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第9章 ベジカフェオープン
2大商会長、来店
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次に到着したのは、デルタ商会の会長とアーチボルト商会の会長。
彼らには恩がある。
赤病の治療薬の件で、MS商会とマージェス商会に悪評が流されたとき、この2大商会がいち早く俺たちに有利になる声明を出してくれたおかげで噂を終息させることができたのだ。
あのときの彼らの声明は、俺たちの成功を妬む他の商会の悪意を抑え、風評被害を払拭するための後押しとなってくれた。「分かってくれる人がいる」ということが、どれだけ俺たちに希望を与えてくれたことか!
礼を言いに行くのを望んではいないだろうと思い礼状を出すだけに留まったが、俺は彼らに多大な尊敬の念を抱いているのである。
デルタ商会は、歴史ある商会で主に国内の家具や工芸品を多く扱う商会だ。有能な職人を多く抱えてもいるし、職人の育成にも力を入れている。デルタ商会の品は王家にも多く収められ、他国への貢ぎ物としても活用されているほど。12代目商会長のゴーンフェルト氏はまだ30代前半でありながら、誠実で質実剛健なお人柄の彼はあらゆる方面に信頼が厚い。彼が黒といえば黒となり、白と言えば白となる。それほど彼の言葉は信用されている。
一人の人としても、商会長としても尊敬できる、伝説の人なのだ。
一方、アーチボルトは新進気鋭の商会だ。主に海外からの輸入品を多く扱い、その商品は他では取り扱いのない唯一のものが多い。身分や人種関わりなく人材を雇用し、優秀な商人に育て上げることで有名だ。
彼の育てた商人が世界中に散り、そこから続々と素晴らしい品を彼の元に届けている。
人情に厚く、彼の人柄に惚れこんで有能な人間が自ら商会も門をたたくのだという。
港町の小さな商会をたった一代で大商会にした会長の名はレオナルド。穏やかでありながら豪快、繊細でありながら大胆、といういくつもの顔を持つ人物らしい。
さすが3大商会の会長。カリスマ性があり、多くの商会が目指すところは彼らなのだと言われている。
商会の基盤を領地にもち、貴族が経営するマージェス商会とは違う形の商会なのだ。
誠のデルタ、義のアーチボルト、和のマージェスと言われているらしい。
思い切って招待してみたのだが、代理人ではなく忙しい会長が自ら来てくれるとは思ってもみなかった。
嬉しい驚きだ。
なんと2大商会の会長は二人でそろって現れた。お二人はどうやら仲がいいらしい。
かっちりとスーツを着こなし、茶色の髪をオールバックに固めた真面目そうな紳士がデルタのゴーンフェルト会長、遊び心溢れるコートを翻し、赤茶の長髪を海賊のようにたなびかせたワイルドな男性がアーチボルトのレオナルド会長だろう。
対照的な二人は機嫌よく笑いあいながら来店した。
他の客の対応をアルに任せ、シルと俺の二人で会長を出迎える。
「「ようこそ、ベジカフェへ!」」
「やあ、ご招待いただきありがとう! アーチボルト商会のレオナルド・アーチボルトだ。会うのは初めてだな?」
「私はデルタ商会のゴーンフェルト・デルタ。ご招待に甘えてしまったが、良かったかな?」
こうして目の前に立つと、オーラのようなものを感じる。
底知れない包容力と力強さ。勝者のパワーのようなものがその身からあふれていた。
これが大商会を束ねる人というものか!
おじけそうになる気持ちを叱咤し、礼を尽くす。
「お会いできて光栄です。MS商会のミルリース・メディソンです。先日はお二人の出された声明に助けられました。お心遣いに心から感謝いたします」
「ようこそお越しくださいました。MS商会のシリウス・ブレインです。お二人の声明に私たちがどれだけ励まされたことか! 心よりお礼申し上げます。このベジカフェは、MS商会とマーズとで新たに立ち上げましたAMS商会が手掛ける最初のカフェとなります。心と身体によい料理を提供いたしますので、どうかごゆるりとおくつろぎ頂ければ幸いです」
胸に手をあて、正式な礼をとることで最大限の敬意を表した。
「我々はあなた方に『金に換えられない価値のあるもの』を頂きました。MS商会はこのご恩を忘れません。我々の力が必要な際はぜひお声がけください」
声明の言葉と、それに対する礼状の言葉を引用して精一杯の気持ちを伝える。
懐の大きな大先輩たちに俺たちのような若造ができることは、これくらいしかないのだから。
彼らには恩がある。
赤病の治療薬の件で、MS商会とマージェス商会に悪評が流されたとき、この2大商会がいち早く俺たちに有利になる声明を出してくれたおかげで噂を終息させることができたのだ。
あのときの彼らの声明は、俺たちの成功を妬む他の商会の悪意を抑え、風評被害を払拭するための後押しとなってくれた。「分かってくれる人がいる」ということが、どれだけ俺たちに希望を与えてくれたことか!
