75 / 141
攻略されていたのは、俺
【16】
しおりを挟む
何をって…。
「…えぇと…ゲームでは、まずメゴロウの転校初日に、彼の足を引っ掛けて転ばせて、寮の部屋を見て、分不相応だから、ここに相応しい人間になれとか言ったりして…まあ、チクチクとした嫌味と…畑…菜園を荒らしたり、壺を落としたり、小さな動物や虫の死骸をプレゼントしたり…」
…だよな?
まあ、壺落としやら畑荒らしとか死骸とかは、ケタロウがやった描写は無かったが、周りがケタロウがやったって言って…。…え…? …あ、れ…?
「は?」
「え?」
何かが引っ掛かったが、生徒会長の間の抜けた声に、それは霧散した。
「それだけか?」
「ええ…ゲームの描写では、それだけ…ですね…」
うん、それだけ、だよな?
「それだけで、悪役になり、君は殺されると?」
うん、ケタロウは何度も死んでたぞ。
「はい。ゲームの役割として、必要だったのでしょう。メゴロウは、いずれ来る災厄を回避する為に必要な存在ですから、例え些細な事でも、それがメゴロウを苛むものであるのなら、排除しなければならない。そう言われて、俺は絞首台へと上げられるのです」
そう。
善人の主人公を引き立てる為に、ケタロウと云うキャラクターが作られたんだからな。ゲームや物語では良くある設定だろ? 魔王が良い例じゃないか。魔物が溢れて、人が虐げられる世界。それを生み出しているのは魔王だから、倒して平和な世を手に入れましょうって。見える敵、悪が居るのは解り易いだろ?
「…有り得ない…。幾ら、彼が重要な人物とは言え、それだけで、絞首刑だと? 衆人環視の前で? 人の命を見世物に? そんな物が、まだ、この国には残っているのか…。命の尊厳を何だと思っているんだ!」
ダンッ! って、生徒会長が片手で拳を作ってテーブルを叩いて、俺はちょっと身を竦ませた。
おおお…怒ってらっしゃるよ…。他人事なのに…。熱い、熱いよ、生徒会長。
「いえ…あの、ゲームの世界の事ですから…」
どうどうと、宥める様に俺は両手を軽く上げて生徒会長をいなす。
てか、ゲームを知らない人間からしたら、これが普通の反応なのかと驚いた。当たり前の事って、受け入れていたが、確かにそうだよなとも思う。
もし、前世を思い出していなかったら、俺はどうしていただろう?
メゴロウに足を引っ掛けて転ばして、チクチクと虐めていたのか? そして、あの日にメゴロウの正体を知って、絞首台に…。
ふっ、と、あの時のケタロウの笑顔が頭に浮かんだ。
あ、れ…?
待てよ…?
何で、ケタロウはあの時笑ったんだ?
俺を…プレイヤーを、主人公を、メゴロウを見て…笑ったんだよな?
心配するなとでも言いたそうな…そんな…あ、れ?
「それで。今の君は、彼に何をした?」
「は?」
そこで、また生徒会長に声を掛けられて、思考は中断された。
「ゲームの通りに、彼に嫌がらせをしたのか?」
「いいえ、していません。あ、足を引っ掛けようとはしましたが、それは失敗して、未遂に終わっています。それで、前世を思い出して、死にたくないので、主人公であるメゴロウと仲良くしようと…」
軽く首を振って、俺は肩を竦めてみせる。
うん、失敗して良かったよ。
でなければ、前世を思い出す事も無かっただろうしな。
「そうだな。今の君は、彼に何の嫌がらせもしていない。それなのに、何故、そう怯える?」
「え…」
…怯えてる?
…俺が?
「君は、これが隠しキャラの攻略の道だと言ったな? それまでの道では、確かに君は死んでいたのだろう。だが、この隠しキャラの道では、どうなんだ?」
テーブルの上に両肘を置いて手を組んで、生徒会長がずずいっと俺を見て来た。
「…どう、とは…?」
その威圧に、内心ビビりながら俺は聞き返す。
何だ? 何が言いたいんだ?
