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43.新婚のよう。
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王宮に越した僕は、てっきりゼインと別の部屋になるのだと思っていた。
いや、別の部屋ではあるんだ。
でも、ゼインの部屋と僕の部屋が隣で、どうやら間にお互い行き来できる扉を作ったらしい。
だから実質一部屋みたいなものなんだ。
「どう?気に入った?」
「うん!これでいつでもゼインに会えるね!」
「そうだね。学園に行っている間以外は一緒だね。」
うん?その言い方だと、どっちかの部屋は使わないって言ってるように聞こえるんだけど…?
気のせいかな?
「さ、大事なものは自分で持ってきたんだろう?どこに置くの?」
そうだった!これだけは持っていきたいってものを、自分で持ってきたんだった!
お兄様から貰った安眠用のくまさんのぬいぐるみと、ゼインから貰ったうさぎさんのぬいぐるみ。
これはベッドに置いて。
この宝箱も、どこか見える所に置きたいな。
そうそう、あのとき湖に落ちた物たちは、皆僕が離さなかったみたいで無事だったのだ。
これが無くなったら、泣くどころの騒ぎじゃなくなるからね。よかった。
あ…でもゼイン、ぬいぐるみと宝箱を見る度に苦しそうに顔を歪めるんだ。多分、あの日のことが気にかかってるんだと思う。
じゃあ出さないほうがいいかな…。
「ルカ?どうしたの…?それ、大事なんでしょ?飾るところが決まらない?」
あ、僕が時間かかってたから心配してくれたのかな。
「あのね…その…これ見ると、ゼイン、あの日のこと思い出して自分のこと、責めちゃうんじゃないかなって…。」
だけど彼は、ふふ、と微笑んで。
「これは私への戒めなんだ。ルカを悲しませてしまったことへのね。
もう二度と酷いことはしないし離れない。そう思わせてくれる大切なものなんだよ。
それに、不謹慎なのだけど……。ルカが、この世から去ろうとしたとき、これらを抱き締めて逝こうとしたことが嬉しかったんだ。
私からのプレゼントを持って逝きたいと思ってもらえるくらい、私は愛されていたんだと知れたから。
こう思う私を、嫌になってしまわないかい?」
多分、普通の人なら嫌になるのかもしれない。
でも僕は、手遅れなくらいゼインにのめり込んでるから。
ただ幸せなだけだった。
「へへ、僕はゼインのこと世界一好きなんだよ?
あのときは正常じゃなかったから死のうって思ったけどね、本当は、ゼインが側にいる限り死にたくないし、置いて行きたくもないの。
ゼインがくれるものはなんだって持ってたいし、本当は食べ物も腐食防止の魔法をかけて飾りたいくらい。
まあそれは置いておいて!!へへ、2人きりだとずっとイチャイチャしちゃうね。
んと、宝箱はチェストの上に置いておく!
はい!ほ、ほら、ゼイン!お仕事まだ残ってるんでしょ!早く行かないと!」
2人きりだとイチャイチャしちゃう、そう言った途端、ゼインが顔を真っ赤にさせるものだから、僕にも移っちゃって。
なぜだか、この甘い空気に耐えられそうになく、彼を早く仕事に向かわせようとした。
そう言うと彼は照れたままこくりと頷き、
「う、うん。ルカ、私が帰るまでは好きなことしてていいからね!図書館にいてもいいし、父上達の部屋に行ってもいいから!じゃ、じゃあね!」
「うっ…、うん!いってらっしゃい!」
「ぐっふ……いってきます…!」
バタバタと黄金の髪を靡かせて部屋を出ていくゼイン。
こ、こんなの…新婚夫婦と同じじゃないかっ!!
ルイスがこっそり読んでた恋愛小説と、同じ事をしちゃった!!
