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番外編『前回の番外編の番外編』
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暗いのは暗いですが、少し救いがあります。
またもや作者が書きたいだけという。
それでも良ければどうぞ~
―――――――――――――――――――――――――――
~クリスSide~
私の愛しい子が、私達の、可愛い天使が。
たった12歳で、人生の幕を閉じた。
誰も入っていない棺の中に、あの子が好きだったものを沢山入れた。
あの子が好きな、冒険譚。
あの子が好きな、ぬいぐるみ。
あの子が好きな、キラキラと輝くもの。
あの子が好きな、あの子が、好きな―――
赤い、薔薇。
薔薇を見ては白い陶器のような頬を染め、あいつを想う。
それはもう幸せそうに。
どうして。
どうして私はあいつを恨みきれないんだ。
あいつがもっと早くルカに会いに来たら、この子は、死なずに済んだのに。
だが、わかっているのだ。
あいつだけがルカを殺したのではない。
私達が、もっと早く動かなかったのが悪いのだ。
私達が、ルカを殺したのだ。
「アレク、ルカを眠らせてあげよう。」
土の中へと埋めるため、放心状態の私の唯一に声を掛ける。
だが、彼は壊れかけていて。
「ルカは、そこにいないよ?ぼくのこ、ぼくのこは、でんかのそばでねてるんだもの。
どうしてだれもいないはこをうめるの?
あのなかには、ルカのだいすきなものがたくさんあるでしょ?
あのこのところに、もっていってあげないと。」
拙い喋り方で、只管ルカは此処にいないのだと訴える。ただ、眠っているだけなのだと。
あの強く逞しい母が、こうまでなるとは。
なぁルカ…。お願いだから、帰ってきておくれ…。
何をしているのか理解できない、というふうに、私達が棺を土の中へ埋めるのをアレクはただじっと見ていた。
~ジークフリードSide~
私の愛しい弟が自死して5年。
去年、同じ魔導騎士団の者と結婚した。
伯爵家の5男で、美しいと言われる男。
私は義務感で子を成した。
あの方へ言ってしまった罪、弟が死ぬ原因を作った罪。その贖罪のため、あの子が愛したこの公爵家の存続のためだけに。
子さえ作ればもう良いだろうと思い、妻に他に男を作っても良い、そう言うと、彼は絶望した表情で。
妻は、仕事にかこつけて顔を合わせない日々が多い私に、何も言わなかった。
私の過去について、何かしら感じることがあったのだろう。
だけど。
生まれた子は、可愛いルカにそっくりだった。色味は違えど、纏う雰囲気は同じで。
赤子を見つめる妻の表情は、私の母上と変わらぬ、親の顔だった。
やっと、見えてきたのだ。ずっと私を支えてくれた妻のことが。
「すまない…、ずっと、支えてもらっていたのに…。フィル…すまない……!」
そう泣く私を、妻は優しく包み込む。
「良いんですよ。貴方の心の整理がつくまで、待っていただけですから。」
この人になら、私の罪を話しても良いだろうと思えたのだ。きっと、受け止めてくれると。
「じゃあ、ルカリオン様や王弟殿下への償いとして、この子を愛してくださいませんか。
きっと、お二方は貴方が苦しむ姿を見たくありませんから。
あの方たちはきっと、家族を顧みずに馬車馬の様に働く貴方を叱りますよ?」
そう優しく微笑んでくれて。
時が経ち、父上達は私に爵位と魔導騎士団長の座を譲って隠居した。
一時は壊れかけていた母も、今はそんな影は見られない。
隠居してどうするのかと問えば、あの子の遺品を持って、沢山の場所を旅するのだと仰っていた。
たしかに、うちは国の要だったからこそ旅行なんてものはできなかった。楽しんでもらえると嬉しいな。
