175 / 226
高等部
174、ご機嫌なお兄様
あの後、ふらふらしながら席に着いたボク。
当たり前のようにお兄様がボクをエスコート。椅子を引いて座らせてくれました。
これだって、弟だからと思っていたのだけれど、そういう意味だったのですね!
恥かしっ!
「父上、母上。お察しの通り、クリスに了承を得ました。
クリスに想いを伝え、幸運にも生涯共に居る権利を得ることができました」
「あの、えっと、お兄様にプロポーズをされたので、お受けしました。
ボクはずっとお兄様の隣に居たいのですが、よろしいですか?」
お父様とお母様が、ギョッと目を見開きました。
「ぷ、プロポーズ?! 婚約ではなく一足飛びでそこか?! 」
「あらあらあら!まあまあまあ!」
「クリスはそれでよいのか?」
あれ?もう知っているものだと思っておりましたが、違ったのでしょうか?
「えっと……ダメなのでしょうか?ボクはお兄様が大好きなので!ずっと一緒に居たいです!」
お父様が「ふう」とため息をついて額にそっと手を当てました。
「……うむ。クリスの気持ちは分かった。
だが、まだクリスは未成年ゆえ、まずは婚約からにしなさい」
「そうね。お父様のおっしゃるとおりよ?結婚は成人しないとできないのよ?まずは婚約からね」
「確かに!」
言われてみれば、それはそう!
お母様たちがすぐに結婚したから、違和感ありませんでした。
「すみません。言葉が足りませんでした。もちろん結婚はクリスの成人を待つつもりです。
段階は踏みますので、ご安心を」
あ、そうだったのですね。恥ずかしいっ勘違いしてしまいました。
「じゃあ、クリスとジルが婚約、ということでいいのかしら?」
「はい!」
わあっと歓声が上がりました。
いつのまにか使用人さんたちが並んで拍手をしてくれております。
ボク担の三人も集まって満面の笑み。
ルナとマーシャは手に手を取り合ってぴょんぴょん。
本当にみんなが見守ってくれていたのですね。
恥かしいけれど、嬉しい。
「ジルベスター様、クリス様、よろしゅうございましたね……」
ジェームスが目を潤ませております。
きっとお兄様と一緒にあちこちに根回しもしてくれていたのでしょう。
「ジェームズさんは、お母様の式のときから知っていたのですか?」
ジェームズさんは「もちろん」とにっこり。
「クリス様はもちろん、ジルベスター様もとても分かりやすかったですからね。
ジルベスター様のあのようなお顔は初めてでしたから」
それにお父様まで「うむ」と同意。
「会ったばかりのクリスの膝に載せているジルの表情を見たとき、私も覚悟した。
溺愛ぶりがすさまじかったからな。そのつもりでいて欲しいとジルから申告もあったゆえ」
「そうね。私にも丁寧に許可を求めてくれたのよ?クリスが成長するまで見守らせて欲しい、って」
そんなに前から許可を!
思わず横に座るお兄様を見れば、少し照れたようにそっと目を逸らされてしまいました。
「……私も必死だったのだ」
お兄様!
こうして、何の葛藤も「ウチの子はやらん!」もなく、あっさりと婚約が認められてしまいました。
お兄様とボクはとっくの昔に「婚約者同士」に準じた扱いになっていたみたい。
なんと、お兄様とアイク様の婚約解消後すぐにアイク様からボクに婚約の打診があったのですって。
「知らない男に取られるよりは私の方がいいだろう? 私ならばジルもクリスに会いやすいぞ? 」とも言われたそう。
それを「婚約者代理」の権限で却下してくれていたらしい。
確かに「婚約者とはの打診はお断りしてください」ってお願いしていたのですが、まさかの王家からの打診があったなんて!しかもそれを断ってくれていただなんて!
あらためて、婚約者代理、すごい。お兄様の根回し、万歳です!
でも、アイク様ったらボクにまさかのそんなことをしていたのですね。ちょっとびっくり。
お兄様がダメならボクにって、ちょっとどうなのでしょうか?