「先にも述べた様に、俺はウーパールーパーを好かない。それは、他の皆も同じだろう。また、これまでの君と彼を見ていて、俺も、皆も、君達が恋人同士だと疑いもしなかった。だから、君の言葉を借りれば、隠し攻略キャラは、君を置いて他ならないだろう。それは、君達二人が居るのが、とても自然だったからだ。それに、今の君は悪役では無い。どちらかと言えば、ウーパールーパーがそれにあたるのではないか? 今の君は、何処か抜けたお人好しで自覚無しの馬鹿だ。そんな君の死を誰が望む? 何故、その作られた物語に沿おうとする? 今、こうして俺と話している処は見ていない、君はそう言った。話は…未来は変わっている。変える事が出来る。だから、君はメゴロウと仲良くなろうとしたのだろう? 未来を変える為に。ならば、こう考えろ。この隠された道は、君を救済する道だと。知らない道は、自分で作って行けば良い」
なんですと?
いや、何かしれっと、失礼な事をブッ込んで来なかったか?
「繰り返すが、メゴケタくっつけ隊や、数々の投書。どれも、君達を応援する物だ。誰も、君の死など望んでいない。もちろん、俺も」
「…は…っ…」
余りにも余りな生徒会長の話に、俺は何時の間にか息を詰めていたらしい。
喉に手をあてて、息を吐く。
待てよ…。
何だよ、それ?
そんなの、俺に都合良すぎるだろ?
救済?
俺の?
悪役の俺の?
あの、悪役殺し大好きの田中サンが書いたシナリオだぞ? その、田中サンが悪役を救済? 嘘だろ? どんなに人気のある悪役だって、ばっさりすっぱり情け容赦無く切って来た、あの田中サンだぞ? あれ? でも、田中サン絡みで何か変な噂があった様な? あれ? 何だっけ?
「…えぇと…ゲームでは、まずメゴロウの転校初日に、彼の足を引っ掛けて転ばせて、寮の部屋を見て、分不相応だから、ここに相応しい人間になれとか言ったりして…まあ、チクチクとした嫌味と…畑…菜園を荒らしたり、壺を落としたり、小さな動物や虫の死骸をプレゼントしたり…」
…だよな?
まあ、壺落としやら畑荒らしとか死骸とかは、ケタロウがやった描写は無かったが、周りがケタロウがやったって言って…。…え…? …あ、れ…?
「は?」
「え?」
何かが引っ掛かったが、生徒会長の間の抜けた声に、それは霧散した。
「それだけか?」
「ええ…ゲームの描写では、それだけ…ですね…」
うん、それだけ、だよな?
「それだけで、悪役になり、君は殺されると?」
うん、ケタロウは何度も死んでたぞ。
「はい。ゲームの役割として、必要だったのでしょう。メゴロウは、いずれ来る災厄を回避する為に必要な存在ですから、例え些細な事でも、それがメゴロウを苛むものであるのなら、排除しなければならない。そう言われて、俺は絞首台へと上げられるのです」
そう。
善人の主人公を引き立てる為に、ケタロウと云うキャラクターが作られたんだからな。ゲームや物語では良くある設定だろ? 魔王が良い例じゃないか。魔物が溢れて、人が虐げられる世界。それを生み出しているのは魔王だから、倒して平和な世を手に入れましょうって。見える敵、悪が居るのは解り易いだろ?
