95 / 536
俺、無双
俺、枯れ果てた大地に草をはやす
そんなおっちゃんたちが交代でやってくる俺の毎日なのですが。
最近のとんでもないしでかしにより、俺は更なるおっちゃん集団の凸を受けることになってしまうのだった。
ことの始まりは、俺がお披露目会で「髪の毛寂しい人」と名付けたおっちゃん侯爵!
ちょっと長いので以後はロンリーと呼ぶことにする。
このロンリーが訪ねてきたことから始まる。
彼は、さすがお兄様に「人情派」「人徳者」と言われるだけある、とてもよきおっちゃんだった。
お兄様が言ってた「炊き出し」ってなんのことかと聞いたらば。
ロンリーの領地には大きな川があり、昨年豪雨でその川が氾濫。領民たちの畑や家にも濁流が押し寄せ、多くの人が被災した。そんな領民のために炊き出しを行い、領地の整備を行っているんだって。
また同じことが起こらないようにしたいんだけど、どう整備したらいいのか意見が錯綜してしまって…なかなか大変らしい。おととしまではそのロンリーなところもゴージャスだったのだが、たった1年で睡眠不足とストレスとでロンリーになってしまったんだそうな。
な、なんて哀れな……!!!!
一緒に話を聞いてたゲイルが、
「まさかそんな理由だったとは…」
って、ものすごく憐れみと慈愛に満ちた表情になった。
ゲイル!じろじろロンリーのロンリー見ないの!失礼ですよ!
男にとってハゲ…いやロンリーは他人ごとではない。自分だっていつロンリーるのかわからないのだ。
ロンリーさんもさぞやつらかろう。
俺はちょっとでもなんとかなればいいな、くらいな気持ちでロンリーさんのロンリーをなでなで。
ロンリーさんはみんなのためにがんばるいい人。どうかどうか…
よみがえれ!毛根!
女神の力よ!彼の頭皮に活力を!
なーでなーでなーでなーで。
つるつるつるしゃりしゃりざりざり…
ん?ザリザリ?
すると!!
ふぁっさあああああ!!!
なんとみるみるうちにシシ髪の森が蘇ったではありませんか!!
おおおおお!!!
にょきにょきにょき、と枯れ果てた森に草が生え、森林に!
キューティクルだってとぅるんとぅるん!
ゲイルの目が極限まで見開かれた。
「お、おま…おま…それ!!それ!!!」
「………はえた?」
てへぺろ?
肩に触れる感触に、元ロンリーが恐る恐る頭に手をやる。
「?!は?!え?!えええええっ!!こ、これ!これは!!これは!!!」
言葉にならぬ声とともに、ジャバーっと目から滝のような涙が!
「私の髪が!髪が!もとに戻って……」
そのまま顔を覆って男泣きに泣く元ロンリーと、もらい泣きして自分も目元を手で覆うゲイル。
ゲイルはまだふっさふさなんだし、泣かなくていいんじゃないかな…。
元ロンはガバリと身を起こすと、バッと膝まづき俺の手を両手でしっかりと包み込んだ。
「サフィラスさま!なんとお礼を申し上げてよいものか……!!
もう……もうずっとこのままだと諦めておりました…!婚姻も断られ、このまま一人で年老いてゆくのかと…」
「侯爵ならおヨメにいきたいひといるでしょ?」
「いや、同年代にはおらず…これはもう10以上上の女性でも、と覚悟しておったのです」
そう言う顔をみたら…あれ?!このひと、若くない?!
え?ウソでしょ!おっちゃんじゃない、お兄さんじゃん!!
「こうしゃく、いくつですか?」
「私ですか?父を早くに無くしておりますので…27になります」
若かった!!ロンリーだとすっごく年を取って見えるんだね…。
26でロンリったのか…。そら可哀想だった…さぞかし辛かったことだろう…。
そら男泣きに泣くしゲイルだってもらい泣きするわ!納得!!
