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番外編
告白【10】
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先輩に言われた通りに、ゴンべ王子が会計を済ませた後、お礼を言って俺とメゴロウは店を後にした。
「あ」
「ケタロウ様?」
歩道の脇にある街路樹を何本か見送った後、俺はそれに気付いた。
手を繋いで並んで歩くメゴロウに、俺は苦笑する。
「すまないね、君へのお土産を頼むのを忘れていた。戻っても良いかい?」
戻ったら先輩と鉢合わせる可能性もあるが、メゴロウへのお土産を忘れるなんて情けない。
俺から言い出した事だ。
自分から言い出した約束事は守らないと。
「ケタロウ様にお願いしたの、全部注文して食べたから大丈夫です」
「は?」
しかし、ぽっこりと膨れた腹を擦りながら言うメゴロウの言葉に、俺の目は点になった。
え。
俺、昼に寮の食堂でメゴロウに腹いっぱい食べさせたよな?
土産の品全部って…煮込みハンバーグセットのハンバーグだけと、焼きカレー、豚軟骨のほろほろ煮、ちょい辛ペペロンチーノ、ツナと鶏肉のピザに、おまけで空豆と銀杏とベーコンのアヒージョ…で、追加でミートボールスパゲティ…? え? 何時から居たんだ…? 昼に食べたのは、何時もメゴロウが食べる量だし、足りなかったなんて事は無い筈だし、そんな直ぐに消化なんて…。いや、ミートボールスパゲティだけなら、イケるとは思ったが…こいつ…。
「…メゴロウ? 時間を弄ったね…?」
「…はい…」
考えられるのはそれしかないと、少しだけ低い声で訊ねれば、メゴロウはちょっとだけ目を泳がせて、握る手に力を籠めて、小さく首を縦に動かした。
恐らくメゴロウは、自分の身体の時間を昼を食べる前に戻した。そして、俺が寮を出た後に時間を止めて店に先回りをしたんだろう。俺が店頭に現れた時は、トイレか何処かに隠れていた。と云うか、俺、先輩のあの姿のせいで、店内にどんな人が居たのか覚えていないんだよな。それに割と直ぐにテラスに移ったしな。
「…うん。帰ったらゆっくり話そうね。取り敢えず、少しでも消化出来る様に、腿上げしながら歩いてね? 少しでも、私が君に夕食を食べさせられる様に」
お前にご飯を食べさせるのは、俺の楽しみの一つなんだからな。
「は、はい!」
メゴロウは真面目な顔で頷いて、えっちらおっちら腿を上げながら歩き出した。
俺はメゴロウの手を握ったまま、頬を緩めてそれを見ながら、ゆっくりと歩いて行く。
メゴロウが持つその力は、確かに"あれば"便利な物だ。
だが、それが無くても、俺達は生きて行ける。
そうだろう? 今の俺も、前世の俺も、何も特別な力なんて持っていない。他の皆もそうだ。それでも、今を精一杯生きている。二度と巡らない、今のこの瞬間を生きているんだ。
…もう、ゲームの事を考えるのは止めよう。
断罪だなんて思ったのは、まだ俺が何処かでそう思っているからだ。
俺達は、今、この時の、この世界を生きているんだから。
何度でも繰り返す事が出来る、ゲームの世界じゃない。
同じ時は二度と巡らない、そんな世界で生きているんだ。
だから…――――――――。
◇
「…だから…私は、君と同じ時間を過ごして行きたい。君の中に私が居ない時間が存在するのも嫌だし、私の中に、君が居ない時間が存在するのも嫌だ」
「…ケタロウ様…」
俺の膝の上で、メゴロウがもぞりと動く。
寮の部屋に帰って来て、メゴロウが淹れてくれたコーヒーを飲んだ後、俺は話した。
歩いている内に陽が傾いて来て、風も冷たくなって来て身体が冷えてしまった。
温かいコーヒーが身に沁みた。
ついでにメゴロウの体温と重さも身に沁みる。
俺は今、ソファーに座って、その膝の上にメゴロウを乗せていた。
腿上げを真面目にやった、メゴロウの身体は温かかった。
先に俺の分を淹れて、美味しそうに飲む姿に満足したメゴロウが、自分の分を淹れて来た処を捕まえて、メゴロウをここに座らせた。
メゴロウの腹に回した腕に力を入れる。
「君に、誰も居ない時間を過ごさせたくない。君を一人にさせたくない、君を一人にしたくない。その力は私を助けてくれたけれど、君を苦しめて来た…だから、もう使わないで」
いきなり、こんな事を言う俺をメゴロウはどう思うだろう?
