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俺、無双
俺、枯れ果てた大地に草をはやす
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そんなおっちゃんたちが交代でやってくる俺の毎日なのですが。
最近のとんでもないしでかしにより、俺は更なるおっちゃん集団の凸を受けることになってしまうのだった。
ことの始まりは、俺がお披露目会で「髪の毛寂しい人」と名付けたおっちゃん侯爵!
ちょっと長いので以後はロンリーと呼ぶことにする。
このロンリーが訪ねてきたことから始まる。
彼は、さすがお兄様に「人情派」「人徳者」と言われるだけある、とてもよきおっちゃんだった。
お兄様が言ってた「炊き出し」ってなんのことかと聞いたらば。
ロンリーの領地には大きな川があり、昨年豪雨でその川が氾濫。領民たちの畑や家にも濁流が押し寄せ、多くの人が被災した。そんな領民のために炊き出しを行い、領地の整備を行っているんだって。
また同じことが起こらないようにしたいんだけど、どう整備したらいいのか意見が錯綜してしまって…なかなか大変らしい。おととしまではそのロンリーなところもゴージャスだったのだが、たった1年で睡眠不足とストレスとでロンリーになってしまったんだそうな。
な、なんて哀れな……!!!!
一緒に話を聞いてたゲイルが、
「まさかそんな理由だったとは…」
って、ものすごく憐れみと慈愛に満ちた表情になった。
ゲイル!じろじろロンリーのロンリー見ないの!失礼ですよ!
男にとってハゲ…いやロンリーは他人ごとではない。自分だっていつロンリーるのかわからないのだ。
ロンリーさんもさぞやつらかろう。
俺はちょっとでもなんとかなればいいな、くらいな気持ちでロンリーさんのロンリーをなでなで。
ロンリーさんはみんなのためにがんばるいい人。どうかどうか…
よみがえれ!毛根!
女神の力よ!彼の頭皮に活力を!
なーでなーでなーでなーで。
つるつるつるしゃりしゃりざりざり…
ん?ザリザリ?
すると!!
ふぁっさあああああ!!!
なんとみるみるうちにシシ髪の森が蘇ったではありませんか!!
おおおおお!!!
にょきにょきにょき、と枯れ果てた森に草が生え、森林に!
キューティクルだってとぅるんとぅるん!
ゲイルの目が極限まで見開かれた。
「お、おま…おま…それ!!それ!!!」
「………はえた?」
てへぺろ?
肩に触れる感触に、元ロンリーが恐る恐る頭に手をやる。
「?!は?!え?!えええええっ!!こ、これ!これは!!これは!!!」
言葉にならぬ声とともに、ジャバーっと目から滝のような涙が!
「私の髪が!髪が!もとに戻って……」
そのまま顔を覆って男泣きに泣く元ロンリーと、もらい泣きして自分も目元を手で覆うゲイル。
ゲイルはまだふっさふさなんだし、泣かなくていいんじゃないかな…。
元ロンはガバリと身を起こすと、バッと膝まづき俺の手を両手でしっかりと包み込んだ。
「サフィラスさま!なんとお礼を申し上げてよいものか……!!
もう……もうずっとこのままだと諦めておりました…!婚姻も断られ、このまま一人で年老いてゆくのかと…」
「侯爵ならおヨメにいきたいひといるでしょ?」
「いや、同年代にはおらず…これはもう10以上上の女性でも、と覚悟しておったのです」
そう言う顔をみたら…あれ?!このひと、若くない?!
え?ウソでしょ!おっちゃんじゃない、お兄さんじゃん!!
「こうしゃく、いくつですか?」
「私ですか?父を早くに無くしておりますので…27になります」
若かった!!ロンリーだとすっごく年を取って見えるんだね…。
26でロンリったのか…。そら可哀想だった…さぞかし辛かったことだろう…。
そら男泣きに泣くしゲイルだってもらい泣きするわ!納得!!
「こうしゃく、がんばったんだね。つらかったね。たいへんだったね」
俺はもっともっとヨシヨシしてあげた。
もう絶対に絶対にロンリーになりませんように!!ふさふさにしてあげてください!!
こうして俺は1人の素晴らしい人格者を救った。
とても良い行いであった。
のだが。
そりゃあ、ロンリーがいきなりゴージャスになったら、みんな驚くよねえ!!
ロンリーなおっちゃんがいきなりハンサムなお兄さんに戻ったら、みんな驚くよねえええ!!
そして……世の中にロンリーに苦しむ人、意外と多いんだね。
普通におっちゃんでロンリって、こそーりカツラでもって隠して生きてきた人たちが
「ローン侯爵が聖女様にお会いした後、急に蘇っていたらしい」
という噂を聞きつけ、うちの前に列をつくるようになってしまったのだ!!
(ロンリーさん、まさかのローンって家名だった!)
