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攻略されていたのは、俺?
【15】
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「…大丈夫かな…」
メゴロウの奴、一人でウーゴ教諭に会って話が出来るか?
「何を心配しているのかは知らないが、自分の心配をしたらどうだ? 顔色が悪い。今日は気温が高いから軽い熱中症かも知れないな」
俺の小さな呟きに、一歩前を歩いて居た生徒会長が振り返って来た。
「いえ、これは…」
と、言い掛けて俺は口を噤んだ。何も馬鹿正直に話す必要は無いだろう。
メゴロウが幸せなら、俺も幸せ。それが親友で運命共同体と云う物だ。ちょっと寂しいとかないし。メゴロウが上手く行ったら、俺も、誰か可愛い彼女を見付けてお付き合いすれば良い。うん、そうだ。そうしよう。それが良い。
「…本当に君は変わった。気付いていないかも知れないが、何人かが、時々様子を覗きに来ているのを知っているか?」
「え?」
入部希望者が居るのか? あれ? でも、こいつ、見込みは薄いって…。
「勿論、入部希望者では無く」
おい。
「君達二人が、仲良く作業をしているのを見るのが楽しいらしい」
「そ…うですか…」
そ、そうか。他の奴らから見ても、俺とメゴロウは仲良く見えているのか。
…そっか…。
嬉しくて、ふっと頬が緩む。
「彼が来る前は、そんな風に笑う事は無かった」
「え?」
気のせいだろうが、何だか優しい声に伏せていた目線を上げたら、生徒会長が、これまた気のせいだろうが、眼鏡の奥の目を柔らかく細めて、軽く口角を上げて俺を見ていた。
うお…流石、元攻略キャラ。後光が射して見える。まあ、夕陽のせいだろうが。
「余りの笑顔に、直視出来ないと話題だ」
………………………喧嘩売ってるのか、こいつ。…まあ…今でもメゴロウは俺の自称王子様スマイルに、目を泳がせるからな…。よし、もっと、笑う練習をしよう。
そんな事を考えながら歩いていたら、あっと云う間に救護室へと到着していた。
「失礼します」
生徒会長が声を掛けて、扉を開ける。
まあ、ウーゴ教諭は、居ないんだろうけどな。
「あら。今、帰ろうと思っていた処よ。タイミングが良かったわね」
あっるぅえぇええ!?
何で居るの? あれ? 何で?
ふらふらとメゴロウの処に行かなくていいの? カモがネギ背負って待ってるよ?
「彼の具合が悪そうなので連れて来ました」
そう生徒会長が話しながら中へと入って行くから、俺も後へと続く。
白衣を脱いで手に持っていたウーゴ教諭が、それを再び身に纏って、丸椅子に座り、その傍にある椅子を指差した。
「ご苦労さま。後は私が見るから、君は帰って良いわよ」
「いえ、彼の状態を…」
「私なら心配は要りません。頭痛や吐き気もありませんし…疲れが出たのだと思います。それより、メゴロウの手伝いをして戴けたら嬉しいのですが…」
俺が使っていたスコップとか置きっぱなしだ。それを片付けてくれたら有り難いし、もしかしたら、隠し攻略キャラはウーゴ教諭じゃなくて、別の誰かかも知れない。その誰かさんが、俺が居ない今、メゴロウに接触している可能性が無いとは言い切れない。だから、早くメゴロウの元へ行って、それが誰なのか見て来て欲しい。それに、メゴロウ一人きりってのは、単純に心配だし。
「…解った」
椅子に腰を下ろしながらだから、ちょっと上目遣いになったが、許して欲しい。睨んだとか言わないでくれよ?
俺のそんな思いが伝わったのか、生徒会長は片手で口を覆って、呻く様な声で返事をして救護室から出て行った。
メゴロウの奴、一人でウーゴ教諭に会って話が出来るか?
「何を心配しているのかは知らないが、自分の心配をしたらどうだ? 顔色が悪い。今日は気温が高いから軽い熱中症かも知れないな」
俺の小さな呟きに、一歩前を歩いて居た生徒会長が振り返って来た。
「いえ、これは…」
と、言い掛けて俺は口を噤んだ。何も馬鹿正直に話す必要は無いだろう。
メゴロウが幸せなら、俺も幸せ。それが親友で運命共同体と云う物だ。ちょっと寂しいとかないし。メゴロウが上手く行ったら、俺も、誰か可愛い彼女を見付けてお付き合いすれば良い。うん、そうだ。そうしよう。それが良い。
「…本当に君は変わった。気付いていないかも知れないが、何人かが、時々様子を覗きに来ているのを知っているか?」
「え?」
入部希望者が居るのか? あれ? でも、こいつ、見込みは薄いって…。
「勿論、入部希望者では無く」
おい。
「君達二人が、仲良く作業をしているのを見るのが楽しいらしい」
「そ…うですか…」
そ、そうか。他の奴らから見ても、俺とメゴロウは仲良く見えているのか。
…そっか…。
嬉しくて、ふっと頬が緩む。
「彼が来る前は、そんな風に笑う事は無かった」
「え?」
気のせいだろうが、何だか優しい声に伏せていた目線を上げたら、生徒会長が、これまた気のせいだろうが、眼鏡の奥の目を柔らかく細めて、軽く口角を上げて俺を見ていた。
うお…流石、元攻略キャラ。後光が射して見える。まあ、夕陽のせいだろうが。
「余りの笑顔に、直視出来ないと話題だ」
………………………喧嘩売ってるのか、こいつ。…まあ…今でもメゴロウは俺の自称王子様スマイルに、目を泳がせるからな…。よし、もっと、笑う練習をしよう。
そんな事を考えながら歩いていたら、あっと云う間に救護室へと到着していた。
「失礼します」
生徒会長が声を掛けて、扉を開ける。
まあ、ウーゴ教諭は、居ないんだろうけどな。
「あら。今、帰ろうと思っていた処よ。タイミングが良かったわね」
あっるぅえぇええ!?
何で居るの? あれ? 何で?
ふらふらとメゴロウの処に行かなくていいの? カモがネギ背負って待ってるよ?
「彼の具合が悪そうなので連れて来ました」
そう生徒会長が話しながら中へと入って行くから、俺も後へと続く。
白衣を脱いで手に持っていたウーゴ教諭が、それを再び身に纏って、丸椅子に座り、その傍にある椅子を指差した。
「ご苦労さま。後は私が見るから、君は帰って良いわよ」
「いえ、彼の状態を…」
「私なら心配は要りません。頭痛や吐き気もありませんし…疲れが出たのだと思います。それより、メゴロウの手伝いをして戴けたら嬉しいのですが…」
俺が使っていたスコップとか置きっぱなしだ。それを片付けてくれたら有り難いし、もしかしたら、隠し攻略キャラはウーゴ教諭じゃなくて、別の誰かかも知れない。その誰かさんが、俺が居ない今、メゴロウに接触している可能性が無いとは言い切れない。だから、早くメゴロウの元へ行って、それが誰なのか見て来て欲しい。それに、メゴロウ一人きりってのは、単純に心配だし。
「…解った」
椅子に腰を下ろしながらだから、ちょっと上目遣いになったが、許して欲しい。睨んだとか言わないでくれよ?
俺のそんな思いが伝わったのか、生徒会長は片手で口を覆って、呻く様な声で返事をして救護室から出て行った。
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