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4章 のんびり探索
12話 王都襲来
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バタンと冒険者ギルドの扉を開けると騒がしい雰囲気が消え一斉に皆がこっちを見る。
「黒騎士が来たぞ!」
1人の冒険者っぽい人が声を上げるとそれを皮切りに歓声が上がる。
「大人気だねぇ…黒騎士さん」
ぷぷぷと笑いながらサーシャの背中を叩く。
「あまりからかうな…」
プイっと視線を逸らすサーシャ。
「それで何が起こったんだ」
サーシャがダンディなおじさんに声をかける。
「街道にドラゴンがでた。今は暴食が食い止めている」
おじさんはそう答えた。
ドラゴン!ドラちゃんだ!
「それは不味いな…急ごう」
サーシャが呟く。
え?不味いの?
「なにかやばいの?」
「いくら暴食でも1人でドラゴンはキツイだろう」
サーシャが焦ったような声で呟く。
「え?じゃあ急がないと!」
私達は街道へと走り始めた。
-------------------------------------------------------------
うむ、全然刃が通らない。
ドラゴンの攻撃は避けているがなにやら遊んでいるような意思を感じる。
まだ、本気ではないということか。
折角エルに綺麗にしてもらった髪の毛も今はグシャグシャだ。
前髪をかきあげると落ちてこないだけいいか。
また今度やってもらおう。これは便利だ。
「ふふふ、矮小な人間よ。我をもっと楽しませよ」
巨大な口が挑発をしている。
その口二度と開かないようにしてやる。
私は渾身の一撃をドラゴンの顔へと決める。
避けようともしないドラゴンの顔で剣が止まる。
「通らんか…」
私はそう呟いた。
「ククク…まだまだだのう」
目の前のドラゴンの口から火が漏れていく。
まずい…。
サッと体をよじる。
左半身に熱を感じたあと私は距離をとった。
「ほう、それを避けるか」
まだまだ余裕のある声を上げるドラゴン。
オレンジのような匂いがしていた髪の毛は焦げ臭くなっていた。
左半身に痛みを感じながらおぼろげに昨日食べた豚汁を思いだす。
はぁ…お腹が空いた。また豚汁が食べたい。
そんなことを思いながら私の意識は途切れた。
-------------------------------------------------------------
私達は街道へでるとすぐにドラゴンは見つかった。
スノウの姿は見えない。
「不味いかも…」
私は呟く。
ドラゴンへと急ぐ私達。ゾフィとユッテは危なそうなのでおいてきた。
ドラゴンの近くへ着くとスノウが倒れていた。
左側は真っ黒に焦げており肉のと髪が焦げた匂いがする。
「スノウ!」
私は叫びかけよる。
うっすらと目を開けたスノウ。
「大丈夫?」
声をかける。
「エ…エルか?私は豚汁が……また食べたい」
そう言いながら少し口元を上げたスノウ。
「じゃあ、帰ったらまた食べようね」
「う…む、楽し…みだ…」
スノウはそういうと目を閉じた。
〈ヒール〉
私は魔法を唱えるとスノウの焦げた肌は綺麗な肌へと戻っていく。
「大丈夫そうか?」
サーシャが私に問いかける。
「うん、大丈夫そう」
そう呟いたあと私はスノウの頭を撫でた。
「ゆるさーん!」
私は叫ぶ。
友好的なドラゴンだったら移送を手伝ってもらったりしてもらいたかったが許しません。
「マオいくよ」
「うむ、楽しそうじゃ。殺してもええのか?」
「本当は殺したくないけど、人を燃やすようじゃ駄目だからいいよ」
「じゃあ、本気出すとするかの」
マオがゴニョゴニョと高速でなにかを呟いている。
多分なんかの呪文なんだろうけど、これ高速で口が動いててキモいんだよな。可哀想だから言わないけど。
