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第一章
第二話
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翌朝ーー…
目が覚めるといつもの俺の部屋。特に何か代わり映えするでもなく、藤咲の姿もなかった。
「…夢……?っつ…」
腰に走る激痛に夢ではないと思い知らされ、脳裏によぎる自身のあられもない姿に顔を覆い隠し、盛大にため息をついた。
「はぁ~~~…女子かよ」
いや、たぶん、女子でもあんな声は出さないだろう。経験はないので知らないが、たぶん出さない。自分でも驚いた。あいつがテクニシャンなのか、俺の…感度が……、うん。やめておこう。
なんだか、まだ夢を見てるようだ。とんでもない悪夢を。日常は変わらず、俺の毎日に変化はなく、ただただ家族からも見放されたさみしい人生をこのまま一人送っていくものだと信じて疑わなかった自分はもういない。俺は、再び開けられるだろう部屋の扉に恐怖を感じていることに気付き、大丈夫だと言い聞かせた。
「…大丈夫。大丈夫に…決まってる……。あんなことは、もう…」
ガチャッーー…
「っ!!誰だ!」
「あ、起きたんですね♪おはようございます!腰の調子はいかがです?多少無理しすぎてしまったかと心配していたんですが…」
「…ほっとけ。調子なんか、最悪に決まってる…」
「おや?…泣いてました?」
「っ!ほっとけって言ってるだろ!」
俺は伸びてきたやつの手を振り払い、ベッドの端に寄って、毛布にくるまり思い切り睨み付けてやった。
「クスッ、その顔、私には誘ってるようにしか見えませんが…、襲っても?」
「いいわけあるか!ふざけんな!!」
「アハハハハハッ、冗談ですよ。そんな本気で怒らないでください」
笑っているやつの顔は、きっとそこらの女子どもが見ればコロッと落ちてしまいそうなほどにイケメンと言うやつで…。俺は目をそらし毛布に顔もうずめ、やつから姿が見えないよう出来る限り隠れた。まぁ、毛布にくるまってるだけなので、丸見えは丸見えなんだが…。
「…本当に、可愛いですね。あなたは」
「?!か、かわっ?!ちょっ、待て」
「はい?」
「…ニート引きこもりの二十五の男捕まえて言う台詞じゃねぇだろ!」
「そうですか?すごく…、可愛いですよ。とても、いとおしい…」
「っ…や、やめっ」
やつはとてもいとおしそうに俺の頬を優しく撫で、そっと顔を近づけてきて、小さくチュッとリップ音をたて俺にキスをした。
俺はそのキスに感じてしまい、自分でもわからないうちに下が反応していて、恥ずかしくなってやつを突き飛ばし再び毛布に隠れた。
「それ、煽ってるだけだって…わかってます?」
「知るか!俺はそんなつもりなんかない!」
「クスクス」
やつは、余裕の笑みを浮かべ、びくびく逃げ回る俺を嘲笑うかのようにジリジリとにじり寄ってきて、ふっと耳に息を吹き掛けて…
「ひゃっ…」
「ふふっ、可愛い…」
「んっ…」
さっきとは違う、深く俺の舌を絡めとるような甘い甘い息も出来ないほどの心地いいキスをして、小さく囁いた。
「もう、逃げないでくださいね…。拓真」
目が覚めるといつもの俺の部屋。特に何か代わり映えするでもなく、藤咲の姿もなかった。
「…夢……?っつ…」
腰に走る激痛に夢ではないと思い知らされ、脳裏によぎる自身のあられもない姿に顔を覆い隠し、盛大にため息をついた。
「はぁ~~~…女子かよ」
いや、たぶん、女子でもあんな声は出さないだろう。経験はないので知らないが、たぶん出さない。自分でも驚いた。あいつがテクニシャンなのか、俺の…感度が……、うん。やめておこう。
なんだか、まだ夢を見てるようだ。とんでもない悪夢を。日常は変わらず、俺の毎日に変化はなく、ただただ家族からも見放されたさみしい人生をこのまま一人送っていくものだと信じて疑わなかった自分はもういない。俺は、再び開けられるだろう部屋の扉に恐怖を感じていることに気付き、大丈夫だと言い聞かせた。
「…大丈夫。大丈夫に…決まってる……。あんなことは、もう…」
ガチャッーー…
「っ!!誰だ!」
「あ、起きたんですね♪おはようございます!腰の調子はいかがです?多少無理しすぎてしまったかと心配していたんですが…」
「…ほっとけ。調子なんか、最悪に決まってる…」
「おや?…泣いてました?」
「っ!ほっとけって言ってるだろ!」
俺は伸びてきたやつの手を振り払い、ベッドの端に寄って、毛布にくるまり思い切り睨み付けてやった。
「クスッ、その顔、私には誘ってるようにしか見えませんが…、襲っても?」
「いいわけあるか!ふざけんな!!」
「アハハハハハッ、冗談ですよ。そんな本気で怒らないでください」
笑っているやつの顔は、きっとそこらの女子どもが見ればコロッと落ちてしまいそうなほどにイケメンと言うやつで…。俺は目をそらし毛布に顔もうずめ、やつから姿が見えないよう出来る限り隠れた。まぁ、毛布にくるまってるだけなので、丸見えは丸見えなんだが…。
「…本当に、可愛いですね。あなたは」
「?!か、かわっ?!ちょっ、待て」
「はい?」
「…ニート引きこもりの二十五の男捕まえて言う台詞じゃねぇだろ!」
「そうですか?すごく…、可愛いですよ。とても、いとおしい…」
「っ…や、やめっ」
やつはとてもいとおしそうに俺の頬を優しく撫で、そっと顔を近づけてきて、小さくチュッとリップ音をたて俺にキスをした。
俺はそのキスに感じてしまい、自分でもわからないうちに下が反応していて、恥ずかしくなってやつを突き飛ばし再び毛布に隠れた。
「それ、煽ってるだけだって…わかってます?」
「知るか!俺はそんなつもりなんかない!」
「クスクス」
やつは、余裕の笑みを浮かべ、びくびく逃げ回る俺を嘲笑うかのようにジリジリとにじり寄ってきて、ふっと耳に息を吹き掛けて…
「ひゃっ…」
「ふふっ、可愛い…」
「んっ…」
さっきとは違う、深く俺の舌を絡めとるような甘い甘い息も出来ないほどの心地いいキスをして、小さく囁いた。
「もう、逃げないでくださいね…。拓真」
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