もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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俺、またしてもお披露目会?!

俺、再びのお披露目会が少々不安になってきました。主に強火な保護者達のせいです。

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さてさて。
あれからベッタリとお兄様と一緒に過ごし、お兄様を無事に闇落ちから救い、公爵家に戻ってまいりました。


最後の仕上げとばかりに、エリアスとバイツー先生が2人して「どうやってご披露するか」の台本を作り上げた。
俺の登場から退場まで。
どうやったら効果的に頭の固い貴族の人を俺の魅力と魔力で「ひれ伏せ!」しちゃうか。
ふ、ふおん!

「うちのサフィちゃんなら、ちょおっとご挨拶しただけで十分なんだけどねー。
だって、最高に可愛いし、天使でしょ?
だけど、可愛すぎて手に入れようとする輩が出るといけないからね。
そこはしっかりと躾ておかないと」
「うんうん。わかりますうー!可愛さだけでも十分通用するとは思うんですけどお。
せっかくすんごい魔法が使えるんだから、見せつけておきたいですよねえ。
不埒な輩が指一本動かせないように」
「ええ?シュバイツ先生、話が分かる人?」
「エリアス様も、こんなに砕けたお人だなんて思いませんでしたよお!」

気があってる!
この2人、もんのすんごく意気投合していらっしゃる!!
そういえば、普段はチャラっぽいのにやるときにはやるとことか。
俺に強火なところとか。
ゆるめの言動とか。
バイツー先生ってエリアス側の人だって、出会ったとき思ったんだったあああ!
ゆるキャラ風の腹黒さん。
隠しボスキャラ的な。

この2人だけでやらせたら、大変なことになる気がする!
まともな人を投入せねば!!

「ゲ、ゲイルーーー!!!ゲイルうううううう!!!」

慌てて呼んだらば。

「どうした、サフィ!!」

どこからかゲイル参上!
来てくれた!俺のヒーロー!救世主!!

「あのね、バイツーせんせーとエリアスだけだと ふあん。
ゲイルもいっしょに ごそうだんください」

ああ、と納得顔のゲイルが加わって、3人でお披露目会のご相談。
ふう。これでひとあんし…

「いやいや!うちのサフィだぞ?何したって最高に可愛いんだから、誰でも落とせるだろ?
でも、せっかくだし、魔法はぶっ放しておこうぜ。
サフィに手を出そうなんて考えもしなくらいに、完膚なきまでに叩き潰しておかねーとな!」

いやいやいや!ゲイル?!

そうだった。普段は常識人の素晴らしいお父様なのですが、俺に関することだけは誰よりも強火でした…。

お披露目会、どんなことさせられるんだろう……。
雷魔法ドッカーンだけでよくないですか?
はい、ダメですか。りょーかいです。

え?歌?
俺、お歌うたわされちゃうの?お披露目会で?
はあ?
「聖女ですよー。聖獣が俺の眷属になりましたよー。ちなみに魔力も属性も多いですので。よろしく!」
するだけじゃなかったの?
ご挨拶でメロメロして、ドッカーンでいいでしょ?
お歌まで必要?
いきなり貴族の前でご挨拶して歌いだすって、変じゃない?
絶対的におかしいよね?

「いや、おかしくねえぞ。せっかく俺の息子が最高に可愛いんだから、自慢したい」
「うん!僕、聞いたことないんだよねえ。サフィちゃんのお歌、聞いてみたあああい!」
「サフィちゃんの天使っぷり、みんなに見せつけたいっ!」

お披露目の最初の趣旨をすっかり忘れていらっしゃる……。
マジでどうなっちゃうんだろう…。
誰かまともに進行を考えてくれる人、いないかなあ…。

最高権力者である王様!
…ダメだ。あの人も強火。
王妃様…はめっちゃノリノリな未来しか見えない…。
お兄様は…一番ダメ!最前列で手を振ってくれそうだもん!全力で俺担だもん!

ほかに…ほかに…
だ、団長!!団長さんなら!!!
いやいや、あの人は巻き込んじゃダメ!絶対!
せっかく真面目そうでカッコいいのに、この団体に入れたら染められちゃう!
守りたい、その笑顔と筋肉!
は!ミカミカは…!
……ダメだ。これ以上苦労させられない。



考えても考えても、俺の周りには強火しかいないのでした。
ゲイルたちに巻き込まれる未来しか見えぬ…。

え?公爵を忘れてないかって?
論外!
あのひとに人の心の機微なんてわかるわけないでしょー!
今は俺が赤っていえば「うむ。赤か」って頷くし、俺が黒っていえば「うむ。黒だったな」って頷いちゃう。
罪悪感がいい仕事しすぎて「サフィが正義」みたいになっちゃってるんだもん。

ん?
あれ?
それならば、いけるんでないかい?
俺の横にすえておいて、俺が「それはいや」って言えば「サフィラスが嫌と言っている、やめよう」って言ってくれそうじゃん?
おお!
公爵、一周回って最強の味方なのでは?



「こうしゃくーー!!こうしゃくーーー!!」

俺は急いで公爵を呼びに行った。

果たして公爵は…大変いい仕事をしてくださった。
俺が「お歌はやめておきましょー!」というと、ゲイルやみんなの反対を

「サフィラスが嫌がっているではないか。サフィラスのお披露目なのだ。本人が嫌がることはすべきではない」

と、鉄仮面で押し通してくれたのである。

わああああ!!拍手!!いい仕事してくれた!!
ありがとう!ありがとう!!
俺の中で過去一番に公爵の株が上がった。
といってもマイナスだったからようやく普通になったくらいだけれども。

これからはもう少し優しくしてあげよう。


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