やらないからね?!
自然が一番!
ロンリーさんは過剰な頑張りのせいでロンリってしまったのであって、あなたたちとは違うでしょ!
いくらまってもやりませんったら!!!
最近のとんでもないしでかしにより、俺は更なるおっちゃん集団の凸を受けることになってしまうのだった。
ことの始まりは、俺がお披露目会で「髪の毛寂しい人」と名付けたおっちゃん侯爵!
ちょっと長いので以後はロンリーと呼ぶことにする。
このロンリーが訪ねてきたことから始まる。
彼は、さすがお兄様に「人情派」「人徳者」と言われるだけある、とてもよきおっちゃんだった。
お兄様が言ってた「炊き出し」ってなんのことかと聞いたらば。
ロンリーの領地には大きな川があり、昨年豪雨でその川が氾濫。領民たちの畑や家にも濁流が押し寄せ、多くの人が被災した。そんな領民のために炊き出しを行い、領地の整備を行っているんだって。
また同じことが起こらないようにしたいんだけど、どう整備したらいいのか意見が錯綜してしまって…なかなか大変らしい。おととしまではそのロンリーなところもゴージャスだったのだが、たった1年で睡眠不足とストレスとでロンリーになってしまったんだそうな。
な、なんて哀れな……!!!!
一緒に話を聞いてたゲイルが、
「まさかそんな理由だったとは…」
って、ものすごく憐れみと慈愛に満ちた表情になった。
ゲイル!じろじろロンリーのロンリー見ないの!失礼ですよ!
男にとってハゲ…いやロンリーは他人ごとではない。自分だっていつロンリーるのかわからないのだ。
ロンリーさんもさぞやつらかろう。
俺はちょっとでもなんとかなればいいな、くらいな気持ちでロンリーさんのロンリーをなでなで。
ロンリーさんはみんなのためにがんばるいい人。どうかどうか…
よみがえれ!毛根!
女神の力よ!彼の頭皮に活力を!
なーでなーでなーでなーで。
つるつるつるしゃりしゃりざりざり…
ん?ザリザリ?
すると!!
ふぁっさあああああ!!!
なんとみるみるうちにシシ髪の森が蘇ったではありませんか!!
おおおおお!!!
にょきにょきにょき、と枯れ果てた森に草が生え、森林に!
キューティクルだってとぅるんとぅるん!
ゲイルの目が極限まで見開かれた。
「お、おま…おま…それ!!それ!!!」
「………はえた?」
てへぺろ?
肩に触れる感触に、元ロンリーが恐る恐る頭に手をやる。
「?!は?!え?!えええええっ!!こ、これ!これは!!これは!!!」
言葉にならぬ声とともに、ジャバーっと目から滝のような涙が!
「私の髪が!髪が!もとに戻って……」
そのまま顔を覆って男泣きに泣く元ロンリーと、もらい泣きして自分も目元を手で覆うゲイル。
ゲイルはまだふっさふさなんだし、泣かなくていいんじゃないかな…。
元ロンはガバリと身を起こすと、バッと膝まづき俺の手を両手でしっかりと包み込んだ。
「サフィラスさま!なんとお礼を申し上げてよいものか……!!
もう……もうずっとこのままだと諦めておりました…!婚姻も断られ、このまま一人で年老いてゆくのかと…」
「侯爵ならおヨメにいきたいひといるでしょ?」
「いや、同年代にはおらず…これはもう10以上上の女性でも、と覚悟しておったのです」
そう言う顔をみたら…あれ?!このひと、若くない?!
え?ウソでしょ!おっちゃんじゃない、お兄さんじゃん!!
「こうしゃく、いくつですか?」
「私ですか?父を早くに無くしておりますので…27になります」
若かった!!ロンリーだとすっごく年を取って見えるんだね…。
26でロンリったのか…。そら可哀想だった…さぞかし辛かったことだろう…。
そら男泣きに泣くしゲイルだってもらい泣きするわ!納得!!
「こうしゃく、がんばったんだね。つらかったね。たいへんだったね」
俺はもっともっとヨシヨシしてあげた。
もう絶対に絶対にロンリーになりませんように!!ふさふさにしてあげてください!!
こうして俺は1人の素晴らしい人格者を救った。
とても良い行いであった。
のだが。
そりゃあ、ロンリーがいきなりゴージャスになったら、みんな驚くよねえ!!
ロンリーなおっちゃんがいきなりハンサムなお兄さんに戻ったら、みんな驚くよねえええ!!
そして……世の中にロンリーに苦しむ人、意外と多いんだね。
普通におっちゃんでロンリって、こそーりカツラでもって隠して生きてきた人たちが
「ローン侯爵が聖女様にお会いした後、急に蘇っていたらしい」
という噂を聞きつけ、うちの前に列をつくるようになってしまったのだ!!
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