天に昇ったあの子は、今も私達を見ているのだろうか。
~ミラSide~
10年前、僕の親友はたった一人で眠ってしまった。
僕のために運命を探してくれて、僕のために沢山の事をしてくれた人。
僕はヴレーヒと結婚してから、ルカが生き返る魔法を研究してきた。やり方はなんとか分かったのだ。
だけど、それには代価が必要で。
術者の子供の命が代価だった。
ならばとヴレーヒと子作りして、その1年後に長男を出産。僕が腹を痛めて産んだ子なのだから、僕がこの子の命の使い道を決めてもいいじゃないか。
そう、思ってたんだ。
「ミラ!!目を覚ましなさい……っ!私達の子をっ…!殺すな……!お願いだから…っ!」
泣いたところをみたことがなかった僕の運命。
僕の太陽が泣いている。ぼろぼろと涙を零して。
ああ、僕は己の子ではなく、僕たちの子を殺そうとしていたのか。
ヴレーヒとの子を。
「あっ……、あぁ……、ごめんなさっ……!ごめっ……ごめんなさいっ……!うぁぁっ……!ごめんなさいぃぃっ…!!!」
僕は一体何をしている。こんなこと、ルカが喜ぶわけがないのに。
その後、ひとしきり泣いて、赤子を抱き締めて。
もう、蘇生の研究はしないことにした。あれは禁忌魔法に限りなく近い。というより、完全に禁忌だ。
それからは、ヴレーヒと共に子を愛して、愛して、愛して。
僕が死んだら、ルカに褒めてもらうんだ。
『偉かったね、頑張ったよ、ミラ。』
また、親友として隣に立ちたいんだ。ヴレーヒと共に。
~???Side~
地の果てまで赤い薔薇が埋め尽くすこの場所に、私はいつからか立っていた。温かい風が吹いて、柔らかな日差しが心地よい。
ここにずっといたいなぁ、あの子と、この景色を見たいな。そんなふうに思っていた。
「ゼインッ!」
ああ、嘘だ。ずっと聞きたかった、愛おしくて仕方ない、私の唯一の声がする。
ゆっくりと振り返ると。
水晶のように美しい涙を流しながら、花がほころぶように笑い、手を降ってこちらを見るあの子がいた。
「ル、カ……?」
何故か棘のない薔薇を掻き分けて、愛しいあの子の元へと急ぐ。あの時のままの姿で、私の運命は待っていたのか。
「ぐぇっ、ふふ、ゼイン、力が強いよっ!
はぁ…久しぶりのゼインだぁ…。嬉しい…。」
もう二度と離すものかとぎゅっと抱き締め、嗚咽を堪えるが。
「ルカッ……!ルカ…!!ごめんっ!ごめんね…!!ずっと一人にして、ごめんなさい…!!いっぱい、謝らなきゃっ……!!ああっ……ああぁぁあっ…!!!」
情けないくらい大泣きしてしまって。
その間、ルカは優しく背中を擦り、首にキスを落とし、『大丈夫』『愛してる』と囁いてくれた。
「ゼイン、僕の運命。泣かないで。僕はここにいるよ。
ずっと一緒にいるから。大丈夫だよ。これからはずーっと一緒。来世も、そのまた来世も、ずっと輪廻転生し続ける限り、僕たちは一緒にいるんだから。」
腕の中で穏やかにそう言うルカ。あの頃と変わらない、エメラルドの瞳を輝かせてこちらを見る。
「ふふ、あのね?僕、ずっとゼインの側にいたんだよ?あっ、身体が、じゃなくて!ふよふよしてたのー!
壁とかすり抜けられるんだよ?それでね?みんなの子供見に行ってたりしたんだー!」
終始ニコニコしてて、いつまでも変わらないな、と微笑む。
「ねぇルカ。」
「なぁに?」
「遅れて、ごめんね。」
「んふふ、いいよ。」
「その、今、言うのは違うかもしれないのだけれど。」
「うん、どうしたの?」
「……私の妻になってください。」
片膝を立ててルカを見つめる。
この子は、大きな目をもっと大きくして、潤ませた…そう思ったら、次々と涙が。
「ルカ…?嫌、だったかい…?ルカを追い詰めてしまった私とは、もういたくない…?」
「ち、ちがっ!!追い詰められたとか思ってないし!あれは僕がおかしくなってただけなんだから!
