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第10章 シルとの未来
これから2
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一方、公爵への制裁を兼ねて飛び出した「メディソン商会支部」なのだが、もうすぐ稼働できそうだ。
アルが事前調査に行ってくれたところ、需要に供給がおいついていない実情だったので地元の住民にも大喜びで迎え入れられそうである。
アルも平民向け衣装やブローチなどの安価なものを置きたいというので、それならいっそ「AMS商会でいいのではないか?」と言ってみたのだが、「公爵んとこに作るんだからさ。メディソンの名の方がいいだろ」とニヤニヤしながら言われてしまった。アルもなかなか性格が悪い。
地元の店をつぶしてしまってはいけないため、今は地元との調整中だ。
軌道にのるまではマックスが手伝いに来てくれることになった。
「レオリースの畑を見ながらでよければ、手伝うぞ?弟たちが本格的に畑をやってくれるようになったんだ。俺が居ないほうが必死でやるだろうからさ。ちょっと任せてみようと思ってな」
マックスの凄いところは「人に任せることができるところ」だと思う。
というか、本当にマックスはうちに欲しい。なんならこのまま支部長をお願いしてしまいたいところだ。
レオリースはマックスに見てもらいながら畑の拡張を始めた。
敷地で育てた野菜が一定量収穫できるようになったので、新たに畑を借りて増やしたのだそうだ。
今は公爵の家をでて、畑の持ち主である老婆の家に間借りしているという。
老婆一人では畑や家事がたちゆかなくなりどうしようかと悩んでいたところだったそうで、家に住んで簡単な手伝いをする代わりに畑を無償で貸してもらえることになった。
一緒に住みながら料理を習ったり、裁縫を習ったり、色々な生活の知恵を教えて貰い、まるで祖母と孫のように仲良く暮らしているのだそうだ。
この件についてマックスは「婆ちゃんは世話好きだからなあ。レオみたいなの放っておけねえんだよ」と笑う。
「本当は自分一人で家事もできるんだけど。そんなこと言ったら一緒に住んでくれないでしょう?だから、内緒ね」ということらしい。
レオリース、いいひとと出会えてよかったな。
休みの日などは「まったく、田舎ってなんでこう年寄りばっかなの?!無理したら死んじゃうよ?!」とご近所の手伝いをして回っているらしい。
近所の人ともすっかり仲良くなり「レオちゃん」と呼ばれて可愛がってもらっているという。
貴族という枷を捨てたレオリース。甘やかされた公爵家のお坊ちゃんはもうどこにもいない。
俺がどうしてこんなに詳しいかといえば、実はレオリースはあれから定期的に野菜と手紙を送り付けてくるようになったのだ。
そこには俺への気遣いの言葉と共にレオリースの日常が書かれている。
勢いがありとても面白い。
最後に必ず「僕が勝手に書いているだけなので、返事はいりません。よんでくれるだけでいいです」と書いてある。
そろそろ返事でも書いてやろうか。
そうだな……「レオリース、元気そうだな。知っていると思うが、俺はシルと結婚したぞ?祝ってくれる気持ちがあるのなら、一度訪ねて来い」とか?
公爵は相変わらず。レオリースに見捨てられ、さすがにこれでは不味いと思ったのか、領地管理の仕事を必死でこなしはじめたようだ。残された夫人もなんとか家事をしようとしているようだが、それでも敷はみるみるさびれ、子供たちに「お化け屋敷」と呼ばれているそうだ。
なんというか、みんな落ち着くべきところに落ち着いたような気がする。
俺とシルとブランは家族に。
アルもまるで一家の一員のようにうちに出入りし、楽しく過ごしている。
休日にはマージェスの皆が来たりマージェスに行ったり。
平日は学校で学び、時間があればベジカフェによったりカフェでお茶をしたりする。
ルディはアレックス兄さんと一緒に住み始めた。
公爵家で兄さんから「領地経営を学ぶ」という名目だそうだ。
クラウスとランジェの婚約は無事に整った。今では名実共に婚約者として共に過ごしている。
といってもいつも5人でいるから今までとそう変わらないのだけれど。
たまには二人で過ごしてもいいのだぞ?
ミルフェの婚約者にも紹介してもらった。
ちょうどシルより少し下くらいの年齢だったので、シルと話が弾んでしまい、ミルフェがヤキモチを妬いた。
そんなミルフェはいかにも「女の子」という感じがしてとても可愛らしかった。
ジークの婚約者はなかなか紹介してもらえない。
「…そのうちね?」と笑うが、いつならいいんだ?
