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第七章
レオリースの手紙
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そっと肩に手を置かれた。アルだ。
「あのな、俺とシルがいるから。もうミルはひとりじゃないし、家族がいるんだからな?
それを忘れるなよ?」
そうだ。前とは違う。
俺を愛してくれるシルがいる。家族だと言ってくれるアルたちがいる。俺を大切に思ってくれる仲間たちもいる。
そう思ったら、勇気が湧いた。
「……読んでくれ。知らずにいるのは嫌だ。
レオリースと野菜が俺の中では全く結びつかないんだ。シルもアルもそうだろう?
正直……レオリースの謝罪なんて想像もしていなかった。
何があったのか、俺は知りたい」
シルは「嫌になったら言えよ?」と前置きをしたうえで続きを読み上げてくれた。
「突然の野菜にお兄様はきっとおどろいていますよね?
これは僕が育てた野菜なんです……ってマジか?!」
思わず「嘘だろ?!」と叫んでしまった。
シルも驚いたようでまじまじと箱の中を見ている。
「うそだとおもうでしょう?本当なんです。
僕はいま野菜を育てています。家の周りを畑にして、毎日お世話をしているんです」
ここでアルがひとつ手に取ってこう評した。
「……確かになんだか形がいびつだな」
ということはこれは全部レオリースが作った野菜なのか?………何があった?!
「僕が悪いんだと言った男の子、彼はマックスと言って僕が毎日座っていた野原の向こうに家がありました。
毎日僕がずっと座っているのを見て、気になって見に来てくれたのだそうです。
前は僕にも友達がたくさんいました。みんな僕をかわいいといって好きだと言っていたのに、知らない人が公爵家を継ぐことになってお父様とお母様と僕の悪いうわさがひろまったら、だんだんいなくなりました。
それでも僕のことを信じてやさしくしてくれた友達もいたけれど、僕のバカな行動のせいでその友達に迷惑をかけてからは連絡もくれなくなってしまいました。
ルディも変わってしまいました。ずっとやさしくて僕が何をしても怒らなかったのに、急に冷たくなってお兄様と同じくらい勉強させるのがオンジョウだって言います。
だけれど、僕は勉強ができないのです。
本を読んだら頭が痛くなるし、がんばってもよくわからないのです。
いいわけみたいですけど、違うんです。なにをやっているのか、教科書の意味がわからないのです。
僕はほんとうに勉強にはむいていません。
マックスに、王都にはもう戻れないけど、家にも帰りたくない、貧乏も嫌だというと、マックスは呆れた顔をしました。
嫌でもなにかしなきゃ田舎でやっていけないぞ、と言われました。
『兄さんに悪いことをしたと反省したんだろう?お前が変わったことを兄さんに見てもらいたいとは思わないのか?
こんなとこでダラダラ無駄な時間を過ごしても何も変わらないぜ?頭を使いたくないから、身体を使え。動け。働け。
俺は5歳から家の仕事を手伝ってるぜ?といっても、最初は掃除くらいだったけどな。3人いる弟の面倒も見たぞ?それから畑の仕事を覚えて、今は俺の野菜で家族を養ってる。
お前にだってできる。ここで腐ってて何か変わるのか?甘えんな。親がどうしようもないならお前がやるんだよ』
嫌だっていったら「やるしかない。死にたいのか?」と叱られました。
他人なのになんでそこまで言うんだろうと思ったけれど、しぶしぶマックスの言うとおりにすることにしました。
僕と話をしてくれるのはマックスしかいないのですから、彼に嫌われたくなかったんです。
マックスは家に来て僕にそうじの仕方、ごはんの作り方を教えてくれました。
お父様もお母様も部屋にこもりっきりになって、マックスが来ても気にしませんでした。
マックスは毎日僕にいろいろ教えてくれました。
ほうきの持ち方、ごみの集め方。ほこりの払い方。
失敗しても怒りませんでした。
『慣れるまではしょうがない!だんだんうまくなるから!』って笑うんです」
ここまで読んで貰ったところで、思わず口を挟んでしまった。
「言っていいか?マックス何者だ?!凄すぎないか?ものすごくいい子だな?!
俺もレオリースに何も言わなかったわけじゃない。注意はしていたんだぞ?だがレオリースは全く聞いてくれなかった。俺のいい方が悪かったのか?!」
「第三者だからこそだろ。ここまでズバッと言ってくれるヤツなんてレオリースの周りにはいなかっただろうしな
それにレオリースも痛い目にあってひとりになったから、それでようやく話が聞けるようになったんだろ。ミルがダメだったわけじゃない。タイミングだと思うぜ?
にしてもマックス、3人も弟の面倒を見てただけあって面倒見よすぎ!会ったこともねえが俺の中で好感度スゲエわ」
シルが真剣な表情で言った。
「ウチの商会にスカウトするか?」
い、いや。マックスのおかげであのレオリースが変わりつつあるんだぞ?
レオリースから引き離したら大変なことになるじゃないか!