…………その…!も、もちろんです!これからも、末永く一緒にいてください、僕の、だ、旦那様…!」
顔を真っ赤にさせて言う君が愛おしい。
もう、嫌だって言っても離れてやるものか。私からも絶対離れない。
そう思ってルカの頬に手を添え、甘い、甘い口づけをした。
これは誓いのキス。
二度とルカを悲しませない、そんな思いがこもった願いの口づけ。
「ルカ、私の運命。世界一貴方を愛しています。」
「僕も、貴方を永遠に愛しています。ゼイン。」
そうして私達は二度と離れることはなかった。
~モブSide~
『痣持ち』が生まれなくなって早数百年。
昔々の御伽噺に、こんな話がある。
『神様に愛されていた薔薇の痣持ちが、運命と離れてしまって苦しみました。
それを見た神様は、その子を可哀想に思って苦しみから解放してあげようと、死なせてあげることにしたのです。
ですが、その子は神以外にも沢山の人々に愛されていました。
愛していた人々、特に運命の相手は悲しみに暮れ、心が壊れてしまいます。
それを見た神様は、自分が間違ったことをしてしまったと思いました。
もう二度と、運命のことで苦しむ人々を見たくないと思った神様は、痣持ちを誕生させるのを辞めたのです。』
これが本当に御伽噺なのかはわからない。
実際に存在した人物の話だと言われている。
歴史書に載っている、王族の婚約者がそうだったとか。
そしてその婚約者の末裔と言われているのが、今や大企業とも言われるアーバスノット魔導具商会。
その名の通り魔導具を扱う会社で、身近なものから全く気にかけないようなものまで作っている。
アーバスノット家は貴族制度があるとき、公爵家だったそうだ。
そして代々魔道具系に関する天才を多く輩出する家門。
教科書に載っている人物で言えば、
『アレクサンダー・アーバスノット』
『クリス・アーバスノット』
そしてその子供の、『ジークフリード・アーバスノット』
そしてその子供、また子供へと才能が受け継がれ、世界に誇る会社となっているのだ。
まあ、凄いよな。
俺もそんな会社で働いてみたいなぁ…。
ま、今日も配達頑張るぞー、おー。
またもや作者が書きたいだけという。
それでも良ければどうぞ~
―――――――――――――――――――――――――――
~クリスSide~
私の愛しい子が、私達の、可愛い天使が。
たった12歳で、人生の幕を閉じた。
誰も入っていない棺の中に、あの子が好きだったものを沢山入れた。
あの子が好きな、冒険譚。
あの子が好きな、ぬいぐるみ。
あの子が好きな、キラキラと輝くもの。
あの子が好きな、あの子が、好きな―――
赤い、薔薇。
薔薇を見ては白い陶器のような頬を染め、あいつを想う。
それはもう幸せそうに。
どうして。
どうして私はあいつを恨みきれないんだ。
あいつがもっと早くルカに会いに来たら、この子は、死なずに済んだのに。
だが、わかっているのだ。
あいつだけがルカを殺したのではない。
私達が、もっと早く動かなかったのが悪いのだ。
私達が、ルカを殺したのだ。
「アレク、ルカを眠らせてあげよう。」
土の中へと埋めるため、放心状態の私の唯一に声を掛ける。
だが、彼は壊れかけていて。
「ルカは、そこにいないよ?ぼくのこ、ぼくのこは、でんかのそばでねてるんだもの。
どうしてだれもいないはこをうめるの?
あのなかには、ルカのだいすきなものがたくさんあるでしょ?
