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攻略されていたのは、俺
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「…っ…!!」
ぺとりと額と額をくっつけた途端、メゴロウの身体がビシッと音を立てて固まった気がした。
「ケタロウ先輩…っ…!」
「メゴロウ先輩、しっかり…っ…!!」
双子のそんな声が聞こえたと思ったら、グイッと腕を掴まれて、俺の身体が後ろに引っ張られて、メゴロウとの距離が開いて行く。
うおっ! と、たたらを踏んで、メゴロウを見れば、ブルーシートを抱えたブコに後ろから引っ張られているのが見えた。
な、何だ?
「どうしたんだい? いきなり? 私はメゴロウの具合が悪そうだったから、発熱があるのかどうか確認をしたかっただけなのだが…。昼食は食べたのかい? もしかして空腹で元気が無いのかい? それとも休憩をしっかり取ってなくて、この陽気にやられてしまったのかい? 水分は摂っていたのかい?」
今日は朝から気温が高かったから、バテているのかも知れない。三人とも学園での活動だからか、真面目に制服姿だし。いや、流石にブレザーは脱いでいるけどな。
「大丈夫です! お昼も食べましたし、水分も休憩もこまめに取ってました!」
「それなら、メゴロウは何故元気が無いんだい?」
「お腹が空いているんですよ! 差し入れありがとうございます! 食べましょう! ほら!」
ブオと遣り取りをしていた間に、菜園の脇にブルーシートが敷かれていて、その上にはメゴロウが、ちょこんと卵を抱えたまま座っていて、ブコが紙袋からパック詰めされたベーコンやら、ビニール袋に入れられたサラダやら、紙に包まれたトーストやら紙皿やらを取り出して並べていた。
うん、まあ、空腹なら腹を満たせてやらないとな。
「ああ、私の分は要らないよ。朝に食べて、まだそれが残っているのでね。そうだ。寮の食堂から水を貰って来よう。ベーコンやゆで卵を切るのに、ナイフも必要だね」
「え、自分が行きますよ」
「いや、少しでも動いて消化させないとね」
駆け出そうとするブオを止めて、俺は寮の方へと足を向けた。
先に寄って来れば良かったなと思ったが、後の祭りだ。
三人は菜園の世話で疲れているだろうし、ここは俺が動かないとな。
って、そう云えば『種を蒔いた』とか、生徒会長言っていたな? 何時の間に蒔いたんだ? そんな場所あったかな? それとも違う処か? 何を作る気なんだ? まあ、良いか。
ウーパールーパーや、前世、ゲームの話、生徒会長の説教(?)、とにかく、頭が疲れた。今は身体を動かして気分転換をしよう。考えるのは後だ。
◇
ぽたり、ぽたりと顔に何かが落ちて来て、俺は目を開けた。
暗い室内にぼうっと浮かび上がる、ベッドで寝る俺の上に圧し掛かる影。
そして、下半身…尻の違和感。
…あー…。
久しぶりに見るな、この夢…。
でも、これまでとは違う。
「…メゴロウ…?」
手を伸ばして、メゴロウの濡れた頬に触れば、ぴくりとその頬が動いた。
「…何故、泣いているんだい?」
また、勝手に俺の尻にちんこ突っ込んでと思ったが、今は、そんなのどうでも良い。いや、良くはないんだが、どうでも良い。そんなのより、メゴロウが泣いている事の方が重要だ。
「…泣かないで…」
頬にあてた手を動かして、流れる涙を拭う。
何、泣いているんだよ?
泣くなよ。
何か、苦しくなるだろ?
「…ごめんなさい…」
「何故、謝るんだい?」
「良い子でいるって…決めたのに…」
「うん? 君は良い子だよ? 何かいけない事でもしたのかい?」
…まあ…。
俺の許可なく、尻にちんこ突っ込んでいるのは良く無い事だが。でも、これは夢だしな。
…それに…。
久しぶりに、こんな近くでお前を見られるのが嬉しい。昼間は無理矢理引き離されたからな。こうして、触れる事が嬉しい。夢だけどな…。
「…僕が…お願いしたのに…」
「うん?」
お願い? 何を?
「…やきもち…やくなんて…」
「…うん…?」
焼き餅? ヤキモチ? やきもち? …嫉妬…?
