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おまけ
危機編・07
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ベーコンにレタス、薄くスライスしたトマト、キュウリ、玉ねぎをパンに乗せ、その上に、うに~っとマヨネーズを掛け、その上にマスタードをうに~っと伸ばした上に、パンを乗せて、ふにっと軽く押さえてから、ゴンベ王子は大きく口を開けて、四角いサンドイッチに食らいついた。
…豪快だな…おい…。
見た目が雅だから、余計にその豪快さが目立つ。
ちょっと遠い目をした後、俺はメゴロウを立ち上がらせて、二人並んで用意されていたパイプ椅子へと座った。
そして、そこに座ってから、初めて気が付いた。生徒会長の後ろに、冷蔵庫がある事に。
…マジか…。
生徒会長は、俺達が席に着いたのを見ると、無言でそこから1.5リッターのペットボトルの水を出して、ドンとテーブルの上に置いた。好きに飲めと言う事だろう。テーブルの上には、既に紙コップが置いてあったから、俺はそれに手を伸ばした。が。
「あっ! 僕がやります! ケタロウ様は座っていて下さい!」
はっ、と、我に返ったメゴロウが俺の腕を掴んで止めて来た。
「ん、おいひい。ふひゃりほも好きにゃみょ(以下略)」
…誰か、王子様に食事のマナーを教えてやってくれ。口の中に物を入れたまま話すなと、小さい頃に教えられなかったか? 何だ、この豪快過ぎるクチャラーは。流石のメゴロウも、若干引いているからな?
「これは、ペットと思えば良い。ほら、ピザトーストだ。普通のサンドイッチが良いなら、そこにある具材を好きに挟んで食べろ」
そんなクチャラーを一瞥して、生徒会長が俺達の前に、ホットサンドメーカーで焼いたピザトーストを置いた。
お前は、何で、そんな、マイペースなんだ。
おい、無言で次を焼くな。俺達を置いて行くな。
俺達は、お前じゃないんだ。
王子様をペット扱い出来るかっ!!
てか、ゴンベ王子は、生徒会長より年上だよな? そんな態度で良いのかよ? 今年、二十一だったか、ニじゃ無かったか? あれ? 来年卒業? これを世に送り出して良いのか?
「…ケタロウ様…」
そんな事を悶々と思っていたら、ツンと隣に座るメゴロウに袖口を引っ張られた。漂って来る焼けたチーズやベーコンの匂いに、もう我慢が出来なくなった様だ。
「ふふ。そうだね、食事に罪は無いからね」
俺は目の前に置かれたピザトーストの皿を取り、半分に割くと、それをメゴロウの口元へと持って行った。そうすれば、メゴロウの口が開くので、ゆっくりとそこにピザトーストを差し込む。それに歯を立てて、もにゅもにゅと、むにむにと動くメゴロウの口や頬の動きを見るのが、楽しい。
「んみょうとひ、ちょひ(以下略)」
「喋るのなら、口の中の物を飲み込んでからにしろ。この二人は何時もこうだ。気が付けば、何時の間にか周囲には花が咲いている」
花? 何を言っているんだ、こいつは? 花なんか何処にも咲いてないぞ? 暑さで頭をやられたのか? てか、冷蔵庫があるなら先に言えよな。メゴロウを遣いに走らせなくて済んだじゃないか。って、まあ、あの状態じゃ無理だったけど。
はあ…と、表ではメゴロウの食べる姿を愛でつつ、内心では溜め息を吐いた時、それが聞こえた。
開け放たれた天窓から風に乗って、小さなか細い悲鳴の様な声が流れて来た気がした。
「…うん…?」
今、ひゃ~って声が聞こえた様な?
