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4章 のんびり探索
11話 王と取引
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「取引?」
私は訝しげに女王を見る。
「まぁ、そんな顔をするな。そんなに悪い取引ではない」
ハハっと笑う女王。
「王都でな。エルのレストランが流行っていてな。私もいったんだ。とても美味しくてな、私も常に食べたいのだ」
パーと笑顔を浮かべる女王。
「それでだな、シェフを何人か欲しいのと材料を卸して欲しい」
はーそういうこと。
「それと、もう一つ」
ピッと指を立てて続ける女王
まだあんのかい
「エルの街…いや、もう国と言ってもいいか。そこでできた物…何でも良い。それを私の国へ売って欲しいんだ」
そう私の目を見て答える女王。
国ではない街だよ。街
「街ですけどね」
私は答える。
「いや、一目見て強いとわかる黒髪の幼女、それに王都でも活躍している黒騎士。その2人が主と崇めているエル」
3本の指をたてる女王。
「この3人いるだけで国と呼べる力がある」
本気の顔で答える女王。
「私としては黒騎士だけでも敵対はしたくない。強大な力を持つ個というのは国にとって敵対すると厄介なんだ」
はーとため息をつく女王。
「考えてもみろ。黒騎士が街の城門で暴れたあと食料を強奪したあとどこかに逃げる。これを繰り返すだけでも大変だ…」
「強大な力は集団でも作れるが個に収まるととてつもなく厄介なんだ。それが3人も私の前にいるんだ」
「私は国として君たちと取引がしたいんだ」
そう答えた女王の目は真剣だった。
ふーむ、まぁ取引相手が増えるのも王城への就職先が増えるのも私達の街にとっては有益だろう。
ただ、私達の顔見知りが王城で勤務するとなるとユルフィド国が戦争になった場合助けたくなってしまう。
うーん…。むむむ。
マオが悩んでいる私に声をかける。
「お主ならなんとかなるじゃろ」
「私もいるぞ」
サーシャが答えた。
「そうだね。2人もいるし、ニーナもナキリもいるもんね」
私は笑顔で答えた。
「あと2人も化け物がいるのか?」
女王は引きつった笑みを浮かべる。
「その話受けます!」
「そ…そうか、それは助かるよ…」
女王は元気なく答えた。
その後 王城の宰相と相談しつつ取引の内容が決まった。
ユルフィド王国は孤児の受け入れをし定期的にヴィルナタールへ送ること。
その際の護衛はヴィルナタール側で行うこと。
ヴィルナタール側はユルフィド王国の王城へとシェフを派遣すること。
あくまで派遣でありシェフの希望があれば即刻ヴィルナタールへと戻すこと。
ヴィルナタールの特産品をユルフィド王国と取引すること。
主にこれだけの内容だ。
大分こちらに有利な気がするのだがいいのだろうか。
「護衛をつけてくれるだけでもヴィルナタールへ商人がついていきやすいからね。こちらとしても助かるんだよ」
女王はそう答えた。
「え?そんなに強い護衛つけないかもよ?」
私がそう答えると女王は笑いながら答えた。
「まさか、孤児を引き取るためだけに王に会う奴が子供を大切にしないわけないだろう」
そう言うと女王はクククと笑った。
たしかにそうかもしれない。
「それにだ、これから君たちの街は大きく発展する。これは間違いない。そのための布石だ」
私の目を真っ直ぐと見た女王はパンと手を叩き。
「では、シェフと特産品を楽しみにしているよ」
そう言って面会は終わった。
孤児院へと戻った私達は孤児たちを運ぶ手段を考える。
「馬車のように引きたいんだけどでかい動物とかいないの?」
「うーん、馬では駄目なのか?」
サーシャが答える。
「馬じゃ力が足りない、50頭ぐらいなら別だけど」
私は答える。
「ふーむ、そうなるとドラゴンぐらいしかないかもな」
笑いながら答えるサーシャ。
「いいかも!」
私は飛び出して答える。
ドラゴンいるんだ!テンション上がるわ!