「と、とにかく続きを!!」
「「だな!!」」
このころには戸惑いも忘れシルも俺もアルも、手紙に釘付けだった。
「あのな、俺とシルがいるから。もうミルはひとりじゃないし、家族がいるんだからな?
それを忘れるなよ?」
そうだ。前とは違う。
俺を愛してくれるシルがいる。家族だと言ってくれるアルたちがいる。俺を大切に思ってくれる仲間たちもいる。
そう思ったら、勇気が湧いた。
「……読んでくれ。知らずにいるのは嫌だ。
レオリースと野菜が俺の中では全く結びつかないんだ。シルもアルもそうだろう?
正直……レオリースの謝罪なんて想像もしていなかった。
何があったのか、俺は知りたい」
シルは「嫌になったら言えよ?」と前置きをしたうえで続きを読み上げてくれた。
「突然の野菜にお兄様はきっとおどろいていますよね?
これは僕が育てた野菜なんです……ってマジか?!」
思わず「嘘だろ?!」と叫んでしまった。
シルも驚いたようでまじまじと箱の中を見ている。
「うそだとおもうでしょう?本当なんです。
僕はいま野菜を育てています。家の周りを畑にして、毎日お世話をしているんです」
ここでアルがひとつ手に取ってこう評した。
「……確かになんだか形がいびつだな」
ということはこれは全部レオリースが作った野菜なのか?………何があった?!
「僕が悪いんだと言った男の子、彼はマックスと言って僕が毎日座っていた野原の向こうに家がありました。
毎日僕がずっと座っているのを見て、気になって見に来てくれたのだそうです。
前は僕にも友達がたくさんいました。みんな僕をかわいいといって好きだと言っていたのに、知らない人が公爵家を継ぐことになってお父様とお母様と僕の悪いうわさがひろまったら、だんだんいなくなりました。
それでも僕のことを信じてやさしくしてくれた友達もいたけれど、僕のバカな行動のせいでその友達に迷惑をかけてからは連絡もくれなくなってしまいました。
ルディも変わってしまいました。ずっとやさしくて僕が何をしても怒らなかったのに、急に冷たくなってお兄様と同じくらい勉強させるのがオンジョウだって言います。
だけれど、僕は勉強ができないのです。
本を読んだら頭が痛くなるし、がんばってもよくわからないのです。
いいわけみたいですけど、違うんです。なにをやっているのか、教科書の意味がわからないのです。
僕はほんとうに勉強にはむいていません。
マックスに、王都にはもう戻れないけど、家にも帰りたくない、貧乏も嫌だというと、マックスは呆れた顔をしました。
嫌でもなにかしなきゃ田舎でやっていけないぞ、と言われました。
『兄さんに悪いことをしたと反省したんだろう?お前が変わったことを兄さんに見てもらいたいとは思わないのか?
こんなとこでダラダラ無駄な時間を過ごしても何も変わらないぜ?頭を使いたくないから、身体を使え。動け。働け。
俺は5歳から家の仕事を手伝ってるぜ?といっても、最初は掃除くらいだったけどな。3人いる弟の面倒も見たぞ?それから畑の仕事を覚えて、今は俺の野菜で家族を養ってる。
お前にだってできる。ここで腐ってて何か変わるのか?甘えんな。親がどうしようもないならお前がやるんだよ』
嫌だっていったら「やるしかない。死にたいのか?」と叱られました。
他人なのになんでそこまで言うんだろうと思ったけれど、しぶしぶマックスの言うとおりにすることにしました。
僕と話をしてくれるのはマックスしかいないのですから、彼に嫌われたくなかったんです。
マックスは家に来て僕にそうじの仕方、ごはんの作り方を教えてくれました。
お父様もお母様も部屋にこもりっきりになって、マックスが来ても気にしませんでした。
マックスは毎日僕にいろいろ教えてくれました。
ほうきの持ち方、ごみの集め方。ほこりの払い方。
失敗しても怒りませんでした。
『慣れるまではしょうがない!だんだんうまくなるから!』って笑うんです」
ここまで読んで貰ったところで、思わず口を挟んでしまった。
「言っていいか?マックス何者だ?!凄すぎないか?ものすごくいい子だな?!
俺もレオリースに何も言わなかったわけじゃない。注意はしていたんだぞ?だがレオリースは全く聞いてくれなかった。俺のいい方が悪かったのか?!」
「第三者だからこそだろ。ここまでズバッと言ってくれるヤツなんてレオリースの周りにはいなかっただろうしな
それにレオリースも痛い目にあってひとりになったから、それでようやく話が聞けるようになったんだろ。ミルがダメだったわけじゃない。タイミングだと思うぜ?
にしてもマックス、3人も弟の面倒を見てただけあって面倒見よすぎ!会ったこともねえが俺の中で好感度スゲエわ」
シルが真剣な表情で言った。
「ウチの商会にスカウトするか?」
い、いや。マックスのおかげであのレオリースが変わりつつあるんだぞ?
レオリースから引き離したら大変なことになるじゃないか!
「と、とにかく続きを!!」
「「だな!!」」
このころには戸惑いも忘れシルも俺もアルも、手紙に釘付けだった。
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