなった。定期的な婚約者とのお茶会にもローズが参加するようになり、リアムはローズとばかり話をする。


そんな事があり、落ち込むレイナに不思議な事が学術院で起こった。
試験期間によく休む同級生のマリーが、珍しく試験期間に学校に来たと思ったらレイナを見て嘲るように笑うのだ。
マリーとは一度も話した事が無い。嫌な感じがしてレイナはマリーを避けるようになった。


ある日、レイナは離れの食糧がない事に気がつき、本宅へ取りに行った。
すると、本宅でリアムの声が聞こえた気がしたのだ。
本宅で見つかると義母に怒られる事は分かっていたが、どうしても気になりリアムを探しに屋敷の中を進んで行った。


微かだが、やはりリアムの声がする。大好きなリアムの声をレイナは確信していた。

どんどん屋敷を進み、たどり着いたのはローズが使っている部屋だった。

ゆっくりドアを開けて中を伺う。

部屋の中には独特の香りが充満し、空気がこもっていた。

「あっ、あっ、あっ、リアム、いいわ。」

「ローズ、気持ちいいよ。君は最高だ。」

「嬉しい、あっ、レイナと私どっちがいい。」

「レイナなんて比べものにならないさ。あんな貧相な年増、君の足元にも及ばないよ。ああ、いい、ローズ」

「うふふ、ふふ、可哀想、レイナ」

中ではローズとリアムが裸で体をつなげ何度も打ちつけあっていた。

レイナは呆然としてフラフラと後ろに倒れドアにぶつかる。

リアムとローズは、その音で気がつき、レイナを同時に見た。

ローズが優越感いっぱいの表情でレイナを見る。

でも、そんなローズより、リアムが、嘲るように笑いながらレイナを見る姿が脳裏に焼き付いた。

すぐに踵を返し離れへ帰る。

胸がドキドキと音を立てて、絶望が頭を支配する。

(ああ、思い出した。あの表情マリーだ。)

前の試験期間の時に、レイナを見てきたマリーの表情とリアムの今日の表情が重なる。

思い返せば、試験期間以外はマリーはレイナを見てくる事は一度も無かった。

マリーの姿がリアムに重なっていく。

(まさか、そんな、、、)

レイナは一般科に入った事が恥ずかしくてリアムに秘密にしていた。

(リアムは一般科に入った私に気がつき嘲っていた?)


そうとしか考えられなかった。


次の日レイナは学術院へ行き、マリーが、レイナを見て嘲るように笑ったので確信した。

(リアム様がここに。ああ、なんで。)

昼食後、レイナについてこいと目配せをしてマリーがいなくなった。レイナは周囲に気分が悪いから保健室へ行くと伝え、マリーについていく。

マリーは屋上にいた。

レイナは近づき、声をかける。

「リアム様、リアム様なんでしょ。どうしてローズなんかと」

動揺して指先が震える。


「やあ、レイナ。君が一般科にいると知った時は驚いたよ。ふふふ。哀れな君を見るのが楽しくてね。わざわざ来てやったんだ。

年増で冴えないお前が僕に相応しいとでも本当に思っていたの。父に言われて仕方がなく行ってやっていたのにね。

ローズは君なんかより何倍も素敵さ。」

リアムはレイナに徐々に近づいてきた。

レイナは混乱していた。私を地獄から救い出してくれるはずのリアムがこんな酷いことを言うなんて。

リアムから逃れるように後退り、屋上の端に追い詰められた。

「だけど、あんまり君が可哀想だから僕のおもちゃにしてあげてもいいよ。
這いつくばってお願いするなら抱いてやってもいい。さあ、お願いしてみろ。」

リアムがレイナに手を伸ばしてくる。その手がローズに触れ絡みあっていた昨日の光景を思い出して嫌悪感が込み上げる。

気がついたらリアムを思いっきり突き飛ばしていた。

驚いた顔のリアムは、大きくバランスを崩し屋上から落下した。


ドン。

大きな音が鳴り響く。


(あ、あ、リアム様を、私のリアム様を、この手で、)

慌ててレイナは屋上のドアへ向かう。

ドアの側には長身で猫背の一人の男性がニヤつきながら立っていた。









男はマーカスと名乗った。リアムの弱みを握ろうと、以前リアムから聞いた婚約者のレイナの後をつけていたらしい。
マーカスは平民の女を突き落とした事をバラされたくなければ、自分に従えと脅してきた。リアムとレイナが話していた内容は聞き取れ無かったみたいだが、レイナはマーカスに従うしかなかった。