「じょ…冗談だ。そもそもドラゴンなど。滅多に会うことはないぞ…」
まさか本気にするとは…と呟きながら頭に手を当てるサーシャ。
「なんだ…がっかり…」
はぁ…がっかりである。がっかリス。
すると大きな金の音が響き渡る。
「え?何この鐘の音は?」
「魔物の襲撃だ」
サーシャはそう短く答えるとサッと立ち上がり走り出す。
「どこいくのー?」
私もついていく
「冒険者ギルドだ」
サーシャは答える。いつの間にかゾフィとユッテも後ろにいた。
「ククク、儂も混ぜろ」
マオも参戦する。
「これなら無敵」
ユッテが呟いた。
「そうだ、私達は無敵だー!」
そうゾフィが叫んだあと、私達は冒険者ギルドへと向かった。
私は訝しげに女王を見る。
「まぁ、そんな顔をするな。そんなに悪い取引ではない」
ハハっと笑う女王。
「王都でな。エルのレストランが流行っていてな。私もいったんだ。とても美味しくてな、私も常に食べたいのだ」
パーと笑顔を浮かべる女王。
「それでだな、シェフを何人か欲しいのと材料を卸して欲しい」
はーそういうこと。
「それと、もう一つ」
ピッと指を立てて続ける女王
まだあんのかい
「エルの街…いや、もう国と言ってもいいか。そこでできた物…何でも良い。それを私の国へ売って欲しいんだ」
そう私の目を見て答える女王。
国ではない街だよ。街
「街ですけどね」
私は答える。
「いや、一目見て強いとわかる黒髪の幼女、それに王都でも活躍している黒騎士。その2人が主と崇めているエル」
3本の指をたてる女王。
「この3人いるだけで国と呼べる力がある」
本気の顔で答える女王。
「私としては黒騎士だけでも敵対はしたくない。強大な力を持つ個というのは国にとって敵対すると厄介なんだ」
はーとため息をつく女王。
「考えてもみろ。黒騎士が街の城門で暴れたあと食料を強奪したあとどこかに逃げる。これを繰り返すだけでも大変だ…」
「強大な力は集団でも作れるが個に収まるととてつもなく厄介なんだ。それが3人も私の前にいるんだ」
「私は国として君たちと取引がしたいんだ」
そう答えた女王の目は真剣だった。
ふーむ、まぁ取引相手が増えるのも王城への就職先が増えるのも私達の街にとっては有益だろう。
ただ、私達の顔見知りが王城で勤務するとなるとユルフィド国が戦争になった場合助けたくなってしまう。
うーん…。むむむ。
マオが悩んでいる私に声をかける。
「お主ならなんとかなるじゃろ」
「私もいるぞ」
サーシャが答えた。
「そうだね。2人もいるし、ニーナもナキリもいるもんね」
私は笑顔で答えた。
「あと2人も化け物がいるのか?」
女王は引きつった笑みを浮かべる。
「その話受けます!」
「そ…そうか、それは助かるよ…」
女王は元気なく答えた。
その後 王城の宰相と相談しつつ取引の内容が決まった。
ユルフィド王国は孤児の受け入れをし定期的にヴィルナタールへ送ること。
その際の護衛はヴィルナタール側で行うこと。
ヴィルナタール側はユルフィド王国の王城へとシェフを派遣すること。
あくまで派遣でありシェフの希望があれば即刻ヴィルナタールへと戻すこと。
ヴィルナタールの特産品をユルフィド王国と取引すること。
主にこれだけの内容だ。
大分こちらに有利な気がするのだがいいのだろうか。
「護衛をつけてくれるだけでもヴィルナタールへ商人がついていきやすいからね。こちらとしても助かるんだよ」
女王はそう答えた。
「え?そんなに強い護衛つけないかもよ?」
私がそう答えると女王は笑いながら答えた。
「まさか、孤児を引き取るためだけに王に会う奴が子供を大切にしないわけないだろう」
そう言うと女王はクククと笑った。
たしかにそうかもしれない。
「それにだ、これから君たちの街は大きく発展する。これは間違いない。そのための布石だ」
私の目を真っ直ぐと見た女王はパンと手を叩き。
「では、シェフと特産品を楽しみにしているよ」
そう言って面会は終わった。
孤児院へと戻った私達は孤児たちを運ぶ手段を考える。
「馬車のように引きたいんだけどでかい動物とかいないの?」
「うーん、馬では駄目なのか?」
サーシャが答える。
「馬じゃ力が足りない、50頭ぐらいなら別だけど」
私は答える。
「ふーむ、そうなるとドラゴンぐらいしかないかもな」
笑いながら答えるサーシャ。
「いいかも!」
私は飛び出して答える。
ドラゴンいるんだ!テンション上がるわ!
「じょ…冗談だ。そもそもドラゴンなど。滅多に会うことはないぞ…」
まさか本気にするとは…と呟きながら頭に手を当てるサーシャ。
「なんだ…がっかり…」
はぁ…がっかりである。がっかリス。
すると大きな金の音が響き渡る。
「え?何この鐘の音は?」
「魔物の襲撃だ」
サーシャはそう短く答えるとサッと立ち上がり走り出す。
「どこいくのー?」
私もついていく
「冒険者ギルドだ」
サーシャは答える。いつの間にかゾフィとユッテも後ろにいた。
「ククク、儂も混ぜろ」
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ユッテが呟いた。
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そうゾフィが叫んだあと、私達は冒険者ギルドへと向かった。
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