まさか、「私ではどうだ?」とか「姫に」とか色々ボクに言っていたのは全部本気だったとか?
もしも婚約を受けてしまっていたら、ミノくんが婚約者になっていたのかと思うと、複雑な気持ち。
ミノくんの記憶が戻ったのは最近だから、きっと今のアイク様にはそんな気はないはず。
そういう意味でも断ってくれていて良かった!
なんてやっているうちに、あっという間に……そう、リョウが来る時間。
今日はそもそものXデーなのでした!
すっかり忘れていました!
もうね、どうだっていいような気がします。
だってお兄様はボクのものですし。
ボクもお兄様のものですし。
お兄様はボクが幸せにするのだもの。その権利を頂いたのだもの。
どんな悪評を振りまかれようと、二人で幸せになるので問題ありません。
アイク様も話し合いのために来てくれるので、どちらかといえば、そっちの方が気にかかるくらいです。
なんだかミノくんに「推しと婚約しました!将来結婚します!」って言うの、恥ずかしい。
モブのくせに、解釈違いも甚だしいよね?
「図々しいぞ、モブのくせにっ」っていわれちゃいそうです。
でもきっとその後、「良かったね」って笑ってくれる気がします。ミノくんだもの。
当たり前のようにお兄様がボクをエスコート。椅子を引いて座らせてくれました。
これだって、弟だからと思っていたのだけれど、そういう意味だったのですね!
恥かしっ!
「父上、母上。お察しの通り、クリスに了承を得ました。
クリスに想いを伝え、幸運にも生涯共に居る権利を得ることができました」
「あの、えっと、お兄様にプロポーズをされたので、お受けしました。
ボクはずっとお兄様の隣に居たいのですが、よろしいですか?」
お父様とお母様が、ギョッと目を見開きました。
「ぷ、プロポーズ?! 婚約ではなく一足飛びでそこか?! 」
「あらあらあら!まあまあまあ!」
「クリスはそれでよいのか?」
あれ?もう知っているものだと思っておりましたが、違ったのでしょうか?
「えっと……ダメなのでしょうか?ボクはお兄様が大好きなので!ずっと一緒に居たいです!」
お父様が「ふう」とため息をついて額にそっと手を当てました。
「……うむ。クリスの気持ちは分かった。
だが、まだクリスは未成年ゆえ、まずは婚約からにしなさい」
「そうね。お父様のおっしゃるとおりよ?結婚は成人しないとできないのよ?まずは婚約からね」
「確かに!」
言われてみれば、それはそう!
お母様たちがすぐに結婚したから、違和感ありませんでした。
「すみません。言葉が足りませんでした。もちろん結婚はクリスの成人を待つつもりです。
段階は踏みますので、ご安心を」
あ、そうだったのですね。恥ずかしいっ勘違いしてしまいました。
「じゃあ、クリスとジルが婚約、ということでいいのかしら?」
「はい!」
わあっと歓声が上がりました。
いつのまにか使用人さんたちが並んで拍手をしてくれております。
ボク担の三人も集まって満面の笑み。
ルナとマーシャは手に手を取り合ってぴょんぴょん。
本当にみんなが見守ってくれていたのですね。
恥かしいけれど、嬉しい。
「ジルベスター様、クリス様、よろしゅうございましたね……」
ジェームスが目を潤ませております。
きっとお兄様と一緒にあちこちに根回しもしてくれていたのでしょう。
「ジェームズさんは、お母様の式のときから知っていたのですか?」
ジェームズさんは「もちろん」とにっこり。
「クリス様はもちろん、ジルベスター様もとても分かりやすかったですからね。
ジルベスター様のあのようなお顔は初めてでしたから」
それにお父様まで「うむ」と同意。
「会ったばかりのクリスの膝に載せているジルの表情を見たとき、私も覚悟した。
溺愛ぶりがすさまじかったからな。そのつもりでいて欲しいとジルから申告もあったゆえ」
「そうね。私にも丁寧に許可を求めてくれたのよ?クリスが成長するまで見守らせて欲しい、って」
そんなに前から許可を!
