キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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高等部

174、ご機嫌なお兄様

あの後、ふらふらしながら席に着いたボク。
当たり前のようにお兄様がボクをエスコート。椅子を引いて座らせてくれました。
これだって、弟だからと思っていたのだけれど、そういう意味だったのですね!
恥かしっ!

「父上、母上。お察しの通り、クリスに了承を得ました。
クリスに想いを伝え、幸運にも生涯共に居る権利を得ることができました」

「あの、えっと、お兄様にプロポーズをされたので、お受けしました。
ボクはずっとお兄様の隣に居たいのですが、よろしいですか?」

お父様とお母様が、ギョッと目を見開きました。

「ぷ、プロポーズ?! 婚約ではなく一足飛びでそこか?! 」
「あらあらあら!まあまあまあ!」
「クリスはそれでよいのか?」
 
あれ?もう知っているものだと思っておりましたが、違ったのでしょうか?

「えっと……ダメなのでしょうか?ボクはお兄様が大好きなので!ずっと一緒に居たいです!」

お父様が「ふう」とため息をついて額にそっと手を当てました。

「……うむ。クリスの気持ちは分かった。
だが、まだクリスは未成年ゆえ、まずは婚約からにしなさい」
「そうね。お父様のおっしゃるとおりよ?結婚は成人しないとできないのよ?まずは婚約からね」

「確かに!」

言われてみれば、それはそう!
お母様たちがすぐに結婚したから、違和感ありませんでした。

「すみません。言葉が足りませんでした。もちろん結婚はクリスの成人を待つつもりです。
段階は踏みますので、ご安心を」

あ、そうだったのですね。恥ずかしいっ勘違いしてしまいました。

「じゃあ、クリスとジルが婚約、ということでいいのかしら?」

「はい!」

わあっと歓声が上がりました。
いつのまにか使用人さんたちが並んで拍手をしてくれております。

ボク担の三人も集まって満面の笑み。
ルナとマーシャは手に手を取り合ってぴょんぴょん。
本当にみんなが見守ってくれていたのですね。
恥かしいけれど、嬉しい。

「ジルベスター様、クリス様、よろしゅうございましたね……」

ジェームスが目を潤ませております。
きっとお兄様と一緒にあちこちに根回しもしてくれていたのでしょう。

「ジェームズさんは、お母様の式のときから知っていたのですか?」

ジェームズさんは「もちろん」とにっこり。

「クリス様はもちろん、ジルベスター様もとても分かりやすかったですからね。
ジルベスター様のあのようなお顔は初めてでしたから」

それにお父様まで「うむ」と同意。

「会ったばかりのクリスの膝に載せているジルの表情を見たとき、私も覚悟した。
溺愛ぶりがすさまじかったからな。とジルから申告もあったゆえ」

「そうね。私にも丁寧に許可を求めてくれたのよ?クリスが成長するまで見守らせて欲しい、って」

そんなに前から許可を!
思わず横に座るお兄様を見れば、少し照れたようにそっと目を逸らされてしまいました。

「……私も必死だったのだ」

お兄様!


こうして、何の葛藤も「ウチの子はやらん!」もなく、あっさりと婚約が認められてしまいました。
お兄様とボクはとっくの昔に「婚約者同士」に準じた扱いになっていたみたい。
なんと、お兄様とアイク様の婚約解消後すぐにアイク様からボクに婚約の打診があったのですって。

「知らない男に取られるよりは私の方がいいだろう? 私ならばジルもクリスに会いやすいぞ? 」とも言われたそう。
それを「婚約者代理」の権限で却下してくれていたらしい。

確かに「婚約者とはの打診はお断りしてください」ってお願いしていたのですが、まさかの王家からの打診があったなんて!しかもそれを断ってくれていただなんて!
あらためて、婚約者代理、すごい。お兄様の根回し、万歳です!

でも、アイク様ったらボクにまさかのそんなことをしていたのですね。ちょっとびっくり。
お兄様がダメならボクにって、ちょっとどうなのでしょうか?
まさか、「私ではどうだ?」とか「姫に」とか色々ボクに言っていたのは全部本気だったとか? 
もしも婚約を受けてしまっていたら、ミノくんが婚約者になっていたのかと思うと、複雑な気持ち。
ミノくんの記憶が戻ったのは最近だから、きっと今のアイク様にはそんな気はないはず。
そういう意味でも断ってくれていて良かった!




なんてやっているうちに、あっという間に……そう、リョウが来る時間。
今日はそもそものXデーなのでした!
すっかり忘れていました!

もうね、どうだっていいような気がします。
だってお兄様はボクのものですし。
ボクもお兄様のものですし。
お兄様はボクが幸せにするのだもの。その権利を頂いたのだもの。
どんな悪評を振りまかれようと、二人で幸せになるので問題ありません。

アイク様も話し合いのために来てくれるので、どちらかといえば、そっちの方が気にかかるくらいです。
なんだかミノくんに「推しと婚約しました!将来結婚します!」って言うの、恥ずかしい。
モブのくせに、解釈違いも甚だしいよね?
「図々しいぞ、モブのくせにっ」っていわれちゃいそうです。
でもきっとその後、「良かったね」って笑ってくれる気がします。ミノくんだもの。



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