マオの背後に真っ黒だがノイズが走ったようなミノタウロスっぽいような巨大ななにかが出現する。
上半身はミノタウロスっぽいのだが下半身は霧のような煙のような状態になっておりマオの周りを漂っている。
マオから黒い煙がでていてそれが上の方でミノタウロスのような形になっているとでも言えばいいのだろうか…。
「な…なんだそれは…」
ドラゴンが喋る。
こいつ喋れたのか…もう遅いけどね。
「エル」
「任せて」
私はマオに催促された魔法を出す。
〈グラビティ〉
ドラゴンの周りの地面がごっそりと沈み、ドラゴンが体制を崩す。
「動…けない…ゆ……て…」
ドラゴンが何かを言っているがわからない。
「スノウも半身だけじゃったな」
そうマオが呟くと背後のミノタウロスっぽい物の手がドラゴンの左半身に伸びていく。
煙のような左手は勢いよくドラゴンの左手と左翼に当たるがふわっと撫でただけだった。
「え?なにそれ…」
しょうもなさ過ぎてドン引きする私、ドン引きしすぎてグラビティの魔法も解けた。
「まぁ見ておれ」
落ち着いた表情のマオ。
すると触れた箇所が砂になっていき風で飛ばされていく。
えっぐ…
「ひぃ…ヨルの腕が…!」
ちょっと可愛い声でドラゴンは喋る。
「え?」
私は驚く。
「え?」
マオも驚く。
サーシャは無言で構えを解いた。
「うぅ…あんまりだぁ…うぐぅ…ぐぐぐ…わーん!」
右手で涙を拭きながら左手を見ては泣いているドラゴン。
えぇ…そんな子供みたいな泣き方されたら…
「だ…大丈夫…?」
私は声をかける。
「大丈夫なわけあるか!ヨルの左手と翼がないんだぞ!バーカ!」
可愛い声でキレ散らかすドラゴン。
はい、ぷっちーん。
許しません。
「殺す」
私は手の平に魔力を込める。
「エル!そんな魔力込めた魔法ぶっ放したらこの辺一体平地になるぞ!」
サーシャが叫ぶ。
「おもろそうじゃ!やっちゃえエル!」
煽るマオ。
「ご…ごめん…ごめんなさい!」
そう叫んだドラゴンは仰向けになり腹を見せた。
しょうがない許してやるとしよう。
「黒騎士が来たぞ!」
1人の冒険者っぽい人が声を上げるとそれを皮切りに歓声が上がる。
「大人気だねぇ…黒騎士さん」
ぷぷぷと笑いながらサーシャの背中を叩く。
「あまりからかうな…」
プイっと視線を逸らすサーシャ。
「それで何が起こったんだ」
サーシャがダンディなおじさんに声をかける。
「街道にドラゴンがでた。今は暴食が食い止めている」
おじさんはそう答えた。
ドラゴン!ドラちゃんだ!
「それは不味いな…急ごう」
サーシャが呟く。
え?不味いの?
「なにかやばいの?」
「いくら暴食でも1人でドラゴンはキツイだろう」
サーシャが焦ったような声で呟く。
「え?じゃあ急がないと!」
私達は街道へと走り始めた。
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うむ、全然刃が通らない。
ドラゴンの攻撃は避けているがなにやら遊んでいるような意思を感じる。
まだ、本気ではないということか。
折角エルに綺麗にしてもらった髪の毛も今はグシャグシャだ。
前髪をかきあげると落ちてこないだけいいか。
また今度やってもらおう。これは便利だ。
「ふふふ、矮小な人間よ。我をもっと楽しませよ」
巨大な口が挑発をしている。
その口二度と開かないようにしてやる。
私は渾身の一撃をドラゴンの顔へと決める。
避けようともしないドラゴンの顔で剣が止まる。
「通らんか…」
私はそう呟いた。
「ククク…まだまだだのう」
目の前のドラゴンの口から火が漏れていく。
まずい…。
サッと体をよじる。
左半身に熱を感じたあと私は距離をとった。
「ほう、それを避けるか」
まだまだ余裕のある声を上げるドラゴン。
オレンジのような匂いがしていた髪の毛は焦げ臭くなっていた。