「ケタロウ様? どうかしたんですか?」
しかし、俺を見るメゴロウは至って普通で、チラチラと俺の手にあるピザトーストの残りを見ているし、ちらりと視線を動かせば、ゴンベ王子はイチゴやキウイ、バナナでフルーツサンドを作っているし、生徒会長は三枚目のピザトーストに取り掛かっていた。
「ああ、何でもないよ。気のせいだったみ…」
気のせいだったみたいだと、言おうとした処で、ズンッと一瞬だが、地震の様な縦揺れを感じた。
「え?」
これには、メゴロウも気が付いたようで、辺りをキョロキョロと見回した。
が。
「ヘーキヘーキ」
「先の悲鳴も、今の揺れも、何時もの事だ。気にする必要は無い。食事を続けろ」
「…はあ…」
ゴンベ王子も、生徒会長も、変わらずに自分の作業に没頭していた。
…災害起きたら、こいつら真っ先に死ぬタイプだよな…。
なんて、俺はまたも遠い目をしたのだった。
…豪快だな…おい…。
見た目が雅だから、余計にその豪快さが目立つ。
ちょっと遠い目をした後、俺はメゴロウを立ち上がらせて、二人並んで用意されていたパイプ椅子へと座った。
そして、そこに座ってから、初めて気が付いた。生徒会長の後ろに、冷蔵庫がある事に。
…マジか…。
生徒会長は、俺達が席に着いたのを見ると、無言でそこから1.5リッターのペットボトルの水を出して、ドンとテーブルの上に置いた。好きに飲めと言う事だろう。テーブルの上には、既に紙コップが置いてあったから、俺はそれに手を伸ばした。が。
「あっ! 僕がやります! ケタロウ様は座っていて下さい!」
はっ、と、我に返ったメゴロウが俺の腕を掴んで止めて来た。
「ん、おいひい。ふひゃりほも好きにゃみょ(以下略)」
…誰か、王子様に食事のマナーを教えてやってくれ。口の中に物を入れたまま話すなと、小さい頃に教えられなかったか? 何だ、この豪快過ぎるクチャラーは。流石のメゴロウも、若干引いているからな?
「これは、ペットと思えば良い。ほら、ピザトーストだ。普通のサンドイッチが良いなら、そこにある具材を好きに挟んで食べろ」
そんなクチャラーを一瞥して、生徒会長が俺達の前に、ホットサンドメーカーで焼いたピザトーストを置いた。
お前は、何で、そんな、マイペースなんだ。
おい、無言で次を焼くな。俺達を置いて行くな。
俺達は、お前じゃないんだ。
王子様をペット扱い出来るかっ!!
てか、ゴンベ王子は、生徒会長より年上だよな? そんな態度で良いのかよ? 今年、二十一だったか、ニじゃ無かったか? あれ? 来年卒業? これを世に送り出して良いのか?
「…ケタロウ様…」
そんな事を悶々と思っていたら、ツンと隣に座るメゴロウに袖口を引っ張られた。漂って来る焼けたチーズやベーコンの匂いに、もう我慢が出来なくなった様だ。
「ふふ。そうだね、食事に罪は無いからね」
俺は目の前に置かれたピザトーストの皿を取り、半分に割くと、それをメゴロウの口元へと持って行った。そうすれば、メゴロウの口が開くので、ゆっくりとそこにピザトーストを差し込む。それに歯を立てて、もにゅもにゅと、むにむにと動くメゴロウの口や頬の動きを見るのが、楽しい。
「んみょうとひ、ちょひ(以下略)」
「喋るのなら、口の中の物を飲み込んでからにしろ。この二人は何時もこうだ。気が付けば、何時の間にか周囲には花が咲いている」
花? 何を言っているんだ、こいつは? 花なんか何処にも咲いてないぞ? 暑さで頭をやられたのか? てか、冷蔵庫があるなら先に言えよな。メゴロウを遣いに走らせなくて済んだじゃないか。って、まあ、あの状態じゃ無理だったけど。
はあ…と、表ではメゴロウの食べる姿を愛でつつ、内心では溜め息を吐いた時、それが聞こえた。
開け放たれた天窓から風に乗って、小さなか細い悲鳴の様な声が流れて来た気がした。
「…うん…?」
今、ひゃ~って声が聞こえた様な?
「ケタロウ様? どうかしたんですか?」
しかし、俺を見るメゴロウは至って普通で、チラチラと俺の手にあるピザトーストの残りを見ているし、ちらりと視線を動かせば、ゴンベ王子はイチゴやキウイ、バナナでフルーツサンドを作っているし、生徒会長は三枚目のピザトーストに取り掛かっていた。
「ああ、何でもないよ。気のせいだったみ…」
気のせいだったみたいだと、言おうとした処で、ズンッと一瞬だが、地震の様な縦揺れを感じた。
「え?」
これには、メゴロウも気が付いたようで、辺りをキョロキョロと見回した。
が。
「ヘーキヘーキ」
「先の悲鳴も、今の揺れも、何時もの事だ。気にする必要は無い。食事を続けろ」
「…はあ…」
ゴンベ王子も、生徒会長も、変わらずに自分の作業に没頭していた。
…災害起きたら、こいつら真っ先に死ぬタイプだよな…。
なんて、俺はまたも遠い目をしたのだった。
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