「こうしゃく、がんばったんだね。つらかったね。たいへんだったね」
俺はもっともっとヨシヨシしてあげた。
もう絶対に絶対にロンリーになりませんように!!ふさふさにしてあげてください!!
こうして俺は1人の素晴らしい人格者を救った。
とても良い行いであった。
のだが。
そりゃあ、ロンリーがいきなりゴージャスになったら、みんな驚くよねえ!!
ロンリーなおっちゃんがいきなりハンサムなお兄さんに戻ったら、みんな驚くよねえええ!!
そして……世の中にロンリーに苦しむ人、意外と多いんだね。
普通におっちゃんでロンリって、こそーりカツラでもって隠して生きてきた人たちが
「ローン侯爵が聖女様にお会いした後、急に蘇っていたらしい」
という噂を聞きつけ、うちの前に列をつくるようになってしまったのだ!!
(ロンリーさん、まさかのローンって家名だった!)
やらないからね?!
自然が一番!
ロンリーさんは過剰な頑張りのせいでロンリってしまったのであって、あなたたちとは違うでしょ!
いくらまってもやりませんったら!!!
最近のとんでもないしでかしにより、俺は更なるおっちゃん集団の凸を受けることになってしまうのだった。
ことの始まりは、俺がお披露目会で「髪の毛寂しい人」と名付けたおっちゃん侯爵!
ちょっと長いので以後はロンリーと呼ぶことにする。
このロンリーが訪ねてきたことから始まる。
彼は、さすがお兄様に「人情派」「人徳者」と言われるだけある、とてもよきおっちゃんだった。
お兄様が言ってた「炊き出し」ってなんのことかと聞いたらば。
ロンリーの領地には大きな川があり、昨年豪雨でその川が氾濫。領民たちの畑や家にも濁流が押し寄せ、多くの人が被災した。そんな領民のために炊き出しを行い、領地の整備を行っているんだって。
また同じことが起こらないようにしたいんだけど、どう整備したらいいのか意見が錯綜してしまって…なかなか大変らしい。おととしまではそのロンリーなところもゴージャスだったのだが、たった1年で睡眠不足とストレスとでロンリーになってしまったんだそうな。
な、なんて哀れな……!!!!
一緒に話を聞いてたゲイルが、
「まさかそんな理由だったとは…」
って、ものすごく憐れみと慈愛に満ちた表情になった。
ゲイル!じろじろロンリーのロンリー見ないの!失礼ですよ!
男にとってハゲ…いやロンリーは他人ごとではない。自分だっていつロンリーるのかわからないのだ。
ロンリーさんもさぞやつらかろう。
俺はちょっとでもなんとかなればいいな、くらいな気持ちでロンリーさんのロンリーをなでなで。
ロンリーさんはみんなのためにがんばるいい人。どうかどうか…
よみがえれ!毛根!
女神の力よ!彼の頭皮に活力を!
なーでなーでなーでなーで。
つるつるつるしゃりしゃりざりざり…
ん?ザリザリ?
すると!!
ふぁっさあああああ!!!
なんとみるみるうちにシシ髪の森が蘇ったではありませんか!!
おおおおお!!!
にょきにょきにょき、と枯れ果てた森に草が生え、森林に!
キューティクルだってとぅるんとぅるん!
ゲイルの目が極限まで見開かれた。
「お、おま…おま…それ!!それ!!!」
「………はえた?」
てへぺろ?
肩に触れる感触に、元ロンリーが恐る恐る頭に手をやる。
「?!は?!え?!えええええっ!!こ、これ!これは!!これは!!!」
言葉にならぬ声とともに、ジャバーっと目から滝のような涙が!
「私の髪が!髪が!もとに戻って……」
そのまま顔を覆って男泣きに泣く元ロンリーと、もらい泣きして自分も目元を手で覆うゲイル。
ゲイルはまだふっさふさなんだし、泣かなくていいんじゃないかな…。
元ロンはガバリと身を起こすと、バッと膝まづき俺の手を両手でしっかりと包み込んだ。
「サフィラスさま!なんとお礼を申し上げてよいものか……!!
