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都立冨澤大学附属高校 

俺の先輩 湊side

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《高校3年生・4月》

自室で廉と2人で課題に取り組んでいると

♪ピコン

LINEの通知音に俺は慌ててスマホを取り出す

晴臣くんかも知れない!

浩太郎くんから思わせぶりな話をされたが
晴臣くんからはあの一件以降全く連絡がきていない

俺から何度も送ろうかと思ったが
春休み中はお家のことで忙しいかなと気を利かせたが最後、間が開けば開くほど送りにくくなっていた

スマホの画面を開く

夏月 
[久しぶり、元気かな?]

中村生徒会長だ!

待ち人では無かったものの
一昨年、図書室で出会った雰囲気の柔らかい男の人を思い出す

俺は懐かしさに何となく頬が緩む


[お久しぶりです!
3年生になって受験の雰囲気に押され気味です]

夏月
[1学期から緊張感凄いよね~
 大学は決まっているの?]


[東明大学の政治経済です]

夏月
[政治経済か、将来は政治関連に?]


[まだ、分からなくて]

夏月
[…もし今度、時間があれば今度お茶でもどうかな?私で良ければ進路相談乗るよ]

久々の中村先輩からのラインに
ニヤニヤしていると
グイッと俺のスマホを覗き込む廉

「ねー最近、メッセ多くない?
 最初は僕だけだったのにさ」

お前は俺の恋人かっとツッコミを入れつつ

人がいるのにスマホばかり弄るのは失礼だった、と少し反省してた俺は返信は夜にしようとスマホを閉じた

彼が言うように
高校に入ってLINEの友達が増えた
中学時代は、スマホは晴臣くんを盗撮する用のカメラと化していたし
なんなら、クラスの伝達連絡すら届かないことすらあった

「廉くんのおかげだよ」

そう言って微笑み掛けると
廉は満足そうに、えっへん!と腕を腰に当てる

狭いテーブルで何故か俺の真横に座る廉くんを
軽く肘で押し退けながら勉強を再開するのだった





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