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はじまって
【三】旦那様の困り者
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「…ふが…?」
お風呂上りに、奥様から『小腹が空いたでしょう?』と、戴いたちょこれいとなる物を食べていましたら、正面に座る旦那様の大きな手が伸びて来まして、何故か鼻を摘ままれてしまいました。
これはお怒りなのでしょうか?
やはり僕が、ちょこれいと等と云う高価な物を食べるのは分不相応と云う事なのでしょう。
そうです。
久しぶりの温かいお風呂で気が緩んでしまいました。
これまでは、家人の方々が済まされた後の、すっかり冷めてしまい、湯の量も減りに減り、お風呂とは到底言えない物にお世話になっていましたから。
夏場はまだ良いのですが、冬場ともなりますと、とても入れた物では無くて、身体を拭くだけの物でした。
それが、それがですよ。
立ち上る湯気の中にありましたのは、たっぷりのお湯お湯お湯。感動しました。
それに、僕が一番で入って良いと云うのです。湯は入れ直すから、汚れ等気にするな、上がる時に湯は抜いて置けと、僕をここへ案内してくれたお妙様と名乗りました、かなりの年上の女性の方に言われました。着替えも渡されました。お礼を言って着ていた着物を脱ぎ出しましたら、お妙様は両手で顔を覆って慌ててお風呂場から出て行きました。
くんくんと、鼻に腕を持って来て僕は匂いを嗅ぎます。が、自分の臭いとは良く解らない物です。申し訳ございません。鼻が曲がる程の臭いを僕は出していたのですね。そんな僕が、このままの状態でいるのは良くは無いのですね。ですから、一番風呂を嫌々ながらも勧めて下さった訳なのですね。解りました。この臭い、頑張って落としますね。あ、ここに来るまでに着ていた着物も洗いましょう。
そこまでは完璧でしたのに。
なんと云う失敗を、失態を犯してしまったのでしょう。
僕は、ここへ奉公へ来たのです。
ただの奉公人である僕が、こうして同じ卓に付く等、あってはならない事なのです。
奥様に呼ばれるがままに、そのお隣へと腰を下ろしてしまいましたが、僕は何をしているのでしょう。
どうしましょう。
直ぐに食べるのを止めてここから離れるべきなのですが…この口に付けてしまった物をそのままにするだなんて事は出来ません。何時も以上に食べるのに時間を掛け過ぎてしまいました。ですが、このような不思議な食べ物は初めて食べるのです。もう二度と食べる事が出来ない物なのです。意地汚いとは思いますが、これを手放すだなんて出来そうにもありません。
どうしましょう?
何故だか鼻もむずむずしますし。
あ、鼻を摘ままれているからでしょうか?
でも、痛くはありません。
軽く、本当に軽く摘ままれているのですね。
それでしたらお怒りでは無いと云う事なのでしょうか?
その細い目からは何も感じられません。
お怒りでは無く、ただ僕をじっと見て居ます。
「紫様? 手を離して下さいませんと、雪緒君がチョコレートを食べられませんわよ?」
奥様の言葉に、旦那様がはっと目を見開いて、僕の鼻から手を離して行きました。
「気にしないでね? 怒った訳では無いのよ? 雪緒君の食べる姿が可愛らし過ぎて、つい構いたくなってしまっただけなのよ。ほら、まだチョコレートはあるのだから、気にしないで食べて頂戴な。あらあら、指にチョコレートが付いてしまったわね。拭きましょうね」
あ。
長く持っていたせいで、温まってしまったのですね。ちょこれいとが熱で溶けて来ています。
はい、ちょこれいとは最初は固いのですが、口の中に入れて暫くすると溶けて来るのです。ですから、熱で溶ける物と思いました。
「あ。いけません。お綺麗な布が汚れてしまいます。食べ物ですので、お行儀は悪いですが、こうして舐めてしまえば問題ありません」
奥様が着物の袖から、綺麗な手拭いを出そうとして来ましたので、僕は慌ててそれを止めました。
そして、ちょこれいとの付いた指を舐めて綺麗にして見せますと、何故か正面に座る旦那様がお顔を両手で覆って長い息を吐いてしまわれました。
これは、呆れてしまわれたのでしょうか?
意地汚いと思われてしまったのでしょうか?
あんな綺麗な布を汚すのは忍びないと思った故の行動だったのですが、裏目に出てしまった様です。
「さあさあ。お食事の用意が出来ましたよ」
しょんぼりと肩を落としていましたら、お妙様がそう言いながらお料理を運んで来ました。
何と云う事でしょう!
ここまでで、僕はまだ何もしていません!
僕は慌てて立ち上がり、自分も配膳をしますと言いました。
お妙様は瞳を瞬かせて旦那様を見ました。
「雪緒のやりたいようにさせてやってくれ」
とのお言葉に、お妙様は頷いて、僕にお仕事を下さいました。
もしかしたら僕はお妙様のお仕事を奪ってしまったのでしょうか?