もう……もうずっとこのままだと諦めておりました…!婚姻も断られ、このまま一人で年老いてゆくのかと…」
「侯爵ならおヨメにいきたいひといるでしょ?」
「いや、同年代にはおらず…これはもう10以上上の女性でも、と覚悟しておったのです」
そう言う顔をみたら…あれ?!このひと、若くない?!
え?ウソでしょ!おっちゃんじゃない、お兄さんじゃん!!
「こうしゃく、いくつですか?」
「私ですか?父を早くに無くしておりますので…27になります」
若かった!!ロンリーだとすっごく年を取って見えるんだね…。
26でロンリったのか…。そら可哀想だった…さぞかし辛かったことだろう…。
そら男泣きに泣くしゲイルだってもらい泣きするわ!納得!!
「こうしゃく、がんばったんだね。つらかったね。たいへんだったね」
俺はもっともっとヨシヨシしてあげた。
もう絶対に絶対にロンリーになりませんように!!ふさふさにしてあげてください!!
こうして俺は1人の素晴らしい人格者を救った。
とても良い行いであった。
のだが。
そりゃあ、ロンリーがいきなりゴージャスになったら、みんな驚くよねえ!!
ロンリーなおっちゃんがいきなりハンサムなお兄さんに戻ったら、みんな驚くよねえええ!!
そして……世の中にロンリーに苦しむ人、意外と多いんだね。
普通におっちゃんでロンリって、こそーりカツラでもって隠して生きてきた人たちが
「ローン侯爵が聖女様にお会いした後、急に蘇っていたらしい」
という噂を聞きつけ、うちの前に列をつくるようになってしまったのだ!!
(ロンリーさん、まさかのローンって家名だった!)
やらないからね?!
自然が一番!
ロンリーさんは過剰な頑張りのせいでロンリってしまったのであって、あなたたちとは違うでしょ!
いくらまってもやりませんったら!!!
あなたにおすすめの小説
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。
向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。
幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。
最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです!
勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。
だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!?
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
『教育係など誰でもできる』と私を捨てた婚約者だけが、誰にも教わらなかった
歩人
ファンタジー
頭上に才能値が見える加護を持つ伯爵令嬢セシリアは、貴族子弟の家庭教師として十年を捧げた。
「教育係など誰でもできる」——婚約者の侯爵嫡男に捨てられた翌年、異変が起きる。
宰相の息子が「セシリア先生のおかげです」と宣言し、騎士団長の娘が「戦術は先生から」と語り、
第三王子が即位演説で頭を下げた。王国の未来を作った女性が名もなき家庭教師として捨てられていたと
知ったとき——教えを拒んだたった一人の男だけが、取り残された。
継子いじめで糾弾されたけれど、義娘本人は離婚したら私についてくると言っています〜出戻り夫人の商売繁盛記〜
野生のイエネコ
恋愛
後妻として男爵家に嫁いだヴィオラは、継子いじめで糾弾され離婚を申し立てられた。
しかし当の義娘であるシャーロットは、親としてどうしようもない父よりも必要な教育を与えたヴィオラの味方。
義娘を連れて実家の商会に出戻ったヴィオラは、貴族での生活を通じて身につけた知恵で新しい服の開発をし、美形の義娘と息子は服飾モデルとして王都に流行の大旋風を引き起こす。
度々襲来してくる元夫の、借金の申込みやヨリを戻そうなどの言葉を躱しながら、事業に成功していくヴィオラ。
そんな中、伯爵家嫡男が、継子いじめの疑惑でヴィオラに近づいてきて?
※小説家になろうで「離婚したので幸せになります!〜出戻り夫人の商売繁盛記〜」として掲載しています。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。