思わず横に座るお兄様を見れば、少し照れたようにそっと目を逸らされてしまいました。
「……私も必死だったのだ」
お兄様!
こうして、何の葛藤も「ウチの子はやらん!」もなく、あっさりと婚約が認められてしまいました。
お兄様とボクはとっくの昔に「婚約者同士」に準じた扱いになっていたみたい。
なんと、お兄様とアイク様の婚約解消後すぐにアイク様からボクに婚約の打診があったのですって。
「知らない男に取られるよりは私の方がいいだろう? 私ならばジルもクリスに会いやすいぞ? 」とも言われたそう。
それを「婚約者代理」の権限で却下してくれていたらしい。
確かに「婚約者とはの打診はお断りしてください」ってお願いしていたのですが、まさかの王家からの打診があったなんて!しかもそれを断ってくれていただなんて!
あらためて、婚約者代理、すごい。お兄様の根回し、万歳です!
でも、アイク様ったらボクにまさかのそんなことをしていたのですね。ちょっとびっくり。
お兄様がダメならボクにって、ちょっとどうなのでしょうか?
まさか、「私ではどうだ?」とか「姫に」とか色々ボクに言っていたのは全部本気だったとか?
もしも婚約を受けてしまっていたら、ミノくんが婚約者になっていたのかと思うと、複雑な気持ち。
ミノくんの記憶が戻ったのは最近だから、きっと今のアイク様にはそんな気はないはず。
そういう意味でも断ってくれていて良かった!
なんてやっているうちに、あっという間に……そう、リョウが来る時間。
今日はそもそものXデーなのでした!
すっかり忘れていました!
もうね、どうだっていいような気がします。
だってお兄様はボクのものですし。
ボクもお兄様のものですし。
お兄様はボクが幸せにするのだもの。その権利を頂いたのだもの。
どんな悪評を振りまかれようと、二人で幸せになるので問題ありません。
アイク様も話し合いのために来てくれるので、どちらかといえば、そっちの方が気にかかるくらいです。
なんだかミノくんに「推しと婚約しました!将来結婚します!」って言うの、恥ずかしい。
モブのくせに、解釈違いも甚だしいよね?
「図々しいぞ、モブのくせにっ」っていわれちゃいそうです。
でもきっとその後、「良かったね」って笑ってくれる気がします。ミノくんだもの。
あなたにおすすめの小説
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
転生したら最強辺境伯に拾われました
マンスーン
BL
現代日本人・東堂裕太が目を覚ますと、そこは異世界。クズな婚約者に魔力を限界まで搾取され、ボロボロになって森に捨てられる悲惨な青年・ルカに転生していた。
死を覚悟した裕太だったが、そんな彼を拾い上げたのは、帝国最強の武力を誇り「氷の死神」と恐れられる辺境伯・ラーク。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼不定期連載となりました。
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
拾われたのはたぶん僕です 〜ポンコツ魔法使いと騎士団の平和な大事件〜
ニア。
BL
崖から落ちただけなのに、騎士団長に拾われました。
真面目に生きてきた魔法使いモーネ。
ただ薬草を採ろうとして滑落しただけなのに、なぜか王国最強の騎士団長イグラムに連れて行かれ、騎士団で暮らすことに。
しかしこの魔法使い、少しだけ普通ではありません。
回復魔法を使えば何かが増え、
補助魔法を使えば騎士団が浮き、
気づけば庭はプリンになります。
——本人はちゃんとやっています。
巻き込まれる騎士団と、なぜか楽しそうな団長。
さらに弟子や王子、ドラゴンまで加わって、騎士団は今日も平和に大騒ぎ。
これは、ポンコツ魔法使いが真面目に頑張るたびに世界が少し壊れる、騒がしくて優しいファンタジーです。