申し訳ないと頭を下げましたら、軽く頭を撫でられました。
孫が出来たみたいだね。と、笑うお妙様のお顔はとても優しかったです。
そして配膳を終えたのは良いのですが、何故か僕も同じ卓に付かされました。
いけません。
僕は奉公人です。家人の方々と食を囲むなんてあり得ません。
お妙様は別室で食べると言っていますので、僕もそれに倣う事にします。
そうしたら、旦那様は頭を押さえて、奥様も何故か寂しそうな微笑みを浮かべてしまわれました。お妙様も困り顔です。
僕は間違った事を口にした訳では無いと思います。これまでに何度もそう教えられて来ましたので。
「雪緒君がそうしたいと言うのなら、仕方が無いわね。これ、もう残り少ないから雪緒君にあげるわね。受け取って貰えないと捨ててしまう事になるのだけれど…」
そう奥様が言いながら立ち上がって、ちょこれいとが入った青く長細い箱を僕に渡して来ました。
とても綺麗な色で、実は一目見た時から惹かれていたのです。
処々に、金色のお星様が散らばっているのです。
真昼のお空にお星様が散らばっている様で、それはとてもとても綺麗だったのです。
「捨ててしまうのは駄目です!」
そう僕は強く言って、その箱ごとちょこれいとを戴きました。
これは宝の箱です。
この中に何を入れましょう?
考えただけでわくわくします。
◇
そうして月日が流れて行きました今日。
「ぶふ―――――――――っ!!」
旦那様が、飲み掛けていたお味噌汁をいきなり噴き出してしまわれました。
今日はお出汁を変えてみたのですが、もしかしてお口に合わなかったのでしょうか?
味見した時は大丈夫だと思ったのですが。
どうしましょう。
お口に合わない物をお出ししてしまうだなんて、何と云う失態なのでしょう。
これはどうやって挽回したら良いのでしょうか?
頭を悩ませていましたら、旦那様の手が伸びて来て僕の鼻を摘まみます。
「そんな誘いには乗るな!!」
一喝されました。
元より、学び舎がお休みの日には、やるべき事がたくさんありますから、僕はそのお誘いに乗るつもりは無かったのですが。
これ程の怒声を発すると云う事は、やはり危険な物なのですね。
恐らくは、抜き合いとは抜刀術みたいな物なのでしょう。
刃物など、包丁と薪割の斧ぐらいしか僕は知りません。
ああ、ここへ来てからは薪割は必要無いのでしていませんが。瓦斯とは素晴らしい物ですね。
大丈夫です。
危険な物には手を出しませんよ。
だって、僕が居なくなったら、誰が旦那様のお世話をするのでしょうか?
僕は奥様から頼まれたのです『あの人をお願いね?』と。
はい。僕は生涯旦那様にお仕えします。
何故か養子になってしまいましたが。
ですが、物は考えようです。
養子…子供ならばずっとお傍に居ても不自然では無いですよね?
歳を取って身体が不自由になったとしても、お傍に居て良いんですよね?
実は僕は、旦那様に鼻を摘ままれるのが好きなのです。
痛いと騒いでみせていますが、本当の本当は痛くは無いのです。
旦那様が鼻を摘まむのは僕だけなのです。
何故かそれが嬉しいのです。
ですから、にやけない様に騒いでいるのです。
僕が居なくなったら、鼻を摘まむ相手が居なくなってしまいますしね。
と云うか、あの大きく暖かな手が、僕以外の鼻を摘まむのは嫌だと思ってしまったりしてしまうのです。
そう云う事ですので、安心して下さい。抜き合い等と云う危険な事は致しません。
と、思っていたのですが…。
何と云う事でしょう…。
僕は病に掛かってしまいました…。
そんな…これは…抜き合い等と口にして、旦那様に心配をお掛けしてしまった罰なのでしょうか…?
涙が零れそうになりますが、泣いている場合ではありません。
こんな訳の解らない病を、旦那様にお移しする訳には行きません。
奥様からお願いされましたが、これは行けません。
零れそうになる涙を拭いながら、箪笥の上に置いてある青い箱を手に取ります。この中には、これまでに戴いたお給金が入っています。これで、何処かで湯治を致しましょう。それで病が治れば良いのですが。治らなかったら…どうしましょう?
ああ。解らない事を考えても意味がありません。とにかく着替えまして、朝餉の支度を済ませてから荷物を纏めましょう。
そうして、旦那様にお別れを言いましょうね…寂しいですが…仕方がありませんよね…。
恩を仇で返すような不義理を、どうかお許し下さい。
きゅっと、青い箱を抱き締めてから、僕は朝餉の支度をすべく、着替えてお部屋を後にしました。
お風呂上りに、奥様から『小腹が空いたでしょう?』と、戴いたちょこれいとなる物を食べていましたら、正面に座る旦那様の大きな手が伸びて来まして、何故か鼻を摘ままれてしまいました。
これはお怒りなのでしょうか?