あのこのところに、もっていってあげないと。」
拙い喋り方で、只管ルカは此処にいないのだと訴える。ただ、眠っているだけなのだと。
あの強く逞しい母が、こうまでなるとは。
なぁルカ…。お願いだから、帰ってきておくれ…。
何をしているのか理解できない、というふうに、私達が棺を土の中へ埋めるのをアレクはただじっと見ていた。
~ジークフリードSide~
私の愛しい弟が自死して5年。
去年、同じ魔導騎士団の者と結婚した。
伯爵家の5男で、美しいと言われる男。
私は義務感で子を成した。
あの方へ言ってしまった罪、弟が死ぬ原因を作った罪。その贖罪のため、あの子が愛したこの公爵家の存続のためだけに。
子さえ作ればもう良いだろうと思い、妻に他に男を作っても良い、そう言うと、彼は絶望した表情で。
妻は、仕事にかこつけて顔を合わせない日々が多い私に、何も言わなかった。
私の過去について、何かしら感じることがあったのだろう。
だけど。
生まれた子は、可愛いルカにそっくりだった。色味は違えど、纏う雰囲気は同じで。
赤子を見つめる妻の表情は、私の母上と変わらぬ、親の顔だった。
やっと、見えてきたのだ。ずっと私を支えてくれた妻のことが。
「すまない…、ずっと、支えてもらっていたのに…。フィル…すまない……!」
そう泣く私を、妻は優しく包み込む。
「良いんですよ。貴方の心の整理がつくまで、待っていただけですから。」
この人になら、私の罪を話しても良いだろうと思えたのだ。きっと、受け止めてくれると。
「じゃあ、ルカリオン様や王弟殿下への償いとして、この子を愛してくださいませんか。
きっと、お二方は貴方が苦しむ姿を見たくありませんから。
あの方たちはきっと、家族を顧みずに馬車馬の様に働く貴方を叱りますよ?」
そう優しく微笑んでくれて。
時が経ち、父上達は私に爵位と魔導騎士団長の座を譲って隠居した。
一時は壊れかけていた母も、今はそんな影は見られない。
隠居してどうするのかと問えば、あの子の遺品を持って、沢山の場所を旅するのだと仰っていた。
たしかに、うちは国の要だったからこそ旅行なんてものはできなかった。楽しんでもらえると嬉しいな。
天に昇ったあの子は、今も私達を見ているのだろうか。
~ミラSide~
10年前、僕の親友はたった一人で眠ってしまった。
僕のために運命を探してくれて、僕のために沢山の事をしてくれた人。
僕はヴレーヒと結婚してから、ルカが生き返る魔法を研究してきた。やり方はなんとか分かったのだ。
だけど、それには代価が必要で。
術者の子供の命が代価だった。
ならばとヴレーヒと子作りして、その1年後に長男を出産。僕が腹を痛めて産んだ子なのだから、僕がこの子の命の使い道を決めてもいいじゃないか。
そう、思ってたんだ。
「ミラ!!目を覚ましなさい……っ!私達の子をっ…!殺すな……!お願いだから…っ!」
泣いたところをみたことがなかった僕の運命。
僕の太陽が泣いている。ぼろぼろと涙を零して。
ああ、僕は己の子ではなく、僕たちの子を殺そうとしていたのか。
ヴレーヒとの子を。
「あっ……、あぁ……、ごめんなさっ……!ごめっ……ごめんなさいっ……!うぁぁっ……!ごめんなさいぃぃっ…!!!」
僕は一体何をしている。こんなこと、ルカが喜ぶわけがないのに。
その後、ひとしきり泣いて、赤子を抱き締めて。
もう、蘇生の研究はしないことにした。あれは禁忌魔法に限りなく近い。というより、完全に禁忌だ。
それからは、ヴレーヒと共に子を愛して、愛して、愛して。
僕が死んだら、ルカに褒めてもらうんだ。
『偉かったね、頑張ったよ、ミラ。』
また、親友として隣に立ちたいんだ。ヴレーヒと共に。
~???Side~
地の果てまで赤い薔薇が埋め尽くすこの場所に、私はいつからか立っていた。温かい風が吹いて、柔らかな日差しが心地よい。
ここにずっといたいなぁ、あの子と、この景色を見たいな。そんなふうに思っていた。
「ゼインッ!」
ああ、嘘だ。ずっと聞きたかった、愛おしくて仕方ない、私の唯一の声がする。
ゆっくりと振り返ると。
水晶のように美しい涙を流しながら、花がほころぶように笑い、手を降ってこちらを見るあの子がいた。
「ル、カ……?」
何故か棘のない薔薇を掻き分けて、愛しいあの子の元へと急ぐ。あの時のままの姿で、私の運命は待っていたのか。
「ぐぇっ、ふふ、ゼイン、力が強いよっ!
