烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

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序章 さよなら! 『理不尽』な仲間たち!

第四話 カワイイ(?)女の子があなたを『仲間』にしたがっています。一緒に行きますか?

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「やべっ! 気づかれた! ずらかるぞ!」

「だから覗きなんてやめようっていったのに! バカレヴィン!」

 どたばたと姿を消す二人。

 何だったんだ。

「お兄ぃとお姉ぇったら、ほんともう……あとでとっちめてやる」

 主人が言っていた兄姉ってもしかしてあの人たちだったんだ。

「今日はありがとう! 助かっちゃった! さっそく明日試してみる!」

「気に入ってもらってなにより、それとお金、やっぱり1ノルは多いよ」

「はぁ!? ちょっと待って! 返されたってこっちだって困るよ!」

「え、でも……」

「これにはそれだけの価値があるから出したのに! これだけの腕があれば下手に出る必要なんてないでしょうに」

「そんな……この程度仲間にしたところで、良くてケナされて、悪けりゃ分け前なしだし……」

 だいたいいつもそんな感じだ。評価されたことなんて一度もない。

「ふ~ん、そのお仲間、見る目ないんだね。そんなんだったら別にいっしょにいる必要ないと思うよ? さっきもいったけどもう店開けるでしょ、これ?」

「いやぁ、仲間がいるおかげで食いっぱぐれなくてすむし、僕なんか一人じゃとてもとても」

 自分には手入れぐらいしかできることないし。

 ごくつぶしと呼ばれても仕方がないんだ。

「あっそ。別に他人ごとだからあれこれいいたくないけど……どんな人にだって、自分自身を変える力がそなわっているってアタシは思う」

「ても自分……こんなんだし……」

「そうかな? 【烙印スティグマ】の『務め』だってそうでしょ?」

「え? どういうこと?」

「だって、あれって【烙印】は過去に起こした人間の罪だって言われているけど、それ『務め』でつぐなって、はじめて自分だけの【スキル】になるんだよ?」

 そんなこと一度も考えたことなかった。

「結局自分次第だってアタシは思うっ! 引き留めて悪かったね! じゃあ、おやすみっ!」






 うん、たしかそうだった気がする。

 翌朝エリオットたちと依頼をこなして、で、クビになった。

「もしも~し?」

「はっ! ごめんボーっとしてた」

「……アタシの後でぼーっとできるなんて、いい根性してるね。で、どうするの?」

 う~ん、どうしよっか。

「ウチらならあんたのことを無下にしない。ほとんど初対面の人間を信じろなんて言う方が無理かもしれないけど……」
 
 ――よし、決めた!

「ああ、うん……そうだね。僕たち特に行く当てもないし、協力するよ」

「クーンクーン!」

「イシシッ! ありがとう。なら決まりだね! じゃあさっそく行きますか!」

「行くってどこへ?」

「お兄ぃとお姉ぇに会ってもらいたいから、〈アチェエトソ遺跡〉までいっしょに来てほしいんだ」

「ああ、あそこかぁ~ここだと歩いて30分ぐらいだよね。遠いなぁ~」

 あそこは年中モンスターが根城にするからキリがない。

 といっても自分でも倒せるぐらいのザコばかりだけど。

「何言ってんの? アタシの馬でいっしょに行くよ。お兄ぃたちを待たせてあるんだから、ほら行こ!」

 ガシッ! っとつかまれ、ぐいぐいと引きずられ、ウィンウィルの白い馬のもとへ。

「え! ちょっとまって! 君と二人乗り!? そんな!」

「なに照れてんの! ほら! 急いで!」

 まさかこんなところで人生初の女の子と二人乗りを経験する羽目になるなんて。

 うらやましいだって?

 そんなに思ったほどいいもんじゃないよ?

 ゆれでそんなの考えられなかったし。




 と、とにかく馬で飛ばすこと15分――。

 目的地〈アチェエトソ遺跡〉に着いた。

「レヴィン兄ぃ! リリー姉ぇ! お待たせ!」

「おう! 来たか! 待っていたぜ!」

「おかえりなさい。ウィン」

 GRAP!!

 着いて早々レヴィン兄と呼ばれたタフそうな男に肩を抱かれる。

 なぜに?

「よう! お前か! うちのウィンの銃に【刻印】を入れてくれたやつっていうのはっ!」

「そうですが……あなたは?」

「オレは名はレヴィン! このマックイーン家の長男よ! よろしくな! えっと……」

「ぼ、僕はフィル=ブリンナーです。よろし――ぐっ!!」

 BASH!!

「そんな硬くなるなって! とってくったりしねぇよ!」

「クーン!」

「お、なんだ? こいつ?」

「この子はキキといって――」

「おう! そうか! じゃあお前も今日から仲間だな!」

 GRAP!!

 痛い!

「レヴィン。そんなに背中をたたいたらかわいそうでしょ? ごめんなさい。この人、気に入った相手を見つけるといつもこうなの」

「いえ、ダイジョウブです」

 この妹にこの兄ありってことかな。

 なれなれ――いや、フランクなのは血筋なんだろうね。

 でも、目の前のおしとやかそうな人はまったく似ていない。

 褐色の肌、それと長い耳。レヴィンさんと同じ黒髪。

 多分この人――

「リリーよ。見ての通り私はナンナ・ヌー族、二人とは血がつながっていないの」

 やっぱり。

 ナンナ・ヌー族って確か、この大陸に古くから住む種族。

 精霊術という不思議な術を使うシャーマンの一族だったよな。

 ということはつまり……。

「あぁなるほど。二人はご夫婦――」

「違うわよ」

「えっ! いや、でも、さっき――」

「違うわ」

 だそうだ。

「イシシ! アタシもいつも結婚すればっていってんのに。この二人いつもこうなんだ!」

 なるほど……そういう関係ってことね。

「もう、バカなこと言ってないで、ウィンこっち来て、手伝って」

「は~い」

「んじゃ、お前はこっちだ。オレの銃剣、【ペイルライダー】に【刻印】を入れてくれ!」

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