やはり僕が、ちょこれいと等と云う高価な物を食べるのは分不相応と云う事なのでしょう。
そうです。
久しぶりの温かいお風呂で気が緩んでしまいました。
これまでは、家人の方々が済まされた後の、すっかり冷めてしまい、湯の量も減りに減り、お風呂とは到底言えない物にお世話になっていましたから。
夏場はまだ良いのですが、冬場ともなりますと、とても入れた物では無くて、身体を拭くだけの物でした。
それが、それがですよ。
立ち上る湯気の中にありましたのは、たっぷりのお湯お湯お湯。感動しました。
それに、僕が一番で入って良いと云うのです。湯は入れ直すから、汚れ等気にするな、上がる時に湯は抜いて置けと、僕をここへ案内してくれたお妙様と名乗りました、かなりの年上の女性の方に言われました。着替えも渡されました。お礼を言って着ていた着物を脱ぎ出しましたら、お妙様は両手で顔を覆って慌ててお風呂場から出て行きました。
くんくんと、鼻に腕を持って来て僕は匂いを嗅ぎます。が、自分の臭いとは良く解らない物です。申し訳ございません。鼻が曲がる程の臭いを僕は出していたのですね。そんな僕が、このままの状態でいるのは良くは無いのですね。ですから、一番風呂を嫌々ながらも勧めて下さった訳なのですね。解りました。この臭い、頑張って落としますね。あ、ここに来るまでに着ていた着物も洗いましょう。
そこまでは完璧でしたのに。
なんと云う失敗を、失態を犯してしまったのでしょう。
僕は、ここへ奉公へ来たのです。
ただの奉公人である僕が、こうして同じ卓に付く等、あってはならない事なのです。
奥様に呼ばれるがままに、そのお隣へと腰を下ろしてしまいましたが、僕は何をしているのでしょう。
どうしましょう。
直ぐに食べるのを止めてここから離れるべきなのですが…この口に付けてしまった物をそのままにするだなんて事は出来ません。何時も以上に食べるのに時間を掛け過ぎてしまいました。ですが、このような不思議な食べ物は初めて食べるのです。もう二度と食べる事が出来ない物なのです。意地汚いとは思いますが、これを手放すだなんて出来そうにもありません。
どうしましょう?
何故だか鼻もむずむずしますし。
あ、鼻を摘ままれているからでしょうか?
でも、痛くはありません。
軽く、本当に軽く摘ままれているのですね。
それでしたらお怒りでは無いと云う事なのでしょうか?
その細い目からは何も感じられません。
お怒りでは無く、ただ僕をじっと見て居ます。
「紫様? 手を離して下さいませんと、雪緒君がチョコレートを食べられませんわよ?」
奥様の言葉に、旦那様がはっと目を見開いて、僕の鼻から手を離して行きました。
「気にしないでね? 怒った訳では無いのよ? 雪緒君の食べる姿が可愛らし過ぎて、つい構いたくなってしまっただけなのよ。ほら、まだチョコレートはあるのだから、気にしないで食べて頂戴な。あらあら、指にチョコレートが付いてしまったわね。拭きましょうね」
あ。
長く持っていたせいで、温まってしまったのですね。ちょこれいとが熱で溶けて来ています。
はい、ちょこれいとは最初は固いのですが、口の中に入れて暫くすると溶けて来るのです。ですから、熱で溶ける物と思いました。
「あ。いけません。お綺麗な布が汚れてしまいます。食べ物ですので、お行儀は悪いですが、こうして舐めてしまえば問題ありません」
奥様が着物の袖から、綺麗な手拭いを出そうとして来ましたので、僕は慌ててそれを止めました。
そして、ちょこれいとの付いた指を舐めて綺麗にして見せますと、何故か正面に座る旦那様がお顔を両手で覆って長い息を吐いてしまわれました。
これは、呆れてしまわれたのでしょうか?
意地汚いと思われてしまったのでしょうか?
あんな綺麗な布を汚すのは忍びないと思った故の行動だったのですが、裏目に出てしまった様です。
「さあさあ。お食事の用意が出来ましたよ」
しょんぼりと肩を落としていましたら、お妙様がそう言いながらお料理を運んで来ました。
何と云う事でしょう!
ここまでで、僕はまだ何もしていません!
僕は慌てて立ち上がり、自分も配膳をしますと言いました。
お妙様は瞳を瞬かせて旦那様を見ました。
「雪緒のやりたいようにさせてやってくれ」
とのお言葉に、お妙様は頷いて、僕にお仕事を下さいました。
もしかしたら僕はお妙様のお仕事を奪ってしまったのでしょうか?