災厄が去った時…ゲームのシナリオが終わった時…に言うべきだったと思う。
思うが…俺、ゾンビにされたしなあっ!
まあ、それで、こう思う様になったんだが。
「で…でも…何かあったら…」
もぞもぞと身体を揺らしながらメゴロウが言う。
その背中に、俺は額を押し付けた。
「何かなんて、そうそう起こらないよ。これまでがあり過ぎただけ。災厄が去ってからは、何もないよね? …私は…俺は、そんな何もない…大きな変化なんて要らない…ただ、お前と日々を過ごして行きたい。ちょっとした事で笑ったり、怒ったり、泣いたり、そんな日々で良いんだ。何もない様に見える日々でも、時間は過ぎて行くし、周りの風景も変わって行く。空は高く広くなっていくし、雲の形も変わって行く。陽が沈むのも早くなって行くし…少しづつ変わって行くんだ。そんな小さな日々の変化の中で、俺はお前と生きて行きたい。お前と歳を取って行きたい。俺の、大好きな…特別なお前と一緒に…小さな変化を楽しんで行きたい」
「…ケタロウ様…」
ポンポンと、腹に回した俺の手をメゴロウが叩くから、その力を緩めた。そうすれば、メゴロウはゆっくりと俺の腕を退けて、膝から下りて向かい合う様にして立った。
「あ」
「ケタロウ様?」
歩道の脇にある街路樹を何本か見送った後、俺はそれに気付いた。
手を繋いで並んで歩くメゴロウに、俺は苦笑する。
「すまないね、君へのお土産を頼むのを忘れていた。戻っても良いかい?」
戻ったら先輩と鉢合わせる可能性もあるが、メゴロウへのお土産を忘れるなんて情けない。
俺から言い出した事だ。
自分から言い出した約束事は守らないと。
「ケタロウ様にお願いしたの、全部注文して食べたから大丈夫です」
「は?」
しかし、ぽっこりと膨れた腹を擦りながら言うメゴロウの言葉に、俺の目は点になった。
え。
俺、昼に寮の食堂でメゴロウに腹いっぱい食べさせたよな?
