神が作った異世界でほのぼのする予定。

キツネバレー

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1章 よくある異世界転生

10話 獣人と騎士と魔王

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ルージュのお叱りをもらったあと(全然効いてない)ルージュに相談をする。


「獣人の子供達を預かりたいんだけどなんか問題あるかな?」

「エルも子供やけどな…そうやなぁ…多分その子ら孤児やろ?それならエルが捕まったりはないんやが大体が15歳で仕事につくねん」
へーそうなんだ。

「15歳ぐらい超えて仕事についてないとよっぽどの能力か冒険者になるぐらいしか仕事がなくなるぐらいやな」
世知辛いな

「まぁ、でも大体年ごまかしてるから若ければ大丈夫やで!」
ハハハと笑うルージュ。じゃあ歳とかどうでもええやんけ。


「まぁでも7人…か?一人ひとりに仕事を探すのは厳しいかもしれんで」
急に真面目になるルージュ。

「どうして?」

「言うてここ田舎やし、大体が家業を継いだり顔見知りや親族が就職するもんやからな」
まぁそれもそうか。

「全員が冒険者になるなら別やけど…見た感じなれそうなのは3人やな」
マオと遊んでいる子供達を見ながらルージュは言った。

「へーそんなのわかるんだ」

「まぁ、伊達に二つ名持ってへんし冒険者としても長いからな。死ぬやつはわかるもんや」
少し暗い顔をするルージュ。悲しい過去がこんにちわ。


「あとさ、この辺で家って売ってるもん?」

「どうやろなー。探すことはできるけど9人で住む家やろ?多分ないで」
家すらねーのかこの田舎は。

「引っ越す奴って1人とか2人が多いねん。それに、大きめの家だと長男やらが家を継いでるから空き家になりにくくてな?多分やけど、9人住む家だと自分で作るしかないな」

はークソデカため息。

「建てるなら捨てられた森でも建てたらええんちゃう?」
ハハハと笑うルージュ。

「え?いいの?」

「え?ホンマに言うてんの?」
ドン引きするルージュ。
お前がいうたんやろがーい!

「実際、どっかの国の土地だったりする?」

「いや、聞いたこと無いな。あそこからでてくる魔物が強すぎてその近くの街で防衛してる感じやからな。どこかの国が所有してるってなるとその国が魔物を処理しろって他の国から口出しされるから誰も欲しがってないんとちゃう?」
ほーう。いいこと聞いた。

「ルージュ、大工と先生を紹介してくれ!」


そっからは早かった。
大工を森まで護衛しつつ見晴らしのいい場所にお家を建てる。
ちなみに大工は一人で、ほしい素材を図面で出してもらって私が想像魔法で作る。マオが魔法で素材を動かす。大工が固定する。
子供達は捨てられた森にビビり散らかしており絶対に私達から離れないと私達の周りでサーシャと大人しくおしゃべりしていた。
5日ほどでできた。

「ほーいい出来やな。捨てられた森にはもったいないんとちゃう?」
完成した建物をみてルージュが感想を言う。
ふふん!そうだろうそうだろう。

「んで、先生の話やが女性で獣人に偏見のない先生連れてきたで」

「おー助かるよ。一緒に住んでも大丈夫かな?」

「夫を亡くしたんで一人で寂しいって言ってたから大丈夫そうやで」
んー…ん?大丈夫なんだろうか?


「じゃあ、明日迎えに行くよ」

「おう、ギルドで待っとるからな!絶対に来るんやで!」
ホンマに頼むぞと念を押しながらルージュは大工を連れて帰っていった。

「よし、じゃあとりあえず集合!」
子供達に声をかける。

「今からおじさんかお姉さんかわかりませんが、あなた達を守ってくれる人を召喚します」

「あまりにもひどい場合はマオが面倒みます」

「え?魔王なのに儂、子守すんの?」
ポカーンとしたマオの顔を見て笑う子供達。
似合ってるし、魔王ごっこしてればええやんけ。


じゃあ、いきまーす。
《UR 異世界騎士》をタップする。
しょうかーん!!

眩い光の柱が目の前に現れる。

「まるで、でかい雷じゃな?儂もこんな感じだったんか?」

「いや、禍々しい扉から出てきたよ」

「流石儂じゃ」
なにが流石かわからんが本人がいいならいいや。

光が収まり出てきたのは銀色のフルプレートメイルを来て豪華な赤いマントを携えた大きい人だった。
大きい盾と腰につけた片手剣がかっこいい。

「ここは…?」
声は結構大人な男だ。
辺りを見渡す騎士。
しかし、マオを見てからマオから視線を動かさない。

「貴様、魔王だな」
お、当たりじゃん。

「ほう、よーわかったのう。偉いぞお前」
よくそんな一瞬で偉そうに煽れるなお前…。

「貴様がいては平和は訪れん!覚悟!!」
急に剣を抜き盾を構えマオに飛び出す騎士。


「ふん、やれるものならやってみるがよい」
交戦体制に入るマオ。

危なそうなので子供達を連れて慌てて離れる私。
どうしてこうなった。



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多分殺しては駄目なんじゃろなぁ…
エルのことだきっと儂のことは責めないじゃろうがいい気分にはならんじゃろう。
魔王なのにこんな事を考えるとは思わんかったわい。

突っ込んでくる騎士に向けて魔力の壁を展開する。

「甘いわ!」
いとも簡単に魔力の壁を切り裂く騎士。

「それじゃあ、止まらんか…腕の一本もらうぞ」
そう呟きながらエルがよく使っている黒いレーザーを手のひらから出す。

「フン!!」
大きな盾でレーザーを防ぐ騎士。

困ったのう…。大きい魔法を使えば家が壊れそうじゃし…どうしたもんか。
んーと悩んでいると騎士が突っ込んでくる。


「動きが鈍いぞ魔王よ」
剣が目の前に迫っていた。
サッと右に体を動かす。



「あ…危ないのう…」
ギリギリ躱せたが左腕が持っていかれた。
あーしんどいわい。守ることがこんなに大変だとは。
あとでエルにカレー作ってもらわんと割に合わんぞ。
しゅーくりーむもつけてもらおう。

「なにをボーとしてるんだ魔王よ」
騎士が距離を取った後、語りかける。

「いろいろと考えることが多くての。はー、人気者は辛いわい」

「まさかここまで魔王が弱いとは思わなかったが…終わらせてもらう」

剣を構えた騎士が光を放つ。

〈セイクリッドブレード〉

あ、ちょっとまずいのう。
アイツには悪いが殺すしか無い。

〈デス・グラv…

「マオをいじめないで!!」

視界の端から子分が走ってくる。

「バカがッ!!」
体が動いた。


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