「…有り得ない…。幾ら、彼が重要な人物とは言え、それだけで、絞首刑だと? 衆人環視の前で? 人の命を見世物に? そんな物が、まだ、この国には残っているのか…。命の尊厳を何だと思っているんだ!」
ダンッ! って、生徒会長が片手で拳を作ってテーブルを叩いて、俺はちょっと身を竦ませた。
おおお…怒ってらっしゃるよ…。他人事なのに…。熱い、熱いよ、生徒会長。
「いえ…あの、ゲームの世界の事ですから…」
どうどうと、宥める様に俺は両手を軽く上げて生徒会長をいなす。
てか、ゲームを知らない人間からしたら、これが普通の反応なのかと驚いた。当たり前の事って、受け入れていたが、確かにそうだよなとも思う。
もし、前世を思い出していなかったら、俺はどうしていただろう?
メゴロウに足を引っ掛けて転ばして、チクチクと虐めていたのか? そして、あの日にメゴロウの正体を知って、絞首台に…。
ふっ、と、あの時のケタロウの笑顔が頭に浮かんだ。
あ、れ…?
待てよ…?
何で、ケタロウはあの時笑ったんだ?
俺を…プレイヤーを、主人公を、メゴロウを見て…笑ったんだよな?
心配するなとでも言いたそうな…そんな…あ、れ?
「それで。今の君は、彼に何をした?」
「は?」
そこで、また生徒会長に声を掛けられて、思考は中断された。
「ゲームの通りに、彼に嫌がらせをしたのか?」
「いいえ、していません。あ、足を引っ掛けようとはしましたが、それは失敗して、未遂に終わっています。それで、前世を思い出して、死にたくないので、主人公であるメゴロウと仲良くしようと…」
軽く首を振って、俺は肩を竦めてみせる。
うん、失敗して良かったよ。
でなければ、前世を思い出す事も無かっただろうしな。
「そうだな。今の君は、彼に何の嫌がらせもしていない。それなのに、何故、そう怯える?」
「え…」
…怯えてる?
…俺が?
「君は、これが隠しキャラの攻略の道だと言ったな? それまでの道では、確かに君は死んでいたのだろう。だが、この隠しキャラの道では、どうなんだ?」
テーブルの上に両肘を置いて手を組んで、生徒会長がずずいっと俺を見て来た。
「…どう、とは…?」
その威圧に、内心ビビりながら俺は聞き返す。
何だ? 何が言いたいんだ?
「先にも述べた様に、俺はウーパールーパーを好かない。それは、他の皆も同じだろう。また、これまでの君と彼を見ていて、俺も、皆も、君達が恋人同士だと疑いもしなかった。だから、君の言葉を借りれば、隠し攻略キャラは、君を置いて他ならないだろう。それは、君達二人が居るのが、とても自然だったからだ。それに、今の君は悪役では無い。どちらかと言えば、ウーパールーパーがそれにあたるのではないか? 今の君は、何処か抜けたお人好しで自覚無しの馬鹿だ。そんな君の死を誰が望む? 何故、その作られた物語に沿おうとする? 今、こうして俺と話している処は見ていない、君はそう言った。話は…未来は変わっている。変える事が出来る。だから、君はメゴロウと仲良くなろうとしたのだろう? 未来を変える為に。ならば、こう考えろ。この隠された道は、君を救済する道だと。知らない道は、自分で作って行けば良い」
なんですと?
いや、何かしれっと、失礼な事をブッ込んで来なかったか?
「繰り返すが、メゴケタくっつけ隊や、数々の投書。どれも、君達を応援する物だ。誰も、君の死など望んでいない。もちろん、俺も」
「…は…っ…」
余りにも余りな生徒会長の話に、俺は何時の間にか息を詰めていたらしい。
喉に手をあてて、息を吐く。
待てよ…。
何だよ、それ?
そんなの、俺に都合良すぎるだろ?
救済?
俺の?
悪役の俺の?
あの、悪役殺し大好きの田中サンが書いたシナリオだぞ? その、田中サンが悪役を救済? 嘘だろ? どんなに人気のある悪役だって、ばっさりすっぱり情け容赦無く切って来た、あの田中サンだぞ? あれ? でも、田中サン絡みで何か変な噂があった様な? あれ? 何だっけ?
0
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる