烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

文字の大きさ
11 / 50
序章 さよなら! 『理不尽』な仲間たち!

第十一話 想像してみてください。行き『詰』まるかつての仲間の姿を……

しおりを挟む
――鉱山の町トパゾタウンの酒場、吉報亭――

 オレの名はエリオット=ウォラック。

 今までの人生で、今日ほどムカついた日はねぇかもしれねぇ……。

「金がねぇだと!? どういうことだ!?」

 だから、ふざけたことをぬかしたエディの胸ぐらをソッコーでつかみ上げた。

「知らねぇよ! オレらはいつも通り使っていただけだぜ!」

「なんでそれで底をつく!?」

 くそっ!

 なんであの、無能のフィルのヤローがいなくなっただけで、ウチらが路頭に迷いはじめんだ!?

 おかしいじゃねぇか!?

「……兄ちゃん。たぶんフィル、ときどき牛飼いの仕事していたから、そのお金入れていたんじゃねぇかな?」

「なんだと……?」

 どういうことだ!? なんでそれを言わねぇ!

 くそっ! ムカツクぜ! いわねぇと余計な手間がかかるんだよ!

 あぁ! もう! クソっ!

 だからオレはあいつを切ったんだ!

「……チッ! まぁいい。どうせ今回の依頼で、またたんまり金が手に入るんだからな! おら! 銃を取りに行くぞ」

「待ってくれよ!」

 クソっ! オレには時間がねぇってのに!

 オレには野望があんだ!

 大陸中の全ての人間の記憶にオレの名を刻み付けるつーなっ!

 そのためには1分たりともムダにはできねぇってのに――クソッ!

「ウチでは無理だ。他をあたってくれ」

 まただ。

ガンスミスこいつ〉もオレの時間をうばいやがる!

 どいつもこいつも!
「はぁ!? ふざけんなよ! こっちは金をはらってんだぞ!?」

「ふざけているのはそっちだ! 20分の1インチの刻印だと!? できるわけねぇだろ!?」 

 カウンターにオレが渡した麻袋を叩きつけてきやがった!

 どういうつもりだ!

「それに<起死回生クリーニングアップブースト>だと!? そんなん出来るやつ、大陸に10人といねぇ、ウチで雇いてぇぐれぇだ!」

 なんだと、あのなよなよしたウスノロ無能のフィルが!?

「前やったやつは相当職人だったんだな! やってほしきゃそいつにたのめ! とにかくウチじゃできん! ほら、金なら返してやる! 銃も持っていけ!」

「こっちはそいつを切ってこの店にたのんでんだ! 今さら引き下がれねぇんだよ!」

「そいつは残念だったな! そんなやつを切るなんておたくら相当バカだねぇ」

「んだと!?」

 TCHAK――ッ!!

 TCHAKTCHAKTCHAKTCHAKTCHAKTCHAK!!!

「な、なんだこいつら! 裏からぞろぞろと! テメェの弟子か!?」

「ああ、そういうことだ。悪りぃな。ならず者の対応はこっちだって慣れてんだ。早くそいつを下ろさねぇと弟子たちの銃がてめぇらをハチの巣にするぜ?」

 また、5分もムダにした!

「もういい! 行くぞ! こんな店二度とくるか!」

「待ってくれよリーダーっ!」

 どいつもこいつもムカツクぜ。

 だが、まあいい。

 あの〈グリードウォーム〉とかいう大物を仕留めれば、オレの名声は大陸中に届くにちげぇねぇ!

 今は――1秒たりともムダにはできねぇんだ!



 とにかくオレたちは〈アンドラ坑道マイン〉に入った。

 オレたちならあっさり終わるはずだったんだ――。

 ――BAAAAN!!

 ――ZGAWAAAAAAAAAN!

「がっは……!!」

「ヴィニィィィーーーッ! リーダーッ! ヴィニーがやられた!」

「そんなことわかってんだよ!」

 どうなってやがる!

 こ、こいつ……あのヴィニーの図体をいとも簡単にふっ飛ばしやがった!

 DODODODODODODODODODODO――GOOOOOOOH!!

「くそっ! もぐってねぇで出てきやがれ!」

 ZUUUUUUUUUUBBBBBBBBB!!

「な……」

「でけぇ……」

 ようやく姿を見せやがったやつは、オレたちを静かに見下ろす。

 それが余計にムカついた!

 WOOOOOOOOOOOOOOAAAAAAHH!!

「く、くたばれ! ミミズヤロー!!」

 BANG! BANG! BANG! BANG! BANG!

「なんで! なんでだ! なんでキズ一つつかねぇんだ! エディ! 弾を!」

「へい! あ、リーダーッ! 後ろ!」

「な――」

 ――BOGOO!!

 ――金もねぇ、〈ガンスミス〉には手入れを断られ、命まで取られるってか……。

 ――くそっ! どうしてこうなるんだ!

 ――くそっ! クソっ! ク……ソ……。







――トパゾタウン 近郊 デマン牧場――

 それから酒場のマスターから話を聞いた僕らは、グリードウォーム討伐に向けて、動きだしたんだ。

 え? 今、エリオットたちがどうしてるんだって?

 う~ん、自分もくわしくはしらないけど……。

 なんでもマスターの話だと、エディが二人をかかえて助けたこともあって、全員命に別状はないみたい。

 まぁ、幸いというか、しぶといというか、なんというか。

 自分としてはもう特に思うところはないし。

 フツーに無事でよかったねとか、そうですかって感じなんだけど。

 だってもう自分にはどうすることもできないし……。

「フィル! そっちいったよ!」

「うん! まかせて!  YEEEEHAAAAW!!」

 ん? おかしな声をあげて何やっているんだって? 失礼な!

 今日は近くの牧場で、放牧の手伝いをしているんだよ。

 資金調達をかねてね。

「どぅどぅ!」

 具体的にはロープを投げて、牛をつかまえて、荷馬車に乗せる。

 これを10頭やらなきゃいけない。

 んでこれで最後。

「フィル、すごい! アンタ牛飼いの才能もあるんだね」

「子供のころからやっていただけで、別に大したことじゃないよ」

 牛を引きずって、荷馬車に乗せる。あとの鉄道までは牧場主さんの仕事。

「助かったぜ、ありがとうよ。礼だ、ウチでメシ食ってきな!」

「わぁ! ありがとう! おじさん!」

 ありがたい!

 せっかくなので夕食をごちそうになることに――。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!

DAI
ファンタジー
【第一部完結!】 99回のさよならを越えた、究極の『ただいま』 99回転生した最強エルフは、のんびり暮らしたいだけなのに――なぜか家族が増えていく。 99回も転生したエルフの魔法使いフィーネは、 もう世界を救うことにも、英雄になることにも飽きていた。 今世の望みはただひとつ。 ――森の奥の丸太小屋で、静かにのんびり暮らすこと。 しかしその願いは、 **前世が日本人の少女・リリィ(12歳)**を拾ったことで、あっさり崩れ去る。 女神の力を秘めた転生少女、 水竜の神・ハク、 精霊神アイリス、 訳ありの戦士たち、 さらには―― 猫だと思って連れ帰ったら王女だった少女まで加わり、 丸太小屋はいつの間にか“大所帯”に!? 一方その裏で、 魔神教は「女神の魂」と「特別な血」を狙い、 世界を揺るがす陰謀を進めていた。 のんびり暮らしたいだけなのに、 なぜか神々と魔王と魔神教に囲まれていくエルフ。 「……面倒くさい」 そう呟きながらも、 大切な家族を守るためなら―― 99回分の経験と最強の魔法で、容赦はしない。 これは、 最強だけど戦いたくないエルフと、 転生1回目の少女、 そして増え続ける“家族”が紡ぐ、 癒しと激闘の異世界スローライフファンタジー。

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?

行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。 貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。 元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。 これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。 ※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑) ※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。 ※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。

処理中です...