部屋を出た先でゼインが
『こんなの生殺しだああああ』
と打ちひしがれていたのはルカは知らない。
ロバートや使用人、近衛騎士達は皆微笑ましくその様子を見ていたそうな。
『さ、仕事は山積みですよ、殿下。』
そう言われて引き摺られる場面も、今後毎日のように見られる光景となる。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
~???Side~
いつものように寝ようとしていた俺は、布団に潜って親や弟への恨み言ばかりが頭を占めていた。
俺がこうなったのは全部あいつらのせいだ。
あいつらがいなければ俺は今頃エリート街道まっしぐらだったのに…!
そう考えていると、布団を囲むようにしてアニメに出てくるような魔法陣が浮かび上がる。
「はっ?」
瞬く間にそれは光り、目を開けていられなくなった。
ガヤガヤと騒がしい。光も収まったようだ。そう思って目を開けると。
いかにもな怪しい白いローブを着た集団が俺を囲んでいた。
「おおっ、聖者様だ!」
「聖者様!」
「成功したぞ!」
聖者様…?俺が?
ははっ…やっぱり俺はエリートなんだ。きっと俺は、これから無双して、女も金も使い放題。きっとそんな未来が待ってるんだ!
「あの…ここは?」
「おお、そうでした。ここは『ミヌレ』。わたくしは神殿長のマクシム・シラク。貴方の名前を伺っても?」
「俺の名前は田嶋瑠衣。瑠衣が名前だ。」
すると目の前の男は大袈裟に微笑んで俺を褒め称えた。
「おお~!ルイ様!素晴らしいお名前で。そしてルイ様。召喚して直ぐで申し訳ないのですが、わたくし達の悩みを聞いてくださいますでしょうか…?」
やっぱりだ。俺はきっとこの世界の救世主になるんだ。
俺が牢屋に入れられるなんて、間違いだったに決まってる。
俺はいつだって正しいんだ。優秀だからな。
「もちろん、お聞かせください。」
※※※※※※
最近この作品の読んでもらってる率?がどんどん低くなっていまして…。
書いてる本人はわからないのですがきっと中だるみのようなものがあるのだろうなと思っております。
近況ボードにも書かせてもらいましたが、どうすればよいのかなぁと悩んでいる最中です。
改善点などがあれば教えて欲しいです。
どうか、今後もこの作品をよろしくお願いいたします。
いや、別の部屋ではあるんだ。
でも、ゼインの部屋と僕の部屋が隣で、どうやら間にお互い行き来できる扉を作ったらしい。
だから実質一部屋みたいなものなんだ。
「どう?気に入った?」
「うん!これでいつでもゼインに会えるね!」
「そうだね。学園に行っている間以外は一緒だね。」
うん?その言い方だと、どっちかの部屋は使わないって言ってるように聞こえるんだけど…?
気のせいかな?
「さ、大事なものは自分で持ってきたんだろう?どこに置くの?」
そうだった!これだけは持っていきたいってものを、自分で持ってきたんだった!
お兄様から貰った安眠用のくまさんのぬいぐるみと、ゼインから貰ったうさぎさんのぬいぐるみ。
これはベッドに置いて。
この宝箱も、どこか見える所に置きたいな。
そうそう、あのとき湖に落ちた物たちは、皆僕が離さなかったみたいで無事だったのだ。
これが無くなったら、泣くどころの騒ぎじゃなくなるからね。よかった。
あ…でもゼイン、ぬいぐるみと宝箱を見る度に苦しそうに顔を歪めるんだ。多分、あの日のことが気にかかってるんだと思う。
じゃあ出さないほうがいいかな…。
「ルカ?どうしたの…?それ、大事なんでしょ?飾るところが決まらない?」
あ、僕が時間かかってたから心配してくれたのかな。
「あのね…その…これ見ると、ゼイン、あの日のこと思い出して自分のこと、責めちゃうんじゃないかなって…。」
だけど彼は、ふふ、と微笑んで。
「これは私への戒めなんだ。ルカを悲しませてしまったことへのね。
もう二度と酷いことはしないし離れない。そう思わせてくれる大切なものなんだよ。
それに、不謹慎なのだけど……。ルカが、この世から去ろうとしたとき、これらを抱き締めて逝こうとしたことが嬉しかったんだ。
私からのプレゼントを持って逝きたいと思ってもらえるくらい、私は愛されていたんだと知れたから。
こう思う私を、嫌になってしまわないかい?」
多分、普通の人なら嫌になるのかもしれない。
でも僕は、手遅れなくらいゼインにのめり込んでるから。
ただ幸せなだけだった。
「へへ、僕はゼインのこと世界一好きなんだよ?