土産の品全部って…煮込みハンバーグセットのハンバーグだけと、焼きカレー、豚軟骨のほろほろ煮、ちょい辛ペペロンチーノ、ツナと鶏肉のピザに、おまけで空豆と銀杏とベーコンのアヒージョ…で、追加でミートボールスパゲティ…? え? 何時から居たんだ…? 昼に食べたのは、何時もメゴロウが食べる量だし、足りなかったなんて事は無い筈だし、そんな直ぐに消化なんて…。いや、ミートボールスパゲティだけなら、イケるとは思ったが…こいつ…。
「…メゴロウ? 時間を弄ったね…?」
「…はい…」
考えられるのはそれしかないと、少しだけ低い声で訊ねれば、メゴロウはちょっとだけ目を泳がせて、握る手に力を籠めて、小さく首を縦に動かした。
恐らくメゴロウは、自分の身体の時間を昼を食べる前に戻した。そして、俺が寮を出た後に時間を止めて店に先回りをしたんだろう。俺が店頭に現れた時は、トイレか何処かに隠れていた。と云うか、俺、先輩のあの姿のせいで、店内にどんな人が居たのか覚えていないんだよな。それに割と直ぐにテラスに移ったしな。
「…うん。帰ったらゆっくり話そうね。取り敢えず、少しでも消化出来る様に、腿上げしながら歩いてね? 少しでも、私が君に夕食を食べさせられる様に」
お前にご飯を食べさせるのは、俺の楽しみの一つなんだからな。
「は、はい!」
メゴロウは真面目な顔で頷いて、えっちらおっちら腿を上げながら歩き出した。
俺はメゴロウの手を握ったまま、頬を緩めてそれを見ながら、ゆっくりと歩いて行く。
メゴロウが持つその力は、確かに"あれば"便利な物だ。
だが、それが無くても、俺達は生きて行ける。
そうだろう? 今の俺も、前世の俺も、何も特別な力なんて持っていない。他の皆もそうだ。それでも、今を精一杯生きている。二度と巡らない、今のこの瞬間を生きているんだ。
…もう、ゲームの事を考えるのは止めよう。
断罪だなんて思ったのは、まだ俺が何処かでそう思っているからだ。
俺達は、今、この時の、この世界を生きているんだから。
何度でも繰り返す事が出来る、ゲームの世界じゃない。
同じ時は二度と巡らない、そんな世界で生きているんだ。
だから…――――――――。
◇
「…だから…私は、君と同じ時間を過ごして行きたい。君の中に私が居ない時間が存在するのも嫌だし、私の中に、君が居ない時間が存在するのも嫌だ」
「…ケタロウ様…」
俺の膝の上で、メゴロウがもぞりと動く。
寮の部屋に帰って来て、メゴロウが淹れてくれたコーヒーを飲んだ後、俺は話した。
歩いている内に陽が傾いて来て、風も冷たくなって来て身体が冷えてしまった。
温かいコーヒーが身に沁みた。
ついでにメゴロウの体温と重さも身に沁みる。
俺は今、ソファーに座って、その膝の上にメゴロウを乗せていた。
腿上げを真面目にやった、メゴロウの身体は温かかった。
先に俺の分を淹れて、美味しそうに飲む姿に満足したメゴロウが、自分の分を淹れて来た処を捕まえて、メゴロウをここに座らせた。
メゴロウの腹に回した腕に力を入れる。
「君に、誰も居ない時間を過ごさせたくない。君を一人にさせたくない、君を一人にしたくない。その力は私を助けてくれたけれど、君を苦しめて来た…だから、もう使わないで」
いきなり、こんな事を言う俺をメゴロウはどう思うだろう?
災厄が去った時…ゲームのシナリオが終わった時…に言うべきだったと思う。
思うが…俺、ゾンビにされたしなあっ!
まあ、それで、こう思う様になったんだが。
「で…でも…何かあったら…」
もぞもぞと身体を揺らしながらメゴロウが言う。
その背中に、俺は額を押し付けた。
「何かなんて、そうそう起こらないよ。これまでがあり過ぎただけ。災厄が去ってからは、何もないよね? …私は…俺は、そんな何もない…大きな変化なんて要らない…ただ、お前と日々を過ごして行きたい。ちょっとした事で笑ったり、怒ったり、泣いたり、そんな日々で良いんだ。何もない様に見える日々でも、時間は過ぎて行くし、周りの風景も変わって行く。空は高く広くなっていくし、雲の形も変わって行く。陽が沈むのも早くなって行くし…少しづつ変わって行くんだ。そんな小さな日々の変化の中で、俺はお前と生きて行きたい。お前と歳を取って行きたい。俺の、大好きな…特別なお前と一緒に…小さな変化を楽しんで行きたい」
「…ケタロウ様…」
ポンポンと、腹に回した俺の手をメゴロウが叩くから、その力を緩めた。そうすれば、メゴロウはゆっくりと俺の腕を退けて、膝から下りて向かい合う様にして立った。
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