左半身に痛みを感じながらおぼろげに昨日食べた豚汁を思いだす。
はぁ…お腹が空いた。また豚汁が食べたい。
そんなことを思いながら私の意識は途切れた。
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私達は街道へでるとすぐにドラゴンは見つかった。
スノウの姿は見えない。
「不味いかも…」
私は呟く。
ドラゴンへと急ぐ私達。ゾフィとユッテは危なそうなのでおいてきた。
ドラゴンの近くへ着くとスノウが倒れていた。
左側は真っ黒に焦げており肉のと髪が焦げた匂いがする。
「スノウ!」
私は叫びかけよる。
うっすらと目を開けたスノウ。
「大丈夫?」
声をかける。
「エ…エルか?私は豚汁が……また食べたい」
そう言いながら少し口元を上げたスノウ。
「じゃあ、帰ったらまた食べようね」
「う…む、楽し…みだ…」
スノウはそういうと目を閉じた。
〈ヒール〉
私は魔法を唱えるとスノウの焦げた肌は綺麗な肌へと戻っていく。
「大丈夫そうか?」
サーシャが私に問いかける。
「うん、大丈夫そう」
そう呟いたあと私はスノウの頭を撫でた。
「ゆるさーん!」
私は叫ぶ。
友好的なドラゴンだったら移送を手伝ってもらったりしてもらいたかったが許しません。
「マオいくよ」
「うむ、楽しそうじゃ。殺してもええのか?」
「本当は殺したくないけど、人を燃やすようじゃ駄目だからいいよ」
「じゃあ、本気出すとするかの」
マオがゴニョゴニョと高速でなにかを呟いている。
多分なんかの呪文なんだろうけど、これ高速で口が動いててキモいんだよな。可哀想だから言わないけど。
マオの背後に真っ黒だがノイズが走ったようなミノタウロスっぽいような巨大ななにかが出現する。
上半身はミノタウロスっぽいのだが下半身は霧のような煙のような状態になっておりマオの周りを漂っている。
マオから黒い煙がでていてそれが上の方でミノタウロスのような形になっているとでも言えばいいのだろうか…。
「な…なんだそれは…」
ドラゴンが喋る。
こいつ喋れたのか…もう遅いけどね。
「エル」
「任せて」
私はマオに催促された魔法を出す。
〈グラビティ〉
ドラゴンの周りの地面がごっそりと沈み、ドラゴンが体制を崩す。
「動…けない…ゆ……て…」
ドラゴンが何かを言っているがわからない。
「スノウも半身だけじゃったな」
そうマオが呟くと背後のミノタウロスっぽい物の手がドラゴンの左半身に伸びていく。
煙のような左手は勢いよくドラゴンの左手と左翼に当たるがふわっと撫でただけだった。
「え?なにそれ…」
しょうもなさ過ぎてドン引きする私、ドン引きしすぎてグラビティの魔法も解けた。
「まぁ見ておれ」
落ち着いた表情のマオ。
すると触れた箇所が砂になっていき風で飛ばされていく。
えっぐ…
「ひぃ…ヨルの腕が…!」
ちょっと可愛い声でドラゴンは喋る。
「え?」
私は驚く。
「え?」
マオも驚く。
サーシャは無言で構えを解いた。
「うぅ…あんまりだぁ…うぐぅ…ぐぐぐ…わーん!」
右手で涙を拭きながら左手を見ては泣いているドラゴン。
えぇ…そんな子供みたいな泣き方されたら…
「だ…大丈夫…?」
私は声をかける。
「大丈夫なわけあるか!ヨルの左手と翼がないんだぞ!バーカ!」
可愛い声でキレ散らかすドラゴン。
はい、ぷっちーん。
許しません。
「殺す」
私は手の平に魔力を込める。
「エル!そんな魔力込めた魔法ぶっ放したらこの辺一体平地になるぞ!」
サーシャが叫ぶ。
「おもろそうじゃ!やっちゃえエル!」
煽るマオ。
「ご…ごめん…ごめんなさい!」
そう叫んだドラゴンは仰向けになり腹を見せた。
しょうがない許してやるとしよう。
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