礼を言いに行くのを望んではいないだろうと思い礼状を出すだけに留まったが、俺は彼らに多大な尊敬の念を抱いているのである。
デルタ商会は、歴史ある商会で主に国内の家具や工芸品を多く扱う商会だ。有能な職人を多く抱えてもいるし、職人の育成にも力を入れている。デルタ商会の品は王家にも多く収められ、他国への貢ぎ物としても活用されているほど。12代目商会長のゴーンフェルト氏はまだ30代前半でありながら、誠実で質実剛健なお人柄の彼はあらゆる方面に信頼が厚い。彼が黒といえば黒となり、白と言えば白となる。それほど彼の言葉は信用されている。
一人の人としても、商会長としても尊敬できる、伝説の人なのだ。
一方、アーチボルトは新進気鋭の商会だ。主に海外からの輸入品を多く扱い、その商品は他では取り扱いのない唯一のものが多い。身分や人種関わりなく人材を雇用し、優秀な商人に育て上げることで有名だ。
彼の育てた商人が世界中に散り、そこから続々と素晴らしい品を彼の元に届けている。
人情に厚く、彼の人柄に惚れこんで有能な人間が自ら商会も門をたたくのだという。
港町の小さな商会をたった一代で大商会にした会長の名はレオナルド。穏やかでありながら豪快、繊細でありながら大胆、といういくつもの顔を持つ人物らしい。
さすが3大商会の会長。カリスマ性があり、多くの商会が目指すところは彼らなのだと言われている。
商会の基盤を領地にもち、貴族が経営するマージェス商会とは違う形の商会なのだ。
誠のデルタ、義のアーチボルト、和のマージェスと言われているらしい。
思い切って招待してみたのだが、代理人ではなく忙しい会長が自ら来てくれるとは思ってもみなかった。
嬉しい驚きだ。
なんと2大商会の会長は二人でそろって現れた。お二人はどうやら仲がいいらしい。
かっちりとスーツを着こなし、茶色の髪をオールバックに固めた真面目そうな紳士がデルタのゴーンフェルト会長、遊び心溢れるコートを翻し、赤茶の長髪を海賊のようにたなびかせたワイルドな男性がアーチボルトのレオナルド会長だろう。
対照的な二人は機嫌よく笑いあいながら来店した。
他の客の対応をアルに任せ、シルと俺の二人で会長を出迎える。
「「ようこそ、ベジカフェへ!」」
「やあ、ご招待いただきありがとう! アーチボルト商会のレオナルド・アーチボルトだ。会うのは初めてだな?」
「私はデルタ商会のゴーンフェルト・デルタ。ご招待に甘えてしまったが、良かったかな?」
こうして目の前に立つと、オーラのようなものを感じる。
底知れない包容力と力強さ。勝者のパワーのようなものがその身からあふれていた。
これが大商会を束ねる人というものか!
おじけそうになる気持ちを叱咤し、礼を尽くす。
「お会いできて光栄です。MS商会のミルリース・メディソンです。先日はお二人の出された声明に助けられました。お心遣いに心から感謝いたします」
「ようこそお越しくださいました。MS商会のシリウス・ブレインです。お二人の声明に私たちがどれだけ励まされたことか! 心よりお礼申し上げます。このベジカフェは、MS商会とマーズとで新たに立ち上げましたAMS商会が手掛ける最初のカフェとなります。心と身体によい料理を提供いたしますので、どうかごゆるりとおくつろぎ頂ければ幸いです」
胸に手をあて、正式な礼をとることで最大限の敬意を表した。
「我々はあなた方に『金に換えられない価値のあるもの』を頂きました。MS商会はこのご恩を忘れません。我々の力が必要な際はぜひお声がけください」
声明の言葉と、それに対する礼状の言葉を引用して精一杯の気持ちを伝える。
懐の大きな大先輩たちに俺たちのような若造ができることは、これくらいしかないのだから。
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