あのときは正常じゃなかったから死のうって思ったけどね、本当は、ゼインが側にいる限り死にたくないし、置いて行きたくもないの。
ゼインがくれるものはなんだって持ってたいし、本当は食べ物も腐食防止の魔法をかけて飾りたいくらい。
まあそれは置いておいて!!へへ、2人きりだとずっとイチャイチャしちゃうね。
んと、宝箱はチェストの上に置いておく!
はい!ほ、ほら、ゼイン!お仕事まだ残ってるんでしょ!早く行かないと!」
2人きりだとイチャイチャしちゃう、そう言った途端、ゼインが顔を真っ赤にさせるものだから、僕にも移っちゃって。
なぜだか、この甘い空気に耐えられそうになく、彼を早く仕事に向かわせようとした。
そう言うと彼は照れたままこくりと頷き、
「う、うん。ルカ、私が帰るまでは好きなことしてていいからね!図書館にいてもいいし、父上達の部屋に行ってもいいから!じゃ、じゃあね!」
「うっ…、うん!いってらっしゃい!」
「ぐっふ……いってきます…!」
バタバタと黄金の髪を靡かせて部屋を出ていくゼイン。
こ、こんなの…新婚夫婦と同じじゃないかっ!!
ルイスがこっそり読んでた恋愛小説と、同じ事をしちゃった!!
部屋を出た先でゼインが
『こんなの生殺しだああああ』
と打ちひしがれていたのはルカは知らない。
ロバートや使用人、近衛騎士達は皆微笑ましくその様子を見ていたそうな。
『さ、仕事は山積みですよ、殿下。』
そう言われて引き摺られる場面も、今後毎日のように見られる光景となる。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
~???Side~
いつものように寝ようとしていた俺は、布団に潜って親や弟への恨み言ばかりが頭を占めていた。
俺がこうなったのは全部あいつらのせいだ。
あいつらがいなければ俺は今頃エリート街道まっしぐらだったのに…!
そう考えていると、布団を囲むようにしてアニメに出てくるような魔法陣が浮かび上がる。
「はっ?」
瞬く間にそれは光り、目を開けていられなくなった。
ガヤガヤと騒がしい。光も収まったようだ。そう思って目を開けると。
いかにもな怪しい白いローブを着た集団が俺を囲んでいた。
「おおっ、聖者様だ!」
「聖者様!」
「成功したぞ!」
聖者様…?俺が?
ははっ…やっぱり俺はエリートなんだ。きっと俺は、これから無双して、女も金も使い放題。きっとそんな未来が待ってるんだ!
「あの…ここは?」
「おお、そうでした。ここは『ミヌレ』。わたくしは神殿長のマクシム・シラク。貴方の名前を伺っても?」
「俺の名前は田嶋瑠衣。瑠衣が名前だ。」
すると目の前の男は大袈裟に微笑んで俺を褒め称えた。
「おお~!ルイ様!素晴らしいお名前で。そしてルイ様。召喚して直ぐで申し訳ないのですが、わたくし達の悩みを聞いてくださいますでしょうか…?」
やっぱりだ。俺はきっとこの世界の救世主になるんだ。
俺が牢屋に入れられるなんて、間違いだったに決まってる。
俺はいつだって正しいんだ。優秀だからな。
「もちろん、お聞かせください。」
※※※※※※
最近この作品の読んでもらってる率?がどんどん低くなっていまして…。
書いてる本人はわからないのですがきっと中だるみのようなものがあるのだろうなと思っております。
近況ボードにも書かせてもらいましたが、どうすればよいのかなぁと悩んでいる最中です。
改善点などがあれば教えて欲しいです。
どうか、今後もこの作品をよろしくお願いいたします。
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