え? 誰に? って、嫉妬って事はメゴロウは好きな奴が居るって事だよな?
え? 何時の間に?
え?
え?
誰だよ、それ?
やっぱり、ウーパールーパーなのか? いや、あれは俺が許さん。あれは駄目だ。あれの本性を知った今、あれがヒロインとか有り得ない。
が、他に思い当たるキャラなんて…。
…いや…。
居るな。
俺とメゴロウが離れてから出て来たキャラが。ビジュアルの有無は、この際どうでも良い。
モ・ブコだ。
メゴケタくっつけ隊とか生徒会長は言っていたが…それは仮の姿で、隠し攻略キャラはブコだったって事か? マジか。どんだけのダークホースなんだ。けど、差し入れ、並んで食べてたもんな。俺と場所変われと思ったが、あ~んはして無かったから、良しとした。あれをやるのは俺だけで良い。
…ん…?
って、何考えてんだ俺?
「…ここも…僕のせいで…ごめんなさい…」
身体を離して、メゴロウが元気の無い俺のちんこに触る。
いやん、やめて。
情けない俺のちんこに触らないで。
突っ込まれてるのに、何の反応も見せないで悪いな。
悪いのは俺だから、男の自信失くすなよ?
てか、夢なんだから反応して見せろよ。
漢を見せろよ、俺のちんこ。
うう、これもマグロって言うのか?
…けど…。
「…泣かなくて良い…。謝らなくて良い…。…笑っておくれ…」
俺は両腕を伸ばして、メゴロウに笑い掛ける。
駄目出しを喰らった王子様スマイルだけどな!
「…ケタロウ様…」
伸ばした手に。
俺の掌に、メゴロウが顔をぐしゃぐしゃに歪めて、そっと頬をあてて擦り付けて来る。
猫が飼い主の手に頭を押し付けて、グリグリするような感じだ。
「君が泣くのを見るのは辛いよ…。…明るく元気な君を見せておくれ…」
泣くなよ。
笑えよ。
お前が笑うなら、俺は何だってするから…。
だから、笑ってくれよ…な?
ぺとりと額と額をくっつけた途端、メゴロウの身体がビシッと音を立てて固まった気がした。
「ケタロウ先輩…っ…!」
「メゴロウ先輩、しっかり…っ…!!」
双子のそんな声が聞こえたと思ったら、グイッと腕を掴まれて、俺の身体が後ろに引っ張られて、メゴロウとの距離が開いて行く。
うおっ! と、たたらを踏んで、メゴロウを見れば、ブルーシートを抱えたブコに後ろから引っ張られているのが見えた。
な、何だ?
「どうしたんだい? いきなり? 私はメゴロウの具合が悪そうだったから、発熱があるのかどうか確認をしたかっただけなのだが…。昼食は食べたのかい? もしかして空腹で元気が無いのかい? それとも休憩をしっかり取ってなくて、この陽気にやられてしまったのかい? 水分は摂っていたのかい?」
今日は朝から気温が高かったから、バテているのかも知れない。三人とも学園での活動だからか、真面目に制服姿だし。いや、流石にブレザーは脱いでいるけどな。
「大丈夫です! お昼も食べましたし、水分も休憩もこまめに取ってました!」
「それなら、メゴロウは何故元気が無いんだい?」
「お腹が空いているんですよ! 差し入れありがとうございます! 食べましょう! ほら!」
ブオと遣り取りをしていた間に、菜園の脇にブルーシートが敷かれていて、その上にはメゴロウが、ちょこんと卵を抱えたまま座っていて、ブコが紙袋からパック詰めされたベーコンやら、ビニール袋に入れられたサラダやら、紙に包まれたトーストやら紙皿やらを取り出して並べていた。
うん、まあ、空腹なら腹を満たせてやらないとな。
「ああ、私の分は要らないよ。朝に食べて、まだそれが残っているのでね。そうだ。寮の食堂から水を貰って来よう。ベーコンやゆで卵を切るのに、ナイフも必要だね」
「え、自分が行きますよ」
「いや、少しでも動いて消化させないとね」
駆け出そうとするブオを止めて、俺は寮の方へと足を向けた。
先に寄って来れば良かったなと思ったが、後の祭りだ。
