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新しい世界の始まり
霧の森でレベル上げ
しおりを挟むデビルグリズリー他この森には60~75位のレベルの魔物が生息してる。
レベル上げにも丁度良い。
それは、単体でなら美味しく頂けるから良い狩り場なのだが、こう群れや集団で来られると美味しく頂かれる立場が
逆転することだってあり、魔物が棲む場所は危険なのだ。
「デビルグリズリーが・・・・4体・・・」
顔色を青くさせてリチェリーは固まっている、咄嗟には反応できないだろう。
「レンカ!敵の注意を集めてくれ」
『承知した!!』
本来の凜々しい虎の姿に戻りデビルグリズリーの1体にその牙を持って飛びかかった。
黒い角が生えた普通の熊の5倍はあろうかというデビルグリズリーに怯むこと無くレンカは応戦している。
『片手が無いハンデは剣をうまく振るえないことじゃろうな、ならば!まとめて魔法で屠れば良いだけじゃな!』
(あまり火力ありすぎると森が燃え尽きそうだぞ?!)
『加減はするし、それに、被害を最小限にした1対1用の攻撃手段というのもちゃんとある!!』
「ファイアーバレッドランス!」
突き出した右手から赤い魔方陣が展開され、炎に包まれた炎で出来た槍が複数デビルグリズリーに向かって跳んでいった。
「!!」
レンカは直ぐさま飛び退いて攻撃を躱しデビルグリズリーに再び視線を戻し絶命を確認してからゼノンの元へ戻った。
『流石です!主よ!何という高威力!』
堅い毛皮のデビルグリズリー相手に放たれた魔法の炎の槍は体を突き抜け地面に深々と刺さり未だに燃えていた。
『銃弾のように炎を纏った火の槍が対象を狙い撃ちするのじゃ、これなら回りにも被害が無かろう?』
(怖い魔法だな・・・威力ヤバい・・・)
『当たり前じゃよ、対魔物用なのだから、人なんかにつかったら貫く依然に触れた瞬間消し炭じゃ!』
(ひぃ・・・・)
デビルグリズリーの死骸をバックに仕舞い、その後も森の中を散策する一行。
ポイズンスネーク、ジャイアントビー、等60代レベルの魔物を2人と1匹で倒し、着実にレベルを上げていく。
「少し疲れたかな・・・」
ゼノンは立て続けにエンカウントする魔物に魔法で牽制や止めを刺していた。
レンカやリチェリーも一緒に応戦していたが、魔力を使用しないリチェリー達よりゼノンの方が消耗は激しかった。
『魔力を一気に失いすぎたのじゃ、あまり使いすぎると目眩や吐き気、仕舞いには気絶からの死亡もあり得るからのぅ、ちゃんと休めば直ぐに回復するから安心せい』
(そんな・・・酷いことになるのか・・・)
『レンカを本来の姿で維持するのだって魔力を常に食うし、体力もないゼノンが魔法を酷使すれば魔力が底をついて魔力不足分を体力で支払う形になるのじゃから・・・分かるじゃろう?』
「・・・・・・」
「ゼノン大丈夫?」
「少し休めば回復すると思う」
『主よ・・・我は一旦小さくなっていた方が良いですよね?』
「・・・・」
こんな危険な所で、動けない自分に変わってリチェリーを守って貰わなくてはならない。
「いや、そのまま・・・で・・・・」
『主?!』
「ゼノン!!?」
ゼノンは霞む意識と視界の中、心配そうに覗き込むリチェリーとレンカの姿を見た。
そしてそのまま意識を手放した。
『無茶しすぎなのじゃ・・・』
遠くで少女のそんなぼやくような声が聞こえた。
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