もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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東の国

古龍さん

古龍さんに会うとは言ってもどこに行けば会えるのやら。

陛下に一応「祠のあった場所、分かります?」と聞いてみたが、元宮司が住んでいた場所しかわからないという。
それも「大体このあたり」という感じ。
護衛ブルーも同様だった。

「この地の端の海岸近くの山だとは言っていましたが……その……具体的な場所までは……」

ブリードが会っていた時は、ブリードの気配を察して向こうから氷の山辺りまですっ飛んできたらしい。

「こちらから奴の気配を追うことはできようぞ。ただ……かなり薄い。まずはその男の言っていた辺りとやらに行ってみようではないか。近づけば分かるはずだ」

「了解!
てゆーかさ、どうせなら氷の山と東国の間くらいに祠を作れば良かったのにね。その方が氷の山の被害を防ぎやすかったんじゃないの?」

「うむ。古龍は水場を好む。海に近い場所を選んだのだろう」

「へえー。そのへんもドラたちとは違うんだね」

なんというか龍の生態ってちょっと不思議。



で、そこまでゾロゾロと言ってもあんまり意味がないから、護衛ブルー、陛下、俺とゲイル、ブリードで行くことに。
公爵とキース、護衛レッドはお留守番。


俺たちが古龍さん探しに行っている間に、宰相さんたちには「冒険者サフィラス」に「トンネル掘り」の依頼を書いておいてもらうことに。
これは古龍さんのオッケーがでたら俺が一回帰ってギルドに出して、また東国にUターンしてくる。
報酬は、現物支給。
つまりは、ミソとショウユと米!!
それと交易優先交渉権。
俺の正体(王子の婚約者)をばらすのは一回帰ってレオンに確認してからの方がいいだろうから、これは一冒険者としてのお願い。
だから「冒険者が、交易?」と不思議な顔をされたけど、「王国で普通に手に入るようにしたいから」っていう理由でお願いしてみた次第。

金銭的に東国に余裕がないのは分かってるけど、これならいいでしょ?
さすがに何もなしにトンネルするわけにはいかないからね。
依頼があればやりますよ、冒険者ですから!




「ねー!大丈夫ですかあああ?」

いつもならブリードライディングするんだけど、いかんせん今日は人数が多い。
四連結電車みたいにして乗るのも微妙。
近くだしということで、ゆっくりと飛んでもらうことにして俺たちはブリードの手の上に。

俺とゲイルはいざってときに魔法があるけど、陛下とブルーは魔法が使えないからものすごくビビっていた。

「こ、こ、こ、ここに乗れと?はあ?え?私たちまでドラゴン様に?」

ブルーがその名にふさわしい顔色でブルブルと震える。ブルーなだけに。

陛下はさすがに震えてはいない。さすがだなあと思ってよく見たら……固まってる?!
その動きはまるでロボットダンスさながら。相当無理をしているようだ。

「万が一落ちたら俺とゲイルでヒールしてあげるから!」

「なんで大けがする前提なんですかあああ!その前になんとかしてくださいよおおおお!」

確かに!

「訂正!落ちる前に風魔法でびゅわーんと飛ばしてあげるから!」

「どこに?!どこに?!」

うるさいなあもう!

「とにかく、乗って!手の爪にしっかりと掴まって!」

ドンっと二人をブリードの手に乗せて上からロープでぐるぐるしておいた。
(後でキースに「鬼の所業」だと言われた。しょうがないじゃん。怖がるから落ちないようにしてあげたの!)

「着いたら外してあげるから。さあ、行って!ブリード!」

俺とゲイルは手の指にしっかりとまたがって快適ライディング。
ゲイルと空の旅なんて、ちょっといいね。えへへ。
ニコニコと俺の後ろにライディンなゲイルを振り返れば、ゲイルが何とも言えない目で俺を見ている。

「ん?ゲイル、なに?」

「いや……、うん……色々言いたいことはあるが……まあいいか」

さあ、古龍探しにれっつらごー!
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