三人は菜園の世話で疲れているだろうし、ここは俺が動かないとな。
って、そう云えば『種を蒔いた』とか、生徒会長言っていたな? 何時の間に蒔いたんだ? そんな場所あったかな? それとも違う処か? 何を作る気なんだ? まあ、良いか。
ウーパールーパーや、前世、ゲームの話、生徒会長の説教(?)、とにかく、頭が疲れた。今は身体を動かして気分転換をしよう。考えるのは後だ。
◇
ぽたり、ぽたりと顔に何かが落ちて来て、俺は目を開けた。
暗い室内にぼうっと浮かび上がる、ベッドで寝る俺の上に圧し掛かる影。
そして、下半身…尻の違和感。
…あー…。
久しぶりに見るな、この夢…。
でも、これまでとは違う。
「…メゴロウ…?」
手を伸ばして、メゴロウの濡れた頬に触れば、ぴくりとその頬が動いた。
「…何故、泣いているんだい?」
また、勝手に俺の尻にちんこ突っ込んでと思ったが、今は、そんなのどうでも良い。いや、良くはないんだが、どうでも良い。そんなのより、メゴロウが泣いている事の方が重要だ。
「…泣かないで…」
頬にあてた手を動かして、流れる涙を拭う。
何、泣いているんだよ?
泣くなよ。
何か、苦しくなるだろ?
「…ごめんなさい…」
「何故、謝るんだい?」
「良い子でいるって…決めたのに…」
「うん? 君は良い子だよ? 何かいけない事でもしたのかい?」
…まあ…。
俺の許可なく、尻にちんこ突っ込んでいるのは良く無い事だが。でも、これは夢だしな。
…それに…。
久しぶりに、こんな近くでお前を見られるのが嬉しい。昼間は無理矢理引き離されたからな。こうして、触れる事が嬉しい。夢だけどな…。
「…僕が…お願いしたのに…」
「うん?」
お願い? 何を?
「…やきもち…やくなんて…」
「…うん…?」
焼き餅? ヤキモチ? やきもち? …嫉妬…?
え? 誰に? って、嫉妬って事はメゴロウは好きな奴が居るって事だよな?
え? 何時の間に?
え?
え?
誰だよ、それ?
やっぱり、ウーパールーパーなのか? いや、あれは俺が許さん。あれは駄目だ。あれの本性を知った今、あれがヒロインとか有り得ない。
が、他に思い当たるキャラなんて…。
…いや…。
居るな。
俺とメゴロウが離れてから出て来たキャラが。ビジュアルの有無は、この際どうでも良い。
モ・ブコだ。
メゴケタくっつけ隊とか生徒会長は言っていたが…それは仮の姿で、隠し攻略キャラはブコだったって事か? マジか。どんだけのダークホースなんだ。けど、差し入れ、並んで食べてたもんな。俺と場所変われと思ったが、あ~んはして無かったから、良しとした。あれをやるのは俺だけで良い。
…ん…?
って、何考えてんだ俺?
「…ここも…僕のせいで…ごめんなさい…」
身体を離して、メゴロウが元気の無い俺のちんこに触る。
いやん、やめて。
情けない俺のちんこに触らないで。
突っ込まれてるのに、何の反応も見せないで悪いな。
悪いのは俺だから、男の自信失くすなよ?
てか、夢なんだから反応して見せろよ。
漢を見せろよ、俺のちんこ。
うう、これもマグロって言うのか?
…けど…。
「…泣かなくて良い…。謝らなくて良い…。…笑っておくれ…」
俺は両腕を伸ばして、メゴロウに笑い掛ける。
駄目出しを喰らった王子様スマイルだけどな!
「…ケタロウ様…」
伸ばした手に。
俺の掌に、メゴロウが顔をぐしゃぐしゃに歪めて、そっと頬をあてて擦り付けて来る。
猫が飼い主の手に頭を押し付けて、グリグリするような感じだ。
「君が泣くのを見るのは辛いよ…。…明るく元気な君を見せておくれ…」
泣くなよ。
笑えよ。
お前が笑うなら、俺は何だってするから…。
だから、笑ってくれよ…な?
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