マーカスに呼び出され、屋敷に向かう。
裸にさせられ、後ろから無理矢理犯される。マーカスは鞭を持ち、締め付けが悪いと容赦なく鞭を使いレイナを痛めつけた。

レイナは枕に顔をつけて涙を流しながら必死に痛みに耐える。

パンパンパンパンパンパン

数日に一度呼び出され、されるその行為は拷問のようだった。

時には、レイナの膣の中に見たことの無い道具を入れ、悶えるレイナを見てマーカスが楽しむ事もあった。

回数を重ねる毎にマーカスは様々な事をレイナに強要してくる。

男達4人に同時に犯される事もあった。

いろんな場所を同時に責められ涙を流すレイナを見てマーカスは愉悦する。

レイナは何をされても必死に声に出さずに耐えていた。







ある日、クラスメイトの委員長から、リアムに会いに行くから一緒に行こうと声をかけられる。委員長は以前レイナがリアムが好きだと熱心に話した時に聞いていた友人の一人だった。

(リアム様はあの時死んだの。私が突き落とした。どうせ偽物だわ。)

リアムの偽物はマリーの死んだ理由を探っているとのこと。

リアムの偽物には興味が無かったが、レイナが突き落とした事がバレるのは嫌だった。結局委員長と一緒に会いに行く事にした。

レイナはマリーを突き落とした直後にガーランド侯爵家から婚約破棄したと連絡を受けていた。なぜリアムが死んだ事が公表されないのか分からないが、偽物のリアムに会って驚いた。

そこにはリアム本人がいた。
噴水の前で、煌めく金髪、整った顔、温和で優しそうな雰囲気。以前のリアムより素敵なリアムがそこにいた。

(ああ、私のリアム様、生きていたのね。)


そんなはずがないと分かっていながら、レイナは目の前のリアムが本物だと思い込むようになった。
以前、リアムに渡しても食べてくれなかった手作りのお菓子を食べてレイナを褒めてくるリアム。優しくレイナが涙を流すとハンカチを渡してくるリアム。

(私のリアム様はここにいた。あれはきっと悪い夢だったのよ。平民のマリーが死んだだけ。私のリアム様はこうして生きている。)


相変わらず陰険なマーカスの呼び出しは続き体は常にどこかが痛む。だけどレイナは幸せだった。

義母とローズは捕縛され帰ってこない。外交官を辞めて帰宅した父親は、事件のショックで昼間から酒ばかり飲みレイナの事を気にかけない。

(もう一度婚約できたなら、今度こそリアム様と一緒にいられる。今のリアム様は優しいからきっとレイナの事を受け入れてくれる。)

そう考えている時にまたマーカスに呼び出された。

マーカスに講堂にリアムを呼び出せと命令される。
マーカスの趣味はsex中に痛めつける事だ。最近レイナは何人かと同時にsexをさせられることが多かった。きっとリアムもその中に入れられると思った。

(リアム様をこんな事に巻き込めない。父に挨拶してもらえるかリアム様に聞いてみよう。父もリアム様が来るならきっとしっかりするはず。一緒にマーカスから逃げてもいい。

でも、断るなら、、、)








レイナはリアムに父に挨拶に来てほしいと伝えるが断られた。

それなら、マーカスの性奴隷にリアムがなればいい。きっとマーカスの命令で私を抱く事になる。それならそれでいい。

(リアム様、貴方がいけないの。また私を拒否しようとするから。でも今度は一緒に落ちていきましょう。)











講堂につき異様な光景にレイナは困惑した。
殺伐とした雰囲気はここで殺し合いが行われている事を物語っていた。

マーカスの趣味はかなり可笑しいが殺しを楽しむ性癖ないはず。

だが、リアムに気がついたマーカスはあろう事かレイナのリアム様を殺そうとしてきた。

(また間違えた。またリアム様を失ってしまう。そんなの耐えられない。)

レイナはリアムを突き放しマーカスの剣を自らの背に受ける。

鋭い痛みが背中を襲う。

目の前のリアムには剣は届いて無かった。

(ああ、今度は間違えなかった。私のリアム様。愛しています。)







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