神が作った異世界でほのぼのする予定。

キツネバレー

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1章 よくある異世界転生

9話 獣人のお願い

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「んで、お願いって?」

「まだ、言えないんだ」
俯きながらついてくる獣人。

「そっか、名前は?」

「サーシャだ」
真っ直ぐな目でこちらを見るサーシャ
真っ直ぐな目ってかっこいいよなぁ。

「そっか、私はエルだ」
負けじとキリッとした顔を見せる

「ププ…儂はマオじゃ」
半笑いすな

「仲良しなんだな」
サーシャが私たちを見て少し寄ってくる

「臭いと言うてるやろがい」
グイと魔法の壁で押すマオ…
お前のその魔法初めて見たんだが使い方えぐ…

泣きながらついてくるサーシャをなだめながら家へと急いだ。


「じゃあ、とりあえずお風呂ね」

「お風呂入ったことある?」

「ない…水浴びならある」
プイッとそっぽを向いて答えるサーシャ

「あんましわからんのだけど女の子?」

「そうだよ、男っぽくて悪かったな」
キッと睨みながら答えるサーシャ

「なら、一緒に入るか」
パッと全裸になる私

「お…お前男じゃねーか!」
顔を赤くするサーシャ

「あっ、そうだった。お嬢ちゃんってばっか言われてるから忘れてた」
へへっ失敬失敬


「わ…忘れるわけねーだろ!バカッ!」
マオにお願いすることにした。
風呂上がりでサッパリしてるサーシャ


「お腹減ってるでしょ?」

「すいたぞ」
マオ、お前には聞いてない。

ぐぅーとサーシャのお腹がなった。

「とりあえず、今日はパンと肉で」

「カレーは?カレーじゃ!カレー」

「サーシャが腹減ってるから明日な」

「あがああああああ」


サッとウルフ肉を焼いてパンと一緒にだす。

「いっぱい食べな!」
腹が減ってる子供はいないほうがいいんだ。食え食えー。

「ありがと…グス…美味しい…」
ガツガツと食べるサーシャ。
そんなに美味しそうに食べてくれるならよかった。

半分ほど食べたところでサーシャが真っ直ぐこちらを向く。

「お願いがあるんだ」

「うん」

「俺はなんでもする。だから、飯を食わせて欲しい奴らがいるんだ」

「頼む」
頭を下げるサーシャ。
子供にこんなことをさせたくない。
それは大人の仕事なんだ。(見た目子供だけど)

「顔をあげて」
真っ直ぐにサーシャをみる。
自信満々の笑顔で答える。

「まかせろい!」


それからは大仕事だった。
飯を食わせる奴らは五人ほどで全員女の子の獣人だった。

全員が捨て子で男は冒険者の手伝いや力仕事で飯は食えるが女の子はないのでサーシャが面倒を見てたらしい。

家の外で水魔法を全員にかけ交代でお風呂を入れさせる。

みんながお風呂に入ってる間に外でバーベキューの準備。

創造魔法でコンロやら椅子やら机やら皿やらを作る。
その間にマオに布団を買ってきてもらう。(大分ゴネた)

野菜や肉の下準備が終わったところで全員のお風呂が終わった。
ほんま疲れた。

「よし、お前ら!好きなだけ焼いて食え!」
ワーと歓声が上がりバーベキューは始まった。

みんなヨダレを垂らしながら肉を焼く。
まだ、赤いのに食べようとする子供達をサーシャが止めたり、肉の焼き方を教えたりしていて口悪いけどお姉さんしてるんだなと感心する。

みんな焼けると同時に食べ始め食べたら泣き始める。
「「うわーん!美味しいよぉ…モグモグ」」
どっちかにせーや!でも、いっぱい食べ!



お腹が膨れた獣たちをもう一度お風呂にいれ、お腹丸出しのまま布団に転がすとサーシャが話しかけてきた。


「ありがとな」
すぐ照れるくせに大事なところでは真っ直ぐな目を向けれるサーシャ。

「子供なんだから気にしないで」
サーシャの頭を撫でる

「お…お前だって!違う…エルだって子供だろ!」
そうだった。私今子供だった。

「気にするな」
ニコッと笑うとサーシャもつられて笑った。



翌朝、朝ご飯を用意してるとサーシャと、子分達(半分)が降りてきた。

「あれ?残りは?」

「いつまでも寝てる寝坊助が獣人には多いんだ」
へーそうなんだ。
子分たちは食器を並べてくれる。
サーシャは朝食をつくるのをジーと見ている。

「サーシャも朝食作るの練習する?」

「いいのか!」
耳と尻尾がピーンしてるぞ
翌日からサーシャも朝食係となった。

「よし、朝食できたから寝坊助供を起こしてこーい!」
子分たちにはっぱをかけると勢いよく突撃していった。



まだ、眠いと目を擦るマオと子分たちがやってくる。

「マオ人気だな」
「こやつら、儂の翼が気に入ったようじゃ」
嫌そうな顔をしつつも子分たちの頭を撫でているマオ。

そんな光景に微笑みながら朝食を開始。

その後は、お昼ご飯のカレーをサーシャと一緒に作る。

マオは子分達を連れて魔王軍ごっこをする。

みんなでカレーを食べてお昼寝をする。

はーのんびりさいこー。

「ちょい、お嬢ちゃん今日約束したん覚えてるよな?」



怒りのクソセールス襲来である。



 

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