申し訳ないと頭を下げましたら、軽く頭を撫でられました。
孫が出来たみたいだね。と、笑うお妙様のお顔はとても優しかったです。
そして配膳を終えたのは良いのですが、何故か僕も同じ卓に付かされました。
いけません。
僕は奉公人です。家人の方々と食を囲むなんてあり得ません。
お妙様は別室で食べると言っていますので、僕もそれに倣う事にします。
そうしたら、旦那様は頭を押さえて、奥様も何故か寂しそうな微笑みを浮かべてしまわれました。お妙様も困り顔です。
僕は間違った事を口にした訳では無いと思います。これまでに何度もそう教えられて来ましたので。
「雪緒君がそうしたいと言うのなら、仕方が無いわね。これ、もう残り少ないから雪緒君にあげるわね。受け取って貰えないと捨ててしまう事になるのだけれど…」
そう奥様が言いながら立ち上がって、ちょこれいとが入った青く長細い箱を僕に渡して来ました。
とても綺麗な色で、実は一目見た時から惹かれていたのです。
処々に、金色のお星様が散らばっているのです。
真昼のお空にお星様が散らばっている様で、それはとてもとても綺麗だったのです。
「捨ててしまうのは駄目です!」
そう僕は強く言って、その箱ごとちょこれいとを戴きました。
これは宝の箱です。
この中に何を入れましょう?
考えただけでわくわくします。
◇
そうして月日が流れて行きました今日。
「ぶふ―――――――――っ!!」
旦那様が、飲み掛けていたお味噌汁をいきなり噴き出してしまわれました。
今日はお出汁を変えてみたのですが、もしかしてお口に合わなかったのでしょうか?
味見した時は大丈夫だと思ったのですが。
どうしましょう。
お口に合わない物をお出ししてしまうだなんて、何と云う失態なのでしょう。
これはどうやって挽回したら良いのでしょうか?
頭を悩ませていましたら、旦那様の手が伸びて来て僕の鼻を摘まみます。
「そんな誘いには乗るな!!」
一喝されました。
元より、学び舎がお休みの日には、やるべき事がたくさんありますから、僕はそのお誘いに乗るつもりは無かったのですが。
これ程の怒声を発すると云う事は、やはり危険な物なのですね。
恐らくは、抜き合いとは抜刀術みたいな物なのでしょう。
刃物など、包丁と薪割の斧ぐらいしか僕は知りません。
ああ、ここへ来てからは薪割は必要無いのでしていませんが。瓦斯とは素晴らしい物ですね。
大丈夫です。
危険な物には手を出しませんよ。
だって、僕が居なくなったら、誰が旦那様のお世話をするのでしょうか?
僕は奥様から頼まれたのです『あの人をお願いね?』と。
はい。僕は生涯旦那様にお仕えします。
何故か養子になってしまいましたが。
ですが、物は考えようです。
養子…子供ならばずっとお傍に居ても不自然では無いですよね?
歳を取って身体が不自由になったとしても、お傍に居て良いんですよね?
実は僕は、旦那様に鼻を摘ままれるのが好きなのです。
痛いと騒いでみせていますが、本当の本当は痛くは無いのです。
旦那様が鼻を摘まむのは僕だけなのです。
何故かそれが嬉しいのです。
ですから、にやけない様に騒いでいるのです。
僕が居なくなったら、鼻を摘まむ相手が居なくなってしまいますしね。
と云うか、あの大きく暖かな手が、僕以外の鼻を摘まむのは嫌だと思ってしまったりしてしまうのです。
そう云う事ですので、安心して下さい。抜き合い等と云う危険な事は致しません。
と、思っていたのですが…。
何と云う事でしょう…。
僕は病に掛かってしまいました…。
そんな…これは…抜き合い等と口にして、旦那様に心配をお掛けしてしまった罰なのでしょうか…?
涙が零れそうになりますが、泣いている場合ではありません。
こんな訳の解らない病を、旦那様にお移しする訳には行きません。
奥様からお願いされましたが、これは行けません。
零れそうになる涙を拭いながら、箪笥の上に置いてある青い箱を手に取ります。この中には、これまでに戴いたお給金が入っています。これで、何処かで湯治を致しましょう。それで病が治れば良いのですが。治らなかったら…どうしましょう?
ああ。解らない事を考えても意味がありません。とにかく着替えまして、朝餉の支度を済ませてから荷物を纏めましょう。
そうして、旦那様にお別れを言いましょうね…寂しいですが…仕方がありませんよね…。
恩を仇で返すような不義理を、どうかお許し下さい。
きゅっと、青い箱を抱き締めてから、僕は朝餉の支度をすべく、着替えてお部屋を後にしました。
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