ジークは意外と囲い込むタイプなのかもしれないな。
アルが事前調査に行ってくれたところ、需要に供給がおいついていない実情だったので地元の住民にも大喜びで迎え入れられそうである。
アルも平民向け衣装やブローチなどの安価なものを置きたいというので、それならいっそ「AMS商会でいいのではないか?」と言ってみたのだが、「公爵んとこに作るんだからさ。メディソンの名の方がいいだろ」とニヤニヤしながら言われてしまった。アルもなかなか性格が悪い。
地元の店をつぶしてしまってはいけないため、今は地元との調整中だ。
軌道にのるまではマックスが手伝いに来てくれることになった。
「レオリースの畑を見ながらでよければ、手伝うぞ?弟たちが本格的に畑をやってくれるようになったんだ。俺が居ないほうが必死でやるだろうからさ。ちょっと任せてみようと思ってな」
マックスの凄いところは「人に任せることができるところ」だと思う。
というか、本当にマックスはうちに欲しい。なんならこのまま支部長をお願いしてしまいたいところだ。
レオリースはマックスに見てもらいながら畑の拡張を始めた。
敷地で育てた野菜が一定量収穫できるようになったので、新たに畑を借りて増やしたのだそうだ。
今は公爵の家をでて、畑の持ち主である老婆の家に間借りしているという。
老婆一人では畑や家事がたちゆかなくなりどうしようかと悩んでいたところだったそうで、家に住んで簡単な手伝いをする代わりに畑を無償で貸してもらえることになった。
一緒に住みながら料理を習ったり、裁縫を習ったり、色々な生活の知恵を教えて貰い、まるで祖母と孫のように仲良く暮らしているのだそうだ。
この件についてマックスは「婆ちゃんは世話好きだからなあ。レオみたいなの放っておけねえんだよ」と笑う。
「本当は自分一人で家事もできるんだけど。そんなこと言ったら一緒に住んでくれないでしょう?だから、内緒ね」ということらしい。
レオリース、いいひとと出会えてよかったな。
休みの日などは「まったく、田舎ってなんでこう年寄りばっかなの?!無理したら死んじゃうよ?!」とご近所の手伝いをして回っているらしい。
近所の人ともすっかり仲良くなり「レオちゃん」と呼ばれて可愛がってもらっているという。
貴族という枷を捨てたレオリース。甘やかされた公爵家のお坊ちゃんはもうどこにもいない。
俺がどうしてこんなに詳しいかといえば、実はレオリースはあれから定期的に野菜と手紙を送り付けてくるようになったのだ。
そこには俺への気遣いの言葉と共にレオリースの日常が書かれている。
勢いがありとても面白い。
最後に必ず「僕が勝手に書いているだけなので、返事はいりません。よんでくれるだけでいいです」と書いてある。
そろそろ返事でも書いてやろうか。
そうだな……「レオリース、元気そうだな。知っていると思うが、俺はシルと結婚したぞ?祝ってくれる気持ちがあるのなら、一度訪ねて来い」とか?
公爵は相変わらず。レオリースに見捨てられ、さすがにこれでは不味いと思ったのか、領地管理の仕事を必死でこなしはじめたようだ。残された夫人もなんとか家事をしようとしているようだが、それでも敷はみるみるさびれ、子供たちに「お化け屋敷」と呼ばれているそうだ。
なんというか、みんな落ち着くべきところに落ち着いたような気がする。
俺とシルとブランは家族に。
アルもまるで一家の一員のようにうちに出入りし、楽しく過ごしている。
休日にはマージェスの皆が来たりマージェスに行ったり。
平日は学校で学び、時間があればベジカフェによったりカフェでお茶をしたりする。
ルディはアレックス兄さんと一緒に住み始めた。
公爵家で兄さんから「領地経営を学ぶ」という名目だそうだ。
クラウスとランジェの婚約は無事に整った。今では名実共に婚約者として共に過ごしている。
といってもいつも5人でいるから今までとそう変わらないのだけれど。
たまには二人で過ごしてもいいのだぞ?
ミルフェの婚約者にも紹介してもらった。
ちょうどシルより少し下くらいの年齢だったので、シルと話が弾んでしまい、ミルフェがヤキモチを妬いた。
そんなミルフェはいかにも「女の子」という感じがしてとても可愛らしかった。
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「…そのうちね?」と笑うが、いつならいいんだ?
ジークは意外と囲い込むタイプなのかもしれないな。
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