はぁ…久しぶりのゼインだぁ…。嬉しい…。」
もう二度と離すものかとぎゅっと抱き締め、嗚咽を堪えるが。
「ルカッ……!ルカ…!!ごめんっ!ごめんね…!!ずっと一人にして、ごめんなさい…!!いっぱい、謝らなきゃっ……!!ああっ……ああぁぁあっ…!!!」
情けないくらい大泣きしてしまって。
その間、ルカは優しく背中を擦り、首にキスを落とし、『大丈夫』『愛してる』と囁いてくれた。
「ゼイン、僕の運命。泣かないで。僕はここにいるよ。
ずっと一緒にいるから。大丈夫だよ。これからはずーっと一緒。来世も、そのまた来世も、ずっと輪廻転生し続ける限り、僕たちは一緒にいるんだから。」
腕の中で穏やかにそう言うルカ。あの頃と変わらない、エメラルドの瞳を輝かせてこちらを見る。
「ふふ、あのね?僕、ずっとゼインの側にいたんだよ?あっ、身体が、じゃなくて!ふよふよしてたのー!
壁とかすり抜けられるんだよ?それでね?みんなの子供見に行ってたりしたんだー!」
終始ニコニコしてて、いつまでも変わらないな、と微笑む。
「ねぇルカ。」
「なぁに?」
「遅れて、ごめんね。」
「んふふ、いいよ。」
「その、今、言うのは違うかもしれないのだけれど。」
「うん、どうしたの?」
「……私の妻になってください。」
片膝を立ててルカを見つめる。
この子は、大きな目をもっと大きくして、潤ませた…そう思ったら、次々と涙が。
「ルカ…?嫌、だったかい…?ルカを追い詰めてしまった私とは、もういたくない…?」
「ち、ちがっ!!追い詰められたとか思ってないし!あれは僕がおかしくなってただけなんだから!
…………その…!も、もちろんです!これからも、末永く一緒にいてください、僕の、だ、旦那様…!」
顔を真っ赤にさせて言う君が愛おしい。
もう、嫌だって言っても離れてやるものか。私からも絶対離れない。
そう思ってルカの頬に手を添え、甘い、甘い口づけをした。
これは誓いのキス。
二度とルカを悲しませない、そんな思いがこもった願いの口づけ。
「ルカ、私の運命。世界一貴方を愛しています。」
「僕も、貴方を永遠に愛しています。ゼイン。」
そうして私達は二度と離れることはなかった。
~モブSide~
『痣持ち』が生まれなくなって早数百年。
昔々の御伽噺に、こんな話がある。
『神様に愛されていた薔薇の痣持ちが、運命と離れてしまって苦しみました。
それを見た神様は、その子を可哀想に思って苦しみから解放してあげようと、死なせてあげることにしたのです。
ですが、その子は神以外にも沢山の人々に愛されていました。
愛していた人々、特に運命の相手は悲しみに暮れ、心が壊れてしまいます。
それを見た神様は、自分が間違ったことをしてしまったと思いました。
もう二度と、運命のことで苦しむ人々を見たくないと思った神様は、痣持ちを誕生させるのを辞めたのです。』
これが本当に御伽噺なのかはわからない。
実際に存在した人物の話だと言われている。
歴史書に載っている、王族の婚約者がそうだったとか。
そしてその婚約者の末裔と言われているのが、今や大企業とも言われるアーバスノット魔導具商会。
その名の通り魔導具を扱う会社で、身近なものから全く気にかけないようなものまで作っている。
アーバスノット家は貴族制度があるとき、公爵家だったそうだ。
そして代々魔道具系に関する天才を多く輩出する家門。
教科書に載っている人物で言えば、
『アレクサンダー・アーバスノット』
『クリス・アーバスノット』
そしてその子供の、『ジークフリード・アーバスノット』
そしてその子供、また子供へと才能が受け継がれ、世界に誇る会社となっているのだ。
まあ、凄いよな。
俺もそんな会社で働いてみたいなぁ…。
ま、今日も配達頑張るぞー、おー。
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